遂に、コスメ専門モール「ZOZOCOSME」がオープン!話題の「ZOZOGLASS」の反応は?

遂に、コスメ専門モール「ZOZOCOSME」がオープン!話題の「ZOZOGLASS」の反応は?

ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは、2021年3月18日にコスメ専門モール「ZOZOCOSME」をオープンし、化粧品に本格参入しました。3D計測用ボディースーツ「ZOZOSUIT」や、3Dで足を計測できるマット「ZOZOMAT」に次いで、ユーザーの肌の色を診断する新たなウェアラブルデバイス「ZOZOGLASS」も話題となっています。コロナ禍で店舗におけるコスメのサンプル試用機会が制限されている昨今ですが、自宅でも自分にマッチしたコスメ選びが可能になることもあり、期待を寄せているユーザーも多いと思います。今回は「ZOZOCOSME」と「ZOZOGLASS」について調査します。


「ZOZOCOSME(ゾゾコスメ)」とは?

「ZOZOCOSME」には以下のような特徴があります。
 ・コスメの新しい購入体験ができるコスメ専門モール
 ・ブランドやカテゴリー、特徴など詳細な条件から商品を探すことができる
 ・ディオール(Dior)やポーラ(POLA)など国内外の有名化粧品ブランドから、ドラッグストアなどで
  人気の低価格帯ブランドまで、約500のブランドを提供

 ・ユーザーの肌の色を診断する専用ツール「ZOZOGLASS」で、自分に合ったコスメが購入できる

公式サイト「ZOZOCOSME」

【速報】「ZOZOCOSME」はオープン2週間で「ZOZOSHOES」の1.6倍のユーザー数を獲得!

まずは2021年3月の「ZOZOCOSME」のユーザー数を見てみましょう。

ちなみに、ZOZOはコスメへの参入によりサイトをリニューアルしており、検索窓の下に「すべてのアイテム」、「シューズアイテム(ZOZOSHOES)※」、「コスメアイテム(ZOZOCOSME)」の3つの切り替えタブを用意し、トップページから「シューズ」と「コスメ」専用モールへの導線を作っています。
※「ZOZOSHOES」は2020年3月4日にオープンした靴専門のECモール

せっかくなので、2つの専門サイトを比較してみましょう。2021年3月18日にオープンしたので14日間のユーザー数になりますが、「ZOZOCOSME」は16万人が訪問「ZOZOSHOES」と比較すると1.6倍のユーザー数となっていました。

「ZOZOCOSME」と「ZOZOSHOES」のユーザー数

「ZOZOCOSME」と「ZOZOSHOES」のユーザー数

期間:2021年3月
デバイス:PCおよびスマホ

女性が9割弱、30代が全体の3分の1

続いてユーザーの属性を見てみましょう。

性別では、圧倒的に女性が多く9割弱となっていました。男性は約1割で、美容に気を使っている男性が増えてきていることも影響しているのではないでしょうか。

「ZOZOCOSME」ユーザーの属性:性別

「ZOZOCOSME」ユーザーの属性:性別

期間:2021年3月
デバイス:PCおよびスマホ

年代別では、20代~30代が多く、中でも30代は36%と全体の3分の1以上を占めていました。

「ZOZOCOSME」ユーザーの属性:年代別

「ZOZOCOSME」ユーザーの属性:年代別

期間:2021年3月
デバイス:PCおよびスマホ

半分以上が『ZOZOコスメ』などの自然検索から流入

次に流入経路を見てみましょう。

自然検索が53.3%、外部サイトが16.9%、メールが13.8%となっており、自然検索だけで半分以上を占めていることがわかりました。

自然検索のキーワードを見てみると『ZOZOコスメ』や『ゾゾコスメ』などのブランドワードが目立っており、CM効果が大きいと考えられます。

「ZOZOCOSME」サイトの集客構造

「ZOZOCOSME」サイトの集客構造

期間:2021年3月
デバイス:PCおよびスマホ

関心度が高いサイトはコスメのオンラインショップ

次は「ZOZOCOSME」ユーザーが興味を寄せているサイトを見てみましょう。

トップは『シュウ ウエムラ』、次いで『ボビイ ブラウン 公式 オンライン ショップ』、『&be | 河北裕介プロデュースライフスタイルブランド』となっておりコスメのオンラインショップに興味があるようです。

また、8位にランクインしている『@cosme store(アットコスメストア)』のようにリアル店舗の情報がまとめられているサイトにも関心があることもうかがえました。

「ZOZOCOSME」ユーザーの関心サイト

「ZOZOCOSME」ユーザーの関心サイト

期間:2021年3月
デバイス:PCおよびスマホ

「ZOZOGLASS(ゾゾグラス)」とは?

続いて、話題となったウェアラブルデバイス「ZOZOGLASS」についても見てみましょう。「ZOZOCOSME」開設に伴い、2021年1月29日から先行予約できる特設サイト「ZOZOGLASS」がオープンしています。

「ZOZOGLASS」の特徴は
 ・「ZOZOCOSME」サイトで使える計測ツール
 ・ZOZOTOWNの公式アプリと一緒に使うことで、ユーザーの肌の色を診断
 ・直接の来店や試用しなくてもユーザーに合わせた提案が可能
とかなり画期的なツールとなっています。

公式サイト「ZOZOGLASS」

「ZOZOGLASS」のユーザー数は「ZOZOCOSME」を上回る

それでは、「ZOZOGLASS」ページのユーザー数を見てみましょう。

2021年1月29日に予約受付を開始したにもかかわらず、1月は3日間で25万人以上がアクセスしていることがわかりました。2月に減少したものの、「ZOZOCOSME」がオープンした3月には35万人以上とコスメサイトを大きく上回る結果となっています。

今回の目玉となっている「ZOZOGLASS」という新たな取り組みへの期待に加えて、価格と送料が無料ということもユーザーの興味関心につながっているようです。

また、ZOZOのコーポレートサイトによると、発表から10日間で予約件数が40万件を突破しており、さらにユーザーの自宅に届くまで4週間~6週間程度かかる見込みとのこと。「ZOZOGLASS」が手元に届いていないユーザーを考慮すると、まだまだ「ZOZOCOSME」のユーザー数は拡大していきそうです。

「ZOZOGLASS」のユーザー数推移

「ZOZOGLASS」のユーザー数推移

期間:2021年1月~2021年3月
デバイス:PCおよびスマホ

デバイス別では、スマートフォン割合が7割と高い結果となっていました。
専用アプリをスマートフォンにダウンロードすることや、CMを見て手元にあるスマートフォンで気軽に検索しているユーザーが多いことが影響しているのかもしれません。

「ZOZOGLASS」のデバイス別

「ZOZOGLASS」のデバイス別

期間:2021年1月~2021年3月
デバイス:PCおよびスマホ

女性が8割以上、20代が4割と最も高い

続いて、属性を見てみましょう。

性別では、「ZOZOCOSME」と同様に女性割合が8割以上となっていました。

公式サイト「ZOZOGLASS」ユーザーの属性:性別

公式サイト「ZOZOGLASS」ユーザーの属性:性別

期間:2021年1月~2021年3月
デバイス:PCおよびスマホ

年代別では、「ZOZOCOSME」とは異なり年代を追うごとに割合が減少しているのが特徴的でした。

20代が4割と最も高く、30代は20代よりも13ポイント低く3割に満たない結果となっていました。「ZOZOGLASS」は特に若い世代に人気のようです。

「ZOZOGLASS」ユーザーの属性:年代別

「ZOZOGLASS」ユーザーの属性:年代別

期間:2021年1月~2021年3月
デバイス:PCおよびスマホ

全体の3分の1が自然検索からの流入

次に流入経路を見てみましょう。

「ZOZOCOSME」とは多少、集客構造の割合が異なっていました。
自然検索が33.4%、メールが28.6%、外部サイトが19.8%となっており、自然検索は3分の1程度にとどまっていました。

自然検索のキーワードでは『ZOZOグラス』や『ZOZO』、『ZOZOGLASS』などのブランドワードが上位を占めており、外部サイトは『Yahoo!JAPAN』が目立ちました。

また、「ZOZOCOSME」よりは『YouTube』などのソーシャル割合が若干高いのは、「ZOZOGLASS」のイメージ動画からの流入があるからだと考えられます。

「ZOZOGLASS」の集客構造

「ZOZOGLASS」の集客構造

期間:2021年1月~2021年3月
デバイス:PCおよびスマホ

関心度が高いメディアは美容・ファッション

最後は「ZOZOGLASS」ユーザーが興味を寄せているサイトを見てみましょう。

コスメ関連の『ホットペッパービューティーコスメ』や『ふぉーちゅん』などの美容・ファッションメディアがほとんどを占めていました。

ただ、7位にランクインしている『トレタメ』はK-POPやジャニーズ、アニメなどのエンタメに強い関心がある人向けのメディアサイトのようで、ひと味違ったジャンルとなっていました。

「ZOZOGLASS」ユーザーの関心サイト ※メディアに絞る

「ZOZOGLASS」ユーザーの関心サイト ※メディアに絞る

期間:2021年1月~2021年3月
デバイス:PCおよびスマホ

まとめ

コスメ専門モール「ZOZOCOSME」と、ウェアラブルデバイス「ZOZOGLASS」の特設サイトについて調査しました。

特にユーザーは「ZOZOGLASS」に注目しており、直近3月のアクセス数は35万人以上と好調。どちらのサイトも性別は8割以上が女性で、年代では20代~30代が多くを占めていました。CMの影響もあり、集客構造は自然検索が多く特にブランドワードで流入していることがわかりました。

コロナ禍でネットショッピングの有用性が高まる中、最新のテクノロジーでユーザーのニーズに応え、ECでのコスメ購入のハードルを解消してくれるデバイスの登場で、これからのオンラインショップがさらに有意義なものになりそうです。

最後に。「ZOZOGLASS」は「ZOZOCOSME」を利用してもらうためのフックの1つで、今後はいかにメインサイトの「ZOZOCOSME」を利用してもらうかが重要となってくるはずです。利用者の特性をしっかり把握し、ターゲットに刺さりやすいキーワード選定はもちろん、コンテンツ作りやクリエイティブ改善などでユーザー数拡大につなげられるのではないでしょうか。

分析概要

全国のモニター会員の協力により、インターネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析ツール『Dockpit』を使用し、2021年1月~2021年3月におけるユーザーの行動を分析しました。

PCとスマートフォンでディレクトリ構造が異なるため、各URLを前方一致のOR条件で合算し集計
▼「ZOZOCOSME」の集計対象URL
 https://zozo.jp/cosme/
 https://zozo.jp/sp/cosme/

▼「ZOZOGLASS」の集計対象URL
 https://zozo.jp/glass/
 https://zozo.jp/sp/glass/

▼「ZOZOSHOES」の集計対象URL
 https://zozo.jp/shoes/
 https://zozo.jp/sp/shoes/

「Dockpit」は、検索キーワード分析や消費者のトレンド調査にも役立ちます。 無料版もありますので、下記よりご登録ください。

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