今「note」がアツい!読み物好きな若者を魅了?noteの集客動向を調査<前編>

今「note」がアツい!読み物好きな若者を魅了?noteの集客動向を調査<前編>

2023年夏頃から集客数を急激に伸ばしているメディアプラットフォーム「note」。人気を後押ししているのはどのような人々なのでしょうか?前編では、noteが集客しているユーザーの特徴を深掘り調査し、後編では、noteが規模を拡大している要因を探っていきます。


急成長中メディアプラットフォーム「note」とは?

「note」とは、note株式会社によって2014年4月に運営が開始されたメディアプラットフォームです。
参考:https://note.jp/n/n37effe3bd2b3

「note」は、「創作をする人、それを応援する人のためのメディアプラットフォーム」であり、アプリとWebサイトの両方から利用できます。
参考:https://play.google.com/store/apps/

実際にその人気を示すデータを見てみましょう。なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツールDockpitを用います。

次の図は、「note」のWebサイト訪問者数の推移を表したものです。2023年6月以降、「note」Webサイトの訪問者数が増加傾向にあることが読み取れます。

「note(サイト)」訪問者数の推移
調査期間:2023年2月〜2024年1月
デバイス:PC・スマートフォン

続いて、noteの機能を①投稿者側、②閲覧者側に分けてみていきましょう。

①投稿者側の機能

noteの投稿者ができることは主に以下の3つです。
・創作物の投稿
・投稿へのアクセス状況の閲覧
・投稿の収益化


noteには、「くらし」「まなび」「しごと」「社会」「エンタメ」「テクノロジー」「カルチャー」といった多様なカテゴリが存在しており、それらを以下5つの形式で創作物を投稿することができます。投稿の収益化については、後ほど詳説します。

②閲覧者側の機能

noteの閲覧者ができることは、主に以下の5つです。

・創作物の閲覧・鑑賞
・「スキ」と呼ばれる評価・コメントの送信
・クリエイターのフォロー
・X(旧Twitter)・Instagram・LINE等への共有
・マガジン(ブックマークフォルダのようなもの)の作成

【関連レポート】2025年最新!SNSユーザー数ランキング(全30サービス)

https://manamina.valuesccg.com/articles/4597

国内30のSNSアプリを対象とした「SNSユーザー数ランキング」調査レポートのダウンロードページ(2023年8月~2025年8月)。国内SNS市場における各サービスのMAU(月間アクティブユーザー数)やユーザー属性を明らかにしています。

「note」利用者の特徴は?

続いて、どんな人がnoteを利用しているのか分析していきます。

20〜30代の若年男女に人気

まず、「note」ユーザーの属性を分析します。

まず、アプリ利用者の男女比を見ていきましょう。
以下の図によると、noteアプリ利用者の中では、女性に比べて10%ほど男性の割合が高くなっているものの、男女の偏りはあまりないことが読み取れます。この理由として、先に述べたように様々なカテゴリで投稿することができ、性別に関わらず興味に基づいて投稿・閲覧できることが考えられます。

「note」アプリ利用者の性別割合
調査期間:2023年02月〜2024年01月
デバイス:スマートフォン

続いて、アプリ利用者の年代割合です。
以下の図から、20〜30代の若年層がボリューム層であり、アプリ利用者の約半数を20代・30代が占めています。また、40代以上では年代が上がるほど利用割合が低くなっています。

「note」アプリ利用者の年代割合
調査期間:2023年02月〜2024年01月
デバイス:スマートフォン

以上から、noteのアプリ利用者は、男女比はそこまで偏りがなく、20〜30代の若年層がボリュームゾーンであることがわかります。アプリをインストールするほど定常的にnoteを利用したいというユーザーは、若年層に多いようです。また、noteは比較的新しいプラットフォームであるため、より流行に敏感だと考えられる20〜30代の人々からの注目を集めていることや、SNSとnoteを併用して発信しているインフルエンサーを応援する若年層が多いことなどが背景として考えられます。

次に、アプリ利用者の未婚・既婚の割合を見ていきましょう。
以下の図から、ネット利用者全体と比べて未婚者の割合が高いことがわかります。

「note」アプリ利用者の未婚・既婚割合
調査期間:2023年02月〜2024年01月
デバイス:スマートフォン

ここで、アプリ利用者の子供の有無を見ていきます。
以下の図から、ネット利用者全体に比べて子供なしの割合が高いことがわかります。

20代〜30代がnoteユーザーのボリューム層であることが、未婚率の高さと子供なしの割合の高さの背景にあると考えられます。

「note」アプリ利用者の子供なし・子供あり割合
調査期間:2023年02月〜2024年01月
デバイス:スマートフォン

ただし、noteには「くらし」カテゴリの中に「育児」というカテゴリが存在しており、子育てに関する情報が乏しいわけではありません。今後、現在のnoteユーザーのライフステージが変わり、子育て家庭が多くなってくると、このトピックがさらに注目されるようになるかもしれません。

次に、アプリ利用者の世帯年収を見ていきます。
以下の図では、ネット利用者全体と比べて、noteアプリ利用者の世帯年収の分布は400万円未満の利用者の割合がやや高く、600-800万円の利用者の割合がやや低くなっています。これは、アプリ利用者の半数を可処分所得が少ない傾向にある若年層が占めるためだと考えられます。

「note」アプリ利用者の世帯年収割合
調査期間:2023年02月〜2024年01月
デバイス:スマートフォン

日常的に「読み物」に触れる、意識高めなユーザー

続いて、アプリ利用者の興味・関心をみてみましょう。以下の分析では、Web行動データとアンケートデータを用いて、ターゲットユーザーにおける特定の Web 行動の前後の動きと属性を集計できる、ヴァリューズの分析ツールstory bankを使用します。

次の図は、noteアプリ利用者の興味・関心マップから「特徴値」が5.0pt以上の項目を抽出したものです。「特徴値」の数値に表れたnoteアプリ利用者の興味・関心を読み解いていきましょう。

「note」アプリ利用者の興味/関心
調査期間:2023年2月〜2024年1月
デバイス:スマートフォン

※縦軸:リーチ率(対象者のうち、アンケートで当該項目に回答した人数の比率)
 横軸:特徴値(対象者のリーチ率 ー ネット人口全体のリーチ率)
※特徴値5.0pt以上を表示

この図から読み取れる「note」利用者の興味関心項目をnote内に設置されているカテゴリ(下画像参照)に当てはめてみると、以下のように分類できます。

エンタメ
「ゲーム」「動画共有サイト(YouTube、ニコニコ動画など)」「歌手・ミュージシャン」「声優」「アーティスト」「アイドル」「マンガ」「アニメ」「音楽鑑賞」「イベント、コンサート」

カルチャー
読書・書籍」「歌手・ミュージシャン」「声優」「アーティスト」「アイドル」「マンガ」「アート、芸術」「写真、カメラ」「恋愛」「イベント、コンサート」

しごと
「読書・書籍」「マネー、投資」「ビジネス関連」「就職、求人」

くらし
「占い」「ダイエット」「ファッション」

まなび
「読書・書籍」「資格取得、習い事

テクノロジー
スマートフォン

ここから、noteアプリ利用者の興味/関心とnote内に設置されているカテゴリは親和性が高いことが読み取れます。また、note自体が読み物の多いプラットフォームであるためか、「読書・書籍」の特徴値とリーチ率がともに高くなっています。

このデータを概観すると、noteアプリの利用者像として、
デジタルネイティブで、クリエイティブな趣向を持ち、元々読書好きな人が多く資産運用やキャリアなどへの意識も高い人
が考えられます。

ThreadsやKindleなど、読み物系アプリの利用が多い

続いて、noteアプリ利用者が他にどんなアプリを利用しているのか見てみましょう。

「note」利用者の併用アプリランキング
調査期間:2023年02月〜2024年01月
デバイス:スマートフォン

※リーチ率:(当該アプリ起動ユーザー数)÷(抽出条件に該当した全ユーザー数)
(抽出条件で指定できる前後〇〇分に関わらず、指定した期間(2021-〇〇~2021-▼▼など)内での当該アプリ起動ユーザー数による算出となります。)
※特徴値: (対象者のリーチ率)ー(ネット人口全体のリーチ率)

上の図を見ると、X・Instagram・Threads等のSNSは特徴値が25pt以上と高く、ネットユーザー全体に対して特に利用率が高いことがわかります。この要因の一つとして、SNSの利用が日常化している20〜30代がボリューム層であることが考えられます。また、noteの投稿を共有する場として、これらのSNSが使われている可能性も考えられます。

ここで、新興SNSであるThreadsが高い特徴値を示している理由を考察します。
Threadsは2023年7月6日に米Meta社からリリースされたテキストベースのSNSです。Instagramのアカウントで簡単にログイン・利用が可能になっています。そのため、Instagramのフォロワーとすぐ繋がることができます。一投稿につき最大500字の字数制限がありますが、無料版Xの文字数制限140字と比較すると、約3.5倍の長さの文章を投稿できることになります。また、他者の投稿のいいね数を非表示にできることが特徴の一つです。

noteアプリ利用者は流行に敏感かつデジタルネイティブである20〜30代の若者が多く、新たなSNSを始めるモチベーションが高いのではないかと考えられます。特に、ThreadsではInstagramのフォロワーと簡単に繋がれることから、彼らの日常をテキストベースで知るためのSNSとして有用であると考えられます。また、文章を書くことや読むことが好きな人々にとっては、気軽に文章の読み書きができる場にもなっているのではないでしょうか。

noteは読み物の投稿が多いプラットフォームであり、Threadsも読み物中心のSNSであるため、どちらも文章の読み書きが好きな人々にとって親和性が高いと考えられます。

また、Amazon Kindleが特徴値の4位でリーチ率は35.52%であることが読み取れます。Amazon Kindleなどを利用するような「読み物が好き」という特徴を持つ人は、noteとの親和性が高いと考えられます。

「note」の利用目的は?

ここで、「note」の利用用途と人気コンテンツについて考察していきます。App StoreやGoogle Play ストアのレビューにみられるユーザーの生の声を、投稿者と投稿の閲覧者に分けてみていきましょう。

日常のアウトプットと習慣化

まずは投稿者に注目します。
投稿者のレビューでは、次のような意見がみられます。

実はあまり読まれてないから、好きな時に好きなことを書いてます。備忘録かもしれない。

自分の意見表明で、これほどいいアプリは無い。

面白いアプリだなぁ。本当に面白い。自己表現したい人にぴったり!そして、毎日続けるための工夫が随所にあります!

自分の意見を手軽に書けたり、みんなの書いたのを読めたり楽しい。動画も簡単に紐付けられるのがいい。

ここから、「自分の考えや思い」「備忘録」などの、日常の出来事をアウトプットする場としてnoteを利用する層の存在が伺えます。

ジャンルにとらわれず、多様な思考に触れられる

続いて、閲覧者のレビューには、以下のようなものが見られます。

しかも深い。
体験談もバラエティに富んでいる。
お気に入りのサイトである。

女性の方の日記のようなものを読むのが面白い。
勉強になる記事もあり、探したり、書いたりするのが、ハードル低くできる。

探してみると全盛期の2ちゃん以上にディープな記事があっておもしろい。暮らしの何気ない妄想から興味ある専門分野の濃厚な記事まで楽しめるし、他のSNSより記事やマガジン単位でまとまってるので読みやすく意味が伝わりやすい。

まだ使い始めだが基本的に文章の質が高い、というのが大きな特徴に感じた。既存のSNSは日記や呟きなど、悪く言えばどうでもいい情報に溢れているのに対して、noteは読み物として発信することが前提だからか、読んでいて楽しく考えさせられるものが多い。まとめサイトをつらつら眺めるよりはこちらの方が有意義かもしれない。

「ジャンルにとらわれないコンテンツ」「様々な人の思いや考えに触れられる」のように、多様なコンテンツに触れられる場として「note」を利用する層も見られます。

note側が発信しているnoteの特徴として、以下が挙げられています。

・ランキングがない
・広告がない
・note編集部がおすすめ記事を厳選

実際にPC版のnoteの公式サイトを見てみると、「ランキング」がなく、「今日の注目記事」からnote運営がおすすめの記事を厳選していることが読み取れます。ランキングは一般的にPVという数字によって作られるものであるため、ランキングがないことによって数字に囚われすぎずにコンテンツ作りができるのかもしれません。また、「広告」がないことで、コンテンツの閲覧に集中することができるため、洗練された印象を与えていると考えられます。

まとめ

これまで、利用者が急増しているメディアプラットフォーム「note」利用者の特徴と利用目的について分析してきました。

noteユーザーの特徴としては、「20〜30代の若年男女が中心」であり、「日常的に読み物に触れている」ことや、「読み物」に触れられるSNSやアプリとの併用率が高いことが挙げられます。noteの利用目的としては、「日常の出来事のアウトプットをする」こと、「ジャンルに囚われずに多様な思考・コンテンツに触れる」ことが考えられます。

後編では、前編での分析を踏まえ、「noteがユーザー数を伸ばした秘訣」についてnoteのUIやSEOなど、コンテンツマーケティングのプロの視点も交えながら考察していきます。
後編はこちらから↓

いま「note」がアツい!人気の秘訣はSEO?noteの集客動向を調査<後編>

https://manamina.valuesccg.com/articles/3318

2023年夏頃から集客数を急激に伸ばしているメディアプラットフォーム「note」。人気を後押ししているのはどのような人々なのでしょうか?前編では、noteが集客しているユーザーの特徴を深掘り調査し、後編では、noteが規模を拡大している要因を探っていきます。

dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

2025年4月に入社予定の大学4年生。大学ではジャーナリズムのゼミに所属。言葉に触れることが好き。音楽を聴くのも演奏するのも大好き。よりよい文章を綴れるよう日々精進中。

関連するキーワード


メディア Dockpit

関連する投稿


ハーゲンダッツにも「悪魔」が来た。“魔”を冠した食べ物がヒットする理由

ハーゲンダッツにも「悪魔」が来た。“魔”を冠した食べ物がヒットする理由

「“魔”改造カップラーメン」「“悪魔”のおにぎり」など、商品名に“魔”がつくヒット商品が複数登場しています。この記事では、そんなネーミングとしての“魔”の役割に迫ります。前半部分では、グルメ界でヒットした“魔”の商品と、“魔”の使われ方を見ていきます。後半部分では、“魔”がつく商品がヒットする理由を2つの観点から考察していきます。


東京アプリ11,000円ポイント付与で急拡大!自治体アプリ普及のカギとは

東京アプリ11,000円ポイント付与で急拡大!自治体アプリ普及のカギとは

東京都が提供するスマホアプリ「東京都公式アプリ(東京アプリ)」をご存じですか。2026年2月2日から「生活応援事業」と題して、都内在住者を対象に11,000円相当のポイントを付与するキャンペーンが開始され、注目度が高まっています。本記事ではそんな東京アプリのユーザーを分析し、ユーザー数獲得成功の背景を探ります。さらに、東京アプリを含む自治体アプリの今後の展開についても考察します。


DOWNTOWN+の勢いは本物か。ヒット状況と将来性を分析

DOWNTOWN+の勢いは本物か。ヒット状況と将来性を分析

月額1,100円でお笑いコンビ「ダウンタウン」のオリジナルコンテンツが楽しめる「DOWNTOWN+(ダウンタウンプラス)」。サービス開始からわずか2ヶ月でユーザー数50万人を突破し、大きな話題を呼んでいます。賛否が分かれる新たな挑戦でありながら、なぜここまで支持を集めたのか。その理由を分析しました。


令和のシール帳は透明?スマホケース、痛バにも共通する“透明”の魅力とは

令和のシール帳は透明?スマホケース、痛バにも共通する“透明”の魅力とは

2025年後半、いま「シール帳」が流行しています。子どもの頃にシールを集めていたという方も多いのではないでしょうか。この記事では、令和に訪れたシール帳ブームの実態を探っていきます。シール帳に興味を持っているのはどのような人なのか、2025年のシール帳のトレンドはどのようなものなのかを分析しました。


【大阪・関西万博】地域・熱狂度別のデータで振り返る、ガチ勢注目のパビリオンは?

【大阪・関西万博】地域・熱狂度別のデータで振り返る、ガチ勢注目のパビリオンは?

2025年10月13日、184日間の会期を終えた大阪・関西万博は、一般来場者2,500万人を超える大きな賑わいを見せました。本記事ではWeb行動ログデータを用い、「地域」と「熱狂度」の2軸から来場者を分析します。「万博」と「USJ」の選択に地域差はあったのか。「コア層」と「ライト層」では、注目するパビリオンに違いが出たのか。データを紐解くと、属性によって異なる「万博の楽しみ方」が浮かび上がってきました。


ページトップへ