「LINE 友達 削除」は多く検索されている
本記事での分析には、検索キーワードやWebサイトのユーザー分析ができる、株式会社ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用います。
「LINE ○○」で検索されているキーワードを確認してみると、「LINE 友達 削除」は7番目に検索されており、年間に92,900人が検索しています。

LINEの検索キーワード(1~10位)
期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
「LINE 友達 追加」「LINE MUSIC」より、「友達 削除」は検索されているキーワードであり、ユーザーニーズが一定あるキーワードだと言えます。
一方、「LINE 送信取り消し」は年間19,300人が検索していますが、「友達削除」ほどは検索されていないキーワードになります。

LINEの検索キーワード(50~60位)
期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
LINEの「友達 削除」を検索するのは40~50代
「LINE 友達 削除」を検索するユーザーの属性を見ていきましょう。今回は比較対象として、「LINE 友達 削除」で検索していない「LINE」検索者のデータも見ていきます。
・「LINE 友達 削除」で検索するユーザー:青
・「LINE」で検索しているかつ、「LINE 友達 削除」を検索していないユーザー(集計から除外):オレンジ

「LINE 友達 削除」の検索者の属性
期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
「LINE 友達 削除」で検索するユーザーの男女比は、男性が約34%、女性が約66%と、やや女性の割合が高くなっています。
また年代の分布を見てみると、40代(28.7%)と50代(26.6%)が多く、合計すると過半数を超えていることが分かります。
このことから「LINE 友達 削除」は女性、40~50代に調べられる傾向のあるキーワードであることが分かります。
LINEの「送信 取り消し」を検索するのは20~30代
続いて、「LINE 送信 取り消し」で検索するユーザーを見ていきましょう。先ほど同様、下記で比較します。
・「LINE 送信 取り消し」で検索するユーザー:青
・「LINE」で検索しているかつ、「LINE 送信 取り消し」を検索していないユーザー(集計から除外):オレンジ

「LINE 送信 取り消し」の検索者の属性
期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
「LINE 送信 取り消し」も男性が約40%、女性が約60%と、比較的女性に検索されているキーワードと言えます。
一方、年代の分布を見てみると、20代(25.4%)と30代(23.4%)が多く、約半分を占めています。特に20代が他のLINE検索と比較すると特徴的に多く、年齢を追うごとに検索される割合が低くなっていくことが分かります。
このことから「LINE 送信 取り消し」は女性、20~30代に調べられる傾向のあるキーワードであることが分かります。
「友達 削除」「送信取り消し」で世代の差がある
ここまで2つの検索キーワードのユーザー属性を見てきましたが、性別・年代で傾向があることが分かりました。
特に年代の部分では中高年層には「LINE 友達 削除」、若年層には「LINE 送信 取り消し」が調べられており、世代間で差がありました。
ここではなぜ2つのキーワードで世代間の差が出たのかを考察していきます。
LINEの「友達 削除」をしたいのは?
LINEの「友達 削除」の背景を考察するため、下記の流れで考えていきます。
・LINEで友達削除したい理由
・40・50代に多い理由
また友達削除の定義は、「ブロックされているかつ、友達リストから削除されている状態」とします。
参考:友だちを削除する|LINEみんなの使い方ガイド
■LINEで友達削除をしたい理由
LINEで友達削除をしたい場面はどのような場面が考えられるでしょうか。好ましくない相手からのLINEの対処法として、下記の3つが考えられます。
・ミュート
・ブロック
・ブロック+削除
その中でも一番排除の度合いが高いのが「友達削除」です。友達削除を行うともとに戻すことはできないため、知り合いの場合よっぽどのことがない限り削除しようとまでは至らないでしょう。
そのため知り合いの削除は可能性として低く、友達削除の理由は「身に覚えがない人、意図してない人からの連絡が来た場合に削除したい」と考えられます。
■40・50代に「友達削除」が多い理由
それではなぜ40・50代に特徴的に検索されているのか。ここでは下記2つの可能性を考えたい
・通知を消したい欲求が強い
・LINEによる詐欺の危機意識が高い
通知を消したい欲求が強い
中高年に「LINE 友達 削除」で検索される傾向がある理由の一つとして、若年層と比較して、通知を消したい欲求が強いことが考えられます。「通知 消す」の検索データを見ていきましょう。

「通知 消す」の検索者の属性
期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
「通知 消す」で検索するユーザーの年代も若年層より、中高年層に検索されていることが分かります。
LINEに限らず通知を消したい欲求が高く、連絡をとる可能性がない人はブロックではなく、削除してしまおうという心理が働く可能性があります。
LINEによる詐欺の危機意識が高い
中高年層の方がLINEによる詐欺の危機意識が高い可能性も考えられます。「LINE 詐欺」の検索データが下記です。

「LINE 詐欺」の検索者の属性
期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
「LINE 詐欺」で検索するユーザーの年代を見ると、40代が特徴的に多いことが分かります。若年層より詐欺に対して危機意識が高く、知らない人からの連絡はブロックではなく削除してしまおうという判断になっていくのかもしれません。
迷惑メールも中高年に検索されている
関連して「迷惑メール」検索者の年代分布も見てみましょう。

「迷惑メール」の検索者の属性
期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
迷惑メールの検索についても40代・50代が多く、不審な連絡の対処方法に対し、関心度が高いと考えられます。
LINEの「送信 取り消し」をしたいのは?
LINEの「送信 取り消し」も下記の流れで考えていきます。
・LINEで「送信取り消し」したい理由
・考えられる要因
また送信取り消しの定義は、「自分・相手が利用している全ての端末でメッセージを削除する」とします。
※「自分のトークルームからのみメッセージを取り消す状態」は送信取り消しではなく、「メッセージ削除」とします。
参考:メッセージの送信取消⋅削除とは? | LINEヘルプセンター
■LINEで送信取り消しをしたい理由
LINEで送信取り消しをしたい場面はどのような場面が考えられるでしょうか。自分が送信した好ましくないメッセージの対処法として、下記の3つが考えられます。
・補足のメッセージを送る
・そのままにする
・送信取り消しをする
「補足のメッセージを送る」「そのままにする」場合は、誤って送ってしまったものでも、簡単にフォローができる、そもそもフォローする必要がないものと考えられます。
送信取り消しをする場合は、単純な誤送信よりは、フォローするのが難しい、または相手に見られたくないメッセージである可能性が考えられます。
■20・30代に「送信 取り消し」が多い理由
それではなぜ20・30代に特徴的に検索されているのか。ここでは下記2つの可能性を考えていきます。
・LINEで無視されたくない思いが強い
・LINEでマイナスなものを残したくない
LINEで無視されたくない思いが強い
送信したメッセージを取り消してしまえば、自身の送信したメッセージが無視されることはなくなります。
LINEの無視について、「既読無視」「未読無視」の検索データを見ていきましょう。

「既読無視(既読無視、既読スルー)」「未読無視(未読無視、未読スルー)」の検索者の属性
期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
既読無視、未読無視の検索ユーザーを調べたところ、20代もしくは30代をピークに、年齢を追うごとに割合が低下していることが分かります。
若年層は相手からLINEを無視されるのを気にする傾向があり、それを避けるために送信取り消しをしているのかもしれません。
LINEでマイナスなものを残したくない
LINEでメッセージを取り消す理由として、LINEで自分にマイナスになる情報は残しておきたくないという心理も考えられます。
デジタルタトゥーの意識も徐々に高まる昨今ですが、XやYouTube上には「イタいLINE」に関するコンテンツが流布しています。
中高生の頃からLINEがある環境で育った今の20代は特に、自身のLINEのトークがさらされる、クラスでのLINEいじめに遭遇するなどを経験しているかもしれません。
LINEで送ったものは他人にも見られるかもしれず、特に若年層の間でその意識が高くなり、マイナスな情報は取り消ししている可能性が考えられます。
LINEの使い方から価値観を知る
LINEの送信取り消し・友達削除の検索データから、世代別のLINEの接し方を考えてきました。
「他人」からの友達登録/メッセージに反応しがちな中高年層と、「知人」からのメッセージの反応に敏感な若年層、といったまとめ方もできるかもしれません。
今回の記事は筆者の周囲のLINEの使い方を見たことが執筆の発端でした。筆者の50代の叔母がやたらLINEの知らないアカウントや迷惑メールを気にしているのを見たこと、筆者の20代の友人のメッセージがちょくちょく取り消しされていること。なぜ各人がそういった行動をしているのか気になったことが始まりでした。
もちろん、あくまで傾向値であるため、未読無視を気にする中高年層もいれば、他人の友達追加を嫌う若年層もいるでしょう。また考察の部分も実際とは大きく異なるかもしれません。
ただ、世代間の検索のされ方(≒気にされ方)には違いがあるのは事実で、同世代とのみの会話では気づかない、分からない可能性もあります。
行動や価値観が異なる人たちを知ることは、自身の視野を広げるいい機会になると思います。ぜひ、周りの人たちと「どちらを選ぶのか」「それはなぜか」というテーマで話し合ってみてはいかがでしょうか。
マナミナ編集部員。コンテンツマーケ、SEO、SNS周りに携わっています。小説と音楽が好きです。