検索順位チェックツールの役割
Webサイトの運用にあたって、検索順位やその変動は基礎的な情報であり、コンテンツ制作担当者であれば何らかの形で検索順位チェックツールを使っているのではないでしょうか。
一般に検索順位が高いほどクリック率が上がり、1位や2位なら数十%あるクリック率が、2ページ目以降になると1%未満になるとも言われています。
検索順位チェックツールの利用目的は、主に以下の3つです。まず、現在の検索順位を把握し、SEO対策の効果を確認できます。次に、競合他社の検索順位を調べ、自社の強みや弱みを分析できます。
最後に、検索順位の変動を監視することで、サイトのパフォーマンスが変化した原因を突き止めたり、検索エンジンのアルゴリズム変更にも素早く対応できるようになります。
検索順位チェックツールは、SEO戦略において重要な役割を果たすため、適切なツールを選び、効果的に活用することが不可欠です。
サイトの規模によりますが、企業が運営する一定規模のサイトであれば数千から数万キーワードを定期的にチェックすることになり、人間が手作業でできる範囲を超えてきます。
各社から複数のツールが出ているので、自社の利用形態にあったツールがあるか、確認してみましょう。
検索順位チェックツールの種類は3つ
検索順位チェックツールは、提供形態から「簡易タイプ」「クラウドタイプ」「インストールタイプ」に分類できます。
「簡易タイプ」の検索チェックツールは、おもにWebブラウザ上で自社サイト(競合サイトでも可)のURLとキーワードを入力するだけで、瞬時に順位を確認できるWebサービスを指します。
このタイプは無料かつ会員登録不要で利用できるため、誰でも簡単に利用できるのが特徴です。ただし、データの蓄積機能がなく、その場限りの利用になります。
「クラウドタイプ」の検索チェックツールもブラウザから利用できますが、キーワードやURLを登録して自動的にチェックしてくれるような高機能の順位チェックツールになってきます。
その分、有料サービスの割合が高くなりますが、調査結果をデータとして保存できるため、複数のデバイスからでも確認できたり、ページ単位で順位をチェックできるといったメリットがあります。
提供されているサービスによって異なりますが、毎日の検索順位の経過を効率よく行いたい場合におすすめのツールと言えます。有料ツールの場合、機能を制限した無料版や無料体験期間を持つサービスもあり、機能や使い勝手をチェックできます。
「インストールタイプ」の検索チェックツールは、パソコンにソフトをインストールして使用するタイプの運用形態です。
「インストールタイプ」は一般に本格的なツールが多く、大量のキーワードやURLの調査に適しています。一方で常時ネットワークに接続したマシンが必要で、大量にアクセスするためネットワークごと検索エンジン側から利用制限をかけられることがある点に注意しましょう。
Googleであれば、検索したときにロボットか確認するダイアログが出るなどする場合があるため、社内ユーザーに迷惑がかからない運用が必要です。
検索順位チェックツールの選び方
検索順位チェックツールの選定は、チェックしたいキーワードやサイトの数、提供形態、必要な機能といった、いくつかの要素から判断する必要があります。そのために自社サイトが必要とする要件を整理しておくことが大切です。
どのツールを選ぶか迷った場合は、無料版、有料版ともに無料トライアル機能を利用しての試用をおすすめします。
検索順位チェックツール選びのポイントとしてまず挙げられるのは、チェックしたいキーワードやサイトの数です。一般に有料ツールでは、登録できるキーワードやサイトの数でプランが変わってきます。
また、提供形態も検討すべきポイントです。ツールには先述したように「簡易タイプ」「クラウドタイプ」「インストールタイプ」の3種類があります。
「簡易タイプ」は規模が大きいサイトでは実用的ではなく、「クラウドタイプ」は定額の利用料金がかかってきます。余っているPCがあれば「インストールタイプ」も選択肢ですが、リモートからアクセスできなかったり、検索エンジン側から制限がかかるリスクがあります。
また、運用担当者であれば何らかの形で順位や順位変動のレポートを社内あるいは顧客に提示することになることが多いはずです。データのエクスポート機能やレポート生成機能が充実しているかも、チェックポイントになってきます。
おすすめの検索順位チェックツール8選
■ohotuku.jpの「順位チェック」機能
「ohotuku.jp」はSEOチェックのためのツールを複数用意しているWebサービスです。ohotuku.jpの「順位チェック」ツールでは、GoogleとYahoo!の検索順位を無料でチェック可能。
ohotuku.jpでは、1回の検索で最大3つのキーワードを設定でき、Googleでは100位まで、Yahoo!では10位までの順位を確認できます。
順位チェック以外にも、キーワード出現率チェックや競合サイトのターゲットキーワード調査などの無料ツールも用意されており、複数のツールの組み合わせでSEO対策に役立つヒントを得られます。
ohotuku.jpは、パーソナライズなどがされていない第三者から見た検索順位がとりあえず知りたいような場合に使えるツールです。
■検索順位チェッカー
「検索順位チェッカー」は、無料で利用できるWebサービスで、Google、Yahoo!、Bingの検索エンジンのPC版・スマホ版での順位を表示できる簡易タイプのツールです。
URLとキーワードを入力すると、1回に最大5つのキーワードに対し、100位までの順位を調べられます。結果はCSV形式でダウンロード可能で、同じブラウザで使用する場合は、検索条件が1年間保存されます。また、半角スペースでキーワードを区切るとAND検索ができる機能があります。
検索順位チェッカーはモバイル版も利用可能で、操作も簡単なのでSEO対策やキーワード調査に役立ちます。なお、取得失敗が続く場合は、時間をおいてから再度試すようにアナウンスされているのでご注意ください。
検索順位チェッカー - Google、Yahoo、Bingの検索順位を簡単チェック!!
https://checker.search-rank-check.com/Google、Yahoo、Bingの三大検索エンジンの検索順位チェッカーです。PC版・スマホ版の検索順位を取得。無料・登録不要です。
■Serposcope
「Serposcope」は、無料で利用できるインストールタイプの検索順位チェックツールです。無料ではありますが、登録できるサイト数やキーワードの数に制限がないのが特徴になります。
Googleの検索結果のみ表示されますが、PCとスマホ両方のデータ計測や、特定の都市や国からの「ローカル検索結果」表示、順位変動グラフ・表での結果表示、キーワードごとの順位変動やフィルタリング、競合サイトのチェックなどの機能が搭載されています。
また、パソコンやサーバーにインストールして使用でき、WindowsにくわえてMacやLinuxにも対応している点もSerposcopeの注目ポイントです。
日本語には未対応ですが、特定の国を指定することで日本の検索順位を確認でき、順位変動のグラフや表での結果が確認できます。
Open source rank checker for SEO
https://serposcope.serphacker.com/en/Serposcope is a free and open-source rank tracker to monitor websites ranking in Google and improve your SEO performances
■Gyro-n SEO
「Gyro-n SEO」は、クラウドタイプの検索順位チェックツールで、有料プランもある高機能ツールです。順位変動の把握、競合サイトとの比較、ページ分析という大きく3つの機能を持ちます。
特に、順位変動ミニグラフで配置したり、競合サイトに検索順位が負けているキーワードを把握できたり、競合サイトの順位変動をウォッチしながら、自社が有利に立てるSEO対策を立案できるなど、実用的な使い方に適しています。
「Gyro-n SEO」の順位チェック機能では、PCとモバイルの順位を自動取得し、Google、Yahoo!、Googleスマートフォンの順位を日々確認できます。
プランは、スタータープラン・ライトプラン・スタンダードプラン・プレミアムプランの4種類があり、無料トライアルも用意されています。取得したデータは、モバイルとパソコンで閲覧可能です。さまざまな機能が目的に適合するか、無料期間で確認しながら導入を検討することをおすすめします。
SEOツールならGyro-n|SEO分析結果を施策につなげる
https://www.gyro-n.com/seo/【SEOツール】なら検索順位チェックから競合分析、キーワード分析、内部対策管理まで、SEO担当者が行うフロー、SEO対策のノウハウを詰め込んだGyro-n SEO。SEO管理に必要な機能を網羅したSEOツールです。3ヶ月無料トライアルOK!
■GMO順位チェッカー
インターネット関連企業のGMO社が提供する「GMO順位チェッカー」は、クラウドタイプで、今回紹介する中では新しめの有料検索順位チェックツールです。
クラウド型なのでリモートからもアクセス可能で、ネットワークやPCの運用から開放されます。
また、GMO社の社内ツールを社外向けにも提供開始したような側面もあり、実務的な機能が充実しています。キーワードセグメントごとの切り替えられたり、複数の大規模サイト暑かったり、そのまま提出可能なレベルのレポート発行機能などを備えます。
料金は月額485円(税込)からで、1ヶ月間無料でお試しできるフリープランも用意されています。
GMO Rank Checker GMO順位チェッカーとは GMO順位チェッカーは、クラウド型の検索順位チェックツールです。 最大でキーワードあたり 月間0.2円未満のコストを実現 クラウドだからOS関係なくPCや スマホで検索順位チェック
■RankTracker
「RankTracker」は、インストールタイプの有料検索順位チェックツールで、Amazon、IBM、Microsoftなどでの使用実績があります。
Google、Bing、Yahoo!ともに100位まで検索可能で、取得したデータはモバイルとパソコン(Windows、Mac、Linuxに対応)で閲覧可能です。そのほかの主要な機能としては、他社コンテンツの順位変動の追跡、順位チェックの日時の指定、キーワードのグループ分類などがあります。その他にも、他社分析やドメインの強さの計測が可能。自動順位チェックはもちろん、SEOで必要な順位管理を効率的に行うためのキーワードのグループ分けやメモ機能などがあります。
なお、RankTrackerのキーワード数設定は無制限で、順位チェックの範囲も最大1,000位までと細かい調査が可能です。世界中の検索エンジン600以上に対応するとしますが、国内ならGoogleとYahooの順位が見れれば十分でしょう。
RankTrackerの有料プランは、プロフェッショナル(税込15,000円)とエンタープライズ(税込35,000円)の2つ。無料のお試し版も用意されています。
海外 検索エンジン ランキングチェックツール | Rank Tracker SEO
https://ranktracker.jp/海外 検索エンジン ランキングチェックツール SEOツール、Rank Trackerのサイト。世界中の600以上の検索エンジンに対応。
■BULL
「BULL」はクラウドタイプの有料検索順位チェックツールです。クラウドタイプなので、パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットなどのデバイスでも利用可能です。
「BULL」では登録キーワードの数によって異なる従量課金制を採用。BULL30・BULL50・BULL100・BULL200・BULL500というプランになっており、それぞれの数字が登録可能キーワード数とURL数となっています。無料体験版も用意されているので、気軽に試せます。
機能面の特徴としては、Google、Bing、Yahoo!といった検索エンジンで100位までの順位チェックはもちろん、順位変動の原因がわかる、曜日や時間を問わず自動で順位チェックが可能など、さまざまな便利機能があります。導入から利用までが分かりやすく、初心者でも扱いやすい点もポイントです。
【検索順位チェックツール BULL】検索順位を自動チェック!
https://bullseo.jp/検索順位を完全自動でチェックする「BULL」は、専用ソフトのインストールが不要・検索順位の共有が可能!スマホやタブレットでも使えます!
■GRC
「GRC」はGoogle、Yahoo!、Bingに対応した、インストールタイプの検索順位チェックツールです。検索エンジンは日々UIを変更していますが、その頻繁な仕様変更にも追随し、大量のサイトやキーワード数のチェックが可能なプロ向けのツールとして、SEO業界では定評があります。
パソコンへのインストールはWindowsにしか対応していませんが、Windowsに対応したVPSにインストールしてリモートログインする使い方も見かけます。
GRCは、直感的かつ高速な操作でSEO対策に必要な情報を収集できるのが特徴。登録されたすべてのキーワードの順位を一括で調査でき、指定時刻または起動時の自動チェックにも対応しています。そのほか、検索順位チェックの他に、メモ機能やグループ機能、アラート設定などの機能を備えています。
無料プランでは10個のキーワードを登録できますが、有料版では最も安いベーシックプラン(月額450円・税込)で500個まで増やせます。なお、有料プランはベーシック、スタンダード、エキスパート、プロ、アルティメットの5つで、最上位のアルティメットプランでは、キーワードとURLは無制限で検索でき、Google、Bing、Yahoo!それぞれの検索エンジンで100位まで検索可能です。
SEOツールラボでは、アクセスアップを支援するSEO/SEMツールを無料配布しています。検索エンジン順位チェックツールGRCはプロにも利用されているお勧めツールです。
総合的にキーワード分析するなら「Dockpit(ドックピット)」
株式会社ヴァリューズが提供する「Dockpit(ドックピット)」は、クラウドタイプの競合分析ツール。国内モニター会員のデータ蓄積から国内主要サイトのユーザー数やPV数、訪問者属性、流入元やその検索ワード、よく見られているコンテンツなどをすぐ調査できる特徴を持ちます。
検索チェックツールに求められるニーズには、定期的な順位チェックのほか、キーワード選定や競合分析などの目的がありますが、順位をチェックするだけのツールには分析機能はついていません。
検索順位は分析しなければ次のアクションにつながらないことを考えると、Dockpitで自社・他社の流入構造や差分を分析することで、競合に対抗するなりキャッチアップするなり、実施する施策の必要性についてデータで説得力をもたせることができます。
無料版も用意されているので、より検索順位チェックをより多角的に進めたい方はお試しいただくことをおすすめします。
Dockpitの「掛け合わせワード」の画面例
任意キーワードとの掛け合わせワードを一覧化し、
ターゲットユーザーの興味関心を把握できる。
その他、ユーザーがほかにどんなワードで検索しているのか、
関連の高いワードを一覧で表示する機能もあり、SEO対策に有効。
まとめ
検索順位チェックはSEO対策において重要な過程です。これはある意味、SEO対策の第一歩とも言えます。しっかりURLとキーワードを適切に管理し、重要なページの順位推移を常に確認し、改善を続けることが上位表示を目指すために欠かせない作業となります。この後のプロセスとして「競合分析」へと続きますが、検索順位チェックを確実に行っていれば、競合分析はより効率的に進められるでしょう。
無料から有料まで競合サイト分析に使えるツールをまとめました。SEO対策や広告出稿の方法はさまざまですが、競合するサイトをベンチマークとして、自社サイトよりも優れている点やその要因を分析することも有効です。特にSEO対策を目的とした競合分析にあたっての考え方、競合分析に使えるツールを紹介します。
ツールの利用はもちろん有効ですが、それに頼りすぎることなく、手動でのチェックや分析も大切です。結果的に、コンテンツの質を高め、ユーザーにとって価値のある情報を提供することが、上位表示を実現するための近道となるでしょう。
マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。
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