AI Overviews(AIによる概要)との向き合い方について
■インターネット上で情報を検索する際に利用するサービス
はじめに、インターネット上で情報を検索する際に利用するサービスについて調査しました。
その結果、情報を調べる際にChatGPTやGemini、Copilotなどの生成AIツールを使用するユーザーは、検索エンジン、SNSに次いで3位となる15%でした。
生成AIを使用するユーザーは増加していると考えられるものの、検索エンジンの64%に比べるとまだ割合は低く、依然として検索エンジンが主要な情報収集手段であることが明らかになりました。
■検索結果のWebサイト一覧からサイトを選ぶ際に、順位以外で重視する点
続いて、検索結果のWebサイト一覧からクリックするサイトを選ぶ際に、順位以外で重視する点について調査しました。
その結果、「タイトルや説明文を重視する」を挙げたユーザーは合計で49%(内訳:「タイトルが具体的で、自分の疑問に答えてくれそうか」29%、「説明文(デスクリプション)に探している情報が含まれていそうか」20%)でした。
これらの要素がユーザーのクリック判断において重要な役割を果たしていることがわかります。
また、「公式サイト・公的機関・有名企業など、運営元が信頼できそうか」を重視するユーザーは21%と、掲載されているページの信頼性も一定の影響を与えていることがうかがえます。
一方で、「見覚えがあるサイトだから」という理由でクリックすると回答したユーザーは8%にとどまり、単に認知しているというだけではクリックにはつながりにくい傾向も明らかになりました。
■検索エンジンを利用する際、AI Overviewsをどの程度参考にするか
続いて、検索エンジンを利用する際に表示される「AIによる概要(以下AI Overviews)」について、ユーザーがどの程度参考にしているかを調査しました。
視認性の高い位置に配置されていることもあり、「毎回しっかり読んで参考にする(14%)」「ざっと目を通して、役立ちそうなら参考にする(59%)」と回答したユーザーを合わせると全体の73%にのぼり、多くのユーザーがAI Overviewsを確認していることがわかりました。
また、「ほとんど見ない、または表示されても無視する(6%)」「たまに見る程度で、あまり参考にしない(16%)」といった回答もあり、一部のユーザーはAI Overviewsが表示されていてもあえて参考にしないという選択肢を取っていることも分かりました。
■検索エンジンで検索した際、検索結果でクリックするサイトの順位
続いて、検索エンジンで検索した際、表示された検索結果のうち、何位くらいまでの情報(Webサイトへのリンク)をクリックすることが多いかについて調査しました。
「検索結果上部の要約(AI Overviews)で十分」と回答したユーザーは4%にとどまり、多くのユーザーがその下に表示される検索結果まで目を通し、実際にクリックしていることがわかりました。
しかし「1ページ目(約10位)より下を見る」と回答したユーザーはわずか9%で、検索結果の1ページ内で情報収集を完了するユーザーが多い傾向がうかがえます。
AI Overviewsの導入により検索結果の構成には変化が見られるものの、実際にはAIによる概要だけで検索行動を終えるケースは少なく、多くのユーザーが複数のWebサイトを比較しながら情報収集を行っている状況が明らかになりました。
AI Overviewsや生成AIツール(ChatGPT、Gemini、 Copilotなど)が回答した情報との向き合い方について
■AIによる回答を、どのような時に「便利だ」「役に立つ」と感じるか
続いて、AI OverviewsやChatGPT、Gemini、Copilotなどの生成AIツールが生成した回答をどのような場面で「便利だ」「役に立つ」と感じているかについて調査しました。
その結果、AIに対して「情報の即時性」と「情報の効率性」をメリットと感じるユーザーが多いことがわかりました。
具体的には、「素早く情報を入手できる点」を挙げたユーザーは合計で51%(内訳:「基本的な知識・定義をすぐに知りたい」26%、「複雑な情報を素早く要約」25%)。
「整理された形で情報を得られる点」を挙げたユーザーは合計で39%(内訳:「具体的な手順や方法を簡潔に示してくれる」17%、「選択肢を比較検討しやすくしてくれる」12%、「専門的な内容を分かりやすく解説」10%)でした。
これらの結果から、AIは主に、情報の取得スピードという「即時性」と、要点を整理した形で提示される「効率性」の2点が大きく評価されていることがうかがえます。
■今後インターネットで情報を調べる際に、AIが生成する回答と従来のWebサイト一覧のどちらを中心に利用したいか
Q5を深堀りし、今後インターネットで情報を調べる際に、AI(AI OverviewsやChatGPT、Gemini、Copilotなどの生成AIツール)が生成する回答と、従来のWebサイト一覧、どちらを中心に利用したいかについて調査しました。
その結果、「両方をバランスよく組み合わせて利用したい(36%)」「AIが生成する回答をもっと活用していきたい(28%)」と積極的にAIを活用する姿勢を見せたユーザーは全体の64%にのぼりました。
一方で、24%のユーザーは従来通りWebサイト一覧を中心に利用したいと回答しており、現時点ではAIの活用に慎重な層も一定数存在していることが明らかになりました。
■生成AIツールが生成した情報をユーザーがどの程度信頼しているか
続いて、AI OverviewsやChatGPT、Gemini、Copilotなどの生成AIツールが生成した情報をユーザーがどの程度信頼しているかを調査しました。
その結果、最も多かった回答は「概ね信頼できるが、情報の正確性は確認する」で41%を占めました。これは、「非常に信頼できると感じる」と回答した10%を大きく上回っています。
このことから、多くのユーザーがAIをある程度信頼しているものの、情報の正確性を確認する必要があると考えていることがわかります。
両者を合わせると過半数(51%)となり、条件付きではあるものの、AIが生成する情報が一定程度信頼されていることがうかがえます。
一方で、「時々間違いや不自然さを感じるので、あまり信頼していない(14%)」と「情報源が不明確なことが多く、信頼できないと感じる(5%)」を合計すると19%となり、AIが生成した回答を信用せず、利用に慎重なユーザーも一定数いることが明らかになりました。
■AIが生成する情報を信頼できるかどうか判断する際、特に重視する点
最後に、AI(AI OverviewsやChatGPT、Gemini、Copilotなどの生成AIツール)が生成する情報(文章、要約、回答など)を信頼できるかどうか判断する際、特に重視する点を調査しました。
その結果、情報の信頼性を判断する際に最も重視されているのは「情報の正確性(事実とあっているか)」であり、全体の30%のユーザーがこれを基準として挙げました。
次いで、「情報源が明記されているか(17%)」「内容が分かりやすいか・自然な文章か(17%)」といった点も重視されていることがわかりました。
これらの結果から、ユーザーの多くはAIが生成する情報をそのまま受け入れるのではなく、誤りが含まれている可能性も考慮しながら慎重に活用していることがうかがえます。
調査概要
調査内容:10~40代が「情報探索する際にAI Overviews(AIによる概要)及び生成AIツールの回答をどのように受け止めているか」に関する意識・行動調査
・調査期間:2025年5月20日~2025年5月27日
・調査対象:仕事・プライベートにおいてAIツールを使用したことがあると回答した10代~40代の男女400名
・調査方法:「Freeasy」によるインターネットアンケート調査
※注意事項:本アンケートは複数回答となっており、回答数の合計が調査数を超える場合があるため、回答割合の合計は100%を超えること場合があります。
出典元:サクラサクマーケティング株式会社
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。
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