コンテンツマーケティングに求められるDXの観点とは|VALUES×イノーバ共催セミナー

コンテンツマーケティングに求められるDXの観点とは|VALUES×イノーバ共催セミナー

マーケティングにもDXが必須と言われる時代。オンライン施策をはじめてみたものの、変わりゆく顧客ニーズの把握、施策の調整など、仕組み化できていないという状況にある方も多いのではないでしょうか。今回、2020年12月9日に開催された共催セミナーでは、株式会社ヴァリューズが、データ分析を通してユーザー理解を進めデジタルマーケティング施策を成功させるポイントを、そして株式会社イノーバが、実際にデータ分析を用いたコンテンツマーケティング施策への取り組み方を事例解説しました。本稿ではヴァリューズ登壇部分を抜粋してご紹介します。
※詳細なセミナー資料は無料でダウンロードできます。下記フォームよりお申し込みください。


セミナー内容

Agenda

変容する消費者トレンドを捉えて実践するプロモーション戦略とは
〜データで消費者を捉え、施策を実行するプロセスのご紹介〜

⚫︎DXの観点の整理

⚫︎新型コロナウイルスは消費者のメディア接触にどのような影響をもたらしたか

⚫︎施策に活かすDXの観点① ユーザー体験の可視化
~ユーザー理解の解像度を高めるアプローチのご紹介~

⚫︎施策に活かすDXの観点② 実行を支える組織作り
~共通データの整備と外部組織を巻き込むPDCA~

⚫︎施策に活かすDXの観点③ 施策結果のデータ化と再利用
~施策結果を活用したプロモーションの発展~

スピーカー紹介

図:スピーカー紹介

図:スピーカー紹介

DXの観点の整理

DXとは?

→「すべての人々の暮らしをデジタル技術で変革していくこと」(ウメオ大学教授のエリック・ストルターマンが2004年に提言)

株式会社ヴァリューズ 齋藤義晃(以下、齋藤):昨今では「DX」という言葉が流行り言葉のようになっています。各事業体においても意味合いは様々であると思われますが、本セミナーでは、企業におけるプロモーション施策への接続を前提に「DX」の観点を整理します。

まずは、マーケティングのシステム(二重のループ構造)の図に沿って解説します。

マーケット(買い手の集まり)と産業(売り手の集まり)の間に、二重のループが存在しています。第一のループは買い手がお金を払い、売り手がサービスを提供するというループ。そして第二のループというのが、マーケット(買い手)からは情報が流れてきていて、産業(売り手からは)コミュニケーションの提供、例えば、広告やPRなどの情報が流れるといったループが存在しています。

この二重のループに存在するフローの全てにデジタル化が進んでいると考えられます。
今回のセミナーではこの外側のループに注目したいと思います。

図:マーケティングのシステム

図:マーケティングのシステム

齋藤:消費者とサービス・プロダクトの間のインタラクションを「消費者体験」と定義して、より具体的に3点の重要な観点をお伝えします。

プロモーション施策に活きるDXの観点「データ化と組織作り」

①消費者のサービス/プロダクトに関する体験をデータ化 → 消費者体験の可視化

②体験のデータに基づき施策を実行する組織づくり → 消費者体験の変化を起こす主体者

③変化後の消費者体験や施策の結果を継続的にデータ化 → 施策に再活用

齋藤:プロモーション施策の実行においては「体験の可視化」と「組織作り」の観点が非常に重要で、2020年は特に社会環境による消費者変化が著しかった一年と言えるでしょう。

図:施策に活きるDXの観点

図:施策に活きるDXの観点

新型コロナウイルスは、消費者のメディア接触にどのような影響をもたらしたか

齋藤:コロナ禍における消費者のメディア接触の変化を見ていきます。
新型コロナ影響拡大前後のメディア利用時間の変化として、テレビやネットに触れる時間が増大しており、ネットはPCとスマートフォンともに増大傾向にあります。これらのことからも媒体価値の相対的な変化も捉えなければならない重要な潮流だと考えます。

図:ユーザー動向の変化

図:ユーザー動向の変化

齋藤:続いて年代別のセッションの変化を見てみましょう。
2020年3月になり、全年代ともにセッションが増えているのですが、中でも、50〜60代などシニア層でネット行動の増加が著しく現れています。

図:コロナウイルス発生前後でのネット行動の変化

図:コロナウイルス発生前後でのネット行動の変化

齋藤:メディア接触量の変化や、幅広い世代のネット普及、コロナ禍でのEC購買増加などによって、以下のようなことがポイントとして言えると思います。いずれも、消費者のインターネット行動の変化を捉えて施策を打つことが重要と考えます。

図:コロナによる消費者のインターネット行動の変化

図:コロナによる消費者のインターネット行動の変化

施策に活かすDXの観点① ユーザー体験の可視化

齋藤:ヴァリューズが考えるデータプロモーションの形において、「刺激・情報」と「実行」の2つのキーワード、どちらが欠けても成果につながりにくい必須条件と考えます。

図:VALUESが考えるデータプロモーションのカタチ

図:VALUESが考えるデータプロモーションのカタチ

齋藤:ここで「真実の瞬間“Moment of Truth”」という言葉をご紹介します。スカンジナビア航空CEOヤン・カールソンが1987年に提言した「1回のフライトで航空会社のスタッフが顧客に対応する時間、約15秒。その15秒間の体験で、ユーザーは企業の価値を決定する」というものです。

この「真実の瞬間」は時代と共に進化しています。

2005年には、米国P&Gの元CEO アラン・ラフリーが、「ユーザーと売り手が接触する店頭が「最初の真実の瞬間」となり、サービスの体験が「2番目の真実の瞬間」となる」と提言しています。このように「真実の瞬間」は時代と共に変化を遂げていることが分かります。

そして特に私が重要であると考えている言葉が、2011年の「米国における消費者のうち88%のユーザーは、店頭でプロダクトに触れる前にオンライン上の情報を閲覧しているとして、それが「0番目の真実の瞬間“ZMOT”」である」というGoogleの提言です。

まさに今、我々はこのオンライン上の接点を重要視し、しっかりとこの「0番目(0段階)」を捉えていくことが必要であると考えます。

図:時代と共にアップデートされる真実の瞬間 “FMoT, SMoT” そして “ZMOT”

図:時代と共にアップデートされる真実の瞬間 “FMoT, SMoT” そして “ZMOT”

施策に活かすDXの観点② 実行を支える組織作り

齋藤:次に「実行を支える組織作り」についてですが、「実行にこだわり、データに基づいてPDCAをしっかりと回す」という点について、「進捗・結果を把握」し、そしてその「要因の分析」をして、「仮説を立て打ち手を打つ」ということが重要と言えるでしょう。
組織横断で共通のデータに基づきながら、現状を把握し、このような3段階のステップを踏んでいくことでPDCAが回っていくのではないかと考えます。

さらにポイントを加えるとすれば、1点目は「共通データの整備」、2点目は「実行力」。これは社内人材、外部組織や支援会社などをいかに巻き込むかということも重要です。
このような概念に関しては、経済産業省のデジタルガバナンス・コードでも重要性が強調されています。

図:②実行にこだわり、データに基づいたPDCA

図:②実行にこだわり、データに基づいたPDCA

まとめ

齋藤:ここまで「施策に活かすDX観点」という内容でお話しして参りましたが、最後に様々な施策にヴァリューズがどのような支援ができるかということも踏まえてまとめさせて頂きます。

「消費者体験」をいかに可視化するかという点では、商品を使う段階だけではなく、その前段階から「消費者体験」は始まっているという部分をしっかりおさえるということ。
そして「消費者体験」は、オンライン上の情報摂取によって既に始まっていることからも、オンライン上のコンテンツが大変重要です。より質の高いコンテンツをユーザーに届けるということか肝心になります。

「組織づくり」の観点では、共通したデータに基づきPDCAをしっかりと回していく組織作りが大切です。

「変化後の消費者体験や施策の結果を継続的にデータ化」という点については、次なる施策への重要な手立てとなるということが考えられます。
ヴァリューズでは独自データを保有しており、「消費者体験」の初期段階から可視化することにお役立て頂けます。

また、クライアントの独自データを活用するプラットフォームや、様々なデジタルマーケティング施策のご提案をご用意し、単なる調査会社の領域を超えたマーケティング支援が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

図:まとめ

図:まとめ

セミナー資料ダウンロード【無料】

本稿でご紹介したセミナー資料は無料でダウンロード頂けます。ぜひ下記フォームよりお申込みください。

セミナー資料のダウンロードURLを、ご入力いただいたメールアドレスに送付させていただきます。

ご登録頂いた方にはヴァリューズからサービスのお知らせやご案内をさせて頂く場合がございます。

この記事のライター

マナミナ 編集部 編集兼ライター。
金融・通信・メディア業界を経て現職。
趣味は食と旅行。

関連する投稿


【5/16(木)開催セミナー】ファミリーマートと考えるヒットを生み出す「マーケティングリサーチの効能と技法」

【5/16(木)開催セミナー】ファミリーマートと考えるヒットを生み出す「マーケティングリサーチの効能と技法」

「マーケティングリサーチ=コスト」という意識が根強く残る中、リサーチをしたくても、その有用性を会社や上司に示せず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本セミナーでは、リサーチ会社から事業会社へ転籍し、リサーチ及びアナリティクス組織を立ち上げ、マネジメントを行ってきた2人が、事業会社やマーケティング支援会社双方の視点から、マーケティングリサーチにどう向き合うべきか議論を交わします。


【2024年4月29日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

【2024年4月29日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

編集部がピックアップしたマーケティングセミナー・勉強会・イベントを一覧化してお届けします。


【2024年5月6日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

【2024年5月6日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

編集部がピックアップしたマーケティングセミナー・勉強会・イベントを一覧化してお届けします。


【2024年4月22日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

【2024年4月22日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

編集部がピックアップしたマーケティングセミナー・勉強会・イベントを一覧化してお届けします。


データマーケティング企業が解説! DXを加速させるデータ活用人材の育成と組織作りとは?|セミナーレポート

データマーケティング企業が解説! DXを加速させるデータ活用人材の育成と組織作りとは?|セミナーレポート

国をあげて産業界のDX化が推進され、データ活用がビジネスの成長に欠かせない時代となっている中、多くの企業がデータの活用に課題を抱えています。これは、データを活用し業務に生かすスキルや知識を持つ人材の不足や、スキルを持った人材を育成できる環境が整備できていないことが一つの原因です。 データ×マーケティングの領域で多くの企業との伴走によって培ったヴァリューズのノウハウをもとに、データ活用人材の育成・組織作りと、デジタルマーケティング基礎におけるデータ活用に焦点を当て解説した本セミナー。そのセミナーレポートを無料でダウンロードいただけます。


最新の投稿


GWに10連休を取得する人は約2割!連休の予定はインバウンドの影響か「国内旅行」が下降し「家事」が上昇【mitoriz調査】

GWに10連休を取得する人は約2割!連休の予定はインバウンドの影響か「国内旅行」が下降し「家事」が上昇【mitoriz調査】

株式会社mitorizは、消費者購買行動データサービス「Point of Buy®」の会員に対し「大型連休に関する調査」を実施し、結果を公開しました。


Supportive fans are willing to spend money? “Oshikatsu” insights & applying it to marketing strategy

Supportive fans are willing to spend money? “Oshikatsu” insights & applying it to marketing strategy

“Oshikatsu” stimulates consumption in Japan. In fact, more than 80-90% of teens answered that they have an “Oshi.” We will deepen our understanding by investigating the current state of the “Oshikatsu” market, behaviors like time and money spent on “Oshikatsu,” and its connection with collaborations, etc. in marketing.


三井不動産、ECブランドの成長を支援するプラットフォームを提供開始

三井不動産、ECブランドの成長を支援するプラットフォームを提供開始

三井不動産株式会社は、統合コマースプラットフォーム「ecforce」を提供する株式会社SUPER STUDIOとともに、ECブランドの成長を“商業”と“物流”の両面から支援するプラットフォームを提供開始したことを発表しました。


【TVドラマランキング】共感性や独自性が話題に。「不適切にもほどがある!」「君が心をくれたから」など

【TVドラマランキング】共感性や独自性が話題に。「不適切にもほどがある!」「君が心をくれたから」など

近年動画配信サービスが普及し、時間や場所にとらわれず様々なジャンルの動画を手軽に視聴できるようになりました。テレビ離れが幅広い年代で囁かれている時代、話題になるテレビドラマとは、どのようなものなのでしょうか。今回は、2024年1月~3月に放送されたドラマについて、認知度や視聴方法、満足度、満足理由などをランキング化。その実態を探りました。


配膳ロボットの認知率は約9割、現在利用率は6割 1年後には利用率1.4倍伸びる!?【LINEリサーチ調査】

配膳ロボットの認知率は約9割、現在利用率は6割 1年後には利用率1.4倍伸びる!?【LINEリサーチ調査】

LINEリサーチは、今と近未来の流行予想を目的として「配膳ロボット」にかんする流行予想調査を実施し、その結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ