ふるさと納税の実績好調でふるさと納税サイトも大盛況
2008年に創設されたふるさと納税は年々その規模が拡大し、2019年度の実績は約4,875億円にものぼりました(※)。ふるさと納税は自治体のサイトやポータルサイトなどで簡単に申し込むことができるのも規模拡大の要因の一つです。そこでヴァリューズでは「ふるさと納税サイト」を独自に定義し、その利用実態を徹底調査しました。
<対象サイト>
・さとふる
・ふるさとチョイス
・ふるなび
・Wowma!ふるさと納税
・ふるさと本舗
・JTBのふるさと納税ポータルサイト「ふるぽ」
・ふるさと納税サイトなら【ふるさとプレミアム】使いやすさ圧倒的No.1
・ふるさと納税の「ふるさとぷらす」
・ANAのふるさと納税
・ふるまる(2020年3月31日サービス終了)
・Yahoo!ふるさと納税(2020年3月31日サービス終了)
※『令和2年度ふるさと納税に関する現況調査(総務省)』
ふるさと納税を扱うポータルサイトの数々
■「ふるさと納税」Webサイト全体の年間ユーザー数は約4000万人に
まず、「ふるさと納税サイト」全体の年間利用ユーザー数を確認します。
以下のデータのとおり、年間で約4000万UUの巨大マーケットであることがわかりました。
また、1人あたり約50PV、直帰率は54.4%と低く平均滞在時間3分以上と、目的を持ってじっくり見られているコンテンツであることがわかります。
「ふるさと納税サイト」ユーザー数・利用状況
期間:2019年9月~2020年8月
デバイス:PCおよびスマホ
■ふるさと納税を検索するのは男性が多い?
続いて「ふるさと納税サイト」を利用するユーザーの属性を確認します。
性別は55.5%が男性、世帯年収はネット利用者の平均年収よりはやや高めであることがわかります。
「ふるさと納税サイト」ユーザー属性/男女比
期間:2019年9月~2020年8月
デバイス:PCおよびスマホ
「ふるさと納税サイト」ユーザー属性/世帯年収
期間:2019年9月~2020年8月
デバイス:PCおよびスマホ
■「ふるさと納税」の注目度ピークは12月
「ふるさと納税サイト」のユーザー数を年間推移グラフでみていきます。
以下グラフのように12月がピークでした。自治体に寄付を行うふるさと納税は、確定申告をすることで自己負担額2,000円を越える部分について税金が控除される仕組みになっています。そのため12月に駆け込みで申し込みをする人が多いのでしょう。
「ふるさと納税サイト」ユーザー数推移/季節変動
期間:2019年9月~2020年8月
デバイス:PCおよびスマホ
「ふるさと納税サイト」ユーザー比較
続いて、ふるさと納税サイトをそれぞれユーザー数やユーザー属性などで比較していきます。
■「さとふる」はユーザー数を集め、「ふるさとチョイス」はじっくり読まれている
ふるさと納税サイトのユーザー数ランキングは以下の表のとおりです(上位10サイトを表示)。
ユーザー数ではさとふるが圧倒的な支持を集める一方で、ノウハウ系のコンテンツが充実しているふるさとチョイスが直帰率の低さではさとふるを上回る結果となりました。
「ふるさと納税サイト」ユーザー数ランキング(トップ10)
期間:2019年9月~2020年8月
デバイス:PCおよびスマホ
対象期間の業界シェアをグラフにすると以下のとおりです。
「さとふる」が45.5%と圧倒的シェア、続いて「ふるさとチョイス」が26.4%でした。
「ふるさと納税サイト」業界シェア
期間:2019年9月~2020年8月
デバイス:PCおよびスマホ
【さとふる】ランキングとレビューで探せる利用率No.1ふるさと納税サイト
ふるさと納税サイト [ふるさとチョイス] | お礼の品掲載数No.1
■オトナの「さとふる」、高年収の「ふるさとチョイス」
次に、各サイトのユーザー属性を比較します。
年齢(横軸)
「さとふる」は「ふるさとチョイス」より高齢層ユーザーに支持されています。「ふるさとぷらす」は最も若年層ユーザーを集め、「ふるさと本舗」は最も高齢層ユーザーを集めています。
年収(縦軸)
「さとふる」より「ふるさとチョイス」の方が世帯年収は高め、「ANAのふるさと納税」が最も世帯年収が高いユーザーを集めていることがわかります。
「ふるさと納税サイト」属性マップ(横軸:年齢/縦軸:世帯年収)
期間:2019年9月~2020年8月
デバイス:PCおよびスマホ
※「ふるまる」および「Yahoo!ふるさと納税」は2020年3月31日時点でサービス終了
「ふるさと納税サイト」流入経路やキーワードは?
「ふるさと納税サイト」への流入経路や検索キーワードについて分析します。
■アフィリエイト広告経由が最多、次いで自然検索
「ふるさと納税サイト」全体で見ると、流入経路はアフィリエイト広告が24.2%と最も多く占めていることがわかります。自然検索が16.8%と続きました。
「ふるさと納税サイト」流入経路
期間:2019年9月~2020年8月
デバイス:PCおよびスマホ
検索キーワードを分析すると、「ふるさとチョイス」「さとふる」「ふるなび」「ふるさとプレミアム」はサイト名で検索されており、中でも「ふるさとチョイス」と検索したユーザーのセッション数はユーザー数1位の「さとふる」を上回り、ブランド名は広く認知されていることがわかります。
その他は「限度額」「計算」「シミュレーション」などノウハウに関する検索ワードが占めました。ふるさと納税でフィーチャーされがちな返礼品を特集するよりもノウハウ系のコンテンツを充実させた方がユーザーは集まるのかもしれません。
「ふるさと納税サイト」検索キーワードランキング
期間:2019年9月~2020年8月
デバイス:PCおよびスマホ
■関心のあるサイトは健康、グルメ系
「ふるさと納税サイト」ユーザーが関心を持っているサイトを特徴値順にランキングしました。
ふるさと納税関連サイトが5件含まれるほか、健康、ヘルスケア、高級食品などが散見されました。
「ふるさと納税サイト」関連サイト/特徴値ランキング
期間:2019年9月~2020年8月
デバイス:PCおよびスマホ
まとめ
2008年に創設されたふるさと納税。人気は年々高まり、「ふるさと納税サイト」のユーザー数も好調に推移、年間で約4000万UUの巨大マーケットに成長しています。
「ふるさと納税サイト」に訪れるユーザーは男性が過半数を占め55.5%、世帯年収はネット利用者の平均年収よりはやや高めであることがわかりました。また、利用のピークは確定申告の時期と重なり12月でした。
「ふるさと納税サイト」の業界シェアをみると「さとふる」が1位でシェア45.5%、次いで「ふるさとチョイス」が26.4%でした。ユーザー数では「さとふる」が圧倒的な支持を集める一方で、ノウハウ系のコンテンツが充実している「ふるさとチョイス」が直帰率の低さではさとふるを上回る結果となりました。また、「ふるさとチョイス」は検索キーワードで「さとふる」を上回り、ブランド認知は高いと言えるでしょう。
それぞれのユーザー属性を比較すると、「さとふる」が高齢層に支持され、「ふるさとチョイス」は若年層に支持されていることがわかります。
■分析概要
全国のモニター会員の協力により、インターネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析ツール『Dockpit』を使用し、2019年9月~2020年8月におけるユーザーの行動を分析しました。
Dockpitの無料版は、以下ボタンよりDockpitサービスサイトに進み、TOPページの「無料登録」ボタンからお手続きください。
フリーライター。大手キャリア系企業で編集の仕事に出会い、その後、3つのメディアの立ち上げなど行い、2014年にフリーランスに。医療系、就活系、教育系、結婚系のサイトで執筆中。