【調査リリース】2025年夏の旅行トレンド全国調査 海外が復調し予算増&国内は大阪万博に熱視線。若年層とシニアで高まる旅行意欲

【調査リリース】2025年夏の旅行トレンド全国調査 海外が復調し予算増&国内は大阪万博に熱視線。若年層とシニアで高まる旅行意欲

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、国内の20歳以上の男女39,504人を対象に、今夏の旅行予定に関する消費者アンケート調査を実施しました。また、国内最大規模のWeb行動ログ×アンケートデータを活用した生活者分析ツール「Perscope(ペルスコープ)」を用いて、国内旅行派と海外旅行派に分け、価値観や特徴的にネット検索されるワードなどを分析しました。


夏の旅行希望者3人に1人。海外旅行は回復傾向

今年(2025年)の夏(6月~9月)、宿泊を伴う旅行を予定・検討していると回答した人の割合は、2023年以降大きな変化はなく、2025年は32.9%となりました。国内旅行の予定・検討者は21.8%と昨年からほぼ変化がない一方、海外旅行では2024年の4.7%から2025年には5.2%と、2019年の10%には届かないものの、コロナ禍が明けてきた2022年以降で順調に回復してきていることがわかります。

20代が旅行熱を牽引、リタイア後の需要も

性年代別に、旅行の予定・検討ありと回答した人の割合を集計すると、20代男性が44.6%、20代女性が41.4%と、男女ともに20代の旅行意向が最も高くなっていました。国内旅行・海外旅行ともに20代での割合が高く、50代で最も低くなっています。一方、国内旅行で20代男性と60代以上男性の割合が近づくなど、リタイア後に旅行需要が回復する様子もうかがえます。

予算額アップ。海外旅行は昨年比6.5万円増

旅行の平均予算額は、全体で2024年の13万8,268円から2025年には15万6,696円と、2万円弱の増加が見られました。特に海外旅行での予算増が顕著で、33万848円から39万7,131円と、6.5万円以上増えています。物価高の中でも、夏の旅行くらいはメリハリをつけて楽しもうという人が多いのかもしれません。

海外旅行派は高所得&“体験重視” ハイエンド志向鮮明

世帯年収について、夏の旅行の予定・検討ありと回答した人について世帯年収を比較すると、海外旅行派は約705万円、国内旅行派は約590万円と、100万円以上の開きがあることがわかりました。

さらに、Web行動ログ×アンケートデータを活用した生活者分析ツール「Perscope(ペルスコープ)」を用いて、海外旅行派と国内旅行派に分け、消費行動タイプを分析すると、海外旅行派の回答者は「ブランド志向型」「トレンド志向型」「個性表現型」「体験重視型」などが高く、「価格志向型」が低い、という特徴がありました。世帯年収も高い海外旅行派には、「社会の動きに敏感で、トレンドに注目しつつも、人とは違う自分らしい経験や思い出作りがしたい、そのためには投資は惜しまない」という人が多いのかもしれません。

国内旅行先は大阪への注目度増

国内旅行を予定・検討している人に対し、直近の旅行先を聴取したところ、上位10都道府県は以下のようになりました。2024年と比べると全体的にマイナス傾向にある中で、大阪府のみ2pt増となっており、2025年4月13日から10月13日まで大阪市で開催されている大阪・関西万博への関心がうかがえます。

海外渡航先はアジア新興都市 マニラやホーチミンへの関心高まる

海外旅行派が特徴的に検索しているキーワードランキングを集計すると、5位に「マニラ」、6位に「ホーチミン」がランクインしています。7位には「フィリピン航空」が入り、東南アジアが人気の旅行先であることが読み取れます。その他、1位「海外旅行保険」といった保険関連の他、10位には世界各地の空港ラウンジを利用できる会員制プログラム「プライオリティパス」が入りました。

国内旅行者は“観光”や“グルメ”に積極的

同様に国内旅行派の特徴的な検索キーワードランキングを集計すると、3位「観光」、6位「モデルコース」、8位「グルメ」、10位「道の駅」など観光やグルメ消費に積極的な傾向が読み取れます。

夏の旅行で「お金をかけたいこと」について聴取すると、「食事代」が海外旅行で39.4%、国内旅行で45.7%と、いずれも「該当なし」を除くと最も高くなっており、特に国内旅行派で顕著です。国内旅行派の検索キーワード上位に、「グルメ」というワードがランクインしていたことからも、国内旅行者は食事への意識がより高いことがうかがえます。一方で海外旅行では「交通費」も18.3%と高くなっており、7.8%の国内旅行派と大きな開きが見られます。「宿泊代」「観光・アクティビティの費用」については、国内外で大差なしという結果になりました。

まとめ

今回の調査から、2025年夏の旅行市場は着実な回復基調が続く一方で、世代や嗜好による多様化が加速している様子がうかがえました。特に20代の若年層とリタイア後のシニア層で旅行意欲が高まり、市場の牽引役となっています。海外旅行は依然コロナ前水準には及びませんが、予算増やアジア新興都市への関心の高まり、体験やブランド志向など“ハイエンド”志向の強さが際立っています。また、国内旅行では大阪・関西万博といった大型イベントの影響で大阪への注目が集まるほか、「観光」「グルメ」といった消費体験が引き続き重視されています。
今後は、世代別や旅行目的に応じたきめ細かな商品・サービス開発が求められるとともに、“体験価値”や“特別感”といった消費者の重視点の変化に対応することが、旅行業界の成長に不可欠となるでしょう。アフターコロナで高まる「旅行でリフレッシュしたい」という潜在需要を的確に拾い上げ、消費マインドやトレンドの変化に柔軟に応じた取り組みが、今後のマーケット拡大につながると考えられます。

調査・分析概要

夏の旅行予定については、全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)を対象として、2025年6月23日~6月30日にアンケート調査を実施(回答者39,504人)。
※2024年度データについては、2024年6月27日~7月4日にアンケート調査を実施(回答者45,818人)。
※2023年度データについては、2023年6月26日~6月30日にアンケート調査を実施(回答者20,469人)。
※2022年度データについては、2022年6月21日~6月30日にアンケート調査を実施(回答者7,632人)。
※2021年度データについては、2021年6月23日~6月29日にアンケート調査を実施(回答者10,003人)。
※2020年度データについては、 2020年6月24日~7月1日にアンケート調査を実施(回答者18,427人)。
※2019年度データについては、 2019年6月21日~7月1日にアンケート調査を実施(回答者9,219人)。
※アンケート調査は性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計をおこなっている。
※検索者数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

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