2023年はハロウィンの楽しみ方が自由化!?「ハロウィン」の検索キーワードから振り返る

2023年はハロウィンの楽しみ方が自由化!?「ハロウィン」の検索キーワードから振り返る

食品メーカーのマーケターや新しいもの好きな人、ヘルスコンシャスな人に向けて、食品のトレンドを分析します。今回のテーマは日本ではここ20年ほどで急激にイベントが開催されるようになった「ハロウィン」。「ハロウィン」について検索している方は何を知りたいと思っているのでしょうか。市場を調査します。


ユーザー属性は意外にも……

まずはDockpitを使って直近2年間(2021年10月〜2023年9月)のハロウィン検索ユーザーについて確認してみましょう。

Dockpit 「ハロウィン」の検索者性別

Dockpit 「ハロウィン」の検索者性別
(集計期間:2021年10月〜2023年9月、対象デバイス:PC&スマホ)

Dockpit 「ハロウィン」の検索者年代

Dockpit 「ハロウィン」の検索者年代
(集計期間:2021年10月〜2023年9月、対象デバイス:PC&スマホ)

検索者の性別、年代を見てみると6割以上が女性、そして最も多い年代は30~40代ということが分かります。ハロウィンシーズンは渋谷などで多くの人が仮装をして集まる様子がニュースに取り上げられますね。「ハロウィンへ関心が高いのは、10~20代の若者が多い印象だった」と、意外に思われた方もいるのではないでしょうか。

Dockpit 「ハロウィン」の検索者未既婚

Dockpit 「ハロウィン」の検索者未既婚
(集計期間:2021年10月〜2023年9月、対象デバイス:PC&スマホ)

Dockpit 「ハロウィン」の検索者子供有無

Dockpit 「ハロウィン」の検索者子供有無
(集計期間:2021年10月〜2023年9月、対象デバイス:PC&スマホ)

「子供のためにどんなハロウィンにしようか」と検索している親たちを想像した方も多いでしょう。しかし未既婚は同じ割合、そして子供の有無は「子供なし」の方がやや多いという結果になりました。

Dockpit 「ハロウィン」の検索者時間帯

Dockpit 「ハロウィン」の検索者時間帯
(集計期間:2021年10月〜2023年9月、対象デバイス:PC&スマホ)

Dockpit 「ハロウィン」の検索者属性別マップ

Dockpit 「ハロウィン」の検索者属性別マップ
(集計期間:2021年10月〜2023年9月、対象デバイス:PC&スマホ)

属性別マップも「こども」「赤ちゃん」「女の子」といったワードもありつつ、目立つのは「イベント」「川崎」「USJ」「スタバ」「ツイステ」「ディズニー」「コナン」といったワードです。自分自身のために、楽しむ内容を検索している30~40代の女性も多いことがうかがえます。

そもそもハロウィンって?

日本では「ディズニーやUSJでのイベント」「渋谷に仮装して集まる」「期間限定のお菓子やスイーツ」のイメージが強いハロウィンですが、そもそもどういう文化なのかをご存じでしょうか。

Dockpit 「ハロウィン」の検索者流入ページ

Dockpit 「ハロウィン」の検索者流入ページ
(集計期間:2021年10月〜2023年9月、対象デバイス:PC&スマホ)

検索者流入ページを見てみると、「そもそもハロウィンって……なに?」と思った方が多かったのか、ウィキペディアへの流入が1位になっていました。

ハロウィンについて記載されたウィキペディア

ハロウィンの起源については諸説ありますが、もともとは古代ケルトのドゥルイド教で行われていたお祭りが起源とされています。古代ケルトでは、11月1日からが新年のため、その前夜である10月31日に霊が戻ってくると言われていました。その際、悪霊もやってきてしまうことがあることから、自らを守るために魔女やガイコツ、ゾンビといった怖いものの仮装をして仲間に見せていたのだそう。その後、子供寄りのイベントに徐々に変化していき、アメリカではクリスマスの次に大きなイベントとなっています。

海外では仮装をした子供達が近所の家を1軒ずつ訪問し、「トリック・オア・トリート」(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!)と叫び、お菓子をもらう行事として楽しまれています。

日本では1997年に東京ディズニーランドでハロウィンの仮装イベントが開催されたことをきっかけに認知度が急上昇、以降毎年ディズニーランドのハロウィンイベントは毎年恒例となっています。子供達が自宅を訪問し「トリック・オア・トリート」と叫ぶことは日本ではほぼなく、どちらかというと大人が仮装してはしゃぐイベントといった印象です。知らない人の家にいきなり訪問するのはハードルが高いことが考えられますが、それ以上に「この日だけは仮装して別人になったかのように楽しめる」という部分が日本人の国民性を刺激したのかもしれません。

検索ワードから興味関心を探る

さらに「ハロウィン」について検索している人が具体的にどのようなことを知りたいと思っているのかを深堀してみましょう。

1、ハロウィンはどんなお菓子を配るのかに注目

Dockpit 「ハロウィン」の検索者検索キーワード

Dockpit 「ハロウィン」の検索者検索キーワード
(集計期間:2021年10月〜2023年9月、対象デバイス:PC&スマホ)

ハロウィンの「サジェストキーワード」

ハロウィンの「サジェストキーワード」

検索キーワード2位は「ハロウィン お菓子」となっています。上記は「サジェストキーワード」といい、Googleなどの検索サービスにてキーワードを入力した際に、そのキーワードと一緒に検索される可能性が高いワードです。ここでは「手作り」「配る」「市販」「カルディ」などが上がっているため、バレンタインのようにハロウィンイベントで配るお菓子に悩んでいるユーザーが多いことが予想できます。

手作りか市販かに悩むユーザーが多い様子がうかがえることから、簡単に手作りできるお菓子や手作り感のあるお菓子の商品化は狙い目かもしれません。

2、テーマパークのハロウィンイベントに注目

Dockpit 「ハロウィン」の検索者検索キーワード

Dockpit 「ハロウィン」の検索者検索キーワード
(集計期間:2021年10月〜2023年9月、対象デバイス:PC&スマホ)

検索キーワード3位は「ディズニー ハロウィン」、7位は「USJハロウィン」、8位は「ユニバ ハロウィン」が検索されています。このように、テーマパークで毎年行われるイベントにも注目が集まっていることが分かります。

東京ディズニーリゾート

たとえば東京ディズニーランドでは今年「ディズニー・ハロウィーン」として9月15日から10月31日の約1か月半、園内のデコレーションと1日1回の特別パレードを実施。さらに園内ではディズニーキャラクターに仮装してハロウィンを楽しむことをオススメされています。

東京ディズニーシーでは特別グリーティングや、専用のコスチュームを着用したキャストに「トリック・オア・トリート」と声をかけるとハロウィン限定の飴がプレゼントされるなど、この時期にしか体験できないレアなイベントが開催されます。もちろん東京ディズニーランド&シーの両方でその年だけのハロウィン限定グッズやフードも発売されますよ。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはハロウィンイベントのテレビCMなども放映しているので「ハロウィンが盛り上がる」という印象を持っている方も多いかもしれません。開催期間も9月7日〜11月5日と長く、ハロウィン限定のグリーティングやダンスショー、オリジナルフード&グッズはもちろん、14歳以上しか参加できない「ハロウィーン・ホラー・ナイト」も開催。18時以降になると園内をゾンビが徘徊するなど本格的です。

3、近年はバーチャルハロウィンを楽しむ人にも注目

Dockpit 「ハロウィン」の検索者検索キーワード

Dockpit 「ハロウィン」の検索者検索キーワード
(集計期間:2021年10月〜2023年9月、対象デバイス:PC&スマホ)

検索キーワードで気になったのは6位の「あつ森 ハロウィン」。「あつ森」とはNintendo Switchのゲーム「あつまれどうぶつの森」のことです。

ゲーム内で10月31日の17時になるとハロウィンイベントが開催されるのですが、「仮装」をして家の中にいる住民に話しかけるなどすることで新アイテムがもらえたり、限定リアクションや衣装が手に入ったりと普段は見ることが出来ないイベントが発生します。このように、実際に仮装をしパーティーをするのではなく、ゲーム内などバーチャルでハロウィンを楽しむ人も増えてきていることがわかりますね。他にも近年、多くのソーシャルネットワークではこのようにハロウィンイベントを開催することが増えてきているようです。

まとめ

今回は「ハロウィン」について調べました。意外にも海外とは異なり、日本では子供のためのイベントではなく「大人がはっちゃけるためのイベント」になっている様子がうかがえました。テーマパークでのイベントやゲーム内でのレアなイベントが多く検索されていることもわかりました。リアル、SNS、バーチャルを上手く組み合わせた顧客体験設計で盛り上がりをつくることができるかもしれません。

▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。

関連する投稿


新時代のフランス発SNS「BeReal(ビーリアル)」MAUは過去1年で4倍に。広告にも期待感高まる

新時代のフランス発SNS「BeReal(ビーリアル)」MAUは過去1年で4倍に。広告にも期待感高まる

リリースされてから、Z世代を中心に強い支持を集めている「BeReal(ビーリアル)」。2023年初頭から人気を集め始めていますが、いまだにその人気は衰えていません。2024年7月には、日本で広告事業を本格化しはじめたことが大きな話題になりました。今回は、BeRealの最新動向をデータを用いて分析するとともに、広告ビジネスの可能性を調査していきます。


データ分析のヴァリューズ、 「デジタル・トレンド白書2024 – ライフスタイル・消費トレンド編」を公開

データ分析のヴァリューズ、 「デジタル・トレンド白書2024 – ライフスタイル・消費トレンド編」を公開

ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。その中から注目領域の調査・コラムをピックアップし、白書として収録。2021年の発行から4回目を迎える「デジタル・トレンド白書2024」は、Z世代トレンド・SNS動向編、ライフスタイル・消費トレンド編の2部構成になっています。(「ライフスタイル・消費トレンド編」ページ数|153P)


いすゞの「だれでもトラック」エルフミオは変革を起こすか? Webサイト訪問者データで初動を分析

いすゞの「だれでもトラック」エルフミオは変革を起こすか? Webサイト訪問者データで初動を分析

2024年7月、いすゞ自動車は新型トラック「ELFmio」を発表しました。普通自動車免許で運転でき、「だれでもトラック」と銘打たれるこのトラック。狙いは物流を担うトラックドライバー不足の解決です。そんなエルフミオのインパクトを、Webサイト訪問者データを通じて分析しました。


ECサイトにおけるKPI策定のポイント

ECサイトにおけるKPI策定のポイント

ECサイトの売り上げをあげるためには、KGIの設定だけではなく、KPIの策定が重要なポイントになります。そこで、気になるKPIの策定ポイントや、課題の洗い出し・分析についてご紹介します。効果的なマーケティング施策にお悩みの方や、ECサイトの売り上げが伸び悩んでいる方はぜひ参考になさってください。


“第2次”アサイーブームは続くのか? 検索者属性や検索ニーズからカテゴリ浸透の未来を考察

“第2次”アサイーブームは続くのか? 検索者属性や検索ニーズからカテゴリ浸透の未来を考察

近年再び話題になっている「アサイー」。若い女性を中心に人気を集めているようです。他にはどのような特徴を持つ人がアサイーに関心を持っているのか、アサイー検索者がアサイーのどんなことに興味を持っているのかについて、Web行動ログデータから分析・考察します。そして、アサイーブームのこれからを考えます。


最新の投稿


DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

株式会社ecloreは、同社が運営する「ランクエスト」にて、データベース型サイト運営者を対象に、SEOの実施状況やその効果について調査を実施し、結果を公開しました。


SEOに積極的に取り組んでいるサイトの9割以上が表示速度の重要性を認識!改善に取り組む目的は「顧客体験の向上」と「リピート率の改善」が上位【Repro調査】

SEOに積極的に取り組んでいるサイトの9割以上が表示速度の重要性を認識!改善に取り組む目的は「顧客体験の向上」と「リピート率の改善」が上位【Repro調査】

Repro株式会社は、Webサイト運営・管理者を対象とした、「Webサイトの表示速度改善についての実態調査」を実施し、結果を公開しました。


感性について ~ マーケティングとハプティクス

感性について ~ マーケティングとハプティクス

人には5感が備わっています。さらに突き詰めれば第6感という感覚も。それら人の持つ感性や感覚を補うべくあらゆる技術も日々進歩していますが、人のそれらの代替となるような技術はまだ未完の途上です。それほどに他に取って代われない私たちの感性・感覚。本稿では、広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長、一般社団法人マーケティング共創協会理事・研究フェローを務めている渡部数俊氏が、広告やマーケティングを通して人の感性の深さを説き、ハプティクス(Haptics)を用いて人の感覚の重要性を解説します。


イードとガイエ、リアルとデジタルの融合でアニメファンの推し活を支援する広告パッケージを提供開始

イードとガイエ、リアルとデジタルの融合でアニメファンの推し活を支援する広告パッケージを提供開始

株式会社イードと株式会社ガイエは、全国のファミリーマート、ローソン(※一部店舗を除く)に設置されているマルチコピー機で展開するコンテンツサービス「エンタメプリント」を活用した広告パッケージ「Anime Touch Ad」を共同開発し、販売開始することを発表しました。


ネオマーケティング、ボーダーリンクとの協業で在日外国人リサーチサービスを提供開始

ネオマーケティング、ボーダーリンクとの協業で在日外国人リサーチサービスを提供開始

株式会社ネオマーケティングは、株式会社ボーダーリンクと協業し、在日外国人リサーチサービスを提供開始したことを発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ