セミナー内容
■Agenda
変容する消費者トレンドを捉えて実践するプロモーション戦略とは
〜データで消費者を捉え、施策を実行するプロセスのご紹介〜
⚫︎DXの観点の整理
⚫︎新型コロナウイルスは消費者のメディア接触にどのような影響をもたらしたか
⚫︎施策に活かすDXの観点① ユーザー体験の可視化
~ユーザー理解の解像度を高めるアプローチのご紹介~
⚫︎施策に活かすDXの観点② 実行を支える組織作り
~共通データの整備と外部組織を巻き込むPDCA~
⚫︎施策に活かすDXの観点③ 施策結果のデータ化と再利用
~施策結果を活用したプロモーションの発展~
■スピーカー紹介
図:スピーカー紹介
DXの観点の整理
DXとは?
→「すべての人々の暮らしをデジタル技術で変革していくこと」(ウメオ大学教授のエリック・ストルターマンが2004年に提言)
株式会社ヴァリューズ 齋藤義晃(以下、齋藤):昨今では「DX」という言葉が流行り言葉のようになっています。各事業体においても意味合いは様々であると思われますが、本セミナーでは、企業におけるプロモーション施策への接続を前提に「DX」の観点を整理します。
まずは、マーケティングのシステム(二重のループ構造)の図に沿って解説します。
マーケット(買い手の集まり)と産業(売り手の集まり)の間に、二重のループが存在しています。第一のループは買い手がお金を払い、売り手がサービスを提供するというループ。そして第二のループというのが、マーケット(買い手)からは情報が流れてきていて、産業(売り手からは)コミュニケーションの提供、例えば、広告やPRなどの情報が流れるといったループが存在しています。
この二重のループに存在するフローの全てにデジタル化が進んでいると考えられます。
今回のセミナーではこの外側のループに注目したいと思います。
図:マーケティングのシステム
齋藤:消費者とサービス・プロダクトの間のインタラクションを「消費者体験」と定義して、より具体的に3点の重要な観点をお伝えします。
プロモーション施策に活きるDXの観点「データ化と組織作り」
①消費者のサービス/プロダクトに関する体験をデータ化 → 消費者体験の可視化
②体験のデータに基づき施策を実行する組織づくり → 消費者体験の変化を起こす主体者
③変化後の消費者体験や施策の結果を継続的にデータ化 → 施策に再活用
齋藤:プロモーション施策の実行においては「体験の可視化」と「組織作り」の観点が非常に重要で、2020年は特に社会環境による消費者変化が著しかった一年と言えるでしょう。
図:施策に活きるDXの観点
新型コロナウイルスは、消費者のメディア接触にどのような影響をもたらしたか
齋藤:コロナ禍における消費者のメディア接触の変化を見ていきます。
新型コロナ影響拡大前後のメディア利用時間の変化として、テレビやネットに触れる時間が増大しており、ネットはPCとスマートフォンともに増大傾向にあります。これらのことからも媒体価値の相対的な変化も捉えなければならない重要な潮流だと考えます。
図:ユーザー動向の変化
齋藤:続いて年代別のセッションの変化を見てみましょう。
2020年3月になり、全年代ともにセッションが増えているのですが、中でも、50〜60代などシニア層でネット行動の増加が著しく現れています。
図:コロナウイルス発生前後でのネット行動の変化
齋藤:メディア接触量の変化や、幅広い世代のネット普及、コロナ禍でのEC購買増加などによって、以下のようなことがポイントとして言えると思います。いずれも、消費者のインターネット行動の変化を捉えて施策を打つことが重要と考えます。
図:コロナによる消費者のインターネット行動の変化
施策に活かすDXの観点① ユーザー体験の可視化
齋藤:ヴァリューズが考えるデータプロモーションの形において、「刺激・情報」と「実行」の2つのキーワード、どちらが欠けても成果につながりにくい必須条件と考えます。
図:VALUESが考えるデータプロモーションのカタチ
齋藤:ここで「真実の瞬間“Moment of Truth”」という言葉をご紹介します。スカンジナビア航空CEOヤン・カールソンが1987年に提言した「1回のフライトで航空会社のスタッフが顧客に対応する時間、約15秒。その15秒間の体験で、ユーザーは企業の価値を決定する」というものです。
この「真実の瞬間」は時代と共に進化しています。
2005年には、米国P&Gの元CEO アラン・ラフリーが、「ユーザーと売り手が接触する店頭が「最初の真実の瞬間」となり、サービスの体験が「2番目の真実の瞬間」となる」と提言しています。このように「真実の瞬間」は時代と共に変化を遂げていることが分かります。
そして特に私が重要であると考えている言葉が、2011年の「米国における消費者のうち88%のユーザーは、店頭でプロダクトに触れる前にオンライン上の情報を閲覧しているとして、それが「0番目の真実の瞬間“ZMOT”」である」というGoogleの提言です。
まさに今、我々はこのオンライン上の接点を重要視し、しっかりとこの「0番目(0段階)」を捉えていくことが必要であると考えます。
図:時代と共にアップデートされる真実の瞬間 “FMoT, SMoT” そして “ZMOT”
施策に活かすDXの観点② 実行を支える組織作り
齋藤:次に「実行を支える組織作り」についてですが、「実行にこだわり、データに基づいてPDCAをしっかりと回す」という点について、「進捗・結果を把握」し、そしてその「要因の分析」をして、「仮説を立て打ち手を打つ」ということが重要と言えるでしょう。
組織横断で共通のデータに基づきながら、現状を把握し、このような3段階のステップを踏んでいくことでPDCAが回っていくのではないかと考えます。
さらにポイントを加えるとすれば、1点目は「共通データの整備」、2点目は「実行力」。これは社内人材、外部組織や支援会社などをいかに巻き込むかということも重要です。
このような概念に関しては、経済産業省のデジタルガバナンス・コードでも重要性が強調されています。
図:②実行にこだわり、データに基づいたPDCA
まとめ
齋藤:ここまで「施策に活かすDX観点」という内容でお話しして参りましたが、最後に様々な施策にヴァリューズがどのような支援ができるかということも踏まえてまとめさせて頂きます。
「消費者体験」をいかに可視化するかという点では、商品を使う段階だけではなく、その前段階から「消費者体験」は始まっているという部分をしっかりおさえるということ。
そして「消費者体験」は、オンライン上の情報摂取によって既に始まっていることからも、オンライン上のコンテンツが大変重要です。より質の高いコンテンツをユーザーに届けるということか肝心になります。
「組織づくり」の観点では、共通したデータに基づきPDCAをしっかりと回していく組織作りが大切です。
「変化後の消費者体験や施策の結果を継続的にデータ化」という点については、次なる施策への重要な手立てとなるということが考えられます。
ヴァリューズでは独自データを保有しており、「消費者体験」の初期段階から可視化することにお役立て頂けます。
また、クライアントの独自データを活用するプラットフォームや、様々なデジタルマーケティング施策のご提案をご用意し、単なる調査会社の領域を超えたマーケティング支援が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
図:まとめ
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マナミナ 編集部 編集兼ライター。
金融・通信・メディア業界を経て現職。
趣味は食と旅行。