トレイルランニングの魅力とは?
トレイルランニングとはどんなスポーツなのか、百度百科では以下のように説明されています。
トレイルランニングとは山野など自然の環境下でのランニングを指す言葉で、一般的な道路を走るのとは異なり、ランニングコースの多くが山道で、起伏の大きい複雑な地形となっています。
トレイルランニングでは総合的な身体能力やアウトドアの知識、変化に対応する能力が求められ、変化する環境に対処する必要があります。
中国には21世紀初め頃に持ち込まれ、2009年に北京で行われた大会をきっかけに発展してきました。
このトレイルランニングの愛好者の特徴として、30代から40代の人々が中心となっていることが挙げられます。国際トレイルランニング協会のレポートによると、全世界のトレイルランナーの平均年齢は 40 歳となっています。
また、中国で開催されたトレイルランニングの大会「崇礼168」「陽羨100」においても、30歳から49歳の参加者が74%を占めました。
このように中年層が主力となっている理由は三つ指摘されています。
一つ目は、安定した経済基盤を持ち、数千元にのぼる専用装備・大会エントリー・大会への出張にかかる費用を負担できることです。
二つ目は、中年期に差し掛かったことによる身体機能低下を防止するという健康管理のニーズがあることです。
三つ目は、自然への挑戦を日常の雑事をはなれて自身と対話し、心理的な自己回復を実現する機会と捉えていることです。
このような理由で30代から40代の人々の人気を集めるトレイルランニングについて、次では主に「大会」「関連用品」の二つの側面から紹介します。
■トレイルラン大会が盛況
トレイルランニングは毎年中国各地で大会が開催されており、大会参加権の獲得率は人気歌手のコンサートの当選率に匹敵すると言われるほどの高い人気を集めています。
iiMedia Researchの監視測定データによると、2026年には5月1日の時点で、全国の各種オフロードレース (トレイルランニング、自動車、自転車など)のイベントは前年同期比31.3%増加の403回開催されており、大会参加者は延べ103.8万人に達しています。
さらにトレイルランニングの各種大会は通年で1000回以上の開催が見込まれており、大会回数や参加者数の増加率は世界首位を保っています。
2026年の中国トレイルラン大会産業の全体市場規模は約648億元となっており、2030年には1579億元を突破し、複合年平均成長率は24.94%に到達すると予想されています。また、2026年の大会運営の直接収入は、前年比67.4%増加の67億元を突破する見込みです。
トレイルラン大会には、観光資源としての経済効果が期待される側面もあります。
河北省張家口市で開催された 2025年の「崇礼168 スーパートレイルラン大会」では、2万人を超える応募者から1万人ほどが参加権を獲得しました。9日間にわたる大会期間では17万人の観光客が崇礼を訪れ、直接的な観光収益は1.68億元に達しました。
この期間には、66のアウトドアブランドがアウトドアスポーツ博覧会に出展し、特設展示ブースの総売上は1320万元に達し、そのうちスポンサーの収益が60%を占めました。
さらに「崇礼168」では大会に伴い、崇礼にある7か所のスキー場ではオフシーズン向けのビジネスとして、キャンプなどの各種イベントが開催されました。同時期にはグルメ市が開催され、現地の特産品180種類が販売されました。
これらの催しにより、大会期間中のランナー1人当たりの消費は2000~5000元に達しました。
その他大会でも、現地の観光エリアや民宿、グルメ、アウトドアなどさまざまな文化と組み合わせて商業価値を高める動きが盛んになっています。
REDより、2025年「崇礼168」参加者の投稿。大会の費用総額は5593元であったことがわかる。
http://xhslink.com/o/5c0k3tB3HD1
REDより、2024年「崇礼168」参加者の投稿。スポーツブランドが出展している。
http://xhslink.com/o/2IuNxy4gCbR
■トレイルラン用品市場も成長
トレイルランニングの主力層は経済力のある30代から40代となっているように、トレイルランニングにはさまざまな用品が必要になります。具体的にはマウンテンパーカー、シューズ、リュック、登山用の杖、ヘッドライト、プロテクター、保温ブランケット等多岐に渡ります。
深行アウトドアの調査研究によると、初心者のランナーであっても用品のための出費は2000~1万元かかるといい、トレイルランニングは消費が促されるスポーツであることが窺えます。
iiMedia Researchのデータによると、2025年の中国スポーツウェア市場規模は5989億元に達しており、2030年には8963億元に達することが見込まれています。スポーツウェアの中でも、トレイルランニング等オフロードレースの用品市場は2026年には前年比50.7%増加の146億元に達することが予想されています。
ランニングシューズやスマート機能が搭載された専門装備の消費ニーズが大幅に上昇しており、特にトレイルランシューズはランニングシューズ市場の総売上の 18%を占め、今後3年で占有率20%まで達する見込みです。
中国国内ブランドによるこだわりの専用シューズ
市場での売上を伸ばしているトレイルランシューズですが、安いもので400~500元、高めのブランドでは1000元以上の費用がかかるといわれ、トレイルランシューズはトレイルランニングにおける重要な装備の一つであると言えるでしょう。
トレイルランシューズの市場は、過去10年余りの間、技術力やサプライチェーンに強い国外ブランドが優位に立っていましたが、近年では中国国内ブランドが台頭してきています。
ランニング用品比較レビューサイト・極度配速が公表した2025年のシューズブランドランキングでは、中国国内ブランド・KAILASがトップになりました。KAILASのシューズの着用率は複数のトレイルラン大会で約4割を占めており、その他HOKA、Salomon、ALTRA、TNFなど国外ブランドを合わせた比率に匹敵しています。
このようにKAILASが消費者の根強い人気を得ている理由は、中国の独特な地形を熟知し、消費者のニーズに合致した商品を提供していることにあります。
中国のトレイルランニングのコースは、山や竹林、峡谷など多様な自然環境下に設置され、整備されていない道やぬかるんで滑りやすい場所も多いことが特徴です。このようなコースを走るランナーにとっては「速く走れるかよりも、安全に安定して不安定な地形を通過できるか」が重要です。
国外ブランドが主に軽量化と滑りにくさのバランスを追求しているのに対して、KAILASは滑りにくさを徹底的に追求し、重量で妥協する代わりに安定感とグリップ力に注力しました。
このような中国のトレイルランナーのニーズを的確にとらえた商品展開により、国内ブランドは今後も売上を伸ばしていくことが予想されます。
REDより、KAILAS・FUGAシリーズのトレイルランシューズ。グリップ力が強く、急斜面などの複雑な路面状況に適していると説明されている。
http://xhslink.com/o/5LvOcHzkuQq
まとめ
本稿では、中国におけるトレイルランニングの人気について紹介しました。
自然の中を長距離走るトレイルランニングは、経済力や健康管理のニーズなどが合致する30代から40代の人々を中心に親しまれています。
また、トレイルランニングは、経済効果を生み出す大会やランナーのニーズに合わせた専用装備など各市場で成長を見せています。
さらなる広がりが期待されるトレイルランニングの各種産業において、今後どのようなトレンドが生まれるのかが注目されます。
参考 URL
越野跑-百度百科
https://baike.baidu.com/item/%E8%B6%8A%E9%87%8E%E8%B7%91/2744817#reference-27
观察|从马拉松到跑山:越野赛正在成为下一个“金矿”
https://caifuhao.eastmoney.com/news/20260506093208066866090
越野跑:小众赛道如何撬动5亿市场
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1860210550661767929&wfr=spider&for=pc
74%是中年人!2025中国越野跑大数据:谁在逃离城市,为山野狂飙?
https://mp.weixin.qq.com/s?__biz=MzI2MTQ0NjIxMQ==&mid=2247493215&idx=1&sn=c9f00a0daa317ed582964903d87247e9&chksm=eb16469e99182eae44412ff54bfa5d723406912b31556126311895798020c964086913d6aa8b&scene=27
山野之间的“奔跑热”——中国越野跑产业观察
https://www.xinhuanet.com/sports/20260417/240523dd1db04aca8b7a0ee8d86e10ca/c.html
一年超300场,几乎每个周末都在鸣枪 几十公里的跑山赛事,到底谁在赚钱?
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1864540762028735792&wfr=spider&for=pc
市占率40%背后:越野跑市场的“中国式突围”
https://finance.sina.com.cn/wm/2026-04-09/doc-inhtxkar8607808.shtml








早稲田大学在学中。