筋トレ目的だけじゃない!ウェルネスの観点からプロテインが人気に
ここ数年アメリカにおいて、プロテインを摂ることがますます重要視されてきています。
プロテインは日本語でタンパク質のことを指し、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などに含まれる栄養素です。普段の食事以外のプロテインの摂取方法として粉末タイプのものは日本でもよく知られています。
プロテイン商品は特に身体の筋肉量を増やすことなどを目的に利用されてきましたが、現在アメリカでは、ウェルネスの観点でより幅広い人が日常生活で摂取を心がけているようです。
米非営利団体IFIC(International Food Information Council)の調査(※)によると、2024年には回答者の71%がプロテインを摂取するように努めていると回答。2022年の59%、2023年の67%と比較すると年々プロテインへの関心が高まっていることがうかがえます。
(※)
2024 IFIC Food & Health Survey
https://ific.org/wp-content/uploads/2024/06/2024-IFIC-Food-Health-Survey.pdf
2024年3月の調査。18〜80歳のアメリカ人3,000人が対象。
米シリアルブランドCheerios(チェリオス)のプロテイン配合シリアル
出典:Adobe Stock
健康志向のトレンドに応え、プロテイン配合商品の多様化が進む
プロテイン人気の背景には、コロナ禍以降の健康意識の高まりや、SNSによる影響があると言われています。
TikTokでは、高タンパク食材と言われているカッテージチーズやギリシャヨーグルトを使ったレシピや、プロテインをコーヒーに混ぜたProffee(プロフィー)を紹介する動画などが話題となりました。
プロテインのニーズの高まりを受け、より身近で気軽にプロテインを摂取できる商品も増加しています。例えばプロテイン配合の冷凍ピザ、アイスクリーム、ヨーグルト、スナック菓子などが挙げられます。食料品メーカーや、飲食店チェーンが展開する商品は各社様々です。
また、このトレンドに目をつけた有名人が考案した商品も続々と発表され、注目を集めています。カーダシアン家のクロエ・カーダシアンはKhloud(クラウド)というポップコーンブランドを立ち上げ、俳優のパトリック・シュワルツェネッガーはMosh(モッシュ)という自身のブランドでプロテインバーを販売しています。
クロエ・カーダシアンのポップコーンブランドKhloud(クラウド)
このように需要の増加とプロテイン配合商品の多様化によって、プロテインを日常的に摂取することがますます注目を集めています。
SNSで話題のプロテイン入りコーヒー「Proffee(プロフィー)」とは
コーヒーにプロテインパウダーを混ぜるProffeeは、TikTok上で多くのフィットネス系インフルエンサーに紹介され知られるようになりました。
昨今の機能性飲料の需要拡大とも連動しており、普段飲んでいるドリンクにプラスアルファの栄養を組み込みたいというニーズに合致するものと言えるでしょう。
自宅で作るレシピだけでなく、コーヒーチェーン店においてもプロテイン入りドリンクの販売は拡大しています。
スターバックスのProffee(プロフィー)カスタマイズ例
アメリカとカナダのスターバックス店舗では、2025年9月末よりプロテイン配合のコールドフォームやミルクのカスタマイズ取り扱いを開始しました。
コールドフォームは約15gのプロテインを、プロテイン配合ミルクは通常のラテと比べて12〜16gのプロテインを増やすことができるとのこと。カスタマイズ次第でプロテイン入りのラテを気軽に楽しむことができます。
また来年2026年には、スターバックス店舗のカスタマイズオプションとしてだけではなく、スーパーやコンビニで新たなプロテインドリンク商品の販売も予定されています。
他にも、米コーヒーチェーン店Dutch Bros(ダッチブロス)では、2024年初め時点ですでにプロテイン配合ラテを展開しており、好調な売上をあげています。
このようにアメリカではライフスタイルに取り入れやすい形のプロテイン配合商品が増加し、プロテインのさらなる消費拡大が期待されています。
【マナミナ編集部考察】日本でも「手軽さ」と「多様性」が鍵に?広がりを見せるプロテイン市場の未来
アメリカでプロテイン摂取がウェルネスへと広がり、ポップコーンやコーヒーといった多様な商品に配合される動きは、今後の日本市場を考える上で重要です。
日本でも健康意識の高まりや高齢化を背景に、日常的なタンパク質摂取の重要性は増しています。既にプロテイン商品は身近ですが、アメリカのように「普段の生活動線上で、意識せずプロテインをプラスできる」という手軽さと多様性が、今後の市場拡大の鍵となるかもしれません。
特に、日常的に消費されるコーヒーやスナック菓子、冷凍食品といった分野でのプロテイン配合商品の増加や、飲食店での高タンパク質オプションの導入は、日本においても今後、一つのトレンドとなる可能性を秘めていると言えるでしょう。
【参考】
https://www.cnbc.com/2025/07/22/protein-craze-general-mills-pepsico-kraft-heinz.html?&qsearchterm=protein
https://www.cnbc.com/2025/08/09/restaurants-starbucks-smoothie-king-first-watch-protein.html
https://www.allrecipes.com/protein-trend-2025-11727473
https://www.today.com/food/drinks/starbucks-protein-drinks-cold-foam-rcna234566
https://about.starbucks.com/stories/2025/starbucks-new-protein-lattes-and-cold-foam-drinks-now-available/









大学ではポルトガル語と言語学を学び、常に様々な外国文化や言語に興味がありました。
海外情報に関する記事を通じて、何かヒントに繋がる新たな視点や面白い発見をお届けできればと思います。