検索エンジンの「一強時代」に変化の兆し!?Google検索の利用率は依然トップも、SNS・動画・生成AIとの併用が進む【メディアリーチ調査】

検索エンジンの「一強時代」に変化の兆し!?Google検索の利用率は依然トップも、SNS・動画・生成AIとの併用が進む【メディアリーチ調査】

株式会社メディアリーチは、検索・情報収集に関するユーザー行動の変化を捉えるため「検索エンジン・生成AI・SNSを利用した検索行動に関するアンケート調査」を実施し、結果を公開しました。


検索エンジンは依然主流だが、「使い分け」が浸透─動画・SNS・AIの選択肢が拡大

Google検索(62.1%)とYouTube(53.9%)が高い利用率を誇る中、X(旧Twitter)やInstagram、ChatGPTなどもそれぞれ1〜4割のユーザーに活用されています。

特に20代以下では、TikTokやInstagramを検索・情報収集に使う割合が高く、10代女性ではTikTok(56%)がGoogle(66%)と並ぶ勢いを見せた。生成AIも全体で1割程度が使用しており、今後の普及の可能性が感じられる結果となりました。

ツール選定理由としては、「使い慣れているから(61.9%)」「操作が簡単(45.9%)」「すぐに見つかる(45.7%)」が上位に並び、「信頼性の高さ(18.7%)」は比較的下位に。これは、検索エンジンが信頼性ではなくUXと習慣で選ばれていることを意味しており、生成AIなど新興ツールの台頭余地を示唆しています。

年代・性別別の傾向

・10代女性ではTikTok(69.0%)、Instagram(63.0%)、X(61.0%)などSNSの利用率が非常に高く、Google検索(66.0%)とほぼ同等に使用されている。

・20代女性でもSNSの活用が際立ち、TikTok(51.0%)、Instagram(57.0%)、X(45.0%)の順に多く、YouTube(56.0%)とGoogle検索(41.0%)も高水準。

・30代男性はYouTube(61.0%)とGoogle検索(61.0%)の併用傾向が強く、Instagram(47.0%)やChatGPT(10.0%)も目立つ。

・40代男性ではGoogle(70.0%)が最多だが、X(41.0%)、YouTube(59.0%)なども高く、複数チャネルを併用。

・60代男性では検索エンジン偏重が顕著で、Google検索(68.0%)、Yahoo!(65.0%)が主流、SNSやAIの使用は限定的。

目的別に広がる検索チャネルの使い分け─“最適な情報源”がツールを選ばせる時代へ

検索目的によって、検索チャネルの使い分けが明確になっています。ニュースや店舗探しなど日常的な情報は検索エンジンが主流である一方、専門的な知識・学習分野では生成AIの利用が比較的高く、趣味・エンタメ領域ではSNSやYouTubeが検索の代替手段として存在感を示しています。

特に「比較・検討」や「お店検索」では、SNSや動画も補完的に使われており、ユーザーは情報の種類と目的に応じて複数のチャネルを組み合わせる検索行動へと移行していることがうかがえます。

年代・性別別の傾向

・10代〜20代女性ではSNS(X、Instagram、TikTok)を検索目的で利用する傾向が際立ち、特に「お店・施設検索」「趣味・エンタメ」での使用率が非常に高い(TikTok:10代女性69%、20代女性51%)

・YouTubeは30〜40代男性の比較・検討や学習目的での使用率が高く、情報収集チャネルとして存在感を示す(30代男性:42%、40代男性:42%)

・30代〜40代男性は、仕事・学習目的での生成AI活用率が10〜20%に達しており、ChatGPTやGeminiの業務利用が先行。

・高年齢層(50〜60代)は、ほぼすべての目的で検索エンジンの使用が他世代より高く、SNS・AI利用率は低水準。

・YouTubeは30〜40代男性の比較・検討や学習目的での使用率が高く、エンタメ層だけでなく情報収集層にも広がりつつある。

“検索の信頼”は依然Google、AIは懐疑の眼差し─信頼性で選ばれる情報チャネルの構造

最も信頼されている情報収集ツールは、依然としてGoogle検索(51.5%)であり、Yahoo!検索(24.3%)、YouTube(7.9%)が続く。一方で、生成AIの各ツール(ChatGPT、Geminiなど)はいずれも1%前後と低水準にとどまっています。

また、生成AIに対する信頼性評価では「どちらともいえない(41.1%)」「あまり信頼できない(18.5%)」「全く信頼できない(6.1%)」を合わせると約66%が懐疑的・未定評価を示しており、技術的進歩に対してユーザーの信頼形成が追いついていない実態が浮かび上がりました。

年齢別では、50代・60代では「信頼できない」比率が20%超と高く、対照的に30代男性では「やや信頼できる」が30%以上と高水準で、世代ごとに温度差が存在しているようです。

年代・性別別の傾向

・30代男性では「非常に信頼できる(15%)」「やや信頼できる(31%)」を合わせた信頼層が46%となり、全世代中でもっとも高い評価を示した。

・20代女性・男性ともに「やや信頼できる(33%)」「非常に信頼できる(10〜17%)」が高く、若年層では生成AIに対する前向きな評価が比較的目立つ。

・一方で40代以降では「どちらともいえない」が最多回答となり、特に60代女性では53%にのぼる。判断を保留する傾向が顕著に見られる。

・50代・60代では「信頼できない」層も2割前後おり、慎重・懐疑的な姿勢が根強い。例えば50代女性は「あまり信頼できない(15%)」「全く信頼できない(4%)」の合計が19%を占める。

・10代女性では「やや信頼できる(33%)」が最も多い一方、「非常に信頼できる」は9%にとどまり、生成AIに対する評価はまだ定まりきっていない様子がうかがえる。「非常に信頼できる」の比率が低下し、60代男性では4%、女性でも8%にとどまる。(20〜30代)は「どちらともいえない」が最多で、使用経験と評価のギャップが見られる。

調査概要

調査名:検索エンジン・生成AI・SNSを利用した検索行動に関するアンケート
実施日:2025年4月9日
回答数:1,200件(全国、18〜65歳、性別均等)
調査方法:オンラインアンケート調査(単純集計+年代・性別クロス集計)
調査元:株式会社メディアリーチ
※「複数回答可」の質問は、合計は100%を超える場合があります。

出典元:株式会社メディアリーチ

引用:https://mediareach.co.jp/blog/digital-search-behavior-2025

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

【関連記事】ChatGPTの登場で検索行動はどう変化した?「検索離れ」の5つの要因

https://manamina.valuesccg.com/articles/4146

世間ではさまざまな「〇〇離れ」が話題になっています。その一つに、「検索離れ」があります。この記事では、実際に検索離れが起きているのか、検索ワードごとで変化に違いがあるのか、そして検索行動が変わった要因について、2022年からの3年間のデータを分析していきます。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

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