画像・動画コンテンツが高評価?検索意図とのずれとは?2022年9月コアアルゴリズムアップデートを徹底解説|「2022年10月 コンテンツマーケティング最新動向レポート」

画像・動画コンテンツが高評価?検索意図とのずれとは?2022年9月コアアルゴリズムアップデートを徹底解説|「2022年10月 コンテンツマーケティング最新動向レポート」

Googleは、2022年9月にコアアルゴリズムアップデートを実施しました。影響を感じたマーケターもいるのではないでしょうか。「いったい何が変わったの?」「どう対応すれば良い?」という疑問に、ヴァリューズのマーケターがお答えします!


【解説者紹介】

2022年9月コアアルゴリズムアップデートの影響は?





岩間:2022年9月に行われたコアアルゴリズムアップデートがマーケターの間で話題になっていますね。そもそもコアアルゴリズムアップデートとは、何のことですか?










安部コアアルゴリズムアップデートとは、Googleが検索結果のアルゴリズムを見直すことです。サイト・ページの評価軸が変わるので、検索順位が大きく変わることがあります。

コアアルゴリズムアップデートは2022年5月にも行われており、今回は同年9月13日~9月27日(日本時間)に行われました。










岩間:今回のコアアルゴリズムアップデートには、どのような傾向が見られたのでしょう?










安部:まず検索順位の変動が小さかったのが特徴的ですね。もちろん、領域やサイトによって異なりますが、変動があったとしても、2、3位の変動のみで幅が小さかったり、影響のある領域も多くなかったです。自分のサイトだけを見ていたら、アップデートがあったことに気づかないくらい、小さな変動でした。




画像や動画のあるコンテンツの検索順位が上昇





安部:全体で見ると変動が少ないとはいえ、細かく見るといくつか特徴的な動きが見られました。

中でも今回重要と考えるのは、画像や動画コンテンツ中心のドメイン・ページの検索順位が上昇したことです。画像系でいうと「Pinterest」の、動画系では「ticktok.com」などの検索順位が上昇傾向にあります。




「ticktok.com」で検索結果画面の上位(1位~3位)を取れている検索キーワード数のグラフ





岩間:どうしてGoogleは、画像や動画系コンテンツの検索順位を上げようとしているのでしょうか?










安部:Googleは、検索に対して「どういう表現をするとユーザーが理解しやすいか」を重要視していると考えられます。そのため、画像や動画の方がテキストよりもユーザーが理解しやすいとされるトピックに関しては、それを満たすページを検索順位を上げているのでしょう。画像や動画の方がわかりやすいものは、例えば料理の作り方やダンスなどのハウツー系が挙げられますが、最近は領域がどんどん広がっていると思います。








安部:最近ではSNSで情報を収集する人も増えてきました。とりあえずYouTubeで検索してみたり、レビューをテキストで読むのではなく、動画で見たりしている人もいます。このようなユーザーの行動の変化にGoogle側も対応していきたいというのが一つの流れなのではないでしょうか。










岩間:一方で法律や税金など難易度の高い内容は、じっくり読みながら検証していかなければわからないので、テキストのほうが良さそうですかね。










安部:どのくらい深く理解したいのかにもよるでしょう。何も知らない人が「とりあえずざっくりとした概要を知りたい」場合は、画像や動画の方がわかりやすいかもしれません。










岩間:そもそもGoogleは、数あるサイトの中から、どうやって「これは画像・動画中心の方がわかりやすそうだ」と見分けているのですか?










安部:MUMなどのアルゴリズムを導入・進化させているのも一つの要因でしょう。また、あくまで仮説ですが、Googleは検索キーワードを見ていると考えます。例えば「間取り×画像」と検索する人が多いなら、「間取り」と単体で検索された場合でも、画像の方がわかりやすいと判断して検索結果を提供している可能性があるでしょう。検索前後でYouTubeを見ていたら、動画の方がわかりやすいトピックとして判断している可能性もありますね。




検索意図と関係ない情報が入っているレビュー記事は下落





岩間:今回のコアアルゴリズムアップデートで、他に特徴的な動きは見られましたか?










安部:比較サイト、キュレーション系の商品レビューページで、下降と上昇の両方の傾向がありました。下降したものには、例えば検索意図と関係ない情報が入っているレビュー記事が挙げられます。








岩間:検索意図と関係ない情報が入っているというと?










安部:ユーザーの検索意図とズレがあったり、メインで気になっている情報が最初に紹介されていなかったりする記事ですね。








安部:Googleが掲げるユーザーファーストという基本姿勢を念頭に置くことがポイントです。いろいろな情報が入っていてわかりにくいと、ユーザーは他のページをチェックしなければいけません。そのページだけを見て、得たい情報を入手できるというのが評価につながっているのではないかと。

ただし、厳選した情報だけを載せようとする姿勢は、リスクにつながる可能性もあります。Googleはユーザーの悩みに網羅的に回答できるページを評価している面もあるからです。そのため、むやみに情報を削っていくのではなく、過剰に情報を入れるのを控えると良いと思います。










岩間:難しそうですね……。過剰な情報とはどういうことでしょうか?










安部:例えば、自社商品の広告部分が長いのは余計な情報として捉えられる可能性があります。あと、メインの内容でないにもかかわらず、執筆者が書きやすい情報の部分だけを濃く、長く書かれている記事もあるのではないでしょうか。そのような記事の主題と外れる部分のボリュームを抑えることが必要だと考えます。




コンテンツのフレッシュネスは評価につながっている





岩間:今回のコアアルゴリズムアップデートで、検索順位が上昇したサイトもあると聞きました。どのような特徴がありますか?










安部コンテンツの更新が頻繁にあるURLは上昇する傾向がありました。コンテンツのフレッシュネス(最新かどうか)は、Googleから要視されていると言われていますが、検索順位にどの程度大きな影響を与えるかは議論されている部分です。ただ、今回のコアアルゴリズムアップデートでは、以前より順位への貢献が大きくなった印象を受けます。










岩間:内容は何も更新していないのに、公開日だけを更新するといった倫理的な問題もありますがね……。










安部:そうですね。これまでGoogleはブラックハットSEOにきちんと対策してきた歴史があるので、日付のみの更新に対しても今後ペナルティが設けられる可能性もゼロではないと思います。不自然な更新をGoogleが判断できるようになるのではないかと。何よりユーザーのことを考えるなら、そのような対応は控えるべきだと思います。




アルゴリズムアップデートの影響を受けても、焦らないことが大事





岩間:今回に限らず、アルゴリズムアップデートが実施されたとき、マーケターが意識した方が良いことを教えてください。








安部:まず心がけたいのは、焦って行動しないことです。検索順位が下がると「なんとかしなければ」と焦ってしまうものですが、状況を把握しないまま動くと悪化する可能性がありますし、アルゴリズムアップデートの途中であれば、最終的に反対の評価になることもあります。検索順位が落ち着いてから、状況を整理しましょう。










岩間:上司や周りから何とかするようプッシュされるマーケターも多そうですが、そこは焦らずしっかりとコミュニケーションをとりながら、落ち着いてきたタイミングで、検索順位に変動がみられたキーワードやページの洗い出しをするということですね。実際に対策が必要になった場合はどうすればよいですか?










安部:まずは、流入クエリとLPがずれていないかを確認しましょう。search consoleから各ページへの流入キーワードを調べ、元々想定していた流入クエリと実際のクエリに相違がないか確認します。ずれがあれば、余計な情報が入りすぎていないかもチェックしつつ、リライトや新規のページ作成を進めましょう

情報メンテナンスの面でいうと、例えば法律や制度などは1年前と変わっていることもあるので、内容の更新を推奨します。また、前回公開した際は気付かなかったが、この情報もあった方が良さそう、といった追加情報もあれば、記載すると良いです。内容を更新した場合は、記事の公開日を最新のものにすることを忘れずに。

最後は画像・動画についてですが、ユーザーが知りたいことをわかりやすく伝えられる表現になっているかを確認しましょう。
今回、画像・動画コンテンツの検索順位が上がっていると説明しましたが、必ずしも画像や動画を使わなければならないという状況ではないと思います。業界によっては優先度の低い施策になるでしょう。狙いたいキーワードで実際に検索してみて、検索結果上で既に画像や動画がたくさん出ているような状況であれば、自社サイトでもそういったコンテンツに力を入れてみても良いでしょう。

以上、10月のコンテンツマーケティング動向「SEO編」でした。次月のネタも楽しみにお待ちください。







(本調査はあくまでも傾向に注目し、今後の施策における仮説立てや優先順位の検討に有効活用するためのものであり、因果関係を示すものではない旨、ご留意ください)


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この記事のライター

IT企業でコンテンツマーケティングに従事した後、独立。現在はフリーランスのライターとして、ビジネスパーソンに向けた情報を発信しています。読んでよかったと思っていただける記事を届けたいです。

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