シニアのWeb利用と購買行動に関するセミナーレポート

シニアのWeb利用と購買行動に関するセミナーレポート

日本の65歳以上の人口は既に約3600万人、総人口の約3割を占め、「シニアマーケット」はその存在感を大きくしており、シニアマーケティングも重要な課題となってきています。しかし一方で、シニアがどのようにWebを活用しているのか、商品の購入にあたってどのような形で情報を収集しているのかといった情報は、明らかになっていません。そこで、シニアのWebでの情報収集の仕方や商品購入の仕方について調査を行い、2021年4月9日にセミナーを開催しました。※詳細なセミナー資料は無料でダウンロードできます。記事末尾のフォームよりお申し込みください。


行動ログ分析から見るシニアのWeb行動特徴

スピーカー紹介

図:スピーカー紹介

図:スピーカー紹介

高齢者のWeb利用の増加

株式会社ヴァリューズ ソリューション局 マネジャー 竹久真也(以下、竹久):「まずはシニア世代のWeb利用の変化を見てみましょう。

こちらは2019年度の総務省発表のデータを抜粋したものです。こちらを見ると、この5年間で高齢者(65歳以上)のインターネット利用者が大幅に増加していることがわかります。その数はおよそ1.5倍以上にも上ります。」

図:高齢者のウェブ利用の増加

図:高齢者のウェブ利用の増加

シニアのネット利用の時間帯

竹久:「シニア世代と他世代のライフスタイルの相違が、インターネットの利用時間帯にも現れています。

インターネットの利用時間帯では、若い世代が夜間にかけての利用時間の長さが目立つのに対して、65歳以上のシニア世代では、朝8〜9時ごろの時間帯がピークとなっています。
シニア世代に向けてWeb広告やプロモーションを打つのであれば、この様な利用時間帯の違いにも着目すると、有効なマーケティング施策が打てるのではないかとも考えられます。」

図:利用している時間帯

図:利用している時間帯

シニアの閲覧しているサイトの特徴

竹久:「シニア世代のPCでのインターネット利用では、BingやMSN、Yahoo系列のサービスといった、PCやブラウザのデフォルト設定となっていると思われるサービスの利用率が、他世代より高く現れています。自分で設定のカスタマイズなどを行うことなどが難しく、元々知っているサービスや使ったことのあるサービスのみを使い続けているのかもしれません。
また、他世代に比べて、Google系列のサービスやTwitter、InstagramなどのSNSの利用は低めとなっています。」

図:閲覧しているサイトの特徴

図:閲覧しているサイトの特徴

シニアの流入経路の特徴


竹久:「高齢者では、自然検索からサイトに流入する割合が他の世代に比べて低く、広告や外部サイト(リンク)、リスティングから流入している割合は他世代よりも高いのが特徴的です。」

図:サイトへの流入経路の特徴

図:サイトへの流入経路の特徴

カテゴリ別のサイト流入経路の特徴

竹久:「シニア世代では、50歳以下のユーザーと比べても、広告から流入する割合が高くなっており、自然検索から流入する割合が低くなっています。
特に広告からの流入の割合が高いのが、ショッピングサイトやオークションサイトです。」

図:サイトカテゴリ別の流入経路の特徴

図:サイトカテゴリ別の流入経路の特徴

シニアの特徴的な検索ワード

竹久:「テレビ番組や、テレビショッピング、通販関連のものが上位に多く見られます。
また、検索時には「アマゾン通販」「楽天市場ショッピング」など、略称ではなく正式名称で検索していることから、気軽に検索エンジンを利用できていない、あるいは検索自体に慣れていない様子がうかがえます。」

図:特徴的な検索ワード

図:特徴的な検索ワード

まとめ

竹久:「行動ログからシニアのWeb行動特徴を色々な角度から見てみました。

大きくまとめますと、シニア世代のWeb利用が大幅に増加しているということ。
そして、シニア世代特有のライフスタイルに沿った形での利用していると見られ、朝の利用が多いことや、検索エンジンやSNSの利用が少なく、ポータルサイトやニュースサイトの利用が多いという事が分かりました。

さらに、どのようなサイトに流入しているのかという特徴としては、他世代に比べ、自然検索は少なく、広告からサイトに流入する割合が他世代に比べて高いということ。検索ワードではテレビ関連(テレビショッピング)などが目立つということが分かりました。

これらのことから、シニア世代へのマーケット戦略の手段として、ネットは重要なチャネルと言えますが、配信時間帯やサイト流入への有効な誘導、プロモーションの手段などを考える時には、他世代とは違う、高齢者の利用実態に合わせたアプローチが必要と考えます。」

図:サマリ

図:サマリ

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この記事のライター

マナミナ 編集部 編集兼ライター。
金融・通信・メディア業界を経て現職。
趣味は食と旅行。

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