リスキリングに取り組んでいない1番の理由は金銭面
リスキリングに取り組んでいない理由を尋ねた調査では、およそ半数近くの人が「金銭的余裕がない」と回答。次いで多かった回答は「何をすべきかわからない」と「仕事が忙しすぎて時間がない」でした。
また、複数回答可能とした本設問では、1人あたり平均2.26個の理由を挙げていました。つまり、リスキリングを阻む要因は単一ではなく、複数の障壁が重なっていることがうかがえます。
■金銭的負担の軽減は必須要件
会社からリスキリングの費用補助があるならば、7割近くの人々が「取り組む」または「取り組みを前向きに検討する」ことが分かりました。
これらから、リスキリングにおける金銭的側面が大きな障壁となっていることが明らかになりました。会社による費用補助の有無が、リスキリング実施に大きな影響を与えることが分かります。
企業によるリードでリスキリングは推進可能
会社からリスキリングで取得すべき資格や取り組むべきことが明示されれば、約8割の人がリスキリングに「取り組む」または「取り組みを前向きに検討する」と回答しました。この結果から、具体的な指針が示されるだけで、リスキリング実施率が大幅に向上する可能性がうかがえます。
この調査結果を踏まえると、企業側が適切な指針を示しリスキリングを促進することが重要であることが分かります。労働者のリスキリングへの意欲は高いため、企業がうまくリードすればリスキリング推進が期待できます。
リスキリングのために追加で週20時間が必要
調査では、約7割の人々が週に15時間以下しか自由時間を持てないことが明らかになりました。つまり、1日たった2時間すら自由時間確保がままならないという実態があります。
このような状況でリスキリングに取り組むのは、心身の健康を脅かす恐れもあり、自由時間の確保がリスキリングを実施する上での大きな障壁となっていることがうかがえます。
さらに、現状の自由時間に加えて1週間にどれくらいの追加時間があればリスキリングに取り組めるかを尋ねたところ、9割以上の人が20時間以下と回答。つまり、労働者がリスキリングを十分に行うためには、現在の自由時間の約2倍の時間が必要であることが分かりました。
個人の努力だけでこれだけの自由時間を確保することは難しく、労働者がリスキリングに専念できる環境を整備するには、働き方を見直すなど、構造的な改革が不可欠であると言えます。
調査概要
調査名:リスキリングに取り組む際の課題に関する実態調査
対象者:20代以上の社会人の方で、リスキリングに取り組んでいない方
対象地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年3月21日〜2024年3月27日
回答数:228
出典元:株式会社ベンド
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