■スピーカー紹介
SEO分析で必要な指標の3割を唯一カバー。Web行動ログデータの優位性
株式会社ヴァリューズ 小幡のぞみ(以下、小幡):ヴァリューズは、消費者のWeb行動ログデータを独自に保有しています。データの独自性から、ここ2・3年で、SEO対策という観点で弊社データをお使いいただくことが多くなってきております。その背景について、岩間さん、お話いただけますか。
株式会社ヴァリューズ 岩間隆志朗(以下、岩間):はい。他のSEOツール・クローリングツールでは分析できない領域を、Web行動ログデータではカバーすることが可能です。
例えば、ある特定のキーワードを検索した際の前後の検索をチェックしたり、流入先のページにおける滞在時間・直帰率などをURL単位で分析したり、検索したキーワード・接触したコンテンツがCVに紐づいているかを、競合を含めて見ることができます。
SEOの分析において必要な指標は、大体200指標程度と言われておりますが、その3割ほどはWeb行動ログデータでしか取得できない領域となっています。これが、ヴァリューズでSEO分析をすることの優位性となっております。
小幡:ヴァリューズデータでしか分析できない指標があるということですね。
岩間:ヴァリューズは、独自のWeb行動ログデータを、クローリングデータや各種APIサービスと連携することで、日本最大級のSEO研究用データベースを構築しており、それにもとづいて、SEOトレンドの研究をしています。今回は、その研究結果の一部をご紹介させていただければと思います。
2023年、マーケティングにおけるSEOの重要性
小幡:2023年を迎えるにあたって、SEOは重要なマーケティング施策となりうるのでしょうか?
岩間:今回は、マーケティングにおけるSEOの重要性の高まりについて、3つの観点からお話します。
①若年層の検索数が増加傾向にある
②商品/サービスを提供している会社のサイトは、検索順位が上がりやすくなっている
③自分の行動/意思決定を肯定する気持ちを高める情報源として、「検索」はとても重要
1点目は、20代の若年層の検索する回数が、2年前と比較して1.3倍〜1.5倍に増加しているという点。行動ログデータで直近2年間のGoogle検索やYahoo!検索のセッション数やPV数の推移を見てみると、いずれの指標も右肩上がりになっていることが見て取れます。
小幡:SNSが情報収集の主流となり、「20代の検索離れ」が指摘されるようになってきていますが、実際には検索数は増加しているのですね。
岩間:そうなんです。上の年代に比べ、20代はTwitterやInstagramといったSNSを同時利用しながらブラウザ検索を行う人が多い、という調査結果も出ています。
小幡:2点目はどういった点になりますか?
岩間:SEO対策の重要性が高まっている理由の2点目として、企業サイトが上位表示されやすい状況になってきていることが挙げられます。製品やサービスを提供する側のサイトが上位表示されやすく、個人のブログやアフィリエイトサイトは、キーワードにもよりますが、上位表示されにくくなってきています。
岩間:3点目は、情報収集における満足度を高める行動として、「検索」の価値が高まってきているということ。2022年にGoogleとヴァリューズが共同で行った「肯定度」の調査で明らかになったことですが、商品を検討する際、検索して見つかった情報が、消費者の肯定度を高めた情報のトップとなっています。
SEOは、検索結果画面で自社のページが上位に表示されるようにする施策ですので、検索の価値の高まりは、SEOの優先度を引き上げるファクターといえるでしょう。
※「肯定度」の解説記事は末尾にリンクがございますので、あわせてぜひお読みください。
2023年のSEOトレンド予測
小幡:マーケティングにおけるSEOの重要性の高まりについてお伝えしたところで、2023年にどのようなSEOのトレンドが来るのか、という予測についてお話したいと思います。
2023年に押さえるべきポイントは、以下の8項目に整理することができます。
岩間:レポートでは各項目について詳細に解説していますが、ここでは1点目の「画像や動画の重要性」について簡単に触れたいと思います。
これまでの一般的なSEOでは、「キーワードをたくさん入れていこう」とか、「Googleが読みやすいように文章で書いていこう」など、テキストベースで進める対策がメインでした。
しかし、YouTubeやTikTok、Pinterestといった画像や動画をメインコンテンツとするメディアについて、彼らの獲得の推移を行動ログデータから見ていくと、順位は上昇傾向にあることがわかりました。何かをブラウザ上で検索した際に、こうしたテキストに終始しないコンテンツが上位化されるようになってきているということです。
小幡:動画や画像系のメディアがSEO上、強くなってきているんですね。
岩間:このような傾向から、「この検索なら、テキストではなく画像や動画の方が気になりごとを解消しやすいだろう」ということをGoogleが判断し、理想の表示形式に合致するコンテンツの評価を高めている、と考えられます。ユーザーが求めている表現形式に応える必要性が高まっているということですね。
2023年、コンテンツマーケターが取るべきアクションは?
小幡:では、テキストだけではなく、ユーザーが求める表現形式をすべきという傾向にむけて、マーケターはどのようなアクションを取れば良いのでしょうか。
岩間:まず一つ目に、ユーザーが求めている表現形式にどう応えていくのかというところですが、実際に検索し表示される検索結果画面から、ある程度は推測が可能です。
前述のように、Googleが「この検索に対しては動画コンテンツをレコメンドしてあげた方が良いな」と判断したものについては、検索結果画面に動画をメインとしたページが上位表示されるはずです。また、ユーザーの目線で考えた時に、こういった表現形式が良いのではないか、というある程度のアタリもつけることができるかなと思います。
それに加え、Web行動ログデータを参照することで、対策したいキーワードの前後に接触が起こっているサイトやアプリから、どういった表現形式がユーザーに求められているのかを定量的に分析することもできます。
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小幡:下記フォームから無料ダウンロードいただける当レポートの完全版では、SEOの動向予測とマーケターが取るべき具体的な施策について、300ページの大ボリュームで解説しております。ぜひダウンロードください。
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https://manamina.valuesccg.com/articles/2138情報過多な中、自分の選択に満足がいくまで商品の検討を続けていると起こりがちな「買い物疲れ」。だからこそ、苦労して情報探索を終えた末に購入した商品を、継続購入する行動パターンが増えてきているようです。そのような探索を経た商品に対しては、「肯定度」が高まりやすいといいます。「肯定度」が高い商品がリピートされるのであれば、消費者の「肯定度」を高める方法が気になるところ。今回は、「肯定度」の解説から広告施策への落とし込み方まで、事例を交えてご紹介します。
制作会社でUIUXデザインやWebサイトの施策立案を経験後、ヴァリューズにジョイン。セミナーのサポートやTVドラマランキングの執筆などを担当しています。