今のSEO施策、うまくいってる?PDCAを回す際に見るべき指標を解説|「2023年9月 コンテンツマーケティング最新動向レポート」

今のSEO施策、うまくいってる?PDCAを回す際に見るべき指標を解説|「2023年9月 コンテンツマーケティング最新動向レポート」

今のSEO施策がうまくいっているのか、自信を持てないマーケターも多いのではないでしょうか。SEOのPDCAを回す際には見ておくべきポイントがあります。今回は、ヴァリューズのマーケティングコンサルタントが “どういった指標”を“何で見れば良いか”を徹底解説。今のSEO施策を続けるべきか、改善するにはどうすればよいかが分かるようになります。


【解説者紹介】

SEOのPDCAを回す際、見るべき指標とは?





安部:「2023年9月のコンテンツマーケティング最新動向レポート」では、SEOのPDCAを回す際に見るべき指標について取りあげています。










岩間:SEO担当者ならぜひ押さえておきたい内容ですね。「今のSEO施策がうまくいっているのか判断できない」「現状のSEO施策についての要因分析をしたい」といった悩みをよく耳にするんです。










安部:今回は、具体的に“どういった指標”を“何で見れば良いか”を解説していきます。

まず大枠をつかむために、SEOの振り返りで重要な指標のサマリーを見てみましょう。

多くのサイト運営者の方は、売り上げの最大化を最終目標として置いていると思います。「売り上げ=売上単価×CV数」となるため、まずCV数の増加※を目指すことになるでしょう。

※今回は売上単価の向上施策は除いています




指名検索と一般検索





安部:ではCV数増加を目指すためには、どのような指標を見ていけばよいか、一つずつ要因分析していこうと思います。

まずSEO観点でいうと、CV数を増やすためにはまず「指名検索」と「一般検索」という2つのカテゴリからの流入を増やす施策を打つことになります。

ここでのポイントは、指名検索と一般検索、それぞれのキーワードに対して行う施策は異なるものであるということです。

指名検索のキーワードは、自社の企業名や商品名、一般検索のキーワードは業界の一般名詞(例:アパレル業界であればカーディガンなど)のことを指します。








岩間:どうして指名検索と一般検索で、異なる施策を打つ必要があるのですか?










安部:それぞれ見る指標が異なるためです。

指名検索のキーワードは会社名や商品名であることから、競合が少なく、基本的には検索順位で1位になっていることが前提です。そのためクリック率の変化はほとんどなく、重要な指標は指名検索キーワードの検索ボリューム(=指名で検索される回数)となるなど、非常にシンプルなのです。(指名検索キーワードで1位になっていない、クリック率が低いなどは別施策が必要)

一方で一般検索は、競合も多いなどの理由から、見るべき指標が多く、複雑になります。










岩間:なるほど。では実際に指名検索と一般検索で分けて考えていくとして、SEOがうまくいっているか要因分析する際には、キーワード別とページ別、どちらで見ていけば良いのでしょうか。










安部:キーワード別はより詳細な、ページ別はざっくりした分析になると認識していただければと思います。

多くの方は分析の際にGoogle Analyticsを活用していると思いますが、Google Analyticsではキーワード起点のデータを見ることは向いていません。もしキーワード起点で分析したい場合は、基本的にはGoogleが提供するSearch Consoleや、Dockpit / VALUESデータなどの第三者ツールで見ていくことになります。

分析の手順としては、まずページ別でトラフィックの増減を確認し、気になる点があればキーワード別で細かく分析していくといった見方をするとよいでしょう。

ツールについては、後半で改めて説明しますね。




一般検索 ‐ セッション数





岩間:SEO施策は指名検索と一般検索で分けて行う、そして分析する際は基本的にはキーワード起点で考えるのが望ましいとわかりました。

より指標が多くて複雑な一般検索について教えてもらいたいです。一般検索がうまくいっているかは、どの指標を見ればよいのですか。










安部:一般検索を要因分析すると、「セッション数」と「CVR」に分かれます

CVRに関してはCRO(Conversion Rate Optimization)観点の施策も必要になる一方、セッション数はSEO的な観点で必要なキーワードが取れているかを見ることで、増加させていくことができます




一般検索 ‐セッション数 ‐ クリック率





岩間:今回はSEOがテーマなので、SEO施策で改善が見込めるセッション数のほうを見ていきたいです。セッション数の状況を判断するためには、どの指標を見ればよいですか。










安部:セッション数を要因分析すると、「検索ボリューム」と「クリック率」に分かれます

おさらいすると、検索ボリュームとは、特定のキーワードが一定の期間内で検索エンジン上でどれだけ検索されたかを示す指標です。基本的には月間で見ることが多く、例えば検索ボリューム1万という数値が出ていたら、月間1万回ユーザーに検索されているということが分かります。検索ボリュームはトレンドの影響を受けることが多く、「テレビで紹介された」「為替市場が変わった」といった出来事でも数値が変動します。そのためSEO施策で改善するとなると、難易度が高くなります。

一方クリック率は、基本的には検索順位に依存するためSEOで対策することが可能です。




一般検索 ‐セッション数 ‐ クリック率 ‐ 流入シェア





岩間:検索ボリュームはSEOによる対策が難しいとわかりました。ではクリック率を分析する際に、見るべき指標を教えてください。










安部:クリック率を要因分析すると、「0クリック率」「広告 / Organic比率」「流入シェア」の3つに分かれます








安部:1つ目の0クリック率は、ユーザーが検索結果を見た後、どの結果もクリックせずに離脱した割合を示す指標です。 この0クリック率ですが、近年徐々に増えている傾向があります。理由としては近年Googleの検索結果画面が充実してきており、サイトだけでなく、そのキーワードの概要や関連する地図が表示されるので、検索結果画面だけで求めている情報が収集できてしまうことが影響しています。

2つ目の広告 / Organic比率は、ユーザーが検索結果画面でリスティング広告をクリックする割合を示す指標です。これは自社だけでなく競合のリスティング広告出稿状況など、外部要因に左右されることが多いです。

最後の流入シェアは、自然検索結果画面で表示されたいずれかのリンクをクリックしたユーザーの数のうち、自社サイトをクリックしたユーザーの数の割合を表したものです。流入シェアはSEOでコントロールしやすいのが特徴です。具体的には「検索順位」と「検索順位以外のSERPs(サープス)要素」という2つの指標を見ていきます

まず検索順位とは、特定のキーワードで検索した際に、検索結果の何番目に表示されているかを示す指標です。一般的にSEOというと、この指標を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ユーザーニーズにマッチしていたり、独自性があったりするコンテンツを出していくことで改善を図ることが可能です。

もう1つの検索順位以外のSERPs要素は、先ほど紹介した検索結果画面上で表示されるサイト以外の部分、例えばリッチスニペットや地図、画像や「他の人はこちらも検索」などが挙げられます。対策として、リッチスニペットなどは構造化データのマークアップを適切に行うことで表示を促すことが可能であるものの、Google次第という面もあるので、検索順位と比べて対策がしづらいかもしれません。




SEOのPDCA計測に使える4つのツール





岩間:SEOがうまくいっているかを見るための指標が分かりました。では、具体的にどうやって見ていけばよいのでしょうか。活用できるツールを知りたいです。










安部:今回は4つのツールを紹介します。

1つ目は皆さんご存知のGoogle Analyticsです。サイト全体のトラフィック状況やコンバージョン数、CVRの状況がわかります。まずGoogle Analyticsでざっくりとした状況を掴むとよいと思います。

2つ目はSearch Consoleです。Google Analyticsで流入数の減少がわかったとき、その原因が検索ボリュームなのかクリック率なのかを確認できます。クリック率が原因の場合は、そこからさらに詳しく具体的にどのキーワードが影響しているかまでわかります。ただしSearch ConsoleはGoogleからの流入のデータしか見ることができません。

3つ目はDockpit / VALUESデータです。前述のGoogle AnalyticsやSearch Consoleは自社データのみを見ることができますが、Dockpit / VALUESデータは競合など社外のデータを見ることが可能です。今回お話ししてきたように、競合など外部環境もSEOに大きな影響を与えます。そのため自社外の動きもきちんと把握していく必要があるでしょう。

また、Dockpit / VALUESデータなら、流入シェアや、0クリック比率、広告 / Organic比率も把握することが可能です。検索した後にどういった行動をするかを把握し、なぜこのKWで自然検索流入が増えたか、減ったかを正しく判断できます。

最後がクローリングツールです。主に、競合の順位を計測することで活用されています。

今回は各ツールの概要のみをお伝えしましたが、実際にGoogle Analyticsのどのレポートを見ればよいのかなどは、「2023年9月のコンテンツマーケティング最新動向レポート」で詳しく説明しています。最後に無料ダウンロードできるURLをお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。




特定の指標に偏ることなく、全体を見ることが大切





岩間:ありがとうございます。今回も学び多き内容ですね。いろいろと話していただきましたが、安部さんが普段SEOのPDCAを回していく中で意識していることはありますか。










安部:常に全体を見るよう意識しています。今回は様々な指標を紹介しましたが、特定の指標だけに偏らないことがポイントだと考えています。例えば、キーワードの順位だけを見ていれば流入が増えるのかというと、必ずしもそうでない場合があります。大切なのは、今回お話ししたように、どの指標がボトルネックになっているかを把握することだと思います。

以上、9月のコンテンツマーケティング動向「SEO編」でした。次月のネタも楽しみにお待ちください。






(本調査はあくまでも傾向に注目し、今後の施策における仮説立てや優先順位の検討に有効活用するためのものであり、因果関係を示すものではないこと、また、各トピックの内容やVALUESの見解は、資料作成時のものであり、今後の情勢やアルゴリズムの変化によって変わることがある旨、ご留意ください)

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この記事のライター

IT企業でコンテンツマーケティングに従事した後、独立。現在はフリーランスのライターとして、ビジネスパーソンに向けた情報を発信しています。読んでよかったと思っていただける記事を届けたいです。

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