副業の注目高まる!ハンドメイド販売サイト「minne」「Creema」「BASE」を比較調査。検討者に違いは?

副業の注目高まる!ハンドメイド販売サイト「minne」「Creema」「BASE」を比較調査。検討者に違いは?

誰でも気軽に売り買いできるハンドメイド販売サイト。副業としてハンドメイド作家に興味を持つ方も多いのではないでしょうか。今回は「minne」「Creema」「BASE」を対象に、どのような人がこれらのサイトを訪問しているのか、それぞれの特徴を分析していきます。


minne、Creema、BASEとはそれぞれどんなサービス?

柔軟な働き方や副業への関心の高まりから、アフターコロナの中でも依然盛り上がりを見せているハンドメイド市場。今回は、ハンドメイドマーケット「minne」「 Creema」とネットショップ作成サービス「BASE」をピックアップし、サイト規模やアクセスしている人の属性を調査しました。

なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツールDockpitを用います。

まずは、3つのサイトの概要を紹介します。

minne

「minne(ミンネ)」は、GMOペパボ株式会社が運営しているハンドメイドマーケットです。スマートフォンで簡単に出品でき、初心者でも始めやすい気軽さが特徴として挙げられます。クリエイター向けにイベントや勉強会を開催するなどの支援も充実しています。

Creema

「Creema(クリーマ)」は、株式会社クリーマが運営しているハンドメイドマーケットです。クリエイター1人当たりの売上や作品単価が高いことを強みとしており、クーポンやキャンペーンなど便利な販促機能が利用できます。

BASE

「BASE(ベイス)」は、BASE株式会社が運営しているネットショップ作成サービスです。本格的なネットショップを無料で作成でき、デザインを自由にカスタマイズすることができます。

minneとCreemaの特徴は集客力?月間サイト訪問者数が200万人超え

初めに、「minne」「Creema」「BASE」各サイトの訪問者数を見ていきます。こちらは、過去半年間(2023年8月〜2024年1月)のサイト訪問者数の推移を表したグラフです。

グラフ

「minne」「Creema」「BASE」のサイト訪問者数推移
調査期間:2023年8月~2024年1月
デバイス:PC&スマートフォン

2024年1月のサイト訪問者数は、「minne」218万人、「Creema」215万人、「BASE」73.7万人という結果となりました。現時点で「minne」「Creema」はほぼ同等のサイト規模となっており、「BASE」の約3倍にあたります。

ある程度の集客が見込めるハンドメイドマーケットでは、その中で他ショップとの差別化が重要になってくることが考えられます。一方「BASE」は、自分のネットショップにアクセスしてもらうという性質上、より一層集客の工夫をする必要があるため、検討ハードルが高いのかもしれません。

minneとCreemaは女性に人気 BASEは男女半々

次に、サイト訪問者の属性について詳しく掘り下げていきたいと思います。

まず男女比に関して、「minne」「Creema」は女性が過半数を占めている(順に77.2%、75.7%)のに対し、「BASE」はほぼ半々(男性43.8%、女性56.2%)となっています。ハンドメイドマーケットは女性人気が高い一方で、扱っている商材がより幅広い「BASE」は男女どちらからも注目されていることがうかがえます。

グラフ

「minne」「Creema」「BASE」のサイト訪問者 男女比
調査期間:2023年8月~2024年1月
デバイス:PC&スマートフォン

年代別に見てみると、どのサイトも40代の割合が最も大きくなっています。その上で、特に「minne」は20代〜30代の若年層にも人気があることが分かります。一方、「Creema」「BASE」は、30代〜50代を中心に関心を集めています。

グラフ

「minne」「Creema」「BASE」のサイト訪問者 年代別の割合
調査期間:2023年8月~2024年1月
デバイス:PC&スマートフォン

未婚/既婚率で見てみると、若年層の人気が高い「minne」では未婚者が多く、最も年齢層が高くなっている「Creema」ではわずかに既婚者が多いという結果となりました。30代〜50代にボリューム層があった「BASE」でも、未婚者の割合が56.3%と、6割近くを占めていることが分かりました。

グラフ

「minne」「Creema」「BASE」のサイト訪問者 未婚/既婚の割合
調査期間:2023年8月~2024年1月
デバイス:PC&スマートフォン

世帯年収別では、どのサイトも「400万円未満」の割合が高く、半数弱を占めています。ネット利用者全体と比べて顕著な差は出なかったものの、「minne」「Creema」では「400万円未満」の割合が少し高く、「1000〜1500万円」の割合が少し低い傾向があります。

グラフ

「minne」「Creema」「BASE」のサイト訪問者 世帯年収別の割合
調査期間:2023年8月~2024年1月
デバイス:PC&スマートフォン

各サイト訪問者の約6〜7割は併用なし

次に、各サイトの併用状況を調査していきます。

各サイトの訪問者数のうち、今回調査対象の他サイトを併用していない人の割合は、「minne」で58.4%、「Creema」で60.1%、「BASE」で67.6%でした。どのサイトの訪問者も、過半数は1つのサイトのみを訪れており、ハンドメイドマーケットとは少し毛色の異なる「BASE」でその傾向が顕著です。併用していない人の割合が多いということは、販売する側は複数のサイトに出品することで、また違った層に見てもらえる可能性が高いと考えられます。販売数を上げる一つの方法として、複数のサイトで出品してみることも有効かもしれません。

さらに詳しく、2つのハンドメイドマーケット「minne」「Creema」の併用に関して見ると、「minne」サイト訪問者の37%が「Creema」を併用、「Creema」サイト訪問者の35.4%が「minne」を併用しているという結果が出ました。各サイト訪問者のうち4割弱が、2つのサイト間で比較検討をしていることがうかがえます。

グラフ

「minne」から見た他サイト併用状況
調査期間:2023年8月~2024年1月
デバイス:PC&スマートフォン

グラフ

「Creema」から見た他サイト併用状況
調査期間:2023年8月~2024年1月
デバイス:PC&スマートフォン

一方、「BASE」サイト訪問者の中で、「minne」を併用した人の割合は22.3%、「Creema」を併用した人の割合は22.7%にとどまりました。

グラフ

「BASE」から見た他サイト併用状況
調査期間:2023年8月~2024年1月
デバイス:PC&スマートフォン

フリマアプリや格安ECへの関心が高い層がハンドメイドサイトを訪問している

さらにそれぞれのサイト訪問者がどんなアプリに関心があるのかを見ていきます。Dockpitの「関心アプリ」の分析機能を使用しました。ここでは、一般的なネット利用者と比べて、対象者(該当サイトの訪問者)の関心の割合が顕著に現れている順に上位20位を抜粋しています。

3つのサイトの共通点として、「メルカリ」が関心アプリ上位にランクインしていました。一般平均と比べて、フリマアプリへの関心も高い層であることが分かります。

中でも注目したいのは「minne」「Creema」サイト訪問者において、格安EC「SHEIN」が関心アプリ9位にランクインしていることです。各サイト訪問者の「SHEIN」関心層における男女比率を見てみると、女性が約8割を占めていることから、女性人気のハンドメイドマーケットとの親和性が高いことがうかがえます。

関心アプリランキング

「minne」サイト訪問者の関心アプリ
調査期間:2023年2月~2024年1月
デバイス:スマートフォン

関心アプリランキング

「Creema」サイト訪問者の関心アプリ
調査期間:2023年2月~2024年1月
デバイス:スマートフォン

また格安ECで話題の「Temu」も、「minne」で17位、「Creema」で12位、「BASE」で16位となっており、こちらは男女どちらからも関心が集まっていることが分かります。新しいオンラインショップに抵抗がなく、お得に買い物をしたいという姿勢の人が一定数いることがうかがえます。また、ハンドメイド販売でお小遣いを得つつ、普段の生活は節約しながらコスパ重視で楽しむ、といったような人物像も考えられます。

関心アプリランキング

「BASE」サイト訪問者の関心アプリ
調査期間:2023年2月~2024年1月
デバイス:スマートフォン

「Temu」「SHEIN」に関する調査記事もぜひあわせてご覧ください。

急拡大の中国新興EC「Temu」、日本上陸後の利用者数やユーザー像は?SHEINと比較調査 | [マナミナ]まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン

https://manamina.valuesccg.com/articles/3049

2022年、人気に火が付いた「SHEIN(シーイン)」に続き、大規模な認知拡大を続ける中国発のEC「Temu(ティームー)」。日本では2023年7月にサービスが開始されましたが、いち早くTemuを利用しているユーザーはどのような人々なのでしょうか。SHEINと比較しながら、サイトとアプリの利用実態を調査していきます。

ハンドメイドサイトとInstagramの親和性

次に、SNSの併用率に注目して見ていきます。表示するアプリカテゴリを「ソーシャルネットワーク」に限定し、併用率順に上位5位まで抜粋しています。

関心アプリ SNSランキング

「minne」サイト訪問者の関心アプリ(SNS、併用率順)
調査期間:2023年2月~2024年1月
デバイス:スマートフォン

関心アプリ SNSランキング

「Creema」サイト訪問者の関心アプリ(SNS、併用率順)
調査期間:2023年2月~2024年1月
デバイス:スマートフォン

関心アプリ SNSランキング

「BASE」サイト訪問者の関心アプリ(SNS、併用率順)
調査期間:2023年2月~2024年1月
デバイス:スマートフォン

どのサイト訪問者も、Instagram、X(旧Twitter)、Facebookの順に併用していることが分かりました。特にInstagramは画像を用いて発信できるため、ハンドメイドマーケットと相性が良いと考えられます。こうした相性の良いプラットフォーム(併用率の高いもの)を通じて情報発信することで、さらなる集客効果が期待できそうです。

まとめ

今回は、ハンドメイドの販売サイト「minne」「Creema」「BASE」の特徴について比較調査しました。

サイト規模では、ハンドメイドマーケット「minne」「Creema」が大きいことが分かりました。ハンドメイドマーケットの最大の長所は、利用の気軽さと集客力と言えそうです。また、その属性は女性が多いことも調査から分かりました。

一方、「BASE」では自分のネットショップへの集客方法をしっかりと考えていく必要がありますが、その分自由度が高いという利点もあります。ブランドの色やオリジナリティを全面にアピールする場として適しているとも言えそうです。

アフターコロナの中、今後のハンドメイド販売サイトの動向はどうなっていくのか、引き続き注目していきたいと思います。

【無料ダウンロード】総ページ数150P以上のライフスタイル・消費トレンドレポート|デジタル・トレンド白書2024

https://manamina.valuesccg.com/articles/3792

ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。その中から注目領域の調査・コラムをピックアップし、白書として収録。2021年の発行から4回目を迎える「デジタル・トレンド白書2024」は、Z世代トレンド・SNS動向編、ライフスタイル・消費トレンド編の2部構成になっています。(「ライフスタイル・消費トレンド編」ページ数|153P)

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この記事のライター

大学ではポルトガル語と言語学を学び、常に様々な外国文化や言語に興味がありました。
海外情報に関する記事を通じて、何かヒントに繋がる新たな視点や面白い発見をお届けできればと思います。
趣味は、海外エンタメ情報の追っかけとおうちでラテアート修行をすることです。

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