トレンドの「推し活」。ファン活動の実態と行動原理を探る |ホワイトペーパー

トレンドの「推し活」。ファン活動の実態と行動原理を探る |ホワイトペーパー

2021年の流行語大賞にもノミネートされた「推し活」。急速に知名度を上げたこのワードの検索者数は、2020年9月から2022年8月までの2年間で10倍以上に急増しました。どういう人が、どういう媒体を利用して、どんなものを推しているのか?熱量が減少する要素とは?「推し活」の実態を徹底調査しました。(ページ数|34ページ)


最近話題の「推し活」。検索者数はスライド右のグラフが示すように、2年間で10倍以上に急増しました。
一口に「推し活」といっても、その対象や応援方法はさまざま。
そこで今回は、彼らの活動実態、行動の心理、熱が冷めてしまう要素を調査し、属性や「推し」のジャンル、活動の程度別にユーザー像を分析していきます。

YouTuberも人気。推し活対象をジャンル別に分析

ヴァリューズが2022年8月に行ったアンケート調査(回答者数:21,416人)によると、「ファン対象がいる」と答えたのは約6割で、回答者の半分以上という結果に。20代女性では8割強の人にファン対象がいるなど、全体的に女性の割合が高いことがわかります。

このような人々は一体どのような対象を「推し」ているのでしょう。

ジャンル別回答者割合のTop5を見ると、上位1、2、4位は芸能人・有名人が占めている一方、目を引くのは 3位の「動画配信系(26%)」。今やYouTuberなどの動画配信者も芸能人に匹敵する人気を得ていることがわかります。

活動時の利用媒体にも違いが。ジャンル間でのファンの移動も?

ファン活動の対象が違うと、利用媒体にも違いが出てくるようです。

3次元アイドルファンは約8割の人がYouTubeをファン活動のために利用しています。次いで、Instagramが約6割、TikTokが約3割の人に利用されており、これはアイドルの公式情報の発信が活発に行われていることが背景にあると考えられます。

一方で、2次元関連ファンはTwitterの利用率が6割以上との結果に。利用目的としては「ファンの創作物を閲覧するため」という回答が特徴的で、二次創作文化が背景にあると考えられます。

また、2次元系コンテンツ・動画配信系のファンには「興味の被り」が多く見受けられました。アジア(韓国など)のアイドルファンは日本のアイドルにも興味があり、一方日本のアイドルファンは2次元系キャラクター/タレントにも興味があるということから、これらのジャンル間でファンの移動が生じる可能性が高そうです。

3次元系は眺めている以上の存在、2次元系は推し活が個性に

続いて、ファン活動の背景にある思いについて調査し、2次元系・3次元系の「ジャンル区分」と回答者の「性別」で回答をマッピングしました。

例えば、3次元系ジャンルのファンは、「ファン対象を理解したい / 理解してもらいたい」「自分のことを知ってほしい」という意識が強く、眺めている以上の存在になっていることが表れています。

一方、2次元系のファンは、「自分なりの個性的な方法で応援したい」「ファン対象が持っているアイテムと同じもの・似たものを使いたい」といった回答が目立ち、活動することが自身の個性となっており、個性を発信する手段にもなっていると言えそうです。

また性別差を見ると、男性ファンは活動における自意識が比較的高く、女性ファンはファン対象を身近に感じていたいという欲求やコンプリート意識が比較的高いことがわかります。

クールダウンしてしまう熱量。そのきっかけや心的要因は?

どんなに熱くなったファン活動でも、熱量が減少してしまうことも。
それはファン対象やジャンルによって違いはあるものの、いくつかの共通した原因もあるようです。

例えば2次元系のファンの場合を見てみると、「公式グッズの価格や品質」、アジアのアイドルファンだと「事務所の運営の在り方」に対して、ファンは不満を感じやすいようです。

加えて、2次元系のファンは特に、自分自身の状態(時間・お金・心の余裕)と活動が密接に関係していると考えられます。

本記事でご紹介したレポートの完全版は下記フォームから無料でダウンロードできます。ぜひお申し込みください。

ホワイトペーパーダウンロード【無料】|ファン活動の実態に関する自主調査 ~ファンの行動心理とは?

資料のダウンロードURLを、ご入力いただいたメールアドレスに送付させていただきます。
ご登録頂いた方にはVALUESからサービスのお知らせやご案内をさせて頂く場合がございます。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


観るだけでポイントが貯まる「TikTok Lite」はSNSビジネスを革新するか。TikTokユーザーデータと比較調査

観るだけでポイントが貯まる「TikTok Lite」はSNSビジネスを革新するか。TikTokユーザーデータと比較調査

動画視聴を通じてポイ活を行うアプリ「TikTok Lite」が注目を集めています。「TikTok」に少し変化を加えただけに思えるこのアプリですが、実は「TikTok」と同じぐらい勢いがうかがえます。そこで、本記事では「TikTok Lite」と「TikTok」のアプリユーザーのデータを分析し、双方の違いから「TikTok Lite」の人気の要因を探っていきます。


レトロ可愛い「フレンドシップ・ブレスレット」、娯楽に出費を惜しまない「ファンフレーション」| 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年7月)

レトロ可愛い「フレンドシップ・ブレスレット」、娯楽に出費を惜しまない「ファンフレーション」| 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年7月)

海外からやってくるトレンドが多い中、現地メディアの記事に日々目を通すのはなかなか難しいもの。そこでマナミナでは、海外メディアの情報をもとに世界のトレンドをピックアップしてご紹介します。今回は、コンサート会場で手作りブレスレットを交換する「フレンドシップ・ブレスレット」と、インフレでもレジャー需要が止まらない現象「ファンフレーション」について紹介します。


レトロブームで再燃? コンデジやチェキ、写ルンですの消費者ニーズをデータで深掘り

レトロブームで再燃? コンデジやチェキ、写ルンですの消費者ニーズをデータで深掘り

「コンデジ」「チェキ」「写ルンです」。この言葉を聞いて懐かしいと思う大人は多いかもしれません。スマートフォンの普及によって、カメラを買う機会は減少傾向にありました。しかしながら、最近はZ世代の間で「レトロ」が注目を集め始め、コンデジブームがやってきました。データ分析を通してそれぞれのカメラの関心層を分析します!


【調査リリース】4大SNSのヘビーユーザーを比較調査!X利用者はフォロー/シェア等での割引施策参加に積極的、 TikTok利用者は高価でも衝動買いの傾向

【調査リリース】4大SNSのヘビーユーザーを比較調査!X利用者はフォロー/シェア等での割引施策参加に積極的、 TikTok利用者は高価でも衝動買いの傾向

アプローチしたい顧客セグメントに到達するためには、コミュニケーション媒体として適切なSNSを選定し活用することが重要です。数多くの新興SNSも登場する中、どんなユーザーがどのSNSを選び、どのような購買活動をしているのか。今回は4大SNSとも言える、Facebook、Instagram、TikTok、X(旧Twitter)それぞれのヘビーユーザーの属性、購買動機や興味関心などのサイコグラフィック、メディアの利用状況や消費行動などを調査し、ユーザープロファイルを作成しました。


The latest trends provoke “empathy for real-life negative situations”? Analyzing popular characters and events

The latest trends provoke “empathy for real-life negative situations”? Analyzing popular characters and events

To generate buzz in a systematic manner, rather than by chance, it is important to look for commonalities in why certain things become a trend. We will analyze recent trends such as "cat memes," popular characters, and events to determine "what people are supporting these days, and why."


最新の投稿


アパレル系の店舗アプリを知ったきっかけは「店員からの案内」が約6割【Repro調査】

アパレル系の店舗アプリを知ったきっかけは「店員からの案内」が約6割【Repro調査】

Repro株式会社は、アパレル系店舗アプリのインストール前後の利用状況に関するユーザー調査を実施し、結果を公開しました。


認知度の向上にはコンテンツマーケティングが必須と回答した人は9割以上!実施の結果、7割以上が成果を実感している【未知調査】

認知度の向上にはコンテンツマーケティングが必須と回答した人は9割以上!実施の結果、7割以上が成果を実感している【未知調査】

未知株式会社は、全国の企業に在籍する20〜60代の方を対象に「コンテンツマーケティングの実施・成果」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


「美容成分オタク」のオンライン行動を分析!スキンケアの情報収集実態に見る、コミュニケーションのヒント|セミナーレポート

「美容成分オタク」のオンライン行動を分析!スキンケアの情報収集実態に見る、コミュニケーションのヒント|セミナーレポート

近年、美容インフルエンサーの発信により特定のスキンケア成分がフォーカスされ、「成分関心層」が増加しています。今回は、@cosmeを運営するアイスタイル社が保有する、日本最大級の美容に関する生活者データと、ヴァリューズが保有するオンライン行動データを活用。成分に関する情報感度の高いアーリーアダプター層に注目し、その裏にあるユーザーインサイトから、成分関心層と取るべきコミュニケーションを探ります。※本セミナーのレポートは無料でダウンロードできます。


官民連携の智略 ~ PPP/PFI

官民連携の智略 ~ PPP/PFI

高い効率性が求められるのは今や個人の仕事や学業の範疇にとどまらず、国の施策運営である公共事業などにもその思考傾向は浸透しつつあります。その結果、国は民間企業の協力を得て「官民連携」で公共事業を進めることでそれらを効率化し、さまざまな事業を支えている例が多く存在します。本稿では、このような「官民連携」で効率化を目指す手法のPPPやPFIなどについて、広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長を務めている渡部数俊氏が解説します。


観るだけでポイントが貯まる「TikTok Lite」はSNSビジネスを革新するか。TikTokユーザーデータと比較調査

観るだけでポイントが貯まる「TikTok Lite」はSNSビジネスを革新するか。TikTokユーザーデータと比較調査

動画視聴を通じてポイ活を行うアプリ「TikTok Lite」が注目を集めています。「TikTok」に少し変化を加えただけに思えるこのアプリですが、実は「TikTok」と同じぐらい勢いがうかがえます。そこで、本記事では「TikTok Lite」と「TikTok」のアプリユーザーのデータを分析し、双方の違いから「TikTok Lite」の人気の要因を探っていきます。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ