「nosh」サイト訪問ユーザー数と集客構造
■ヘルシー宅配「nosh」とは
nosh(ナッシュ)は、低糖質・高たんぱく・塩分控えめの食事を、冷凍で宅配するサービスです。
メニューは専属のシェフと管理栄養士によって開発され、1食あたりの糖質量は30g以下、塩分量は2.5g以下に設定されています。専用サイトまたはアプリから注文したメニューは冷凍便で届きます。
味が濃い、脂っこい、飽きるというイメージが先行する宅配弁当の新しいチャレンジを、ユーザーはどのように受け止めているのでしょうか。
【nosh-ナッシュ】ヘルシー・低糖質の食事宅配サイト
■「nosh」サイト訪問ユーザーは1年間で3.8倍に増加
まず、「nosh」のサイト訪問ユーザー数を推移で見てみましょう。
下のグラフのように、1年間で3.8倍に増加していることがわかります。
「nosh」サイト訪問ユーザー数推移
期間:2020年6月〜2021年5月
デバイス:PCおよびスマホ
■集客は「リスティング広告」と「ディスプレイ広告」
順調に伸びているサイト訪問ユーザー数ですが、集客構造はどうなっているのでしょうか。1年間の推移で確認します。
以下のグラフのように、集客は「リスティング広告」と「ディスプレイ広告」がおよそ半数を占めていることがわかります。また、直近では2021年2月に人気YouTuberを起用したCMを開始したところですが、ソーシャル(SNS)が増加傾向にあります。自然検索のシェア増加傾向はさほど見られません。
「nosh」サイト集客構造推移
期間:2020年6月〜2021年5月
デバイス:PCおよびスマホ
また、集客のメインとなっているディスプレイ広告は、Googleディスプレイネットワークが59.3%、YDN(Yahoo!広告)が35.7%です。
「nosh」ディプレイ広告による集客内訳
期間:2020年6月〜2021年5月
デバイス:PCおよびスマホ
ソーシャル集客の内訳は、以下のグラフのように、YouTubeがおよそ9割を占めています。
「nosh」公式チャンネルには、CMなど数種類の動画が掲載されていますが、再生回数は多いもので66万回。
この他に、人気お笑い芸人、千原ジュニア、小籔千豊、岩尾望・後藤輝基(フットボールアワー)による動画バラエティ番組「ざっくりYouTube」での企画『【お弁当】食べながらエピソードトーク【nosh】』や、後藤真希らによる『【ヘルシー・低糖質】レンジで簡単!食事宅配サービスを正直にレビューしてみた。【nosh】』などのコラボ企画や、テレビCMでも起用された人気YouTuber・関根りさによるレビュー動画など、YouTuberを活用したコンテンツ配信に力を入れていることがわかります。
「nosh」ソーシャルによる集客内訳
期間:2020年6月〜2021年5月
デバイス:PCおよびスマホ
「ざっくりYouTube」/【お弁当】食べながらエピソードトーク【nosh】
■「nosh」検索ユーザーは1年で5倍に
一方、自然検索による流入ですが、メインの集客経路ではないものの、「nosh」検索ユーザー数も高い伸びを見せています。その増加率は1年で約5倍という結果でした。
「nosh」検索ユーザー数推移
期間:2020年6月〜2021年5月
デバイス:PCおよびスマホ
※「nosh」または「ナッシュ」の検索
「nosh」が気になっている人はどんな人か
次に、「nosh」サイト訪問ユーザーの属性を分析します。
■若年層の男性にもウケている
男女比は女性が多く56.2%、年代は20代〜40代が多いようです。
ヘルシー、低糖質というと、ダイエットに興味のある女性に検索されていると思いがちですが、男性にも興味を持たれていることがわかります。年代は20代が最多でした。
「nosh」サイト訪問ユーザーの属性<性別>
期間:2020年6月〜2021年5月
デバイス:PCおよびスマホ
「nosh」サイト訪問ユーザーの属性<年代>
期間:2020年6月〜2021年5月
デバイス:PCおよびスマホ
冷凍宅配弁当の比較サイトがよくみられている
続いて、「nosh」サイト訪問ユーザーが関心のあるサイトを分析します。
以下の表のように、「冷凍宅配弁当」の比較サイトに関心があるようです(黄色網がけ)。比較サイト以外では、「こだわりの冷凍惣菜」「健康冷凍弁当」など、食事内容にこだわりのあるタイプが多いようです。
「nosh」サイト訪問ユーザーの関心サイトランキング
期間:2021年5月
デバイス:PCおよびスマホ
【徹底比較】冷凍弁当宅配のおすすめ人気ランキング18選
「nosh」サイト訪問ユーザーの関心サイト1位
「nosh」は宅配弁当で1位になれるか
ヘルシー、低糖質など、他社との差別化でユーザー数獲得に成功している「nosh」ですが、宅配弁当マーケットにはどんな傾向があるのでしょうか。検索キーワードを「宅配弁当」に設定し、そのニーズを捉えます。
「宅配弁当」との掛け合わせワードランキング
期間:2020年6月〜2021年5月
デバイス:PCおよびスマホ
「宅配弁当」検索ユーザーのニーズは「高齢者」「冷凍」「安い」「美味しい」「ダイエット」が上位で、特に高齢者が多いことがわかります。「nosh」のサイト訪問ユーザーが若年層であること、また、YouTubeによる集客に力を入れている現実とは、ややギャップがある印象を受けますが、もともとは高齢者に人気のあった宅配弁当が、コロナによるリモートワークの急速な普及で若年層にも需要が広がりつつあると言えるでしょう。
まとめ
ヘルシー宅配弁当「nosh」の人気について、公式サイトの集客構造や検索ユーザーの行動パターンから分析しました。
nosh(ナッシュ)は、低糖質・高たんぱく・塩分控えめの食事を、冷凍で宅配するサービスです。
「nosh」の公式サイトの訪問ユーザーは1年間で3.8倍に、また、「nosh」検索ユーザーも1年で5倍に伸びています。
公式サイトの集客は「リスティング広告」と「ディスプレイ広告」が全体のおよそ半数を占めていることがわかりました。また、直近ではソーシャル(SNS)が増加傾向にあります。中でも、YouTubeに力を入れており、人気タレントやYouTuberを起用したコラボ企画やレビュー動画が人気です。
公式サイト訪問ユーザーは女性が56.2%、年代は20代〜40代が多いようです。ヘルシー志向の若者をターゲットとしたサービスだと想定されますが、「宅配弁当」のニーズの多くは「高齢者」であるようです。
ニッチ市場で着実にユーザーを獲得している「nosh」に、今後も目が離せません。
分析概要
今回の分析には、マーケティング分析ツール『Dockpit』を使用し、ユーザーのデジタル行動を分析しました。
『Dockpit』は、競合サイト分析や消費者のトレンド調査にとても役立ちます。もし宜しければ、無料版もありますので、下記よりご登録ください。
フリーライター。大手キャリア系企業で編集の仕事に出会い、その後、3つのメディアの立ち上げなど行い、2014年にフリーランスに。医療系、就活系、教育系、結婚系のサイトで執筆中。