Oisixとnoshの動向を調査!新生活の忙しい若者には宅配食+αがおすすめ

Oisixとnoshの動向を調査!新生活の忙しい若者には宅配食+αがおすすめ

最近、外食やテイクアウト、簡単に調理できる食品など、新しい食事スタイルを提供するサービスが人気を集めています。本記事では多くの人に利用されているOisixとnoshに焦点をあてながら、デリバリーサービスや自炊との比較を交え、現代の人々の食生活のトレンドを分析します。


新しい形の食事

現代の忙しいライフスタイルにおいて、食事の準備は大きな課題となっています。しかし、あらゆるサービスの進化により、手軽においしい食事を楽しむ方法が増えています。こうした新しい食事の形は、時間を節約し、健康的な食生活をサポートする選択肢として、多くの人々のニーズに応えています。

1.ミールキットサービスの代表「Oisix(オイシックス)」で本格的な料理を楽しむ

Oisixはミールキットの代表的な存在の一つです。Oisixは「Kit Oisix(キットオイシックス)」などのミールキットを提供しており、忙しい日常でも簡単に栄養バランスの取れた食事を作れるように、レシピと必要な食材がセットになった商品を届けています。これにより、料理の手間を減らし、食材の無駄をなくすことができます。

2. 宅食サービスの代表「nosh(ナッシュ)」冷凍で手軽に健康的な食事を

noshは、栄養バランスの取れた冷凍ミールを提供するオンラインサービスです。忙しい日常でも手軽に温めて食べられる冷凍タイプの食事が特徴で、豊富なメニューの中から自分の好みに合わせて選べます。noshのミールは、無添加・無着色の素材を使用しており、品質にこだわった食事を提供しています。冷凍で届くため、保存が効き、いつでも手軽に健康的な食事を楽しむことができます。

【関連記事】検討者急増!今大注目の冷凍宅配弁当サービス「nosh(ナッシュ)」とは?新生活前に業界動向を調査

https://manamina.valuesccg.com/articles/3229

コロナ禍によるリモートワークの普及は、家で食事したいという新たな需要を生み出し、それに応えるようにUber Eatsをはじめとした様々なサービスが生まれました。そんな中、安くて健康的であるとして注目されているのが冷凍宅配弁当サービスです。今回は、3月という新生活を目前に控えた今、改めてnoshを中心に宅食サービスの動向を分析します。

Oisix、noshのユーザー数は150万人/月間程度

これら2つのサービスの利用者が使用するアプリのユーザー数と月平均アプリ起動日数を見ていきます。

なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行える株式会社ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用います。

「Oisix」「nosh」アプリのユーザー数・月平均アプリ起動日数

「Oisix」「nosh」アプリのユーザー数・月平均アプリ起動日数
期間:2023年3月~2025年2月
デバイス:スマートフォン

Oisixは月間約180万人、noshは月間約150万人と、多くから利用されていることがわかります。

TikTokで注目を集める2つのサービス

直近2年間のサイト訪問者数の推移を分析することで、Oisixとnoshがどの時期に注目を集めたのか、そしてその注目を引き寄せた要因を探ります。

各サイト訪問者数推移

「Oisix(www.oisix.com)」「nosh(https://nosh.jp/)」サイト訪問者数推移
期間:2023年3月~2025年2月
デバイス:PC、スマートフォン

Oisixもnoshも一定期間にサービス関心者を急激に伸ばしていることがわかります。どのようにして注目を集めたのでしょうか。集客構造を分析していきます。

各サイトのディスプレイ広告による集客数推移

「Oisix(www.oisix.com)」「nosh(https://nosh.jp/)」ディスプレイ広告による集客数推移
期間:2023年3月~2025年2月
デバイス:PC、スマートフォン

各サイトのディスプレイ広告の内訳

「Oisix(www.oisix.com)」(左)「nosh(https://nosh.jp/)」(右) ディスプレイ広告の内訳
期間:2023年3月~2025年2月
デバイス:PC、スマートフォン

どちらのサービスも、ディスプレイ広告による集客の推移がサイト訪問者数の推移と似た動きを示しており、ディスプレイ広告の影響が大きいことがわかります。ディスプレイ広告のなかでもTikTok広告に注力したようです。

TikTokは短時間で視覚的インパクトのあるコンテンツが多くのユーザーに拡散されやすいという特徴があります。この施策によるサイト訪問者の増加は、ブランド認知度の向上に大きく貢献したと考えられます。

近年、Oisixとnoshは、忙しい現代人に合わせた効率的な食事提供方法が評価され、特に時間を節約したい若年層のニーズに応えるサービスとして注目を集めていることがわかりました。

4つの食事スタイルの支持層分析:サービス別ターゲット層と人気の理由

次に、これらのサービスと、デリバリーサービスの代表的な存在である 「UberEats」、そして自炊する人々に支持される「Cookpad」 の比較を通じて、現代人の食生活におけるトレンドを分析していきます。

まずはじめにミールキット、冷凍宅配弁当、デリバリー、自炊の4つの食事方法がどのような属性の人々に支持されているかを見ていきます。

「Oisix(ミールキット)」「nosh(冷凍宅配弁当)」「UberEats(フードデリバリー)」「Cookpad(自炊)」のアプリユーザーを分析していきます。

調理が必要なサービスは女性人気が高い

最初に、それぞれのアプリの男女割合です。

アプリユーザーの性別割合

「Oisix」「nosh」「UberEats」「Cookpad」アプリユーザーの性別割合
期間:2023年3月~2025年2月
デバイス:スマートフォン

OisixとCookpadユーザーの男女割合は女性が8割近く、noshユーザーは女性が6割近いことがわかりました。UberEatsのユーザーの男女割合はやや女性が多いものの、男女半々に近いといえます。

OisixとCookpadは実際に調理をする工程が増え、調理の有無が要因で男女比に違いが出ている可能性があります。

健康志向の高齢層がOisixを支持?

次にそれぞれのアプリユーザーの年代割合を見ていきます。

各アプリユーザーの年代別割合

「Oisix」(青)「nosh」(オレンジ)「UberEats」(緑)「Cookpad」(黄)アプリユーザーの年代別割合
期間:2023年3月~2025年2月
デバイス:スマートフォン

UberEats(緑)は、20代・30代のユーザーが半分以上を占めています。この年代層には、手軽に食事を済ませたいというニーズが強いことが想像できます。

Oisix(青)は、50代・60代のユーザーが半分以上を占めています。健康志向が高く、品質にこだわった食材を求めて、Oisixのオーガニックや無添加食材が支持されている可能性があります。一方で若い世代の割合が低い背景には、単身者がこのサービスを使うことに結びついていない可能性も考えられます。

nosh(オレンジ)は30代のユーザー割合が高いですが、40代の割合は低いことがわかります。Cookpad(黄)は40代の割合が高く、家庭で料理を楽しみたい人々がこの年代層に多いと考えることが出来るかもしれません。

食事の重視点とサービスの関連

以下は食事の重視点についてのアンケートの結果です。

年代が上がるにつれて食事の重視点が「おいしさ」→「自分以外の家族の健康」→「自分自身の健康」と推移していくように見受けられます。特に女性においてこの傾向が顕著に表れています。

若いうちは、デリバリーなどで外食を楽しんだり、手軽に解凍して食事を楽しんだりしていたところから、年齢が上がるにつれて食事の準備が自分のためだけではなく家族を意識するようになり自炊が増えてくるようです。さらに高年層になると、健康のために気軽に栄養に気をかけながら食事を楽しめるミールキットが人気になってくると言えるかもしれません。

新生活。忙しい若者にぴったりな食事サービスは?

4月になるとはじめて親元を離れて生活をスタートする若者が増えてきます。自分で食事の準備をしなければならないことも大きなハードルの一つかもしれません。実際に、新生活での食事に関するアンケート調査では、4割を超える人々が食生活への不安があると回答しています。

新生活の若者にとって、日常的にUberEatsを使うことは経済的に難しいことが多いため、今回はOisix、nosh、Cookpadの3つのサービスをピックアップし、それぞれのユーザー像を深堀りしてみます。

条件を20代・未婚・子供なしと設定し、一般的な新生活の若者像に近づけます。はじめにそれぞれのユーザーの職業割合と出社勤務日数を見ていきます。なお分析には、Web行動データとアンケートデータを用いた分析を行える、ヴァリューズの分析ツール「Perscope(ペルスコープ)」を用います。

「Oisix」「nosh」「cookpad」アプリユーザーの職業割合と出社勤務日数

「Oisix」「nosh」「Cookpad」アプリユーザーの職業割合(左)・出社勤務日数(右)
期間:2024年3月~2025年2月
デバイス:スマートフォン

noshは、会社勤務の人の割合が40パーセント近くで、出社勤務の日数も多いことがわかります。多忙ななかで食事の準備が大変な方に向いているサービスと言えるでしょう。

Cookpadは学生の割合の大きさが特徴的です。自炊の強みは、なんといっても格安さで、食費を抑えたいという人に向いています。月当たりの出社勤務日数もネット人口全体と比較しても低めなため、時間に余裕がある人は自炊をしてみるのもよいかもしれません。

最後にDockpitでOisix・noshから見た他アプリの併用状況を見ていきます。

Oisix(左)・nosh(右)から見た他アプリ併用状況

Oisix(左)・nosh(右)から見た他アプリ併用状況
期間:2023年3月~2025年2月
デバイス:スマートフォン

どちらもUberEatsの併用率が高いことがわかります。実際に、UberEatsをどれほど利用しているかはわかりませんが、Oisix、noshそれぞれとUberEatsを併用している人はOisixで43%、noshで53%といずれも食事の選択肢にデリバリーサービスの利用が含まれているといえるでしょう。

以上のことから若い世代におすすめな食事形態は以下のようにまとめられます。

noshは会社勤務の割合が高く、出社勤務日数が多い人におすすめ。多忙な中でも手軽に健康的な食事を摂ることができるため、仕事に忙しい人に最適です。
Cookpadは学生の割合が高く、自炊をして食費を抑えたい人に向いています。時間に余裕があり、自分で料理を楽しみたい人にピッタリです。
さらには、経済的に余裕があり自分で忙しいながらも調理をして楽しみたい人はOisix、たまにの贅沢としてUberEatsの利用を検討するのがよいでしょう。

【関連記事】人気デリバリーアプリ「Uber Eats」「出前館」「menu」「Wolt」のポジション分析 | コロナ初期からの変化は?

https://manamina.valuesccg.com/articles/3498

ここ数年で需要が高まったデリバリーアプリ。コロナ禍に利用し始めた人も多いのではないでしょうか。デリバリーサービスが注目され始めて数年が経った今、需要はどう変化したのか、また各社アプリを今利用しているのはどのような人たちなのか、人気デリバリーアプリの「Uber Eats」「出前館」「menu」「Wolt」を比較しながら分析します。

まとめ

Oisixとnoshは、積極的に広告を打ちながら認知度を高め、忙しい現代人にぴったりな食事サービスを提供していることがわかりました。どちらもデリバリーサービスの代表的な存在であるUberEatsと併用されることが多く、忙しい生活の中で食事の選択肢を広げているようです。

また、Cookpadは学生層を中心に、自炊を楽しみつつ食費を抑えたい人々に支持されており、これらのサービスをうまく組み合わせることで、効率的で健康的な食生活を送ることができます。今後さらにいろいろな食事サービスが出てくるかもしれません。今後の動向にも注目です。

▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザでキーワード分析やトレンド調査を行えます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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▼また、分析では生活者理解のためのリサーチエンジン『Perscope』を使用しています。『Perscope』では国内最大規模のWeb行動×アンケートデータを活用し、誰でも いつでも 簡単に"生活者起点のマーケティング活動"を実現することができます。無料デモもありますので、興味のある方は下記よりぜひお申し込みください。

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この記事のライター

2025年入社予定の大学4年生です。

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