定番スイーツ「シュークリーム」への関心が上昇
昔から親しまれてきた定番スイーツであるシュークリームは、現在どの程度注目されているのでしょうか。検索データから見てみましょう。
ここでは、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用います。
まず、シュークリームの検索者数推移を見てみましょう。
2025年5月〜7月の検索者数は198,100人だったのに対し、2026年の同期間には239,300人となり、前年同期比で約20%増加しています。
図:「シュークリーム」検索者数推移
調査対象:PC&スマートフォン
調査期間:2024年8月~2026年7月
検索データから、定番スイーツであるシュークリームへの関心が改めて高まっていることがわかります。
では、シュークリームを検索しているのは、どのような人なのでしょうか。検索者の性別、年代、居住地域をもとに、関心層の特徴を見ていきましょう。
女性が約7割、30〜50代が中心。検索者の特徴は?
まずは、シュークリーム検索者の性別を見ていきましょう。
シュークリーム検索者は、女性が約7割を占めていることがわかりました。一方、男性も約3割を占めており、男女を問わず一定の関心を集めています。
図:「シュークリーム」検索者の性別
調査対象:PC&スマートフォン
調査期間:2025年8月~2026年7月
続いて、シュークリーム検索者の年代分布を見てみると、30〜50代が中心となっています。
図:「シュークリーム」検索者の年代
調査対象:PC&スマートフォン
調査期間:2025年8月~2026年7月
特に40代と50代の割合が高く、ネット利用者全体と比べても、30〜50代の割合が上回っています。検索者の年代が一部の若年層に偏らず、30〜50代を中心に分布していることから、シュークリームが幅広い世代に定着したスイーツであることがうかがえます。
最後に、シュークリーム検索者の居住地域を見ていきましょう。
検索者数では関東地方が最も多いものの、ネット利用者全体と比較すると、近畿地方の割合がやや高い点が特徴的です。
図:「シュークリーム」検索者の居住地域
調査対象:PC&スマートフォン
調査期間:2025年8月~2026年7月
近畿地方には、大阪で誕生したビアードパパや、1924年に大阪で創業したヒロタなど、シュークリームで広く知られるブランドがあります。こうした関西発祥ブランドが身近に存在することも、地域の関心に影響している可能性があります。
掛け合わせワードから見る注目ブランド
続いて、「シュークリーム」と一緒に検索されている掛け合わせワードを見ていきましょう。
図:「シュークリーム」検索の掛け合わせワード
調査対象:PC&スマートフォン
調査期間:2025年8月~2026年7月
上位には、ビアードパパやヒロタといった専門店・老舗ブランドに加え、ファミマやローソンなどのコンビニ、菓子専門店チェーンのシャトレーゼが並びました。
検索上では、専門店・老舗ブランドだけでなく、コンビニや菓子専門店チェーンにも関心が寄せられています。ここからは、上位5ブランドの特徴と直近の商品展開を見ていきます。
■シュークリーム専門店・老舗ブランドが検索上位に
掛け合わせワードで1位となったのは「ビアードパパ」でした。シュークリーム専門店としての認知が高く、「シュークリームといえばビアードパパ」と想起されやすいブランドと考えられます。
また、定番商品に加え、期間限定商品やコラボ商品も継続的に展開されています。2026年9月1日発売予定の「月見シュー」は、公式サイトによると、前年に完売店舗が相次いだ商品です。こうした限定商品が、販売中の商品や期間、店舗などを確認する検索のきっかけになっている可能性があります。
4位には「ヒロタ」がランクインしました。ヒロタは1924年創業の老舗洋菓子ブランドで、2024年に創業100周年を迎えています。
100周年にあわせて、ロゴやブランドイメージ、商品パッケージ、ユニフォームを一新したほか、定番の4個入りシュークリームではクリームを増量しました。
ビアードパパが期間限定商品などで新しさを打ち出す一方、ヒロタは、100年を超える歴史を持つ老舗ブランドとして、昔から親しんできた消費者の関心も集めていると考えられます。
このように、シュークリーム専門店は商品や店舗を目的として検索されやすく、販売中の商品、店舗の場所、営業時間などを調べる行動が、検索者数の多さにつながっている可能性があります。
■コンビニ各社もシュークリームを強化
続いて、コンビニ各社の動きを見てみましょう。
ファミリーマートは、シュークリーム専門店のビアードパパに次いで2位にランクインしました。「ファミマ シュークリーム」の検索者数は、2026年5月に大きく増加しています。
図:「ファミマ シュークリーム」検索者数推移
調査対象:PC&スマートフォン
調査期間:2025年8月~2026年7月
この時期、ファミリーマートでは「絶品シュークリーム大集(シュー)合!」が開催されました。2026年5月12日から、売上上位の定番シュー2品をリニューアルするとともに、「ザクほろシュー」と「もちむにシュー」という新食感商品2品を発売しました。
定番商品のリニューアルと新食感商品の発売が重なったことで、商品への関心が高まり、検索者数の増加につながった可能性があります。
6位のローソンは、2026年の「盛りすぎチャレンジ」でシュークリームを増量対象商品として展開しました。2月17日発売の「盛りすぎ!大きなツインシュー」では、価格を151円に据え置き、2種類のクリームを50%増量しています。クリーム量の変化が見た目や食べ応えに表れやすいことも、シュークリームが増量企画と相性のよい理由と考えられます。
過去のマナミナ記事でも、増量キャンペーンはお得感だけでなく、見た目のインパクトや新商品を試すきっかけとして機能する可能性を紹介しています。
【関連記事】なぜ「コンビニ増量キャンペーン」は全世代に支持されるのか。お得さ"以外"の魅力とは
https://manamina.valuesccg.com/articles/5112近年、コンビニ各社では価格据え置きで内容量を増やす「増量キャンペーン」が相次いで実施されています。物価高が続く中、分かりやすいお得感を訴求できる施策として、消費者からの関心も高まっているようです。一方で、増量キャンペーンは単なる節約ニーズだけでなく、新商品や話題性への関心とも結びついている可能性があります。本記事では、検索データや行動データをもとに、コンビニ各社の取り組みと関心者の特徴を分析し、増量キャンペーンが支持される背景を探ります。
ファミマは「食感」、ローソンは「増量」と、切り口は異なりますが、両社とも定番のシュークリームに分かりやすい新しさを加えています。身近なコンビニで気軽に試せることも、商品への関心や検索を促していると考えられます。
■シャトレーゼは100円台の手頃さを訴求
専門店やコンビニと並んで上位に入ったのが「シャトレーゼ」です。なかでも「ダブルシュークリーム 北海道純生クリーム」は、税込108円という手頃な価格で販売されています。
ダブルシューを100円台で購入できる手頃さは、日常のお菓子として選ぶうえで強い訴求になります。菓子専門店としての品質感がありながら日常的に買いやすいことが、シャトレーゼ独自の強みと考えられます。
シュークリームが長く選ばれる理由とは?
モンテールの「スーパー・コンビニ スイーツ白書 2026」によると、スーパーやコンビニで普段よく買うスイーツの1位はシュークリームで、回答率は70.2%でした。調査開始以来、19年連続で1位となっています。
参考:株式会社モンテール「スーパー・コンビニスイーツ白書」
長く選ばれている背景の一つとして考えられるのが、スイーツへのプチ贅沢需要です。
株式会社ヴァリューズが2023年に行った「スイーツプチ贅沢調査」では、回答者全体の85%が何らかのプチ贅沢を実施しており、実施内容の1位は「スイーツ・お菓子」でした。スイーツが選ばれる理由として多く挙げられたのが、手頃な価格で贅沢な気分を味わえることです。
シュークリームは、コンビニやスーパーの手頃な商品から、専門店の素材や製法にこだわった商品まで、選択肢が豊富です。身近な店舗で気軽に購入でき、予算や気分に応じて選べることが、長く親しまれている背景の一つと考えられます。
まとめ
検索データから、定番スイーツであるシュークリームへの関心が改めて高まっていることがわかりました。検索者は女性が約7割を占め、年代では30〜50代が中心となっています。
掛け合わせワードには、ビアードパパやヒロタといった専門店・老舗ブランドだけでなく、ファミマ、ローソン、シャトレーゼも上位に入りました。各社は、限定フレーバー、新食感、クリームの増量、手頃な価格など、それぞれ異なる切り口で商品の魅力を打ち出しています。
身近な店舗で気軽に購入でき、予算や気分に応じて選べるシュークリームは、日常のおやつにもプチ贅沢にもなる存在です。長く親しまれてきた定番としての安心感に、各社が新たな魅力を加え続けていることが、現在の関心の高まりにつながっているのではないでしょうか。







2027年4月に入社予定の大学4年生です。
スポーツ健康科学部で、スポーツマーケティングを専攻しています。