au・UQモバイル・povoを比較!料金プラン・ユーザーの違いは?

au・UQモバイル・povoを比較!料金プラン・ユーザーの違いは?

通信会社は多様なプランを展開し、幅広いユーザー層の獲得を目指しています。本記事では、KDDIが展開するau・UQモバイル・povoを比較し、それぞれのユーザー層の違いを分析します。


KDDIが展開する3ブランドの特徴

KDDIは、特徴の異なる「au」「UQモバイル」「povo」の3ブランドを展開しています。まずは、料金体系など各ブランドの特徴を見ていきましょう。

ブランド特徴容量料金(割引適用前)

au

大容量のギガを割引でお得に0GB~使い放題税込4,708円/月~
UQモバイルコスパ重視で無駄のない利用

0GB~35GB
(増量プランあり)

税込2,948円/月~
povo基本料金0円で、必要な時にギガを購入必要な時に必要な分だけ購入0円/月~

KDDIの3ブランドの特徴

※本記事の金額・プランは、記事執筆時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

充実したサービスを提供するau

「au」はKDDIのメインブランドとして、幅広いプランを展開しています。auの主な料金プランの特徴を以下の表にまとめました。

プラン名データ量料金(割引適用前)割引など
auバリューリンクプラン無制限税込8,800円/月~

auスマートバリュー、家族割プラス、

au PAYカードお支払い割

auマネ活バリューリンクプラン無制限税込9,328円/月~

auスマートバリュー、

毎月最大4,000円相当のポイント

スマホミニプラン+~1GB税込4,708円/月※~

auスマートバリュー、家族割プラス、

au PAYカードお支払い割

1~3GB税込6,358円/月※~
3~5GB税込8,008円/月※~

出典:auの主な料金プラン

※2025年8月1日に価格改定予定

データ無制限のプランが中心ですが、通信料を抑えたいユーザー向けに少量プランも用意されています。

また、以下の割引を適用することで、よりお得に利用できます。

・auスマートバリュー(税込1,100円/月割引):インターネットサービスとの同時加入による割引
・家族割プラス(最大税込1,210円/月割引):家族での契約による割引
・au PAYカードお支払い割(税込220円/月割引):au PAYカードでのお支払いによる割引

「マネ活」プランでは、「家族割プラス」や「au PAYカードお支払い割」は適用できません。代わりに、auの金融サービスを利用することで、毎月最大4,000円相当のポイントを受け取れ、実質的によりお得になる可能性があります。

通話も通信も無駄なく利用できるUQモバイル

「UQモバイル」は、「コミコミプランバリュー」と「トクトクプラン2」の2プランを提供しています。

プラン名データ量料金(割引適用前)割引など
コミコミプランバリュー~35GB税込3,828円/月~1回10分以内の国内通話無料
トクトクプラン2~5GB税込2,948円/月~

自宅セット割 or 家族セット割、

au PAYカードお支払い割

5~35GB税込4,048円/月~

出典:UQモバイルの料金プラン

コミコミプランバリューは、1回10分以内の国内通話が無料になる点が特徴です。

トクトクプラン2は、30GBまで利用可能ですが、5GB以下の月は自動的に税込1,100円割引されます。そのため、データを使わなくてもお得に利用できる点が特徴です。

また、au PAYカードお支払い割(税込220円/月割引)に加え、以下の割引のいずれかを適用できます。

・自宅セット割(税込1,100円/月割引):自宅のインターネットまたは電気とのセット割
・家族セット割(税込550円/月割引):家族での加入による割引

両プランとも余ったデータ容量は翌月に繰り越すことができので、無駄なく利用できます。

柔軟にデータ量を調節できるpovo

「povo」は、基本料金0円で、必要に応じて「トッピング」という形でデータ容量を購入する点が大きな特徴です。

トッピングの例

月額制ではないため、トッピングを購入しなければ料金が発生しません。そのため、「普段は別回線を使い、容量が不足した月だけpovoを利用する」といった副回線利用にも適しています

また、契約やトッピングの購入などは全てオンラインで完結するため、簡単に利用を始められます。

au・UQモバイル・povo、ユーザー層の違い

それぞれのブランドを利用するユーザー層にはどのような違いがあるのでしょうか?

通信容量や利用料金を確認できるスマホアプリ(My au、My UQ mobile、povo2.0)のユーザーデータから分析します。なお分析には、誰でも簡単に顧客理解ができる、株式会社ヴァリューズの分析ツール「Perscope(ペルスコープ)」を用います。

auは中年~高齢層、UQモバイルは高齢層、povoは若年層を獲得

まずは、各アプリユーザーの性別から見ていきましょう。

「My au」「My UQ mobile」「povo2.0」ユーザーの男女比

「My au」「My UQ mobile」「povo2.0」ユーザーの男女比
集計期間:2024年5月~2025年4月
デバイス:スマートフォン

auやUQモバイルでは女性の割合がやや高い一方、povoでは男性の割合が高くなっています。

次に年代です。

「My au」「My UQ mobile」「povo2.0」ユーザーの年代

「My au」「My UQ mobile」「povo2.0」ユーザーの年代
集計期間:2024年5月~2025年4月
デバイス:スマートフォン

auは50代~60代の割合が高く、30代~40代もネット人口と同程度の割合です。

UQモバイルは60代以上の割合が顕著に高く、高齢層に支持されていることがわかります。

povoは20代~40代の若い層で高い割合を示していました。

では、こうした違いはなぜ生まれているのでしょうか。同居家族の構成や職業などの観点から深掘りしていきます。

au・UQモバイルは家族で、povoは個人での利用が多い?

以下の図は、各アプリユーザーの同居家族を表しています。

「My au」「My UQ mobile」「povo2.0」ユーザーの同居家族

「My au」「My UQ mobile」「povo2.0」ユーザーの同居家族
集計期間:2024年5月~2025年4月
デバイス:スマートフォン

auは、末子(一番下の子ども)が大学生以上など、中高生以上の子どもを持つユーザーが多くなっています。データ無制限プランが家族割でお得になるため、スマホの使用頻度が高い子どもを持つ家庭での利用が多いと考えられます。

UQモバイルでは、50代以上の単身者・夫婦のみ、さらに子どもを持つユーザーの割合が高くなっています。通話ニーズの高い高齢層が、通話が一部無料になるコミコミプランバリューを支持しているのかもしれません。

また、トクトクプラン2では家族割があるため、子どもを持つ世帯の利用が多いと考えられます。データ容量に制限があるため、小さい子どもにスマホを持たせるプランとして選ばれている可能性があります。

一方、povoは40代以下の単身者・夫婦のみが高くなっていました。家族割などがないpovoは、個人で無駄なく使いたい層に選ばれているようです。

au・UQモバイルは主婦、povoはサラリーマンが多い?

各アプリユーザーの職業についても見ていきましょう。

「My au」「My UQ mobile」「povo2.0」ユーザーの職業

「My au」「My UQ mobile」「povo2.0」ユーザーの職業
集計期間:2024年5月~2025年4月
デバイス:スマートフォン

auとUQモバイルではパート・アルバイトの割引が高くなっています。両ブランドは子どもと暮らすユーザーや女性が多いため、子育てをしながら働く主婦が多いと考えられます。

一方、povoは会社勤務(一般勤務)の割合が高くなっています。勤務日はデータ使用が少なく、休日に多く使いたいといったニーズに対して、容量を柔軟に調節できるpovoが支持されているのかもしれません。

povoユーザーはオンライン申し込みに抵抗がない?

そのほか、各ブランドのサービス特性から考えてみると、申し込み方法の違いも影響している可能性があります。

項目店頭Web
au
UQモバイル
povo×

各ブランドの申し込み方法

povoはオンライン申し込み専用のブランドとなり、店頭での申し込みは不可となっています。au・UQモバイルより、povo利用者の若年層の割合が高い背景として、オンライン手続きへの抵抗感の低さが関係しているかもしれません。

KDDIへのロイヤリティの違い

KDDIは通信以外にも、さまざまなサービスを展開しています。ここではKDDIが提供するスマホ決済サービス「au PAY」との併用状況から、KDDIへのロイヤリティの違いを分析します。

なおここからの分析には、株式会社ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用います。

「My au」「UQモバイル」「povo2.0」から見た「au PAY」の併用状況

「My au」(上)、「UQモバイル」(中)、「povo2.0」(下)から見た「au PAY」の併用状況
集計期間:2024年5月~2025年4月
デバイス:スマートフォン

au PAYを併用している割合は、auで88.6%、UQモバイルで74.6%と高い一方、povoでは50.8%にとどまっています。

auやUQモバイルでは、au PAYお支払い割があるため利用する人が多くなっていると考えられます。

一方、povoではこうした割引がないことから、auの関連サービスを使わないライト層が一定の割合を占めているのではないでしょうか。

他の通信キャリアとの併用率

povoは副回線として使う人も多いと考えられますが、どの程度が副回線として利用しているのでしょうか。通信キャリアの会員アプリとの併用状況から分析します。

なお、KDDI系列以外では以下の会員アプリを分析に用いました。

・NTT docomo系列:「My docomo」「ahamo」「irumo」
・SoftBank:「My SoftBank」
・楽天モバイル:「My 楽天モバイル」

「My au」「UQモバイル」「povo2.0」から見た通信キャリア会員アプリの併用状況

「My au」(上)、「UQモバイル」(中)、「povo2.0」(下)から見た通信キャリア会員アプリの併用状況
集計期間:2024年5月~2025年4月
デバイス:スマートフォン

auは併用なしが73.4%と、auのみを利用するユーザーが多いことがわかります。

UQモバイルでは併用なしが53.5%と、約半数が他アプリも利用していました。ただし、KDDI系列(My au、povo2.0)との併用が多くなっています。

povoは併用なしが39.9%と、半数以上が他アプリと併用していました。また、KDDI系列以外との併用率も高く、楽天モバイルとの併用率はKDDI系列(My au、My UQ mobile)と同程度でした。

このことから、povoは半数程度は副回線として利用されていることがわかりました。

料金・割引・サービスがユーザー層に違いを生んでいる

KDDIでは3つのブランドを展開することで、異なるユーザー層の獲得に成功していることがわかりました。

・au:充実したサービスに、家族割やau PAYお支払い割を組み合わせることで、家族単位での利用や自社サービスの併用を後押ししている。

・UQモバイル:通話がお得にできるプランを展開することで、高齢層の取り込みに成功している。

・povo:トッピング制という新たな料金体系で、副回線ニーズを捉え、ユーザー層の拡大につなげている。

KDDIをはじめとした通信各社が、どのような料金プランを打ち出すのか、今後に注目です。

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この記事のライター

2026年4月に入社予定の大学院修士課程1年生です。大学では分子生物学系の研究に取り組んでいます。

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