SNS広告が新たな購買行動のきっかけになった人は約7割!ストーリー形式の広告に対する評価が上昇傾向【PRIZMA調査】

SNS広告が新たな購買行動のきっかけになった人は約7割!ストーリー形式の広告に対する評価が上昇傾向【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、SNS広告で購入経験がある全国のZ世代(15〜27歳)、Y世代(28〜42歳)、X世代(43〜58歳)の方を対象に、「2025年最新版 SNS広告の購買行動調査」を実施し、結果を公開しました。


Instagramは依然高水準、TikTokはZ世代でやや減少傾向に

SNSの利用傾向を前年の同社調査結果と比較してみると、全体的に大きな流れは変わらないものの、注目すべき微細な変化がいくつか見られました。

2025年調査

2024年調査

「どのSNSをよく閲覧しますか?」という質問について、2025年は『Instagram(61.2%→61.16%)』が横ばいでトップを維持し、『YouTube(62.3%→62.3%)』も安定しています。

一方、『Facebook(20.9%→24.96%)』『TikTok(33.9%→37.0%)』は全体でやや上昇したものの、Z世代に限っては『TikTok(33.9%→33.97%)』とほぼ変化がなく、伸びが鈍化しています。また『X(旧Twitter)』はZ世代で『57.4%→52.5%』と減少傾向にあり、若年層のSNS利用がやや分散・飽和傾向にあるとも読み取れます。

一方、X世代では『LINE(61.4%→55.1%)』が減少、『Facebook(24.6%→29.3%)』がやや上昇し、“連絡・共有型”SNSの再評価が見られるのも興味深い点です。

コンテンツの主役は引き続き「有名人・娯楽」、Z世代でトレンド関心が上昇

続いて、「普段、SNSで最もよく閲覧するコンテンツは何ですか?」と質問したところ、SNSで閲覧されているコンテンツの傾向にも、前年からの変化が見られました。

2025年調査

2025年も最上位は『インフルエンサーや有名人の投稿(53.0%→51.7%)』『動画や音楽(50.4%→49.4%)』とエンタメ性の高い内容が中心ですが、Z世代で『ファッション・美容(35.4%→47.3%)』が大幅増加。トレンド情報への感度がさらに高まっている様子がうかがえます。

また『料理・レシピ』は全年代で微増し、特にX世代で『34.8%→39.5%』と、“生活に活かせる情報”ニーズの強まりも確認できます。

娯楽性の維持と並行して、SNSは“実用メディア”としての役割も強めていることが見て取れる結果といえそうです。

「漫画広告」人気はY世代で上昇、Z世代ではやや伸び悩み

また、「つい見てしまう広告の形式は何ですか?」と質問したところ、全体的に『動画広告』の強さは維持されつつも、Z世代での視聴率が『58.9%→50.2%』とやや減少しました。

2025年調査

2024年調査

代わって『ストーリー形式(34.9%→42.4%)』が増加しており、より「物語性」や「瞬時の引き込み」が求められていると考えられます。

Y世代では『漫画広告(39.1%→39.1%)』が横ばいながらも根強い支持を得ており、「読む楽しさ」と「広告」の中間にある形式が引き続き評価されているようです。

X世代では『動画広告(66.2%→70.7%)』がさらに増加しており、「視覚で理解できる」広告の有効性が一段と高まっている点にも注目が必要です。

購買につながる広告形式は「動画広告」が2年連続トップに

SNS広告が購買行動にどう影響しているか、その具体的な広告形式の効果を2年比較で見てみましょう。

「SNS広告経由で商品購入する場合、どの広告形式からの購入が多いですか?」と尋ねたところ、2025年・2024年ともに『動画広告(2025年:52.5%→2024年:55.9%)』が最多となり、次いで『ストーリー形式の広告(32.9%→26.2%)』『漫画広告(23.4%→24.4%)』『ショッピング広告(24.6%→27.6%)』『静止画広告(17.1%→14.6%)』と続きました。

2025年調査

2024年調査

上位に挙げられた項目のうち、『動画広告』は依然として安定した効果を示しており、「見てすぐ理解できる」訴求力が購買に直結する形式として定着していることが分かります。

注目すべきは、『ストーリー形式』が前年から6ポイント以上上昇しており、物語性や“続きが気になる”構造の広告が購買導線として機能し始めている点です。一方で『ショッピング広告』は微減し、『漫画広告』はほぼ横ばいにとどまりました。

Z世代では『ストーリー形式(30.1%→32.7%)』がやや増加した一方、『漫画広告(31.6%→22.4%)』が減少しており、短編的で感情に訴える広告が引き続き一定の評価を受ける中でも、"読む"行為そのものへのハードル感が影響を与えている可能性があります。

今後は、動画を基軸にしながらも、ストーリー的要素を掛け合わせたハイブリッド型広告への移行が進むと予測されます。

また、年齢層によって“信頼できる伝え方”の形式が異なるため、広告のバリエーションは一層戦略的に設計する必要があるでしょう。購買に直結する“見せ方”は、単に新しいものではなく、「伝えたい価値が、正しく届くかどうか」に尽きるといえそうです。

SNS広告による“新たな需要喚起”は引き続き約7割が経験

商品購入の意図についても調査しました。

「購入した商品はSNS広告で見る前から買う予定はありましたか?」と質問したところ、広告に接触する前から購入予定がなかった層は前年・今年ともに約7割で、SNS広告が“新たな購買行動のきっかけ”として機能していることが明確に示されています。

2025年調査

2024年調査

特に、Z世代の『買う予定はなかった(23.4%→21.0%)』は微減しており、事前興味層の比率が上昇。
商品に関心はあるが検討段階だった層を、広告が後押ししている様子がうかがえます。

X世代では入予定はなかった(33.3%→29.8%)』が微減、代わりに『商品に興味はあった(51.7%→43.9%)』が減少しており、購入の決め手として広告がより強く作用している構図が浮かび上がります。

印象に残る広告は「商品そのものの魅力」と「世界観」の融合

最後に、本年度の新たな設問として「最近“いいな”と思ったSNS広告で、印象に残っている点は何ですか?」と質問したところ、最も多かったのは『商品そのものの魅力(48.3%)』で、Z世代~X世代まで高い割合を記録しました。

次いで『デザインや世界観(26.4%)』『映像や音楽の印象(24.8%)』『口コミや実体験(19.7%)』など、感覚的な要素と実感の両立が支持されていることがわかります。

2025年調査

一方、『インフルエンサー登場(15.0%)』『ストーリー性への共感(12.6%)』といった演出面は限定的で、「商品+伝え方」のバランスが問われている様子がうかがえます。

この傾向から、広告で伝えるべきは「感動」よりも「納得と関心」。過剰演出ではなく、商品の本質的価値を魅力的に届けることが、最も信頼されるコミュニケーションになっているといえるでしょう。

変わる“選ばれる広告”の条件、鍵は「共感より納得」に

2025年の調査結果と2024年との比較から、SNS広告の役割とユーザーの受け止め方に変化が見られました。
InstagramやYouTubeの高い利用率は続く一方で、Z世代のTikTokやX(旧Twitter)の利用は横ばい〜減少傾向にあり、SNSの使い分けが世代ごとに明確になっています。

コンテンツ面では、Z世代の「ファッション・美容」への関心が大幅に上昇。
X世代では「料理・レシピ」など実生活に役立つ情報ニーズが強まるなど、SNSが“実用メディア”としての役割を拡大しています。
広告形式は引き続き動画が強いものの、ストーリー形式の評価が上昇。
漫画広告は世代間で好みが分かれる傾向にあります。

購入行動においては、約7割が「広告を見るまで購入予定はなかった」と回答し、SNS広告が新たな需要を創出する力を持っていることが明らかに。
一方で、「長すぎる」「繰り返し表示される」といった不快要素も引き続き指摘されており、ユーザーにストレスを与えない設計が求められています。

今後は、「納得できる情報を、適切な形式で、適切な場に届ける」ことがより一層重要になります。
共感よりも“分かりやすさ”と“信頼感”が購買を動かす時代へ。
SNS広告の効果を最大化するためには、世代別の特性を理解し、最適なアプローチを選ぶことが鍵になるでしょう。 

調査概要

【調査テーマ】2025年最新版 SNS広告の購買行動調査
【調査期間】2025年5月15日(木)~16日(金)
【調査方法】PRIZMAが提供する調査PR「PRIZMA」によるインターネット調査
【調査対象】SNS広告で購入経験がある全国のZ世代(15〜27歳)、Y世代(28〜42歳)、X世代(43〜58歳)の方
【調査人数】621名(各世代約200名ずつ)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

出典元:株式会社PRIZMA

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000077.000149156.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
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