約6割がAI検索の影響を実感——「すでに影響が出ている」層は成果実感も84.6%
AI検索(Google AI Overviews、AIモード、ChatGPT、Perplexityなど)が自社コンテンツに与えている影響を尋ねたところ、「すでに影響が出ている」と「一部で影響を感じている」の合計は、B2Bで約61%、B2Cで約63%と、いずれも約6割がAI検索の影響を体感しています。
さらに注目されるのは、AI検索による影響認識とコンテンツマーケティングの成果の相関です。B2BではAI検索が自社コンテンツに与える影響について「すでに影響が出ている」と答えた層(13名)のうち「コンテンツマーケティングでビジネス上の成果をあげている」と答えたのは84.6%と高い水準。
AI検索の影響を早期に認識し対応している企業ほど、コンテンツマーケティングの成果につながっている傾向が明確に表れています。
一方、「よくわからない・判断できない」層の成果実感はB2B 60.0%、B2C 85.8%と差があり、AI検索への感度を高め、自社コンテンツへの影響を把握・対応していくことが今後の成果向上につながると考えられます。
最も実感されている影響は「検索流入・訪問数の減少」—— 一方で「認知向上」も約1割
AI検索の影響として特に実感していることを尋ねたところ、最多は「検索流入・訪問数が減少した」(B2B 13名、B2C 12名)で、AI検索によるトラフィック減少が広く体感されています。
一方、「自社の情報がAIに引用・要約され、認知が向上した」と回答した層もB2B 9名、B2C 7名おり、この層のコンテンツマーケティングにおけるビジネス上の成果実感はB2B 66.7%、B2C 57.2%と比較的高い水準にあります。
AI検索をリスクとして捉えるだけでなく、AIに引用・参照されやすいコンテンツ設計を意識することが、AI検索時代における成果向上につながると考えられます。
「一次情報の強化」より「Q&Aナレッジ型」が成果実感で20ポイント超の差
現在行っている、または優先的に検討しているAI検索対策を複数選択で尋ねたところ、取り組み企業数が最多だったのは「一次情報・専門知見の強化」(B2B 17名、B2C 19名)でした。しかし、この対策でのコンテンツマーケティングにおけるビジネス上の成果実感はB2B 64.7%、B2C 63.2%にとどまっています。
取り組み企業数は少ないものの、「Q&Aナレッジ型コンテンツの導入・強化」(B2B 8名、B2C 8名)では成果実感がB2B 87.5%、B2C 75.0%と、一次情報強化の取り組みを20ポイント以上上回る結果となりました。
例えば「〇〇とは?」という解説記事より、「〇〇と△△の違いは?」「〇〇はどんな会社に向いている?」のような、読者が実際に検索しそうな一歩踏み込んだ問いに答える形式のコンテンツが、AI検索時代には有効に機能している可能性があります。
また「従来のSEOの継続・強化」でもB2C 80.0%と高い成果実感が見られ、AI検索対策と従来SEOは二者択一ではなく、併用が有効と考えられます。
追加対策への意向は8割超——B2Bは「緊急度」、B2Cは「計画性」が成果に直結
今後AI検索への追加対策を行う意向について尋ねたところ、「強く意向がある(できるだけ早く着手したい)」「ある程度意向がある(数か月以内に検討)」の合計はB2B 80.5%、B2C 82.7%と、8割超が前向きな姿勢を示しています。
B2Bでは「強く意向がある」層(13名)の、コンテンツマーケティングにおけるビジネス上の成果実感が76.9%であるのに対し、「ある程度意向がある」層(16名)は50.1%と約27ポイント差があり、対策への緊急度の高さが成果実感と明確に連動しています。
一方、B2Cでは「強く意向がある」層(7名)の成果実感が57.2%にとどまる一方、「ある程度意向がある」層(17名)が70.5%と逆転しています。B2Cでは焦って着手するより、計画的に取り組む姿勢が成果実感につながっている可能性があり、事業形態によって最適な対応スピードが異なることが示唆されています。
経年比較で見えてきた変化——プラットフォームの「逆転」と生成AIツールの台頭
同社が実施した2023年調査・2024年調査の過去2回との比較では、今回AI検索への対応以外にも注目すべき変化が見られました。
■成果実感は約6割で安定——「定着フェーズ」への移行を示す
コンテンツマーケティングでビジネス上の成果をあげていると回答した層(「非常に」+「ある程度」あてはまる)は、B2B 61.1%(22名)、B2C 58.6%(17名)と、いずれも約6割が成果を実感しています。
2024年のB2B 約65%からは微減ですが、2023年からの推移を見ると高水準での安定が続いており、コンテンツマーケティングが「お試し」ではなく「定着・成熟フェーズ」であることを示していると考えられます。
一方で「どちらでもない」以下がB2B 38.9%、B2C 41.4%と約4割を占めており、成果実感の底上げは引き続き業界全体の課題と言えます。
■メインCMSの首位逆転:SaaS型→インストール型へ
メインプラットフォームとして使っているCMSについて、B2Bでは「インストール型CMS(WordPressなど)」が30.6%(11名)で首位となり、前年首位だった「SaaS型CMS」(27.8%・10名)を逆転しました。B2Cでも同様にインストール型が37.9%(11名)で最多です。
この変化は、企業が「自社でコントロールできる基盤」を重視し始めたことを示唆しています。AI検索時代において、プラットフォームへの依存リスクを下げ、コンテンツの所有権と柔軟性を確保しようとする動きと見ることができます。
■B2BのメインチャネルがEメール→オウンドメディアへ逆転
オーガニックチャネルの活用状況では、B2Bで「オウンドメディア(企業サイト・ブログなど)」が44.6%(29名)で首位となり、前年首位の「Eメール」27.7%(18名)を大きく上回りました。B2Cは引き続き「SNS」36.9%(24名)が首位を維持しています。
B2Bにおけるオウンドメディア回帰の背景には、メール到達率の低下やAI検索時代における「検索で見つかるコンテンツ」の重要性の再認識があると考えられます。
■テキスト生成AIツールがB2Bの主要ツールに
テクノロジー活用では、B2Bで「テキスト生成AIツール」が29.2%(19名)と、「アクセス解析ツール」(50.8%・33名)に次ぐ2位に浮上しました(B2C 13.8%・9名)。前回調査ではまだ少数派だったAIツールが、わずか1年で主要ツール群に食い込んだ格好です。B2BとB2Cの差(約15ポイント)は、AI活用の浸透度に事業形態による大きな差があることを示しています。
■予算は「堅実維持」フェーズへ——ただしB2Bで二極化が進む
2026年度のコンテンツマーケティング年間予算は、B2B・B2C共に「100万円未満」が最多(各41.7%・15名、41.4%・12名)で、「500万円未満」までで約7割を占めます。一方でB2Bでは1000万円以上の層が合計約30%を占めており、「低予算で手探り」層と「本格投資」層の二極化が顕著になっています。
予算増加意向については「変化なし」がB2B 75.0%、B2C 79.3%と約8割を占め、「増えそう」はそれぞれ約1割にとどまっています。広告予算からの振り替えも限定的で、コンテンツマーケティングへの投資は積極的な拡大よりも「現状維持・堅実運用」フェーズにあることが示されています。
■外注トレンドがB2BとB2Cで逆方向に
外注状況では、B2Bが63.9%(23名)と前年の約70%から約6ポイント低下し、内製化が進んでいます。一方B2Cは75.9%(22名)と前年の約70%から上昇しており、B2BとB2Cで外注への依存度が逆方向に動いていることが今回の特徴的な発見のひとつです。
外注内容ではB2B・B2C共に「コンテンツ制作」が最多ですが、B2Cでは「編集」「SEO対策」が僅差で続き、複数の領域に外注が分散している傾向が見られます。B2Bでは専門性の高い特定業務への絞り込みが進む一方、B2Cでは制作から配信・最適化まで幅広く外部リソースを活用するスタイルが定着しつつあります。
■ 少人数精鋭チームの定着——「2〜5名」が最多、増員の動きは限定的
専任メンバー数は「2〜5名」が最多(B2B 41.7%・15名、B2C 44.8%・13名)で、「0名(専任なし)」もB2B 27.8%(10名)、B2C 27.6%(8名)と約3割を占めており、少人数で運営する体制が完全に定着しています。
直近12か月のメンバー数変化では「変わらない」がB2B 61.1%、B2C 69.0%と最多で、増員の動きは限定的です。体制の安定を維持しながら、安易な増員よりも効率化とツール活用で成果を上げるスタイルが、今後のスタンダードになっていくと考えられます。
調査概要
調査名:コンテンツマーケティング・サーベイ 2025(CM-SURVEY 2025)
調査期間:2025年11月18日〜2026年1月31日
調査対象:コンテンツマーケティング業務に関係するビジネスパーソン
有効回答数:B2B版:36名、B2C版:29名(合計65名)
調査手法:インターネットによるアンケート調査
主な調査項目:コンテンツマーケティングの成果、チーム体制と外注、コンテンツ制作と拡散、指標とビジネスゴール、予算と費用、生成AI・AI検索への対応 など
レポート公開:2026年3月31日公開
出典元:株式会社日本SPセンター
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