【急上昇サイトから探るトレンド】リニューアルした湖池屋ポテチがSNSキャンペーンで大人気に

【急上昇サイトから探るトレンド】リニューアルした湖池屋ポテチがSNSキャンペーンで大人気に

2021年2月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。今回はDockpitを使って訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


2021年2月の急上昇サイトは?

こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2021年2月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。

2021年2月の前月比上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より)

こちらは、Web行動ログ分析ツール「Dockpit」のトレンド分析機能を用いて、Webサイト訪問ユーザー数の前月比Top30をランキング表示したもの。この中から注目のサイトを紹介することで、市場のトレンドを紐解いていきます。

「おいしいがとんでもない。」ポテチのキャンペーンがSNSで人気に

それでは、1位〜30位にランクインしたなかで、トレンドとして注目のサイトをいくつかご紹介します。

12位:湖池屋プライドポテト|株式会社湖池屋

12位にランクインしたのは「湖池屋プライドポテト」の公式サイトでした。湖池屋プライドポテト公式サイトの2月のユーザー数は約27万人。湖池屋プライドポテトは老舗スナック菓子メーカーの湖池屋が2020年に発売し、SNSを中心に爆発的に人気を集めた商品です。

急上昇の原因をコンテンツランキングから探っていきましょう。

「湖池屋プライドポテト」のコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)

UU数を集めた上位ページは、以下のような湖池屋プライドポテトのプレゼントキャンペーンに関するページでした。

湖池屋プライドポテトは2021年2月1日から新商品の発売を記念して当該商品6袋を抽選で200人にプレゼントするキャンペーンをTwitter上で実施。その結果、キャンペーンページへの訪問者数が急増し、サイト急上昇に繋がったのではないでしょうか。リニューアルから好調が続く湖池屋プライドポテトの商品人気が伺えます。

13位:東北新社

13位は総合映像プロダクションの「東北新社」でした。同社は総務省の幹部職員らを接待したとしてニュースで批判を浴びました。

実際、集客構造を見るとこの件が関係していることがわかります。

2021年2月の「東北新社」の集客構造(「Dockpit」競合分析より)

2月は自然検索による流入が大半を占めていました。さらに自然検索の検索ワードの詳細を見てみると、東北新社の企業に関する検索が多いことがわかります。

2021年2月の「東北新社」の集客構造・自然検索キーワードランキング (「Dockpit」画面より)

コロナ禍で会食を行ったとして2月下旬に連日報道されていたため、気になって調べる人も多かったのではないでしょうか。

18位:goo of things

18位にランクインしたのは、NTTレゾナントが提供するIoTサービス「goo of things」の公式サイトでした。goo of thingsの2月のユーザー数は約53万人。このサービスはインターネットに繋がった電球等を使って、家族をリモートで見守ることができるものです。

では急上昇の原因を集客構造の推移から探っていきましょう。

2020年1月〜2021年2月の「goo of things」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

2月は外部サイトからの流入が急増し、流入元の大半を占めていました。では、どのようなページにユーザーが訪問したのかコンテンツランキングで確認しましょう。

「goo of things」のコンテンツランキング(「Dockpit」画面より)

上位を占めていたのは、以下のような「goo of things でんきゅう」に関するページでした。これは、電球による点灯・消灯情報を家族のスマートフォンに通知する見守りサービスです。

コロナ禍で遠くに住む高齢の家族に会うのが難しい状況が続いています。離れて暮らす親や高齢者の異変に気づくために、こうした見守りサービスに関心が高まっているのではないでしょうか。

また、NTTレゾナントは2月にgoo of thingsでんきゅうの高機能版として「goo of thingsでんきゅうAI」の一般販売を開始。これに伴い、プロモーションを積極的に行った可能性も考えられるでしょう。

ふるさと納税に温泉、クーラーバックも

20位:宮崎県都城市|日本一の肉と焼酎のふるさと

20位にランクインしたのは「宮崎県都城市」のふるさと納税特設サイトのLPでした。こちらは検索結果やWeb広告などを経由してユーザーが最初にアクセスするページになります。

どのような経緯でサイトに流入したのか集客構造の推移から確認しましょう。

2020年1月〜2021年2月の「宮崎県都城市」のふるさと納税特設サイトの集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

1月と比較してメールからの流入が急増しており、メールでの集客効果が大きいことがわかります。

宮崎県都城市はダンロップのゴルフクラブや宮崎県産の肉などふるさと納税の返礼品が人気。過去にはふるさと納税日本一になったこともあります。メールを見てサイトを直接閲覧するほどの、強固な顧客基盤を持っているのではないでしょうか。

21位:湯田中温泉 よろづや

21位は長野県湯田中温泉にある温泉旅館「湯田中温泉 よろづや」の公式サイトでした。よろづやは創業約200年の老舗旅館。一部の建物は国の登録有形文化財に指定されています。

どのような経路でユーザーはサイトを訪問したのか、集客構造を見てみましょう。

2021年2月の「湯田中温泉 よろづや」の集客構造(「Dockpit」競合分析より)

2月は自然検索による流入が大半を占めていたことがわかります。さらに自然検索の検索ワードの詳細を見てみると、旅館の宿泊や予約ではなく、「よろづや」や「松籟荘」といった旅館そのものについての検索が多かったようです。

2月11日にはよろづやの敷地内にある「松籟荘」で火災が発生。この建物は国登録有形文化財に指定されており、歴史の長い有名旅館であったことから大きなニュースになりました。建物の状況を気にかけサイトに流入する人が多かったのではないでしょうか。

27位:ユニリーバ・ジャパン

27位にランクインしたのは「ユニリーバ・ジャパン」の公式サイト。ユニリーバは、ロンドンに本拠を置く一般消費財メーカーです。

では急上昇の原因をコンテンツランキングから探っていきましょう。

「ユニリーバ・ジャパン」のコンテンツランキング(「Dockpit」画面より)

1位のページが圧倒的にアクセスを集めていることがわかります。こちらは、コストコで対象のユニリーバ製品を購入した人にユニリーバオリジナルのクーラーバックをプレゼントするというキャンペーン。

ユニリーバは世界有数のサステナビリティ先進企業。サステナビリティと事業成長を両立させる強固なビジネスモデルを持っており、消費者を巻き込んだサーキュラーエコノミーの取り組みも進めています。その一環であるエコ活のキャンペーンを実施したことで、集客に成功したと考えられます。

まとめ

最後に2月に急上昇したサイトと、その増加要因をまとめます。

2月は大きく取り上げられたニュースに関連したサイトが複数ランクインしました。13位の「東北新社」は当社員がコロナ禍に総務省の幹部職員を会食で接待したとして物議を醸しました。また、21位の「湯田中温泉 よろづや」は、国登録有形文化財で火災が発生したとしてニュースに。こうした世間で注目を集めたトピックの関連サイトが急上昇したと言えます。

また、27位のユニリーバ・ジャパンはコストコと共同したキャンペーンを実施。半年前からレジ袋有料化が施行されるなど環境保全の取り組みが盛んです。ユニリーバはエコ活のキャンペーンを実施したことで、集客に成功したと考えられます。キャンペーンという軸では、湖池屋プライドポテトのSNSを活用したプレゼントキャンペーンも大きな効果を上げていました。

本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。

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この記事のライター

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