オーディオブックの認知率は約6割、現在利用率は1割以下 1年後には利用率が3倍以上が伸びる!?【LINEリサーチ調査】

オーディオブックの認知率は約6割、現在利用率は1割以下 1年後には利用率が3倍以上が伸びる!?【LINEリサーチ調査】

LINEリサーチは、今と近未来の流行予想を目的として「オーディオブック」にかんする流行予想調査を実施し、その結果を公開しました。


「オーディオブック」の現状と認知度

「オーディオブック」は、本を朗読する音声コンテンツで、Audibleやaudiobook.jpなどの代表的なサービスがあります。月額制や聴き放題などのプランもあり、本を持ち歩く必要がないためスキマ時間を活用したり、活字が苦手な人も本の内容を楽しんだりすることができます。

「オーディオブック」の現状について調査したところ、主な結果は以下でした。

・「オーディオブック」の認知率は全体で59%

・「知っているし、利用している」という現在利用率は全体で2%

・「知っているし、以前利用していたが、いまは利用していない」を含めた利用経験率は全体で6%

「オーディオブック」の認知率は、全体で6割弱でした。男女別で比較すると、男女ともに59%で同率という結果に。年代別では10~20代のほうが30~50代よりも高い認知率で、もっとも高いのは10~20代男性で67%となりました。

「知っているし、利用している」という現在利用率は全体で2%、「知っているし、以前利用していたが、いまは利用していない」を含めた利用経験率は全体で6%となっています。男女ともに利用経験率は低いものの男性のほうがやや高く、10~20代男性では11%でした。現在利用率では、男女、年代別で大きな差はみられませんでした。

どのくらいの人が利用していそう?~現在の流行体感~

「オーディオブック」を利用している人が、現在身の回りにどれくらいいると思うかを想像して答えてもらったところ、「オーディオブック」の流行体感スコア(=100人中どのくらいの人が利用していそうかをスコアとして算出した数値)は全体で「5.9」で、およそ17人に1人が利用しているイメージを持たれていることがわかります。

男女別では大きな差はなく、年代別にみると、女性は30~50代よりも10~20代のほうが若干高めのスコアとなっています。

1年後はどうなるか~近未来の流行予想~

「1年後、自分のまわりでどのくらいの人が利用していると思うか」を想像して答えてもらったところ、「オーディオブック」の流行予想スコアは全体で「20.7」で、およそ5人に1人が1年後に利用していそうというイメージ。現在の流行体感から比較すると、1年後には今の約3倍以上浸透しているというイメージになります。

男女別にみると、女性のほうが男性に比べてスコアが若干高くなっていました。年代別では、男女ともに年代による差はみられませんでした。どの層でも、現在よりも流行していくと予想しているようです。

※グラフにある流行予想スコアは、100人中どのくらいの人が1年後に利用していそうかを算出した数値です。


「オーディオブック」を半数くらいの人が利用していそう/ほぼ誰も利用しないであろう、それぞれの意見をご紹介します。

■流行予想として「半数くらいの人が利用していそう」と思う人の意見

「時間を有効に使えるので、この先も需要が高まってくると思う」(18歳/男性)

「最近、テレビCMなどでもオーディオブック関連のCMが流れていて、徐々に利用者が増えていくと思うから」(19歳/男性)

「コンテンツの充実や、学習教材としての定着があるのかもしれないと思いました。主に若い世代の利用が増えそうです」(31歳/女性)

「本を買わなくてもよく、朗読してくれるので、特に年配の人にオススメだから」(43歳/男性)

「現在知っている限りは若い人が利用している様に思うが、自分が今興味を持っているということは、同年代の人も多く活用するのではないかと考えて」(59歳/女性)

■流行予想として「ほぼ誰も利用しないであろう」と思う人の意見

「個人的な意見だが、書籍を音で聞くメリットがあまりないと思うから。デジタル化の時代だが、オーディオブックではなく普通に電子書籍がメジャーだと思う」(18歳/女性)

「聞くよりも読むほうが自分のペースでかみ砕けるため内容を理解しやすく記憶にも残りやすい印象があり、また聞くなら本よりも音楽を優先する人が多そうだから」(21歳/男性)

「音楽と違い聞き流しができない分『ながら』での使用が難しいと思っているのでそこまで浸透しないと思っている」(39歳/男性)

「数年前からオーディオブックって言葉は知っていたけど、まわりや家族でも使っていると聞いたことがないから」(44歳/女性)

「若い人は便利で使うかもしれませんが、年配者はそもそも使い方がわからず不安」(58歳/女性)

自分は利用してみたいか?~今後の利用意向~

今後の利用の意向について回答してもらったところ、利用意向がある人の割合(「ぜひ利用してみたいと思う」「機会があれば利用してみたいと思う」の合計)は全体で29%となりました。

全体でみると女性のほうが男性よりもやや高めの割合です。年代別では、男女ともに10~20代のほうが30~50代よりも利用意向がある人の割合が高くなっていました。

一方、利用意向がない人の割合(「あまり利用してみたいと思わない」「まったく利用してみたいと思わない」の合計)は、全体で47%でした。

「オーディオブック」の利用意向がある人/ない人、それぞれの意見をご紹介します。

■「利用意向あり」の人の意見

「移動時間に車酔いせず本の内容を知ることができるから」(18歳/女性)

「何かほかのことをしながら本の内容を耳から取り入れられると、時間を有効活用できそうだと思ったから」(23歳/男性)

「活字で読むのとは違う楽しみを味わってみたい。また、オーディオブックならではの作品との出会いがありそうだから」(27歳/女性)

「声優さんが朗読しているような本はオーディオブックならではの価値があると思うため」(38歳/男性)

「読書が好きなのだが眼精疲労がひどく頭痛になることが多いので、そう言う時は読んでもらうのもよいのかなと時々思うから」(53歳/女性)

■「利用意向なし」の人の意見

「音声で聞くより自分で読んだほうがはやく、また何かしながらで聞いても頭に入ってこないから」(19歳/男性)

「文字を読むほうが情報が頭に入るし、気になったところを戻って読めるから」(29歳/女性)

「どの場面で使用すればよいかわからない」(37歳/女性)

「読書は紙媒体(あるいは電子書籍)で、気になったところに印をつけておきたいから」(37歳/男性)

「文字のほうが主人公や憧憬がイメージしやすい」(55歳/男性)

「オーディオブック」は今より3倍以上伸びる!?

2023年9月21日時点、「オーディオブック」の認知率は59%、現在利用率は2%でした。

流行体感としては、“およそ17人に1人が利用している”イメージを持たれているようです。そして、今から1年後には、現在の3倍以上にあたる“およそ5人に1人くらいが利用していそう”というイメージを持たれています。

男女年代別にみると、利用意向は男性よりも女性のほうが高く、年代別では10~20代が高くなっていました。また、流行体感スコアでは、大きな差は見られませんでしたが、女性10代~20代が、30~50代に比べ若干高い傾向となりました。

1年後の流行予想スコアでは、女性のほうが男性に比べてスコアが若干高くなりましたが、年代別で大きな差はみられませんでした。


「オーディオブック」は、全体で6割弱の人が認知していますが、現在利用している人は2%にとどまっています。「時間を有効に使える」「声優の朗読は本と異なる価値がある」といった意見がみられる一方で、「文字で読むほうがわかりやすい」「何かをしながら聴くのは頭に入らない」といった声もありました。

調査概要

LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の18~59歳男女
実施時期:2023年9月21日~2023年9月25日
有効回収数:2110サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります

出典元:LINEリサーチ

引用:https://lineresearch-platform.blog.jp/archives/43507587.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


マーケティング

関連する投稿


コンテンツマーケティングでAI活用をしていると企業は約半数!AIとの付き合い方とは?【Coadex調査】

コンテンツマーケティングでAI活用をしていると企業は約半数!AIとの付き合い方とは?【Coadex調査】

株式会社Coadexは、コンテンツマーケティングを実践している企業の広報担当者及びコンテンツマーケティングを実践していないが、興味がある企業の広報担当者を対象に、「コンテンツマーケティングにおけるAI活用の実態」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


ABEMA、番組の文脈に合ったシーンに広告を配信する 「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」を商品化

ABEMA、番組の文脈に合ったシーンに広告を配信する 「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」を商品化

株式会社サイバーエージェントは、「ABEMA(アベマ)」にて「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」を正式な広告商品「ABEMA Contextual Sponsored(コンテクスチュアル スポンサード)」として商品化し、2025年4月29日より提供開始することを発表しました。


アイスタイル、美容業界のデータドリブンな意思決定を支援する「データドリブンソリューション」を提供開始

アイスタイル、美容業界のデータドリブンな意思決定を支援する「データドリブンソリューション」を提供開始

株式会社アイスタイルは、美容業界のデータドリブンな意思決定を支援する新事業「データドリブンソリューション」を提供開始したことを発表しました。


Z世代の約8割が「SNSのまとめコンテンツ」を活用!サーチエンジン検索は"買い物に失敗しないための下調べに利用【ファストマーケティング調査】

Z世代の約8割が「SNSのまとめコンテンツ」を活用!サーチエンジン検索は"買い物に失敗しないための下調べに利用【ファストマーケティング調査】

ファストマーケティング株式会社は、Z世代(15歳〜29歳)の男女を対象に「Z世代の消費行動に関するSNS利用の実態調査【2025年版】ファッション・コスメ編」を実施し、結果を公開しました。


生成AIの認知度は横ばいで推移も利用率は1年間で9.0ポイント上昇【GMOリサーチ&AI調査】

生成AIの認知度は横ばいで推移も利用率は1年間で9.0ポイント上昇【GMOリサーチ&AI調査】

GMOリサーチ&AI株式会社は、同社が保有する国内モニターパネル「JAPAN Cloud Panel(ジャパンクラウドパネル)」のモニターを対象に、「AIトレンドに関する自主調査」を実施し、結果を公開しました。


最新の投稿


コンテンツマーケティングでAI活用をしていると企業は約半数!AIとの付き合い方とは?【Coadex調査】

コンテンツマーケティングでAI活用をしていると企業は約半数!AIとの付き合い方とは?【Coadex調査】

株式会社Coadexは、コンテンツマーケティングを実践している企業の広報担当者及びコンテンツマーケティングを実践していないが、興味がある企業の広報担当者を対象に、「コンテンツマーケティングにおけるAI活用の実態」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


ABEMA、番組の文脈に合ったシーンに広告を配信する 「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」を商品化

ABEMA、番組の文脈に合ったシーンに広告を配信する 「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」を商品化

株式会社サイバーエージェントは、「ABEMA(アベマ)」にて「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」を正式な広告商品「ABEMA Contextual Sponsored(コンテクスチュアル スポンサード)」として商品化し、2025年4月29日より提供開始することを発表しました。


トランプ政権下のASEANと日本企業

トランプ政権下のASEANと日本企業

トランプ関税のニュースが、もはや日常となりつつあります。しかし、関税だけがトランプ政権の注目すべき政策ではなく、その他多くの課題にも隈なく注視していく必要があります。本稿では、前バイデン政権時からも話題となっていたグローバルサウスとの関係に、どのようにトランプ政権は対峙するのか、トランプ政権下のASEANを意識した場合、日本企業はどのようなことを考えておくべきか、国際政治学者としてだけでなく、地政学リスク分野で企業へ助言を行うコンサルティング会社の代表取締役でもある和田大樹氏が解説します。


Z世代の約8割が「SNSのまとめコンテンツ」を活用!サーチエンジン検索は"買い物に失敗しないための下調べに利用【ファストマーケティング調査】

Z世代の約8割が「SNSのまとめコンテンツ」を活用!サーチエンジン検索は"買い物に失敗しないための下調べに利用【ファストマーケティング調査】

ファストマーケティング株式会社は、Z世代(15歳〜29歳)の男女を対象に「Z世代の消費行動に関するSNS利用の実態調査【2025年版】ファッション・コスメ編」を実施し、結果を公開しました。


Oisixとnoshの動向を調査!新生活の忙しい若者には宅配食+αがおすすめ

Oisixとnoshの動向を調査!新生活の忙しい若者には宅配食+αがおすすめ

最近、外食やテイクアウト、簡単に調理できる食品など、新しい食事スタイルを提供するサービスが人気を集めています。本記事では多くの人に利用されているOisixとnoshに焦点をあてながら、デリバリーサービスや自炊との比較を交え、現代の人々の食生活のトレンドを分析します。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ