生成AIを業務に活用している人は3割強。20代の6割が業務に活用する一方、50代は3割にとどまる
「業務で生成AIを使用しているか」という問いに対し、業務での使用経験者は全体の3割強(35.8%)という結果となりました。生成AIが一般に広く話題となる中でも、実際に日常業務へと落とし込まれているケースは依然として限定的であることが浮き彫りになりました。
また、年代別では、20代では使用経験が非常に高く、6割(60.9%)が何らかの頻度で活用していることが分かりました。一方で、年齢が上がるにつれて使用率は下がる傾向にあり、50代では約7割(68.5%)が「使用していない」と回答しています。
生成AIの使用頻度の高い人ほど「AIによる人材の置き換え」に不安を感じている
続いて、「生成AIの進展により、人間の役割や存在意義が薄れていくことに危機感を覚えるか」と聞いたところ、意見が分かれる結果となりました。
生成AIの使用頻度との関係を見ると、生成AIを「ほぼ毎日使っている」人のうち、40.9%が「非常にそう思う」と回答しており、全体平均(15.0%)の2.7倍に上りました。使用頻度の高い人こそ、「生成AIによる人材の置き換え」に不安感を抱いていることが分かります。
生成AIの利用シーンが進んでいるのはメールなどの文章作成業務
次に、生成AIを業務で使用していると回答した215名に対して、最も頻繁に使用している業務を聞いたところ、最も多かったのは「メールなど簡単な文章の作成(27.4%)」でした。
続いて「リサーチ・情報収集(19.1%)」、「アイデア出し(15.3%)」、「業務の自動化(12.6%)」が続き、情報整理や構想段階での活用が中心であることが明らかになりました。
「提案書や企画書の作成(8.4%)」や「議事録の作成・要約(8.4%)」も一定の頻度で使用されているものの、1割未満にとどまり、業務での活用はまだ限定的な段階にあると言えます。
生成AIを活用していく上で必要なのは「セキュリティ対策」や「ガイドライン」
生成AIの今後の活用促進にあたり企業に求める支援を聞いたところ、最も多かったのは「セキュリティ対策(44.0%)」でした。
次いで「運用ガイドラインの整備(42.5%)」、「教育・研修(34.8%)」が上位に並び、生成AIを安心して使える環境の整備を求める声が強いことが分かりました。
また「成功事例の共有(23.3%)」や「システム導入費用の補助(20.8%)」、「経営陣の生成AI活用に対する理解(17.3%)」も一定数を占めており、経営層・現場双方から積極的な活用を促す土台づくりも求められていると言えます。
調査概要
調査名 :企業の生成AI活用に関する実態調査
調査主体: 株式会社カオナビ
調査方法: WEBアンケート方式
調査期間: 2025年5月14日~2025年5月16日
対象者 :全国20〜50代の会社員・経営者(男女)600名
※回答の構成比は小数第1位もしくは第2位を四捨五入しているため、合計は必ずしも100%にはなりません。そのため、グラフ上に表示される構成比での計算結果は、実際の計算結果とずれが生じる場合があります。
出典元:株式会社カオナビ
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。
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