スキマバイトとは
スキマバイトとは、どのような働き方を指すのでしょうか。スキマバイトサービス「タイミー」は、スキマバイトに近い働き方である「ギグワーク」「スポットワーク」について、以下のように説明しています。
ギグワークとは、単発で仕事を請け負う、企業に属さない新しい働き方のことです。
スポットワークとは、企業と働き手が雇用契約を結んだギグワーク、言わば日雇いのことです。タイミーでの働き方もスポットワークに該当します。
「タイミー」の公式ホームページによると、単発で最短1時間から働くことができる求人もあります。ギグワークやスポットワークであれば、「スキマ」時間を使って効率よくお金を稼ぐことができます。
以上に基づき本記事では、ギグワークのなかのスポットワークに該当する働き方を「スキマバイト」としています。
「タイミー」「シェアフル」「メルカリ ハロ」の利用者数
スキマバイトアプリの利用者数はどのようになっているのでしょうか。
■「タイミー」「メルカリ ハロ」が先に1000万人を突破
「タイミー」「シェアフル」「メルカリ ハロ」のサービス開始時期は以下の通りです。
タイミー:2018年8月
シェアフル:2019年2月
メルカリ ハロ:2024年3月
参考:
サービス開始5周年を記念した企画を開始!〜第一弾としてこれまでのタイミーの歴史を振り返るインフォグラフィックスを公開〜|ニュース|株式会社タイミー(Timee,Inc.)
【プレスリリース】『シェアフル』、サービス開始5周年!スキマバイトのロールモデルを表彰する「ベストマッチアワード」を開催 | 【シェアフル公式】スキマバイト、単発・短期バイト探すなら|履歴書不要
スキマバイトサービス「メルカリ ハロ」、サービス開始から1年弱で登録者数1,000万人を突破 | 株式会社メルカリ
各アプリの年間のユーザー数(起動者数)は以下の通りです。ここからのアプリの分析には、毎月更新されるデータを用いて、検索キーワードやWebサイトのユーザー分析ができる、株式会社ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を用います。

図:「タイミー」、「シェアフル」、「メルカリ ハロ」のユーザー数
期間:2024年4月~2025年3月
デバイス:スマートフォン
各アプリのユーザー数で見ると、「シェアフル」が年間3170万人と最も多い数字となっています。「シェアフル」に次いで「タイミー」、少し人数の差が開いて「メルカリ ハロ」という順番となっています。
その他、登録ワーカー数、アプリダウンロード数の公式のデータは下記の通りです。
タイミー:登録ワーカー数1,000万人以上(2024年12月時点)
シェアフル:アプリダウンロード数950万以上(2025年4月時点)
メルカリ ハロ:登録者数1,000万人以上(2025年2月時点)
参考:
スキマバイトサービス「タイミー」累計ワーカー数1,000万人を突破|ニュース|株式会社タイミー(Timee,Inc.)
【シェアフル公式】スキマバイト、単発・短期バイト探すなら|履歴書不要
スキマバイトサービス「メルカリ ハロ」、サービス開始から1年弱で登録者数1,000万人を突破 | 株式会社メルカリ
「メルカリ ハロ」はサービス開始から1年弱というスピードで登録者数1,000万人を突破しています。
■併用されがちなスキマバイトアプリ。「シェアフル」は例外?
「タイミー」「シェアフル」「メルカリ ハロ」の併用状況を見てみましょう。
「シェアフル」利用者のみ、他アプリ「タイミー」「メルカリ ハロ」と併用していない人が過半数になっています。しかし「タイミー」「メルカリ ハロ」利用者の6~7割は併用しているとわかります。

図:「タイミー」(上)、「シェアフル」(中)、「メルカリ ハロ」(下)から見た他アプリ併用状況
期間:2024年4月~2025年3月
デバイス:スマートフォン
シェアフルでは併用ユーザーが多くない結果となりましたが、いくつかのスキマバイトアプリを併用しながら自分の都合に最もあったアルバイトを探しているユーザーが一定いることがわかります。
スキマバイトアプリ利用者の年代は様々
「タイミー」「シェアフル」「メルカリ ハロ」の利用者にはどのような違いがあるのでしょうか。
■アプリごとに年齢層が異なる
まず、3つのアプリの利用者の年代割合を見ていきましょう。年代ごとに、最も割合の高いアプリが異なります。

図:「タイミー」(青)、「シェアフル」(オレンジ)、「メルカリハロ」(緑)の利用者年代割合
期間:2024年4月~2025年3月
デバイス:スマートフォン
「タイミー」は20~40代、「シェアフル」「メルカリ ハロ」は40~50代の割合が他より高くなっています。
■ドライバーバイトアプリに比べて偏りがない
働き方が似ているフードデリバリーサービスのドライバーバイトアプリと比較してみましょう。分析では「タイミー」「シェアフル」「メルカリ ハロ」を含めたスキマバイトアプリ利用者と、「Uber Driver」「出前館Driver」「Wolt配達パートナーアプリ」を含めたドライバーバイトアプリ利用者で比較しています。
スキマバイトアプリ利用者とドライバーバイトアプリ利用者の性年代を見てみると、後者が特徴的な結果になっています。

図:スキマバイトアプリとドライバーバイトアプリの利用者の性別割合(左)、年代割合(右)
期間:2024年4月~2025年3月
デバイス:スマートフォン
ドライバーバイトは体力を使う特性からか、男性・若者の利用者数が多いようです。一方、スキマバイトの性年代はネット利用者全体に近い結果になっています。
スキマバイトアプリのヘビーユーザーは40~50代
スキマバイトアプリのヘビーユーザーを分析していきましょう。分析には、Web行動データとアンケートデータを用いた分析を行える、株式会社ヴァリューズの分析ツール「Perscope」を用います。
今回は、Perscopeのカスタムセグメント機能を用い、月あたりの起動日数(※)別に分析を行います。本記事では、月あたりの起動日数が5日以下の対象者を「ライトユーザー」、11日以上の対象者を「ヘビーユーザー」としています。
※月あたりの起動日数 = 年間起動日数 / 年間起動月数
「タイミー」「シェアフル」「メルカリ ハロ」のヘビーユーザーは、40代の割合が最も高くなっています。2番目は、3つのアプリ全てで50代という結果です。

図:「タイミー」(左)、「シェアフル」(中)、「メルカリ ハロ」(右)のヘビーユーザー(青)とライトユーザー(赤)の年代割合
期間:2024年1月~12月
デバイス:スマートフォン
それでは、スキマバイトアプリを高頻度で使う40~50代について詳しく見ていきましょう。
■子どもあり世帯がスキマバイトを活用
スキマバイトアプリヘビーユーザーの40~50代の同居家族を見てみると、ネット人口全体と比較して、末子が小学生・中学生・高校生の子どもがいる割合が高くなっています。

図:「タイミー」(青)、「シェアフル」(赤)、「メルカリ ハロ」(緑)のヘビーユーザー(40~50代)の同居家族
期間:2024年1月~12月
デバイス:スマートフォン
短い時間でも働くことのできるスキマバイトの特性を活かし、子どもが学校に通う時間にスキマバイトをしているのかもしれません。
■スキマバイトで多くの職種を経験
スキマバイトアプリヘビーユーザーの40~50代の消費行動タイプを見てみましょう。
3つのアプリ全てで「体験重視型(※)」の割合がネット人口全体より高くなっています。
※体験重視型:商品購入やサービス契約自体よりもその買い物自体の過程を楽しむ
お金を稼ぐ過程で多くの職種を体験できるスキマバイトの特性が好まれているのかもしれません。

図:「タイミー」(青)、「シェアフル」(赤)、「メルカリハロ」(緑)のヘビーユーザー(40~50代)の消費行動タイプ
期間:2024年1月~12月
デバイス:スマートフォン
また、「メルカリ ハロ」利用者は「ブランド志向型(※)」に高い数値が出ています。
※ブランド志向型:有名ブランドの信頼性やステータスを重視し、高価格なものでも選ぶ
「メルカリ ハロ」利用者は「メルカリ」併用率が高いので、スキマバイトで稼いで「メルカリ」でのブランド品購入に充てているのかもしれません。もしくはスキマバイトでの収入と「メルカリ」での売却益をブランド品の購入に充てている可能性も考えられます。
まとめ
今回は、「タイミー」「シェアフル」「メルカリ ハロ」利用者の分析をしました。
後半では株式会社ヴァリューズの分析ツールPerscopeの新機能を用いて、月あたりの起動日数が11日以上のヘビーユーザーに絞って分析しました。すると、利用者全体の分析では見えてこなかった年代に着目することができました。
新しい働き方として広まりつつあるスキマバイト。スキマバイトによるユーザーの行動や価値観の変化に、今後も注目です。
2026年4月に入社予定の大学4年生です。法学部法律学科で、主に環境法について学んでいます。
趣味は旅行と日本舞踊です。