約7割のユーザーがSaaSを導入している一方で、「業務効率化」や「生産性向上」の効果を実感できている割合は4割未満にとどまる
【結果 1】チーム(もしくは部署)で、業務にSaaSを利用しているか聞いたところ、7割近いユーザーが「SaaSを利用している」(68.7%)と回答しており、DXを推進している企業においてSaaSの普及が進んでいることがわかります。
【結果 2】業務にSaaSを利用している方に、SaaSを利用することで業務効率化や生産性の向上を実感しているか聞いたところ、「非常に実感している」と答えた人は全体の38.3%にとどまりました。
また、「多少実感している」と回答した人が50.0%と最多であり、SaaSの効果が十分に発揮されていない可能性が示唆されています。
SaaSの利用によって業務効率化や生産性向上を「実感できていない」という回答も少数ながら見られます。
SaaS利用による業務効率化や生産性の向上を実感できていない理由は、「業務にかかる工数が減っていないため」が最多
【結果 3】SaaSを利用しても、業務効率化や生産性の向上を実感できていないと答えた人にその理由について聞いたところ、最も多く挙げられた理由は「業務にかかる工数が減っていないため」(52.1%)で、次いで多かったのは「機能が複雑(多機能)で十分に使いこなせていないため」(47.9%)でした。
この結果から、SaaSの活用において、導入後の運用(工数)やサポートの面で課題を抱えていることがわかります。
SaaSの解約経験があるユーザーは全体の3割にのぼり、解約に至った理由は、「機能が複雑(多機能)で十分に使いこなせなかった」が最多
【結果 4】導入したSaaSが運用に乗らずに、解約した経験はあるか聞いたところ、SaaSを導入したユーザーのうち、30%が「運用に乗らずに解約した経験がある」と回答しており、決して少なくない結果となりました。
SaaS事業者は、導入後のサポート強化や、運用を定着させるための取り組みが重要であるといえそうです。
【結果 5】SaaSを解約したことがある人に、運用に乗らなかった理由を聞いたところ、「機能が複雑(多機能)で十分に使いこなせなかった」(62.2%)が最も多く、次いで多かったのが「課題や業務プロセスに見合った選定ができず、運用が上手くいかなかった」(51.1%)です。
また、「システムからのデータ移行や既存のシステムとの統合がうまくいかなかった」(43.3%)や、「業務にかかる工数が減らなかった」(43.3%)といった技術的な課題も大きな要因となっています。
さらに、「ユーザーサポートが不十分で、問題解決が遅れ業務に支障が出ていた」(26.7%)という結果からは、導入後のサポートの重要性が強調されます。
SaaSが単に導入されるだけではなく、適切なサポートや運用支援がなければ、期待通りに機能しない可能性が高いことが示唆されています。
SaaSを活用するための、データを登録するなどの作業を手間だと感じているユーザーは全体の約8割
【結果 6】業務にSaaSを利用している方に、SaaSを活用するための、データを登録するなどの作業を手間だと感じるか聞いたところ、半数を超える人が「多少感じている」(53.4%)と回答し、次いで、27.7%の人が「非常に感じている」と答え、多くのユーザーがこの作業を負担に感じていることがわかります。
一方で、「全く感じていない」(2.4%)や「あまり感じていない」(16.5%)と答えたユーザーも存在しますが、2割未満と少数に留まっています。SaaSの利便性を高めるためには、データ登録などの作業をいかに簡略化するかが、利用促進の鍵となりそうです。
SaaS事業者に求めるサポートは、「自社への適切な業務設計アドバイス」が最多。「運用マニュアルの充実」、「アップデート対応など機能面でのユーザーサポートの充実」が続く
【結果 7】SaaS事業者に求めるサポートは何か聞いたところ、最も多くの回答を占めたのは「自社への適切な業務設計アドバイス」(49.0%)でした。
この結果から、SaaSを導入するユーザーは単なるツールの提供だけでなく、企業の業務プロセスに適合した活用方法のアドバイスを求めていることがわかります。
次いで、「運用マニュアルの充実」(41.3%)や「アップデート対応など機能面でのユーザーサポートの充実」(39.5%)が高い結果となり、導入後の運用をスムーズに進めるためのサポートが不十分であると、システムの利用に困難を感じやすいことが示唆されています。
また、「ノンコア業務の切り出し」(31.7%)や「紙文書のスキャン作業や、入力作業」(31.0%)も一定数いることから、実務的なサポートも求められています。
SaaSを導入したユーザーがコア業務に集中できる環境を整えるために、ノンコア業務を効率的に処理するサービスが望まれていることを示しています。
その他調査結果
■SaaSの利用で業務効率化や生産性の向上を実感している理由
【結果 8】SaaSの利用によって、業務効率化や生産性の向上を実感していると答えた人にその理由を聞いたところ、「リアルタイムでの共同作業が可能で、コミュニケーションがスムーズになったため」(62.9%)、「リモートワークや出張先でもスムーズに業務ができるため」(62.4%)が最も高い結果となりました。
また、「定型業務の自動化など、ワークフローが最適化されているため」(54.7%)、「データの一元管理ができているため」(52.2%)も半数以上の割合を占めており、SaaSの効率性と統合性が評価されていることを示しています。
■SaaSを利用している中で、課題やビジネスプロセスに見合った選定ができているか
【結果 9】SaaSを利用している中で、課題やビジネスプロセスに見合った選定ができていると感じるか聞いたところ、「非常に感じている」と回答した人は、31.8%と、全体の約3割に留まりました。
また「多少感じている」(53.6%)と回答した人が最多で、約5割という結果でした。さらに、「全く感じていない」(1.9%)、「あまり感じていない」(12.6%)と回答した人も14.5%おり、SaaSの選定や導入プロセスにおいて、さらなる最適化の余地があるといえます。
■SaaSの機能は、十分に使いこなせているか
【結果 10】利用しているSaaSの機能は、十分に使いこなせていると思うか聞いたところ、「十分に使いこなせている」と回答した人は、全体の3割未満でした。
「多少は使いこなせている」と答えた人が最も多く、56.6%を占めています。全体的にある程度は活用ができていると感じていることがわかりますが、「使いこなせていない」と感じる人も18.7%と存在しています。
この結果から、SaaSの機能を十分に活用できていないという課題に対して、説明やサポートが不足している可能性が考えられます。
■SaaSを利用することで、業務の工数は減ったと感じるか
【結果 11】業務にSaaSを利用している方に、SaaSを利用することで、業務の工数は減ったと感じるか聞いたところ、「非常に感じている」と答えた人は28.9%でした。
「多少感じている」が半数を超え(54.4%)最も多く、この結果から、SaaS導入によって工数削減を一定感じているものの、SaaSのメリットを最大限に享受できていないことが見受けられます。「全く感じていない」(2.7%)や「あまり感じていない」(14.1%)と答えたユーザーも約17%存在しています。
■既存システムからのデータ移行や既存システムとの統合は問題なく行えている
【結果 12】既存システムからのデータ移行や既存システムとの統合は問題なく行えているか聞いたところ、「一部問題はあるものの、業務上支障はない」と回答した人が56.6%と最も多く、次いで、31.1%の人が「問題なく行えている」と回答しました。
大多数のユーザーは比較的順調に対応しているものの、依然として課題が存在することがわかります。特に「一部問題はあるものの、業務上支障はない」(56.6%)と回答した約6割のユーザーは現在業務に影響がないものの、潜在的なリスクを抱えている可能性があります。
また、10.2%のユーザーが「統合に苦労しており、業務に支障が出ている」と回答していることから、深刻な問題が発生しているケースも無視できません。
■SaaS導入後もユーザーサポートは十分にされていると思うか
【結果 13】業務にSaaSを利用している方に、導入後もユーザーサポートは十分にされていると思うか聞いたところ、全体の84.3%が何らかの形でサポートが行き届いていると感じていることがわかります。
しかし、そのうち「十分にされている」(29.4%)と感じているのは約3割に留まり、過半数が「多少はされている」(54.9%)と回答しています。
多くのユーザーがサポートを受けていると感じているものの、その質や量に対する満足度には課題が残っているということが言えそうです。
■解約したSaaSの種類
【結果 14】SaaSを解約したことがある人に、解約したSaaSの種類を聞いたところ、「経理・財務管理」(41.1%)が最も高く、次いで「顧客管理」(38.9%)と「マーケティング」(38.3%)が続きました。
調査概要
調査名:SaaSを利用した業務の実態調査
調査対象:DX推進している企業の係長以上の役職者
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年8月20日~8月22日
サンプル数:600名
出典元:株式会社うるるBPO
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。
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