私たちは新型コロナとどう向き合ってきたのか?過去3年を検索動向から振り返る!

私たちは新型コロナとどう向き合ってきたのか?過去3年を検索動向から振り返る!

新型コロナが日本で最初に確認されてから、まる2年が経過しました。新型コロナ感染拡大により、社会生活が一変し、消費者を取り巻く環境は大きく様変わりしたことは言うまでもありません。新型コロナが私たち消費者や世の中にどれほどの影響を与えたのか、Web行動ログ分析ツール「Dockpit」のキーワード分析機能や業界分析機能を使って直近3年間のインターネット行動を調査・分析します。


「コロナ」の検索ユーザー数の変化

この2年、「コロナ」というワードを聞かない日はないのではないでしょうか。まずは、「コロナ」の検索ワードについて直近3年間の検索ユーザー数の変化を見ていきましょう。

新型コロナが日本で最初に確認されたのは2020年1月です。その月の検索ユーザー数はグラフでは分かりにくいですが、数字にすると前月の3倍以上ともなっており、敏感なユーザーはいち早く検索をして「コロナ」に関する情報収集をしていることがうかがえました。翌月以降に新規感染者数が増えたこともあり、検索ユーザー数は2020年2月には前月の12倍と顕著に増加。さらに、新型コロナによる緊急事態宣言発令は日本初ということもあり、2020年4月には検索ユーザー数がピークを迎え2,000万人以上のユーザーが「コロナ」を検索していることがわかりました。

新規感染者数が増加すると検索ユーザー数も増え、新規感染者数と検索ユーザー数は正の相関関係にあるようです。ただ、2021年の夏以降はコロナ慣れしてしまったことも影響してるのか、新規感染者数が最も多い時期(2021年8月)でも検索ユーザー数はそこまで伸びておらず、2021年の後半になると新規感染者数の減少に伴い「コロナ」というキーワードへの関心は薄れていたことが見て取れます。

※新型コロナ新規感染者数については【NHK 特設サイト】より

「コロナ」検索ユーザー数/新型コロナ新規感染者数 推移

期間:2018年11月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマートフォン

コロナ前後で検索ワードに変化が

次は、「コロナ」検索の上位の検索キーワードを見てみましょう。
※2019年を『コロナ前』、2020年を『コロナ1年目』、2021年を『コロナ2年目』と定義しました。

コロナ前は、石油ファンヒーターや石油ストーブ、給湯機などを取り扱う総合住宅設備メーカーの「コロナ」についての検索が上位を占めていました。

コロナ1年目になると、「コロナ」の単体ワードが一気に増加して700万人以上のユーザーが検索していることがわかりました。まだこの頃は新型コロナに関しての情報量も少なく得体の知れない未知のウイルスということもあり、初期症状なども含め症状についてや、感染者数に興味関心があることがうかがえました。また、各地域の感染状況も気になるのか、エリアとの掛け合わせも多くランクインしていました。

コロナ2年目はコロナ1年目と傾向は似ていますが、ワクチン接種が開始したこともありワクチンが検索上位にあがってきていました。

検索ワードから、ユーザーのコロナとの向き合い方が変化していることが読み取れます。

「コロナ」検索キーワード 年推移

「コロナ」検索キーワード 年推移

期間:2019年1月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマートフォン

コロナ禍で印象に残ったワード

コロナ禍では数多くの印象に残る言葉が登場したと思います。
感染症対策の1つでもある『3密』、多様な働き方・新しいワークスタイルの提案で使われた『テレワーク』や企業のデジタル化を表す『DX(デジタルトランスフォーメーション)以下、DX』、外出自粛による『ステイホーム』や『巣ごもり消費』などがあげられるでしょう。

この中から『テレワーク』や『DX』について、キーワード分析で掘り下げます。
また、『ステイホーム』で外食を控えるようになり、『巣ごもり消費』なども影響して急速に拡大した料理宅配市場についても深掘りしてみましょう。

検索ワード「テレワーク」について

コロナ前はそれほど耳慣れた言葉ではありませんでしたが、政府や東京都から感染症対策の一環として「テレワーク」などの要請があったこともあり、新型コロナを契機に浸透していったワードの1つと言えるでしょう。

特に緊急事態宣言による外出自粛で「テレワーク」の活用が広がりを見せていました。

緊急事態宣言発令で検索数が増加する傾向

「テレワーク」というワードはいつから私たちの中に浸透したのでしょうか。直近3年間の検索ユーザー数推移で見てみましょう。

2020年1月の検索ユーザー数はまだそこまで多くないものの、2020年2月には前月の4.8倍まで増えていることがわかりました。さらに、1回目の緊急事態宣言で一気に跳ね上がり、113万以上のユーザーが関心をもっていることがわかりました。そこから減少しているものの、2回目の緊急事態宣言でまた増加していました。

その後も緊急事態宣言が解除されると減少し、再び緊急事態宣言が発令されると増加するというサイクルを繰り返し現在に至っています。

「テレワーク」検索ユーザー数推移

「テレワーク」検索ユーザー数推移

期間:2018年11月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマートフォン

コロナ2年目はユーザーのニーズに変化が

「テレワーク」検索の上位の検索キーワードを見てみましょう。

コロナ前は「テレワーク」という言葉が今ほど浸透していなく、検索数自体も少ないことや、メリットやデメリット、とは、などテレワークを知るための検索行為が目立ちました。

ところがコロナ1年目になると、新型コロナの感染拡大により政府がテレワークを推奨したことから助成金や補助金などの国からの援助に関してや、椅子やヘッドセット、ツールなどテレワークを準備するためのワードが検索されていました。

また、コロナ2年目ではホテルやカラオケボックスなど、テレワークをするための場所やスペースに関してのワードがランクインしていました。

コロナ前、ホテルと言えば宿泊するもの、カラオケと言えば歌を歌うものと言う認識でしたが、テレワークプランを代表するように、これまででは考えられなかったプランが話題を呼んだりしました。コロナ禍でのニーズは、各業界の概念すら変容させているようです。

「テレワーク」検索キーワード 年推移

「テレワーク」検索キーワード 年推移

期間:2019年1月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマートフォン

検索ワード「DX」について

新型コロナを契機に企業活動が大きく変化したことは言うまでもありません。同時にテレワークやオンライン決済など、生産性や業務効率の向上などDXへの取り組みも急速に加速しました。

次は「DX」について見てみましょう。

「DX」への関心はコロナ2年目も高い

1回目の緊急事態宣言で大きく伸長した「テレワーク」の検索傾向とは異なり、「DX」は緊急事態宣言に関係なく徐々に検索数を伸ばしていることがわかりました。

コロナ前と比較するとコロナ1年目は伸び率が大きく、コロナ2年目では高い水準をキープしていることがわかりました。

コロナ2年目はコロナ前の2倍以上のユーザーが検索していることからユーザーの興味関心度合いは引き続き高いことがうかがえました。

「DX」検索ユーザー数推移

「DX」検索ユーザー数推移
※「デジタルトランスフォーメーション」も検索に含む

期間:2018年11月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマートフォン

「デラックス」から「ディーエックス」へ

続いて、「DX」検索ユーザーの上位の検索キーワードを見てみましょう。

コロナ前は「DX」単体ワードはあるものの検索数も少なく、戦国無双やゼルダ、マリオ&ルイージなどゲーム関連のDX(デラックス)ワードが上位を占めていました。

コロナ1年目になると、とは、や意味、銘柄などDX(ディーエックス)関連の検索が増え、上位の顔ぶれが変わってきていることがわかりました。

コロナ2年目には、2025年の崖や経済産業省など少し踏み込んだ検索ワードが目立つようになっていました。

「DX」検索キーワード 年推移

「DX」検索キーワード 年推移
※「デジタルトランスフォーメーション」も検索に含む

期間:2019年1月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマートフォン

「グルメ デリバリー」カテゴリについて

緊急事態宣言の発令や外出自粛要請、営業時間の短縮要請などが実施され、新型コロナは外食産業にも大きな影響をもたらしました。

その中でもデリバリーやテイクアウトといった感染動向に左右されにくい業界はどんな変化があったのでしょうか?ヴァリューズが独自に定義する「グルメ デリバリー」カテゴリを見てみましょう。

緊急事態宣言でさらにニーズが高まる

コロナ前を見てみるとゴールデンウィークや夏休み、年末年始などイベントがある月は増加傾向となっており、新型コロナに関係なく需要のあるマーケットだということがわかりました。

そして1回目と2回目の緊急事態宣言においてはどちらも急伸していることから、外出自粛の傾向が強まったことでさらにニーズが高まったようです。

ただ、コロナ2年目の後半にもなると自粛疲れからか、安心・安全のデリバリーやテイクアウトへの興味関心が薄れていることがうかがえ、コロナ前のピーク時期とあまり変わらないユーザー数となっていました。

「グルメ デリバリー」カテゴリのユーザー数推移

「グルメ デリバリー」カテゴリのユーザー数推移

期間:2018年11月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマートフォン

コロナ2年目は『出前館』が急拡大

ネットにおける「グルメ デリバリー」の業界シェア上位の顔ぶれの変化について見てみましょう。

コロナ前とコロナ1年目は『dデリバリー』のシェアが高く全体の1/4を占めていることがわかりました。
ただ、『dデリバリー』は2021年6月30日でサービス提供を終了した背景もあり、コロナ2年目は『出前館』や『Uber Eats』が急成長しているようです。コロナ禍で両サービスともテレビCMをよく見かけるようになったことなどもあり、フードデリバリーサービスの利用がコロナ前に比べて活発になったことがうかがえました。

日本は諸外国と比べるとデリバリー市場の拡大が遅れていると言われていますが、コロナを機に加速したことで、これからのデリバリー業界が大きく変わることが期待されます。

「グルメ デリバリー」カテゴリの業界シェア上位の推移(Webサイト)

「グルメ デリバリー」カテゴリの業界シェア上位の推移(Webサイト)

期間:2019年1月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマートフォン

まとめ

今回は新型コロナに関して、キーワード分析や業界分析を用いてまとめました。

「コロナ」:1回目の緊急事態宣言で検索数がピークとなり、コロナ2年目後半はユーザーの興味関心が薄れてきている傾向のようですが、新規感染者数との相関関係がうかがえました。

「テレワーク」:1回目の緊急事態宣言で一気に増加し、緊急事態宣言が解除されると減少し、再び緊急事態宣言が発令されると増加するというサイクルで現在に至っています。

「DX」:緊急事態宣言に関係なく増加傾向で、コロナ2年目でもユーザーの興味関心度合いは高いことがうかがえました。

検索ワードにおいては、コロナ前後で検索ワードが変化していることから、情報は受け身ではなく、ユーザー自ら収集しにいっていることがわかりました。

「グルメ デリバリー」:コロナ前から需要があり、緊急事態宣言による外出自粛でさらにニーズが高まっており、『dデリバリー』のサービス提供終了により、『出前館』や『Uber Eats』が成長しています。

2022年はコロナ3年目に突入します。3年目はどのようにコロナに向き合っていくのか?
コロナ前後でユーザーの興味関心が変化していることを踏まえ、ニーズの変化を柔軟に取り入れ情報を提供することが重要となるでしょう。

分析概要

全国のモニター会員の協力により、インターネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析ツール『Dockpit』を使用し、2018年11月~2021年12月におけるユーザーの行動を分析しました。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

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