月ごとに振り返る「バズりワード」
Web行動ログ分析ツール「Dockpit」のトレンド分析のキーワードトレンド機能を用いて、前月と比較して検索数が急上昇しているワードを月別にまとめました。
また、ヴァリューズが毎週公開している「週間検索キーワードランキング」からも急上昇していて、且つ象徴的な語句を抜粋して月ごとにまとめています。
どのワードがトレンドとなったのか、月ごとに見ていきます。
赤字は月、週の両方に表示されたキーワードとなり、特に世の中の関心が高いワードと言えます。
「2022年上半期」急上昇した検索キーワードまとめ
それでは、2022年上半期の「バズりワード」を月ごとに振り返っていきましょう。
■2022年1月…『コロナ』関連が急増
2022年1月は、オミクロン株により新型コロナウイルスの新規感染者数が急増しコロナ第6波の様相を帯びてきたことを受け、再び『まん延防止等重点措置』を含む新型『コロナ』関連ワードの検索が増加しました。
また、1月15日に南太平洋の島国トンガで発生した大規模噴火の影響で、国内でも16日未明に日本の広い範囲に津波警報や注意報が発表されたことから、『トンガ』地震に関連する検索が急増し、上位にランクイン。
人名では、1月20日に全豪オープン4日目、男子シングルス2回戦が行われ、グランドスラムで3度の優勝を誇る元世界1位のアンディ・マレーに勝利したことで『ダニエル太郎』が注目され検索が増加しました。
Tennis Classic(テニスクラシック公式サイト)
■2022年2月…ほぼ『北京五輪』一色
2月4日に開幕した『北京五輪』関連の検索が急増。特に月間の前月比上昇率では、決勝に進出し日本史上初の「銀メダル」を獲得した『カーリング女子』がトップになりました。
読売新聞オンライン
他には、スピードスケートの『マススタート』や、スキージャンプの『ラージヒル』など種目名の検索が目立ちました。また、北京五輪の公式マスコット『ビン・ドゥンドゥン』も話題となり検索が増加。2月はほぼ五輪一色の月となりました。
『北京五輪』以外では、Instagramのストーリーに自分の誕生色とその色の言葉を投稿することが流行り、『バースデーカラー』がランクイン。検索ユーザー数は60万人に迫る勢いで急伸しました。ただ、3月以降トレンドは継続せず、今現在は下火傾向のようです。
「バースデーカラー」検索ユーザー数推移 ※『誕生日カラー』も含む
期間:2020年7月〜2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン
■2022年3月…『3.11』の検索が増加
Yahoo!とLINEの共同チャリティー企画で3月11日に『3.11』と検索するとひとりにつき10円を東北支援にたずさわる団体に寄付する「3.11 検索は、チカラになる。」の後押しがあり、『3.11』の検索が急増。検索ユーザー数推移を見てみても、毎年3月になると80万人前後のユーザーが検索しています。
「3.11」検索ユーザー数推移
期間:2020年7月〜2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン
人名では、3月24日に放送された「ヒルナンデス!(日本テレビ)」の私服センス対決に登場した南海放送の『青木美奈実』アナウンサーに注目が集まり検索が急増しました。
Yahoo!ニュース
■2022年4月…『大森南朋』やジブリ関連も目立った
4月は、検索上昇率が高かったワードクラウドから紹介します。
4月11日からスタートしたNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に出演した俳優の『大森南朋』の検索が急増しました。
2022年4月11日_2022年4月17日検索上昇率が高いワード
ユーザー数推移を見てもわかるように朝ドラに登場したことがきっかけで検索が急増。ヒロインの父親である「比嘉賢三」役の大森南朋さんが三線を披露したことで検索が増加したことも、掛け合わせワードから読み取れます。
「大森南朋」検索ユーザー数推移
期間:2021年7月〜2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン
「大森南朋」掛け合わせワード
期間:2021年7月〜2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン
4月29日21時から日本テレビの“金曜ロードSHOW!”にて、『魔女の宅急便』が放送され検索が増加。同年11月に愛知県に開業する『ジブリパーク』関連の検索も目立ちます。
2022年4月25日_2022年5月1日検索上昇率が高いワード
他の人名では、『源義高』がランクイン。4月3日放送のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に歌舞伎俳優の市川染五郎さんが、源義高(冠者殿)役で登場したことで検索が増加しました。
下図のユーザー数推移やワードネットワークを見ると大河ドラマの放送がきっかけで増加していることがわかります。
「源義高」検索ユーザー数推移
期間:2021年7月〜2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン
「源義高」検索ユーザーのワードネットワーク推移
期間:2022年4月〜2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン
MANTAN WEB
■2022年5月…楽天モバイルの影響で『povo2.0』が増加
とんかつ専門店チェーン「かつや」が5月12日から月内限定で提供し、大好評を博している大人のためのお子様ランチ『大人様ランチ』の検索が急増しました。
PR TIMES
検索上昇率が高かったワードクラウドで見ると、楽天が5月13日に新たな料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を発表し、この影響で『楽天モバイル』やKDDIの『povo2.0』の検索が増加しました。
『povo2.0』については記事の後半で掘り下げます。
2022年5月9日_2022年5月15日検索上昇率が高いワード ※人名以外
5月7日に「にじさんじ」所属のバーチャルライバー・周央サンゴさんが行った生配信がきっかけで、三重県志摩市の複合リゾート施設『志摩スペイン村』がトレンド入りし、検索が急増しました。
ワードクラウドでも顕著に表れています。
2022年5月16日_2022年5月22日検索上昇率が高いワード ※人名以外
■2022年6月…競馬関連の検索が目立つ
6月29日に開催された「日本ダービー」で、武豊騎手が前人未到の6勝目を達成したことで優勝ペアの『ドウデュース』と『武豊』の検索が増加。また、夏競馬の開幕を告げる北海道開催最初の重賞レースということもあり、このタイミングで『函館スプリントステークス』の検索も増加しました。
他には『マーメイドステークス』といった競馬関連の検索も増加しており、6月は競馬関連の検索増加が目立ちました。
日本時間の6月16日にサポートが終了したMicrosoft 社の 「Internet Explorer11」の関連ワード『IE サポート終了』や『EDGE/なども上位入りしていました。
Microsoft
『povo2.0』ユーザーは“疑問”を解決したい?!
女優の広瀬アリスさん出演の「そっこは、povo〜♪」というCMフレーズでお馴染みの『povo2.0』。
前述の通り、楽天モバイルが「Rakuten UN-LIMIT VII」を発表した影響でこちらも検索が増加しています。ユーザー数推移やユーザー属性などについて少し堀り下げてみましょう。
■『povo2.0』とは?
KDDIのオンライン専用ブランドで、
・基本料0円で契約できる携帯電話の料金プラン
・ゼロから自分で作れるスマホプラン
・「トッピング」と呼ばれる好みのサービスを自由に組み合わせできる
などの特徴が挙げられ、他社にはない斬新な料金プランです。
【公式】povo2.0|基本料ゼロから始めるau回線のスマホプラン
■利用者目線のコンテンツが充実している「アプリポ」が人気
サービスを開始した2021年9月と翌月の10月に「povo2.0」検索ユーザー数が多く、その後は20万人程度で推移しています。
楽天モバイルが発表した7月からの新料金プランの影響もあり、2022年5月の検索ユーザー数は70万人に迫る勢いです。
「povo2.0」検索ユーザー推移 ※「povo 2.0」も含む
期間:2021年7月〜2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン
検索ユーザーの属性では、男性が7割を超えており、年代別は40代が多く次いで50代、30代という結果に。
「povo2.0」検索ユーザー属性:性別 ※「povo 2.0」も含む
期間:2021年7月〜2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン
「povo2.0」検索ユーザー属性:年代別 ※「povo 2.0」も含む
期間:2021年7月〜2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン
「povo2.0」検索ユーザーの流入サイトを見てみると、アプリの使い方&特殊文字や無料素材、携帯新プラン情報「アプリポ」というサイトが上位にランクイン。
アプリポではahamoやpovo、LINEMOといった大手携帯会社のオンライン専用プランに関する情報やコンテンツが公開されており、さらにアプリポの運営者自身も複数の回線を契約していることから利用者目線のコンテンツ制作が人気となっているようです。
他には「ITmedia」、「ケータイWatch」、「すーちゃんモバイル比較」など情報・メディアサイトが目立っていました。
また、「Yahoo! 知恵袋」もランクインしていることから、”疑問”を解決できるような情報を求めていることが読み取れます。
「povo2.0」検索ユーザーの流入サイト ※「povo 2.0」も含む
期間:2021年7月〜2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン
まとめ
今回は、キーワード機能を用いて2022年上半期のトレンドを振り返りました。半年間でも、かなり多くの話題があったことがわかりました。
『Dockpit』のような分析ツールを利用することで、月単位や週単位でトレンドを分析することはもちろん、バズるメカニズムも把握することが可能となります。また、ユーザーのニーズやユーザー像にも迫ることができるので、目的やターゲットを正しく理解し、利用者の心をしっかりキャッチして、よりよいコンテンツ制作や最適な情報提供に役立つでしょう。
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