【媒体調査】Amebaブログ閲覧者はどんな人?ユーザーの関心事項を媒体資料×Web行動ログから分析

【媒体調査】Amebaブログ閲覧者はどんな人?ユーザーの関心事項を媒体資料×Web行動ログから分析

媒体資料によれば月間来訪者数は7,500万人である国内最大規模のブログサービス「アメーバブログ」。アメーバブログはメディアミックスなどクロスメディアの手法を使ってマスメディアと連携し、ユーザーやページビューを増やしてきました。今回はそんなアメーバブログユーザーの特徴を、Web行動ログ分析ツール「Dockpit」のデータを参考にしながら分析してみました。広告出稿先の検討やクリエイティブ立案に役立ててみてはいかがでしょうか。


アメーバブログのUU、PVなどメディア基本指標は

サイバーエージェントが提供する日本最大級のレンタルブログサービス、アメーバブログ。芸能人や著名人などタレントブロガーの多さも魅力で、ミスキャンパスのブログ、芸能事務所ごとのブログスペースなども設けられています。

特に大きな特徴としてはSNS的な相互コミュニケーション要素が強い点で、ユーザー間の交流を促すための様々な機能が用意されています。高度なカスタマイズには向いていませんが、その使いやすさから初心者にも親しみやすいブログサービスとして会員数を伸ばしています。

本稿では、アメーバブログの利用者、閲覧者がどんな人なのかを調査していきます。まず、Web行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使って、アメーバブログのメディアとしての基本指標をまとめてみました。

集計期間:2020年6月〜2021年5月、デバイス:PC&スマートフォン

年間のユーザー数は9,000万人を超えており、非常に多くのユーザーに使われています。また、1人当たりセッション数が31.5、1人当たりページビュー数が81.6と、サイト内でも複数のコンテンツを閲覧するユーザーが多いことが分かります。相互コミュニケーション要素があることも、一般的なサイトより利用回数や閲覧コンテンツ数が多くなっていることに関係がありそうです。

アメーバブログの媒体資料によれば、月間訪問者数は7,500万人(延べ)。月間ブログ投稿数は550万本と、国内最大規模のブログメディアとなっている

アメブロユーザーは「テレビよりネット派」の割合多め

続いてアメーバブログのユーザー属性に注目してみます。まずは性年代別割合は媒体資料によれば下記となっています。

アメーバブログのユーザー属性(Ameba媒体資料による)

男女比率では女性ユーザーが来訪者の75%を占め、そのなかでも30~50代が中心となっています。

また、ユーザーの特徴としてアメブロにはママユーザーが多いとされています。下図をご覧ください。

アメーバブログのママの規模(Ameba媒体資料による)

既婚で子供を持つ女性の来訪者は718万人で、日本国内のママの約2人に1人がアメブロ(Ameba)を利用している計算となります。

次に、ヴァリューズが保有するWeb行動ログデータとアンケート調査結果を用いて、アメブロユーザーが普段利用しているメディア・SNSに関するデータを調べてみます。「テレビ視聴時間」と、InstagramやTwitter、動画アプリなどインターネット媒体の利用時間をネット利用者全体と比較してみましょう。

テレビ視聴時間についてはネット利用者全体より短く、SNS・動画アプリの利用時間は長くなっていました。

アメーバブログはSNS的な相互コミュニケーション要素が強いことには先ほど触れましたが、こうしたインターネット上でのやり取りを積極的に行うユーザーは、テレビなどのマスメディアよりもSNS等への親和性が高いことがうかがえます。

読書や書籍に強く関心を持つ…?マネー・投資なども

次にアメーバブログのユーザーは具体的にどんな人なのか、抱えている興味・関心についてや、身体の悩みについてを調べてみました。

1つ目の興味・関心が下グラフです。

ここで、縦軸の「リーチ率」と横軸の「特徴値」は以下の定義に基づいて算出されています。

リーチ率
対象者のうちアンケートで当該項目に回答した人数の比率
特徴値

対象者が一般的なネット利用者と比べて特徴的に利用するサイトや起動するアプリ、

検索するワード、興味関心のあるジャンル等を可視化するための指標。

(対象者のリーチ率)ー(ネット人口全体のリーチ率)で計算

つまりグラフの右上の項目ほど、興味・関心・悩みを持つユーザーが絶対数でも他のメディアと比べて多いものとなっています。

グラフを見ると、もっとも特徴値の高い項目は「読書・書籍」となっていました。また、資格取得、習い事、マネー・投資や音楽鑑賞といった事柄に関心を持つユーザーもアメーバブログには多いことが分かります。一方でバイクやアウトドア、スポーツといった事柄に興味を持つユーザーは少ないようです。

2つ目に身体の悩みです。

このグラフから、便秘や髪のダメージ、歯の悩み、睡眠不足を気にしているユーザーが多いことが分かります。一方で高血圧や花粉症、喫煙量を気にしているユーザーは少ないようです。

また、上記のグラフでは体の悩みについて、気にしていること(青いプロット)と対策していること(緑のプロット)を比較することができます。たとえば、アメブロユーザーで「目の疲れを気にしている」ユーザーはリーチ率40%程度と高水準なのに対し、実際に対策を打っているユーザーはリーチ率10%程度となっていました。目の疲れを感じているものの、対策を講じていないことが分かります。

アメブロユーザーがよく閲覧・利用するサイト・アプリ

次に、アメブロユーザーが特徴的に閲覧・利用するサイト・アプリに注目して、どんな興味・関心を持っているのか調べてみます。

ユーザーがよく閲覧しているサイトは以下のようになっていました。

やはり上位はアメーバブログに関連するサイトの閲覧がほとんどです。そのなかでも、10位には「アメブロ集客実践マニュアル」がランクインしており、 副業(マネーやビジネス関連に該当)への関心の高さが伺えます。

続いて利用アプリです。

全体として、仕事効率化やファイナンスのアプリが上位にランクインしており、ビジネス関連やマネー・投資への関心の高さが伺えます。

クラスタ分けでは美意識高め層や「ブログで副業」層など

最後に、アメーバブログのユーザーを検索キーワードに基づいて4つのクラスタに分割してみました。今回は特に、特徴がわかりやすいクラスタ①と②に注目してみます。

クラスタ①の特徴的なキーワードは「ファッションウォーカー」「ケラスターゼ」「やましたひでこ」です。

・ファッションウォーカー:ロコンドの運営するファッション通販サイトの名称
・ケラスターゼ:ヘアエステティックのブランド
・やましたひでこ:著書が500万部を突破する断捨離のアドバイザー

これらの検索キーワードから、美意識の高い女性ユーザーのクラスタであると考えられます。実際、性年代の構成比では女性が最も高い割合を占めており、なかでも20代・40代が多くなっています。

クラスタ②の特徴的なキーワードは「はてなブログ」「楽天アフィリエイト」「エックスサーバー」です。

・はてなブログ:アメーバブログ同様のブログサービス
・楽天アフィリエイト:楽天上の商品を紹介してポイントを稼げるサービス
・エックスサーバー:大手レンタルサーバーブランド

これらの検索キーワードから、ブログ等を利用した副業に興味のあるユーザーのクラスタと言えそうです。

そのほかのクラスタが興味を持つキーワードを見ても、アメブロという媒体の振り幅の広さが感じられます。Amebaの媒体資料内「ジャンル別規模」によれば、もっとも多く読まれているジャンルは「子育て」となっており、以降も様々なジャンルがランクインしていました。

アメーバブログのジャンル別規模(Ameba媒体資料による)

上記のクラスタ①「美意識高め層」は、上位にランクインしている「子育て」や「30代〜 ファッション」「コスメ・美容」などのジャンルと親和性がありそうです。クラスタ①のユーザーはこうした記事にアクセスしているのではないでしょうか。

まとめ:アメブロユーザーの特徴

本稿ではアメーバブログに関して、サイトの基本指標やユーザーの属性・興味・関心を分析しました。

アメーバブログはユーザー数9,000万人とかなり大規模なメディアですが、そのなかでもユーザーの興味・関心には特徴がありました。アメブロユーザーはネット利用者全体と比べ、テレビよりもネット派の人が多いようです。さらに、全般的に読書・書籍に興味を持つユーザーが多いことが分かりました。

また、興味を持つキーワードからアメブロユーザーをクラスタリングしたところ、ファッションECサイトやヘアエステ、断捨離などのテーマに興味を持つ「美意識高め」クラスタや、楽天アフィリエイトやはてブロなどに興味を持つ「ブログで副業」層などの特徴が見受けられました。

ブログサイトという特徴上、アメブロユーザーには多様な読者がいることが想定されます。ブロガーの数だけフォロワーがいるという構図でしょう。ただ、そのなかでも上記のクラスタは一定のボリュームを持っていると考えられます。また、興味・関心グラフで特徴的にプロットされた読者・書籍やマネー・投資、音楽鑑賞といった特定のテーマへの関心層も多くいると見られます。

自社サービス・商品のターゲティングや消費者分析、また広告出稿時の参考にしてみてください。

【調査概要】
ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「Dockpit」等を使用し、2020年6月~2021年5月のネット行動ログデータを分析しました。

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この記事のライター

2022年の春から、新卒としてヴァリューズに入社。

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