いま「note」がアツい!人気の秘訣はSEO?noteの集客動向を調査<後編>

いま「note」がアツい!人気の秘訣はSEO?noteの集客動向を調査<後編>

2023年夏頃から集客数を急激に伸ばしているメディアプラットフォーム「note」。人気を後押ししているのはどのような人々なのでしょうか?前編では、noteが集客しているユーザーの特徴を深掘り調査し、後編では、noteが規模を拡大している要因を探っていきます。


noteのユーザー数推移とアプリ利用者の特徴

はじめに、前編の内容をおさらいします。

「note」の人気を示すデータをもう一度見てみましょう。なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツールDockpitを用います。

次の図は、「note」のWebサイト訪問者数の推移を表したものです。2023年6月以降、「note」Webサイトの訪問者数が増加傾向にあることが読み取れます。

「note(サイト)」訪問者数の推移
調査期間:2023年2月〜2024年1月
デバイス:PC・スマートフォン

続いて、noteのアプリ利用者の特徴をおさらいしましょう。前編では、異なる視点からの分析を通じて、以下のような特徴が考えられました。

20〜30代の若年男女に人気
デジタルネイティブ
クリエイティブな趣向を持つ
・日常的に「読み物」に触れる
・キャリアや資産運用などへの意識が高い
・「読み物」SNS・アプリとの併用率が高い

また、note内に設置されているカテゴリと、noteアプリ利用者の興味関心との間に高い親和性があることもわかりました。

今「note」がアツい!読み物好きな若者を魅了?noteの集客動向を調査<前編>

https://manamina.valuesccg.com/articles/3252

2023年夏頃から集客数を急激に伸ばしているメディアプラットフォーム「note」。人気を後押ししているのはどのような人々なのでしょうか?前編では、noteが集客しているユーザーの特徴を深掘り調査し、後編では、noteが規模を拡大している要因を探っていきます。

noteがユーザー数を伸ばした秘訣は?

ここから、noteアプリ利用者の特徴を踏まえ、noteが人気を得た秘訣を分析・考察していきます。

自然検索からの流入が大きく増加。ソーシャルとの相性も良い

以下の図を見ると、noteのWebサイトの集客構造では、2023年2月以降自然検索が増加傾向にあり、2023年8月以降は「自然検索」・「ノーリファラー」・「ソーシャル」の順で割合が高くなっています。

「note」検索者の集客構造推移
調査期間:2023年02月〜2024年01月
デバイス:PC・スマートフォン

ここで、「ソーシャル」からの流入者が流入者全体の中で継続的に2割程度の高い割合を占めている背景を考察します。「ソーシャル」とは、YouTube、Facebook、X(旧Twitter)などのソーシャルネットワークサービスの総称です。

noteでは、XやLINE、InstagramなどのSNSへの共有が容易に行えます。SNSでnoteの記事を共有してアクセス数を増やすことや、noteの記事を通じてSNSのフォロワーを増やすことなど、noteとSNSを併用することでより多くの人に自分自身の作品や考えを届けられるようです。このような利点から、SNSからnoteへの流入が多くなっていると予測されます。

続いて、「ノーリファラー」が常に大きな割合を占める背景を考察します。そもそも、「ノーリファラー」とは、基本的には流入経路が不明なものを指します。ただし、次のようなケースも存在します。

①メールソフト(OutlookやBecky! Internet Mailなど)からのブラウザ起動でサイト流入した場合
②ブラウザのURL入力欄(アドレスバー)に直接URLを入力してサイト流入した場合
③お気に入り、ブックマーク、履歴経由でサイト流入した場合

「note」を日常的に利用する人は、メールソフトに届いたメルマガから流入したり(①)、アドレスバーに「note」と入力した予測候補から流入したり(②)、「お気に入り」や「ブックマーク」に登録したりしている(③)のではないでしょうか。

それに加えて、noteのサイト訪問者数が増加し始めた時期と、自然検索の割合が高くなり始めた時期がどちらも2023年6月であることから、自然検索からの流入増加がnoteのユーザー数増加に寄与していると考えられます。そこで、自然検索の割合がここ最近で大きく伸びている理由を考察します。

以下の図から、noteのサイト訪問者の流入キーワードの上位10位中、4つのキーワードが「note」の指名検索ワードではないことがわかります。これにより、自身の興味関心のある事柄や好きなクリエイターを検索したところ、たまたまnoteで情報や記事が発信されていたためにnoteに流入するという人々も一定数存在すると考えられます。noteでは、前編で触れたように、「エンタメ」や「しごと」、「くらし」など多岐にわたるコンテンツが発信されているため、幅広い属性の人々が自然検索を通じて流入してくると考えられます。

「note(サイト)」訪問者の流入キーワード
調査期間:2023年02月〜2024年01月
デバイス:PC・スマートフォン

SEOの強さ

一般に、自然検索を通じてより多くの人々を集客するためには、検索結果画面でより上位に表示されることが望ましいと考えられます。

noteは「SEOが強い」と言われています。
「SEO」とは、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略語であり、検索エンジンでの上位表示化を通じて、自身のWebサイトに訪れる人を増やす施策を指します。

ここで、ヴァリューズでコンテンツマーケティングを手掛けるコンサルタントの安部さんから、noteについてSEO観点からコメントをいただきました。





安部:SEOの強さを測る指標として「ドメインパワー」が存在します。「ドメインパワー」とは、ドメインの強さを測る指標で、検索結果画面上で上位表示されるためにはコンテンツの質とドメインパワーが重要となっています。

下記の画像は、noteのWebサイトのドメインパワーを、オンライン上で無料公開されているツールを使って測った結果です。パワーランクがドメインの強さを表しており、その数値が100に近いほどドメインが強いことになります。Googleが公表している数値ではないためあくまで参考値ですが、noteのWebサイトのパワーランクは96.9と100に近いため、ドメインが非常に強いことがわかります。




アクセスSEO対策ツールズ(下記リンク参照)でnoteのWebサイトのドメインパワーを計測した結果(2024年02月26日閲覧)





安部:noteは認知度が高く、ユーザーから求められるサイトの一つであると考えられます。実際にヴァリューズのデータで、「note」で検索するユーザーは年間約400万人ほどいると出ており、多くのユーザーが名指しで訪れているサイトであることが分かります。




「note」の検索者数
調査期間:2023年02月〜2024年01月
デバイス:PC・スマートフォン





安部:こうしたユーザーから求められているサイトをGoogleも信頼性が高いと判断する可能性があり、実際にnoteのページが検索結果画面上で上位に表示されているケースもあります。




コンテンツ収益化の容易さ

noteでは、無料の会員登録さえすれば、手軽にコンテンツを収益化できるようになっています。収益化には、①有料記事②有料マガジン③定期購読マガジン④メンバーシップの4つのメニューがありますが、「自分のコンテンツで収益を得たい」「有料にすることで安心して発信したい」といった各々の目的に合わせて自分に合った販売方法を選択できるのが特徴です。それゆえ、noteはクリエイターにとって収益化を始める場としてとても魅力的であると考えられます。

noteの収益化メニュー|note(ノート)

https://note.com/monetization-guide

クリエイターの創作をささえる、noteの収益化メニュー。2つの課金形態と4つのメニューから、自分にあったやり方でコンテンツを収益化できます。

(2024年02月26日閲覧)

ここで、noteのカテゴリー別のトップページを見てみると、ベストセラー記事が掲載されているカテゴリーが存在します。以下の図においてピンク色の四角で示されているのが該当するカテゴリーです。ベストセラー記事は、note公式から明確な定義がなされておらず、必ずしも有料ではないものの、その多くが有料です。

これらのカテゴリーの共通点は、「多くの人の生活の豊かさに直結」し、「有用な情報を発信するには自身の経験が必要になる」ことであると考えられます。そのような要素から、お金を払ってでも他者の経験を知りたいと考える人が多いため、これらのカテゴリーでは他のカテゴリーよりも収益化される投稿が多いのではないでしょうか。

(2024年03月05日閲覧)

優れたUI

また、App StoreやGoogle Playストアでのnoteアプリのレビューでは、「シンプル」「わかりやすい」「扱いやすい」といった意見が多くみられます。「広告」や「ランキング」がなく、シンプルな操作感がnoteの大きな魅力の一つであると考えられます。

noteは見た目がスッキリしていて読みやすいのが好きです。広告が無いのが大きいですが、色味やフォントなども◎
フォントサイズや行間などがかなり統一されているので不自由があるかと思いきや、自分で記事を書いてみるとそうでもなかったです。
画像が貼りやすいのと、説明を書けるのも便利!

扱いやすい。見てもらいたいものだけ見られる。邪魔なものなくて目が疲れないからいいです

シンプルなデザインにより雑念を取り除き、読みたい記事や書きたい記事に集中できる、私が大変気に入っているブログサービスのアプリ版です。

自分の意見を手軽に書けたり、みんなの書いたのを読めたり楽しい。動画も簡単に紐付けられるのがいい。

まとめ

これまで、利用者が急増しているメディアプラットフォーム「note」がユーザー数を伸ばした秘訣を分析・考察してきました。

noteがユーザー数を伸ばした秘訣としては、「SNS共有機能による認知度の向上」「コンテンツの収益化」「優れたUI」「SEOの強さ」が挙げられます。

現在noteは20代〜30代の若年男女を中心に人気を集めていますが、その大きな要因としてSNS共有機能による認知度向上が挙げられます。テレビや新聞、電車広告などのマスメディアにnoteの魅力が詰まったユニークな広告を打ち出すことで、より幅広い年代の人々からの支持をさらに集めることにつながるかもしれません。

また、noteはSEOの強さを武器として、自身の持つ経験や情報を気軽に収益化できる場としてもさらに成長を遂げると考えられます。また、SEOをさらに強化することにより、noteに流入してくるユーザー数が増え、そしてより幅広い年代や属性のユーザーを獲得することにつながるかもしれません。

【無料ダウンロード】総ページ数150P以上のライフスタイル・消費トレンドレポート|デジタル・トレンド白書2024

https://manamina.valuesccg.com/articles/3792

ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。その中から注目領域の調査・コラムをピックアップし、白書として収録。2021年の発行から4回目を迎える「デジタル・トレンド白書2024」は、Z世代トレンド・SNS動向編、ライフスタイル・消費トレンド編の2部構成になっています。(「ライフスタイル・消費トレンド編」ページ数|153P)

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この記事のライター

2025年4月に入社予定の大学4年生。大学ではジャーナリズムのゼミに所属。言葉に触れることが好き。音楽を聴くのも演奏するのも大好き。よりよい文章を綴れるよう日々精進中。

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