ドンキ新業態「ロビンフッド」は激安スーパー激戦区で戦えるか。鍵は安さ+楽しさ?

ドンキ新業態「ロビンフッド」は激安スーパー激戦区で戦えるか。鍵は安さ+楽しさ?

近年、物価高の影響もあり、消費者の節約志向は一層高まっています。こうした中で、ディスカウント業態を展開してきたドン・キホーテを擁するPPIHグループは、新たな食品強化型スーパー「ロビンフッド」を立ち上げました。ドン・キホーテはこれまでも、ユニークな商品企画や価格訴求に加え、日常使いの食品領域にも注力してきました。本記事では、ロビンフッドの特徴とユーザー動向から、その戦略と可能性を考察します。


4月オープンで話題、驚楽の殿堂ロビンフッド

ロビンフッドは、ドン・キホーテを擁するPPIHグループが展開する新たなスーパー業態として、2026年4月24日に愛知県あま市で1号店をオープンしました。

第1号店「ロビン・フッド甚目寺店」は旧「ピアゴ甚目寺店」をリニューアルした店舗であり、PPIHは今後、中京エリアのピアゴ4店舗でも順次展開を進めると発表しています。

ドン・キホーテを展開するPPIHグループは、ロビンフッドを食品強化型の新業態として展開しています。総合スーパー「ピアゴ」などを展開するユニーの食品売場と、ドン・キホーテの“驚安”を強みとする非食品売場を掛け合わせ、「驚楽の殿堂」として買い物を驚くほど楽に、楽しくするスーパーを目指しています。

この記事の分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用います。

ロビンフッドホームページ訪問者数推移を見ると、2026年3月3日の発表後に訪問者数が増加しています。1号店のオープン前からこれだけの関心を集めていることからも、新業態に対する期待の高さがうかがえます。

ロビンフッドホームページ訪問者数推移

図:ロビンフッドホームページ訪問者数推移
調査対象:PC&スマートフォン
調査期間:2025年11月~2026年4月

ロビンフッドに興味を持つのはどんな人?

続いて、ロビンフッドに興味を持っている人がどんな人なのか見ていきます。ロビンフッドのサイト訪問者は男女比がほぼ同程度で、やや女性が多い結果となりました。

ロビンフッドホームページ訪問者の性別

図:ロビンフッドホームページ訪問者の性別
調査対象:PC&スマートフォン
調査期間:2025年11月~2026年4月

また、年代別で見ると、40〜50代が中心となっています。

ロビンフッドホームページ訪問者の年代

図:ロビンフッドホームページ訪問者の年代
調査対象:PC&スマートフォン
調査期間:2025年11月~2026年4月

ドン・キホーテの新業態というと、若年層を中心に支持を集めるイメージを持たれやすいかもしれません。しかし実際には、日常的にスーパーを利用する年代から関心を集めている点が特徴です。

地域別では、愛知県のユーザーが最も多い結果となりました。第1号店が愛知県あま市にオープンしたこともあり、地元ユーザーを中心に注目が集まっていると考えられます。

ロビンフッドホームページ訪問者の居住都道府県

図:ロビンフッドホームページ訪問者の居住都道府県
調査対象:PC&スマートフォン
調査期間:2025年11月~2026年4月

このようにロビンフッドは、男女を問わず幅広い層から関心を集めています。なかでも40〜50代を中心とした日常的にスーパーを利用する層の割合が高く、話題の新業態としてだけでなく、普段の買い物先としても注目されていることがうかがえます。

激安スーパー激戦区でロビンフッドは存在感を示せるか?

■東海地区は激安スーパー激戦区

ロビンフッドが出店している東海地区は、全国的に見てもスーパーの競争が激しい地域です。東海地区には、愛知発祥のカネスエや岐阜発祥のバローに加え、近年はロピアも積極的な出店を進めています。地域に根差したスーパーと新興ディスカウントスーパーが競い合う市場となっており、新たな業態が参入するハードルは低くありません。

加えて、近年は物価高の影響を受け、消費者の節約志向が高まっています。食品を中心に価格上昇が続く中、より安く買い物ができるスーパーへの関心も高まっており、各社が価格競争を繰り広げています。

そのような激安スーパー激戦区で、ロビンフッドがどのように存在感を示していくのかは注目されるポイントです。

【関連レポート】物価高での消費行動調査2025|3人に1人が食料品を「代替品」へ移行。「バター→マーガリン」が代替1位に!

https://manamina.valuesccg.com/articles/4726

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、国内の18歳以上の男女33,276人を対象に、直近2年間の物価高による消費行動変化に関する消費者アンケート調査を実施しました。また、WEB行動ログを使用し、WEB上における興味関心を分析しました。※本レポートは記事末尾のフォームから無料でダウンロードできます。

■ロビンフッドの特徴は“安さ+楽しさ”

同店では、生鮮食品や総菜などの日常使いの商品に加え、ドン・キホーテで人気の雑貨や日用品も展開しています。また、オリジナル商品を「安・得・速・楽」の4カテゴリに分類し、商品の特徴を分かりやすく伝える工夫も行っています。

第1号店オープン時点では約50アイテムをラインアップし、2026年中に約100アイテムへ拡大予定であり、オリジナル商品に力を入れています。
参考:驚楽(きょうらく)の殿堂 ロビンフッド甚目寺店

総菜売場にも特徴が表れています。

ロビンフッドでは「見て楽しい・選んで楽しい・食べて楽しい」を掲げ、78円(税抜)の「だしごはん」をはじめとしたおにぎりを最大30種類展開しています。また、「ロビン・フッドのうどん屋さん」では、うどんに加えて天ぷらを自由に組み合わせることができ、食事そのものを楽しめる売場づくりを行っています。

こうした取り組みからは、ロビンフッドが単に安さを追求するだけでなく、商品の独自性や買い物の楽しさを重視していることがうかがえます。

■実は食品にも強いドン・キホーテのノウハウ

一方で、その背景にはPPIHグループが培ってきた食品分野でのノウハウもあると考えられます。

ドン・キホーテというと、「偏愛めし」などのユニークな商品や大容量商品、非食品が注目されがちです。しかし実際には、精肉や乳製品、惣菜といった日常的な食品にも力を入れており、「スゲーもフツーも結局ドンキ!」というメッセージのもと、幅広い食品を日常的に訴求しています。

ロビンフッドは、こうしたドン・キホーテの食品分野でのノウハウを活用した業態と捉えることもできそうです。スーパーとして日常使いの食品を強化しながらも、オリジナル商品や総菜で楽しさや話題性を打ち出している点には、PPIHグループらしさが表れています。

ドン・キホーテが強みとしてきた食品の魅力を、日常的に利用するスーパーという形で展開することで、PPIHグループの食品戦略をさらに広げようとしているのかもしれません。

■ロビたん誕生、SNS発信…話題づくりにも注力

ロビンフッドは、売場や商品のみならず、販促面でも独自性を打ち出しています。

SNS施策にも力を入れており、公式TikTokアカウント「ロビンの裏アカ【公式】」では、店舗や商品の魅力を発信しています。スーパーとしては珍しくSNSでの話題化を積極的に狙う姿勢が見られ、フォロワー数1.3万人、累計5.2万いいねを獲得しています(2026年6月3日時点)。

また、テレビCM「ロビン・フッド爆誕」篇では、アイドルグループM!LKや=LOVEの振付も担当した振付師を起用しています。CMではロビン・フッドに魅了された人々「ロビン・フッズ」が軽快なダンスを披露しており、印象に残る演出を通じて話題化を図っています。

さらに、ドン・キホーテの「ドンペン」のように、ロビンフッドにもオリジナルキャラクター「ロビたん」が存在します。

ロビたんの名前は一般公募によって決定されており、こうしたキャラクター展開からも親しみやすいブランドづくりを目指していることがうかがえます。

まとめ

このようにロビンフッドは、安さだけでなく、オリジナル商品や総菜、SNS施策、キャラクター展開などを通じて独自の魅力を打ち出しています。

東海地区には既に多くの激安スーパーが存在しており、価格だけで差別化することは容易ではありません。一方で、ロビンフッドにはドン・キホーテが培ってきた食品分野のノウハウや、買い物を楽しませる売場づくりという強みがあります。

今後、こうした「安さ+楽しさ」をどこまで日常の買い物体験として定着させられるかが、激安スーパー激戦区で存在感を示すための鍵となりそうです。

【関連記事】2025年!ドンキの注目商品ランキングTOP5|ヒットの裏側をデータで分析

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▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザでキーワード分析やトレンド調査を行えます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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この記事のライター

2027年4月に入社予定の大学4年生です。
スポーツ健康科学部で、スポーツマーケティングを専攻しています。

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