Z世代とは
Z世代は、1990年半ば〜2010年代に生まれた世代を表す言葉です。
Z世代の語源は、1953年に出版されたフォトエッセイ「Generation X」にあります。1953年、ハンガリーの写真家、ロバート・キャパがフォトエッセイ「Generation X」を発表。第二次世界大戦後の若者たちに「未知(X)」という意味をこめ「X世代(Generation X)」と名付けました。その後、1つの世代ごとにX,Y,Zと、アルファベットで世代を表現するようになりました。
■Z世代の人口
日本の人口に対するZ世代の割合は15%、世界の人口に対するZ世代の割合は32%です。
日本では少子高齢化の影響によりZ世代の割合が少なく、さほど注目を集めてはいません。しかし世界では3人に1人がZ世代であり、すでに消費への影響力を持っているため注目されているのです。
Z世代の割合
全人口 | Z世代の人口 | Z世代の割合 | |
---|---|---|---|
日本 (2022年) | 約1億2,000万人 | 約1,800万人 | 15% |
世界 (2020年) | 約77億人 | 約24億人 | 32% |
■Z世代のライフスタイル
Z世代のライフスタイルは、以下2つのキーワードで表すことができます。
1 デジタルネイティブ
インターネットの発展と共に育ったため、スマホやタブレットなどのデジタルデバイスを上手に活用します。例えば、スマホに複数のアプリをダウンロードして生活やビジネスに駆使することも容易です。
2 SNSネイティブ
インターネット検索よりもSNSを中心に情報収集します。例えば、飲食店を決めるときに公式ホームページよりも、インスタのアカウントを参考にしたり、Twitterで実際に行った人の口コミを見たりします。
またSNSの発信にも長けており、プライベートな内容を発信することにも積極的です。人気YouTuberにもZ世代は多く、日常を切り取ることで動画コンテンツを提供しています。

■Z世代の価値観
Z世代は、日常的にインターネットやSNSで情報収集をする環境にあるため、社会のさまざまな情報や、多様な意見に触れながら、Z世代は他の世代にない独自の価値観を形成しました。
Z世代は、3つの特徴的な価値観を持つといわれます。
1 多様性を受容している
SNSやインターネットでさまざまな考え方に触れるため、「多様性」や「自分らしさ」を大切にします。「国籍」や「性別」を重視するステレオタイプではなく、一個人としての性格や価値観を認めているのです。「男はこうあるべき」、「大人はこういうもの」という既成概念に縛られず、自由な表現や振る舞いを大切にします。
2 つながりや協力を大切にする
上下関係のない、フラットな横のつながりを大事にしています。協力や連帯感によって成長することに重きを置き、コミュニティの仲間や身近な人が困っているときには積極的に助け、つながりを大切にします。
3 オープンなコミュニケーションをする
SNSで情報を調べるだけではなく、自分の考えや日常をSNS上で発信することに抵抗感を抱きません。SNS上でもオープンで平等なコミュニケーションをし、実際に会った友人のようにつながりを大切にします。
これらの価値観は、インターネットとSNSにより、世界中とつながった時代を生きているからこそ形成されたZ世代の価値観といえるでしょう。
Z世代と他世代の違い
世代を表す言葉には、Z以外にも、X、Y、ミレニアル、αという分け方があります。
各世代の特徴は、以下のように整理できます。
Z世代と他の世代の比較(2022年現在)
世代 | 生まれた年 | 年齢 | 時代背景 | 情報収集のやり方 |
---|---|---|---|---|
X世代 | 1960~1974年 | 48~62歳 | ・幼少期にテレビ ・成人後にインターネット |
TVや雑誌、SNSなどの媒体をバランスよく利用 |
Y世代 | 1975年~1990年代前半 | 27〜47歳 | ・子どもの頃からインターネット | スマホやSNSに慣れ親しむ |
ミレニアル世代 | 1981年~1996年 | 26〜41歳 | ・2000年代に成人 ・社会人 |
Y世代の中で2000年代に成人・社会人となった人 |
Z世代 | 1990年代後半〜2010年 | 12〜26歳 | ・生まれたときからインターネット ・10代でスマホやパソコン |
・デジタルネイティブ ・SNSネイティブ |
α世代 | 2010年〜2025年 | 0〜11歳 | ・生まれたときからSNS ・義務教育でプログラミング ・タブレットでオンライン授業 |
・新型ウイルス流行により、タブレットを利用したオンライン授業が日常的 ・Z世代よりも情報感度が高い |
■X世代
「X世代」は、1960~1974年生まれで40代後半~60代前半の世代を表す言葉です。
幼少期はテレビに親しみ、成人後にインターネットの普及を体験しているため、TVや雑誌、SNSなど、さまざまな媒体を利用する傾向があります。例えば、ニュースや新聞で社会の動向を確認し、ドラマや映画はAmazonプライムで視聴するなど媒体を使い分けます。
■Y世代
「Y世代」は、1980年代初頭から1990年代半ばに生まれ、20代後半~40代前後の世代を表す言葉です。
子供の頃からインターネット環境に触れる人が多かったため、X世代よりもスマホやSNSに慣れ親しんでいる傾向にあります。例えば、就職活動をするときに企業の口コミをGoogleやFacebookを使って検索します。
■ミレニアル世代
「ミレニアル世代」は、2000年代に成人・社会人になったY世代を表す言葉です。「ミレニアル」とは「千年紀の」という意味で、1980年代から2000年代初頭までに生まれた人を指します。TwitterやSmartNewsから最新の情報を探してビジネスに活用することもあります。
■α世代
「α世代」とは、2010年前半以降に生まれ。0歳~11になる手前の子どもたちが該当します。アルファベット順でZの次がないため、「α(アルファ)」が用いられました。
義務教育課程からプログラミング教育が盛んなうえ、昨今の新型ウイルス流行もあり、タブレットを通じたオンライン授業も日常的です。例えば、音読をしている姿を動画で撮影して先生に送信し、宿題を提出することもあります。
データ分析で見るZ世代
Z世代の特徴として、「SNSネイティブ」という特徴があることを紹介しました。Z世代はどのようなニーズがありSNSを利用しているでしょうか?
Z世代に人気の新しいSNS「GRAVITY」をマーケティングツールの「Dockpit」で分析し、Z世代のニーズを調査しました。
■SNS疲れを解決するSNS「GRAVITY」
Z世代はSNSを日常的に利用している一方で「SNS疲れ」を実感するシーンも多くなっています。
SNS疲れとは、SNSを長く使うことで、疲労を感じる状態です。「Twitter疲れ」「Facebook疲れ」「LINE疲れ」などと、SNS別に呼ぶこともあります。株式会社アスマークの調査では、20〜60代男女の42.7%がSNS疲れを感じたことがあると回答しました。
この問題を解決するために開発されたSNSが、「癒されるやさしいSNS」GRAVITYです。GRAVITYをDockpitで分析し、利用者のニーズを調査しました。
GRAVITYの特徴
・アカウントのアイコンやアバターの「匿名性」が高い
・共通の話題を持つ人々が集まる「星」のメンバーとなり、メンバー間で会話する
・フォロワー数、フォロー数を他人に表示する必要がなく、また、自分の投稿を拡散する手段がない
このように互いの匿名性を守りつつ、またSNS上でのコミュニケーションも最低限に抑えられるため、「つながりたい時だけに、気軽につながれる」点が特徴です。
分析①:利用ユーザーを分析
まずはGRAVITYの利用ユーザー層を分析しました。

『「GRAVITY」起動ユーザーの年代別利用状況』(比較のために、Instagram, Twitterのアプリユーザーの年代も載せています)(「Dockpit」画面キャプチャ)
期間:2021年10月〜2022年9月
デバイス:スマートフォン
結果、GRAVITYアプリ利用者のうち、20代の割合が53.6%。Z世代に人気のアプリということがわかりました。
分析②:利用ユーザーの男女比を分析
続いて男女比を分析します。結果として男性48.8%、女性51.2%の割合で利用。利用者の男女比は、ほぼ半数ということがわかりました。
分析③:GRAVITYアプリ利用者の関心が高いアプリを分析
最後にGRAVITY利用者が関心のあるSNSアプリの特徴を調べ、共通項からユーザーがSNSを選ぶニーズを分析しました。すると、男女で人気の高いSNSが分かれたため、「男性人気の高いSNS」と「女性人気の高いSNS」に分けて、アプリのコンセプトからZ世代のニーズを考察しています。
男性人気の高いSNS
アプリ | アプリのコンセプト | |
---|---|---|
第1位 | 友チャット | 友達探し |
第2位 | Tan Tan | 友達探し |
第3位 | Lemon | 暇つぶし |
女性人気の高いSNS
アプリ | アプリのコンセプト | |
---|---|---|
第1位 | ilka | 応援や共感 |
第2位 | しまぐらし | ゆるいつながり |
第3位 | 星の王子様メッセージ | 匿名でやり取り |
つまり、GRAVITYを選ぶユーザーのニーズは以下と考えられるでしょう。
・男性は「趣味の合う仲間探し」
・女性は「応援や共感、ゆるいつながり」
さらに詳しいGRAVITYの分析に興味がある方は、こちらの記事もご覧ください。
Z世代のマーケティングには「Dockpit」
このようにZ世代を含め、キーワードから消費者ニーズを分析するためには、Dockpitがおすすめです。
ここでは、その機能の一部について解説します。
■特徴①:消費者ニーズ・トレンド把握
Dockpitでは、Web上の消費者ニーズとトレンドを把握することができます。直感的にわかりやすいダッシュボードで、ターゲット層のWeb行動を分析できます。年代や世帯年収などの属性でセグメントを切ることも可能です。
「ダイエット」検索で分析した例

■特徴②:競合調査・市場動向把握
Dockpitでは、競合の動きと市場の変化をタイムリーにキャッチできます。そのデータソースとなるのが、本メディア「マナミナ」を運営する株式会社ヴァリューズが独自保有する国内250万人規模の消費者パネルです。マーケティングに欠かせない競合調査・市場動向把握がデータドリブンな切り口で可能となります。
■特徴③:Googleアナリティクス連携
Googleアナリティクスのデータとも連携可能です。Googleアナリティクスのデータをグラフでわかりやすく表示できます。一つのプラットフォームにデータ分析を統合できるため、切り替えの手間もかかりません。

これらの特徴からターゲットを的確に把握でき、新たなターゲット層の洗い出しが可能です。キャンペーンページやランディングページを集計対象にすれば、施策に関心を持っているユーザー層の把握を行ったうえで、他社の施策を参考にするべきかの判断にも活用できるでしょう。
まとめ
今回は「Z世代」の語源や特徴、Dockpitのデータから見えたZ世代のニーズについて解説しました。Z世代は1990年代後半~2010年頃に生まれた世代です。デジタルネイティブ・SNSネイティブに育ち、多様性やフラットなつながりを重視します。
Z世代へサービスをPRするには、トレンドのキーワードの裏側にあるZ世代のニーズを紐解くことが大切です。「もっと詳しくユーザーの分析をしたい」、「消費者のニーズや市場環境を詳しく知りたい」、「的確な広告の出稿先を選定したい」というマーケターの方は、ユーザーのニーズを詳しく分析できるDockpitの活用をおすすめします。
『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで簡単にキーワード分析やトレンド調査を行えます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。
大学では経営学部 事業創造学科を専攻。ITベンチャー等を経て、ライターとして活動を開始した。B2Bライティングに特化し、SEO上位表示を量産。89名のライター育成に携わった他、制作ディレクションやライター採用にも取り組む。得意領域はマーケティング、IT、経営。