ドコモのeximo・ahamo・irumoを比較。料金プラン・ユーザーの違いは?

ドコモのeximo・ahamo・irumoを比較。料金プラン・ユーザーの違いは?

通信会社はさまざまなプランを展開し、幅広いユーザー層の獲得を目指しています。本記事ではNTT docomo(以下ドコモ)が提供する3つの料金プランeximo・ahamo・irumoを比較しながら、料金プランの違いがどのようなユーザー層の違いを生み出しているのか分析していきます。


ドコモが提供する3つのプラン

ドコモではユーザーがニーズに合わせて料金プランを選択できるよう、eximo(エクシモ)・ahamo(アハモ)・irumo(イルモ)の3つの料金プランを展開しています。まずは、料金体系など3つのプランの特徴について述べていきます。


プラン名特徴容量料金(割引適用前)
eximo割引でお得に利用できるドコモの定番0GB~税込4,565円/月~
ahamo低価格で大容量・高品質30GB~税込2,970円/月~
irumo最低限の通信を納得感のある価格で0.5GB~税込550円/月~


本見出しの参考: NTTドコモ「ドコモで選べる料金プラン 」
※本記事の金額・プランは、記事執筆時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

さまざまな割引でお得に利用できるドコモの定番eximo

「eximo」はドコモの定番プランで、以下のように利用した通信容量に応じて料金が決定されます。

・~1GB:税込4,565円/月
・1~3GB:税込5,665円/月
・3GB〜(無制限):税込7,315円/月

また、フルラインナップに対応しており、さまざまな割引を併用すればお得に利用できる点もeximoの特徴です。

さらに2024年8月1日にはポイ活を行うユーザー向けに「eximoポイ活」プランも誕生しています。eximoポイ活プランは、ギガ使い放題で税込10,615円/月という価格設定になっています。

他のプランに比べて価格設定は高めですが、ドコモが提供するd払いやdカードによるお買い物でdポイントの還元率がアップします。そのため、ポイ活に力を入れたいユーザーにとってお得なプランです。

低価格で大容量・高品質の通信が可能なahamo

「ahamo」は大容量・高品質の通信をシンプルなプランで提供しています。

基本プラン「ahamo」に加え、さらに通信容量を増やした「ahamo大盛り」と、d払い・dカードによる支払いでdポイント還元率が高まる「ahamoポイ活」の3プランが用意されています。通信容量・料金は以下のとおりです。

・ahamo:30GB、税込2,970円/月
・ahamo大盛り:110GB、税込4,950円/月
・ahamoポイ活:110GB、税込7,150円/月

eximoと比べて、ahamoは低価格で大容量の通信ができる点が特徴です。また、適用できる割引などが制限されているため、シンプルでわかりやすいプランとなっています。なお、ahamoの契約はオンラインのみで、店頭での手続きを行う必要がない点も特徴的です。

最低限の通信を納得感のある価格で提供するirumo

「irumo」は、Wi-Fi環境でのスマホ利用がメインのユーザーや電話利用がメインのユーザー向けのプランです。

以下のような低容量プランを納得感のある料金で提供しています。

・0.5GB:税込550円/月
・3GB:税込2,167円/月
・6GB:税込2,827円/月
・9GB:税込3,377円/月

また、3GB以上のプランはドコモ光/home 5Gとのセット割やdカードお支払割などの割引を利用すると、さらに通信料金を抑えられます。irumoの契約はオンラインがメインですが、ahamoと異なり店舗での契約も可能です(※)。

※ただし、店舗での契約には事務手数料が発生します。

eximo・ahamo・irumoのユーザー層の違いは?

3プランには異なる特徴がありますが、それぞれのプランを利用するユーザー層にはどのような違いがあるのでしょうか?

通信容量や利用料金の確認ができるスマホアプリのユーザーから分析していきます。なお分析には、誰でも簡単に顧客理解ができる、株式会社ヴァリューズの分析ツール「Perscope(ペルスコープ)」を用います。

ahamo、irumoはそれぞれのプラン契約者専用のスマホアプリ「ahamo」「irumo」が存在するため、これらのユーザーをプラン契約者として分析します。eximoにはプラン個別のアプリが存在しないため、ドコモユーザー全員が利用可能な「My docomo」のユーザーを参考に分析していきます。

ahamoは若年層、My docomo(eximo含む)は中年層、irumoは高齢層を獲得

まずは、各アプリユーザーの性別・年代について調べていきます。

各アプリユーザーの男女比を示した下の図を見ると、どのアプリのユーザーも男女半々であることがわかります。利用者の性別に大きな違いはないようです。

「My docomo」「ahamo」「irumo」アプリユーザーの男女比

「My docomo」「ahamo」「irumo」アプリユーザーの男女比
集計期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:スマートフォン

次に年代です。ネット人口全体と比較すると、My docomo(eximo含む)は40~60代、ahamoは30~40代、irumoは50代以上の割合が特に高くなっていることがわかります。このことから、ahamoは若年層、eximoは中年層、irumoは高齢層と住みわけがされている様子がうかがえます。

「My docomo」「ahamo」「irumo」アプリユーザーの年代割合

「My docomo」「ahamo」「irumo」アプリユーザーの年代割合
集計期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:スマートフォン

My docomo(eximo含む)は子供がいる家庭か

続いて、アプリ利用者の同居家族について見ていきます。

「My docomo」「ahamo」「irumo」アプリユーザーの同居家族

「My docomo」「ahamo」「irumo」アプリユーザーの同居家族
集計期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:スマートフォン

My docomo(eximo含む)のユーザーは「子どもあり」の割合がネット人口全体よりも高くなっています。

eximoでは、家族にドコモ利用者が多いほどお得になる「みんなドコモ割」や18歳以下の利用者を対象とした「ドコモU18割」などさまざまな割引が利用できます。このように、家族での契約でお得になる割引が複数利用可能なため、子どもを持つ家庭全体で利用しているユーザーが多いのではないでしょうか。

ahamoのアプリユーザーは単身者や40代以下の夫婦、もしくは小学生以下の小さい子どもと暮らしているユーザーの割合が高くなっています。

ahamoでは適用できる割引が制限されており「みんなドコモ割」や「ドコモU18割」などは利用できません。そのため、子どもがいない、もしくはスマホを持たない小さい子どもを持つ若年層が、割引なしでも低価格の基本料金で大容量の通信が可能なahamoを選択していると考えられます。

irumoのアプリユーザーは夫婦のみもしくは単身で暮らす50代以上の割合が高いことがわかります。大容量の通信を必要としない高齢層が、納得感のある料金で最低限の通信が可能なirumoを選択しているのでしょう。

eximo・ahamo・irumoのユーザーの購買行動の違いは?

ここからは、各プランのユーザー像をより深く知るために、購買行動について詳しく見ていきます。

下の図は各アプリのユーザーが情報収集にどのような媒体を用いているのかを示しています。

「My docomo」「ahamo」「irumo」アプリユーザーの情報収集媒体

左から「My docomo」「ahamo」「irumo」アプリユーザーの情報収集媒体
集計期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:スマートフォン

My docomo(eximo含む)やirumoのユーザーはテレビや店舗・新聞から情報を収集している一方、ahamoユーザーはSNSから最も情報を収集していることがわかります。この結果もユーザーの年齢層が異なることを反映していると考えられます。

さらに購入時の行動は以下のとおりです。

「My docomo」「ahamo」「irumo」アプリユーザーの購入時の行動

「My docomo」「ahamo」「irumo」アプリユーザーの購入時の行動
集計期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:スマートフォン

irumoユーザーは店頭での紹介によって購買に至りやすいことがわかります。ahamoと異なりirumoは店頭での手続きも可能にすることで、メインターゲットである高齢層のニーズをうまく捉えられているのではないでしょうか。

ドコモが提供する他サービスの利用状況に差はある?

ドコモは通信以外にもさまざまなサービスを展開しています。ドコモが提供する他のサービスとの併用状況から、ドコモに対するロイヤリティの違いを分析していきます。

なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用います。

今回はドコモが提供する代表的なサービスである、d払い・dカードとの併用状況から分析しました。

下の図はMy docomo、ahamo、irumoそれぞれのアプリユーザーから見たd払い、dカードアプリの併用状況を表しています。

「My docomo」アプリユーザーから見た「d払い」「dカード」アプリの併用状況

「My docomo」アプリユーザーから見た「d払い」「dカード」アプリの併用状況
集計期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:スマートフォン

「ahamo」アプリユーザーから見た「d払い」「dカード」アプリの併用状況

「ahamo」アプリユーザーから見た「d払い」「dカード」アプリの併用状況
集計期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:スマートフォン

「irumo」アプリユーザーから見た「d払い」「dカード」アプリの併用状況

「irumo」アプリユーザーから見た「d払い」「dカード」アプリの併用状況
集計期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:スマートフォン

「併用なし」の割合に注目してみると、My docomoが19.3%、ahamoが27.4%、irumoが14.2%となっており、ahamoユーザーの他アプリ(d払い、dカード)の併用状況が低いことがわかります。

ahamoは、ドコモが提供する他のサービスとの併用による割引が制限されており、通信に特化したプランです。そのため、ドコモに対するロイヤリティが低いライト層のユーザーを獲得できているのではないでしょうか。

まとめ

最後に、各料金プランのユーザー層の特徴についてまとめます。

・eximo:「みんなドコモ割」や「ドコモU18割」をはじめとする豊富な割引を適用できるため、子どもと一緒に暮らしているユーザーを獲得している。
・ahamo:低価格で高品質・大容量の通信を利用できるため、通信をよく利用する若年層のユーザーを獲得している。また、割引などが制限されたシンプルなプランとなっているため、ライト層の獲得に成功している。
・irumo:最低限の通信を納得感のある価格で提供し、通信をあまり利用しない高齢層のユーザーを獲得している。

ドコモは料金プランの特性に応じて、異なるユーザー層の獲得に成功していることがわかりました。ドコモをはじめとした通信各社がどのような料金プランを展開し、ユーザーの獲得を目指していくのか、今後に注目です。

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この記事のライター

2026年4月に入社予定の大学院修士課程1年生です。大学では分子生物学系の研究に取り組んでいます。

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