競合分析の目的

Googleの検索ロジックは複雑化し、特定のタグを変更するといった単純なSEO対策では検索順位を上げづらくなっています。
こうした状況において、現在検索結果上位のサイトにはGoogleが評価する要素があるとし、上位サイトと自社サイトを比較して差分を補うのが競合サイト分析の目的です。
そして、分析した結果を踏まえて更新計画を立て、それに沿ってコンテンツの更新を行い、自社サイトのアクセス数増加につなげるまでが一連の流れとなります。
広告出稿においても、似た顧客層を持っている競合サイトの分析は、効率的な施策立案に役立ちます。
競合サイトをどのように見つけるか?

競合サイトを探すには、まずは自社サイトで重視するキーワードを決め、そのキーワードで検索結果上位を取っているサイトをピックアップします。
自社サイトで重視するキーワードは、「自社サイトのアクセス流入上位キーワード」と「これから検索上位を取りたいキーワード」の2種類があります。検索上位を取りたいキーワードは、リソースの都合上、数個に絞るのが得策です。ビッグワードで検索上位を狙うとなると、複数記事、場合によっては数十記事の投入が必要になってしまう場合もあるので注意します。
ピックアップした競合サイトが多い場合、無関係なサイトを除外し、よりユーザー層が近いと考えられるサイトにしぼります。例えば、大手企業が運営していてドメインの強さで上位になっているようなサイトは、外してもよいでしょう。
なお、上位を取っているサイトは半年1年単位で見ると入れ替わっていることも多いので、どのサイトが上がっているか分析すると、検索トレンドの理解に役立ちます。
競合分析に使われる指標

競合分析にあたって、「アクセス数・UU数」「属性」「直帰率」「流入経路」「流入キーワード」といった指標をもとに調査を進めます。
アクセス数・UU数
アクセス数やUU数(ユニークユーザー数)を競合サイトと比較し、差が開いているのであれば、自社サイトに伸びしろが多く残されていると言えます。
とくにUU数の計測は競合サイトの人気度を知る指標になります。競合サイトに比べてUU数の差が開いている場合は、人気を高めるにはどのようなサイト構築を行うべきか、またどのようなサイト誘導施策を行っているのか、を掘り下げて調査します。
一人のユーザーが複数ページ閲覧することもあるため、一般にはアクセス数よりUU数の方が小さくなります。流入に注目するなら、UU数で十分です。
属性
性別、年齢、興味や関心といったユーザーの「属性」調査は、自社サイトで作成すべきコンテンツ内容の精査、そしてそこから施策を出すために必要となります。
直帰率
直帰率の調査は、そのサイトがユーザーにとって良いか悪いかの基準となります。競合サイトよりも直帰率が高いのであれば、コンテンツや誘導の導線を見直したり、UIの改善やモバイルの最適化などの施策に取り組む必要性が上がります。
流入経路
流入経路の調査・分析は、集客方法の確認が第一です。しかし、集客はひとつの手段で、最終的な目標はそこからコンバージョンにつなげることです。したがって、単に流入経路を探るのではなく、コンバージョン率を高められる流入経路を特定するようにします。
流入キーワード
競合サイトを訪問したユーザーが検索エンジンで入力したキーワード、流入キーワードの調査は、競合サイトがそのキーワードでサイトに誘導していると分析できます。よって、その流入キーワードで自社サイトを検索上位に表示できるよう、流入キーワードに関するコンテンツの増加などのSEO対策を施します。
競合分析後に行うべきこと
上で紹介した指標をもとに、競合サイトの情報を仕入れたら、参考にできる部分は積極的に自社サイトにも取り入れるようにします。しかし、すべてそのままでは競合サイトに双肩できても追い抜くには至りません。
したがって、自社(サイト)にしかない強みがあれば、それを積極的に打ち出し、競合サイトとの差別化を図ります。それによって、アクセス数の向上、新規ユーザーの獲得を期待できます。
ツールの利用で効率的に競合分析
今回紹介した指標の調査・分析にあたっては、ツールの利用が効率的です。以下に9つのツールを紹介しますが、単機能のツールもあるので、いくつかを組み合わせて利用しましょう。
おすすめ競合分析ツール:Dockpit
「Dockpit(ドックピット)」は、国内の主要サイトのユーザー数やPV数、訪問者属性、流入元やその検索ワード、よく見られているコンテンツなどをすぐ調査できる競合分析ツールです。
国内主要サイトの情報がわかる理由は、ヴァリューズが独自保有する国内250万人規模の消費者パネルを活用しているためです。
機能の制限はありますが、Dockpitの無料版も用意されています。まずは無料版のお試しをおすすめします。

市場調査を無料でできる?マーケターのためのリサーチエンジン「Dockpit」の無料版を使ってみた
https://manamina.valuesccg.com/articles/1205Webサイト改善、SEO対策、コンテンツマーケティング、メディアプランニングなど、デジタルマーケティングに欠かせない市場調査や競合調査、検索キーワード分析。これらが1つのツールで簡単に把握できる「Dockpit(ドックピット)」から、一部機能を無料で使える無料版がリリースされました。無料でどんなことができるのか、マナミナ編集部で早速試してみることに。本稿で詳しくレポートします。
おすすめ競合分析ツール:Gyro-n SEO
「Gyro-n SEO」は、検索順位チェック、問題点の洗い出し、分析、施策、検証という一連のSEO対策フローをワンストップで行える競合分析ツールです。
Gyro-n SEOはとりわけSEO順位チェックに特化していて、競合サイト、自社サイトの検索順位を自動チェックするほか、キーワードごとの検索順位の変動、インデックス数の推移の調査に適しています。
利用者登録をしてから3ヶ月間は無料で利用できるので、とりあえず試してみたいという場合にも最適です。

【SEOツール】なら検索順位チェックから競合比較、内部対策管理まで、インハウスSEO担当者が行うフロー、SEO対策のノウハウを詰め込んだGyro-n SEO。効率的にSEOを管理する高機能SEOプラットフォームです。無料から利用OK!
おすすめ競合分析ツール:SEARCH WRITE
「SEARCH WRITE」は、簡単にSEOの課題分析・施策立案・効果測定を行える競合分析ツールです。
UIがシンプルで、必要な機能(キーワードごとに競合サイトの順位を自動取得、SERPsの自動取得など)に絞っているため、これから競合分析やSEOコンテンツマーケティングを始めたいという方にも使いやすく、効率的に競合サイトの調査・分析を行えます。

SEARCH WRITE(サーチライト)は、SEO成果の可視化・分析・施策立案からタスク管理までを総合的にできるSEO対策支援ツールです。自社キーワードの分析からページ調査・競合分析までを1つのツールで。
おすすめ競合分析ツール:SEOチェキ!
「SEOチェキ!」は2009年から運営されている老舗の無料SEOツールで、「サイトSEOチェック」「検索順位チェック」「キーワード出現比率チェック」「発リンクチェック」「Whois情報チェック」の5つのツールから成り立っています。
このように機能を多く搭載していますが、Webサイト上から気軽にチェックできるのが利点です。
サイトのさまざまな情報をチェックします。SEOチェキ!は、サイト調査・検索順位チェックなど、SEOに役立つさまざまなツールを無料でご提供いたしております。あなた自身のサイトや気になるあのサイトをチェック!
おすすめ競合分析ツール:Internet Archive Way Back Machine
「Internet Archive Way Back Machine」は、競合サイトの以前のデザインを見られる無料ツールです。競合サイトのURLと見たい日付を入力すると、その日のページを閲覧できます。
競合サイトの変遷を把握することで、デザインの参考や改変のタイミングなどを参考にできます。なお、必ずしも希望する日付で見られなかったり、画像が表示されないケースもあるのでご注意ください。
おすすめ競合分析ツール:Ahrefs
「Ahrefs」は、キーワード検証からの競合分析、コンテンツ、被リンクチェックなどが行える多機能競合分析ツールです。
キーワード検証からの分析で競合サイトのコンテンツをわかりやすく図示したり、関連キーワードやAhrefsが収集したバックリンクデータから被リンクの品質の評価などができます。月額費用はLiteプランの99ドルから用意されています。1週間7ドルで体験できるプランも用意されています。

Ahrefs - SEO Tools & Resources To Grow Your Search Traffic
https://ahrefs.com/You don't have to be an SEO pro to rank higher and get more traffic. Join Ahrefs – we're a powerful but easy to learn SEO toolset with a passionate community.
おすすめ競合分析ツール:Page Speed Insights
「Page Speed Insights」は、Googleがリリースしている無料のサイト速度計測ツールです。URLを入力するとそのサイトの速度の総合評価が行われます。
評価される指標について数値による計測や、改善可能な項目のリストアップがレポートされるため、具体的な改善がしやすいのが特徴です。
おすすめ競合分析ツール:SEO TOOLS
「SEO TOOLS」は、サイトの基本的なSEO状況をレポートしてくれる無料の分析ツールです。分析項目は検索順位・インデックス数・被リンク数・キーワード率・強調タグ・ドメイン取得年月日となっています。とくに、競合サイトがどのようなキーワードで検索上位を狙っているのかを調べるのに最適です。
すでに廃止されたページランクが分析項目に残っているなど、最近の状況に対応していない部分もありますが、被リンク数を見られる点が重宝します。
おすすめ競合分析ツール:Built With
「Built With」は、対象サイトのシステム構成、WordPressで使っているプラグインなど既知のシステム/ツールを一式検出してくれる無料のツールです。
有料プランには上記の機能のほか、競合サイトと見込みユーザーの特定機能も用意されています。見込みユーザーを特定できれば、自社サイトで取りこぼしているユーザーに向けた、新たなアプローチ施策の検討材料になります。
まとめ
競合分析にあたっては、まず自社で重視したいキーワードを決め、そこから競合サイトを絞り込みます。その後、アクセス数などの指標を用いて調査・分析を進めます。
その際には、今回紹介したツールの利用が効率的かつツールによってはわかりやすく表示されたり、具体的に自社サイトに取り入れるべき内容を教えてくれるものもあるので便利です。
ツールごとの得手不得手やデータの精度もあり、複数のツールを組み合わると、より確実な分析が期待できます。また、ツールから得られた情報を利用するのではなく、独自の要素を付け加えることが、競合サイトに打ち勝つ要因となります。
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