KATEの「リップモンスター」は、なぜマスク着用下でバズったのか?

KATEの「リップモンスター」は、なぜマスク着用下でバズったのか?

新型コロナウィルスの影響でマスク着用が常態化してから、2年近くが経とうとしています。マスク生活でメイクの需要が減ったと言われていますが、他方で、今年の5月に発売したKATEの「リップモンスター」はSNSでバズり、一部の店頭やオンラインショップでは欠品が出るほど人気ぶりでした。コロナ禍でメイクアップ化粧品が売れなくなったと言われている中で、本当にメイクへのニーズは減少してしまったのでしょうか。今回はメイクアップへの興味関心がこの2年間でどのように変化したのか、Web行動ログ分析ツールの「Dockpit」を用いて検索データから調査しました。


KATE(ケイト)の「リップモンスター」とは?

まず、「リップモンスター」について、その商品特徴を下記にまとめます。
 
 ・カネボウメイクアップブランド「KATE(ケイト)」が2021年5月に発売した口紅。
 ・つけたての色がそのまま持続し、落ちにくい・高保湿を兼ね備えた高発色リップ。
 ・唇から蒸発する水分を活用して密着ジェル膜に変化し、独自技術(※)により長時間の色持ちを実現。
  ※カネボウ独自の色持ち技術
 ・店舗販売7色・Web限定4色で各1,540円(税込)

メイクアップブランド「KATE」の「リップモンスター」

「リップモンスター」は発売月に検索が急上昇

それでは、メイクアップ化粧品のニーズの変化について見てみましょう。

「リップモンスター」がバズった原因を探るため、まずは『リップ』または『口紅』(以下、「リップ/口紅」)と検索したユーザーの推移を見てみましょう。

直近2年間の検索ユーザー数推移を見てみると、1回目の緊急事態宣言が発令された2020年4月を境目にユーザー数が大きく減少していることがわかります。その後も落ち込んだ数値のまま現在に至っています。

繰り返し発令される緊急事態宣言により継続的に不要不急の外出自粛を要請されメイクをする機会が減ってしまったことや、マスク着用で口元が隠れてしまうこともありリップメイクへの関心も下がったことがうかがえます。

「リップ/口紅」の検索ユーザー数推移

「リップ/口紅」の検索ユーザー数推移

期間:2019年9月~2021年8月
デバイス:PCおよびスマートフォン

では、「リップモンスター」と検索しているユーザー推移はどうでしょうか。

発売月(2021年5月)と同時に検索数が急上昇しピークを迎え、その後下降はしているものの、引き続き注目されていることがわかります。

「リップモンスター」検索ユーザー数推移

「リップモンスター」検索ユーザー数推移

期間:2020年9月~2021年8月
デバイス:PCおよびスマートフォン

「リップモンスター」の関心層は?

「リップモンスター」は30代が3割以上と最も多い

次は、「リップモンスター」と検索したユーザーの属性を見てみましょう。性別では女性が9割以上となっていました。

「リップモンスター」検索ユーザー属性:性別

「リップモンスター」検索ユーザー属性:性別

期間:2020年9月~2021年8月
デバイス:PCおよびスマートフォン

年代別では30代が3割以上と最も高く、次いで20代となっていました。20代と30代で6割以上を占めているという結果に。

「リップモンスター」検索ユーザー属性:年代別

「リップモンスター」検索ユーザー属性:年代別

期間:2020年9月~2021年8月
デバイス:PCおよびスマートフォン

「リップ/口紅」は20代が3割弱と最も多い

「リップ/口紅」と検索したユーザーの年代別も見てみたところ、20代が3割弱と最も高く、次いで30代という結果でした。

「リップ/口紅」検索ユーザー属性:年代別

「リップ/口紅」検索ユーザー属性:年代別

期間:2019年9月~2021年8月
デバイス:PCおよびスマートフォン

「リップモンスター」は30代、「リップ/口紅」は20代からの関心が高いようです。

マスク着用でリップメイクのニーズに変化

続いて、「リップ/口紅」と検索したユーザーの季節比較から、ニーズがどのように変化しているかを見てみましょう。

1回目の緊急事態宣言が発令された2020年4月までは『DHC』やコーセーの『Visee AVANT(ヴィセアヴァン)』などのブランド名検索が目立っていました。ブランド名以外には、『落ちない』ワードも検索されていますが、ボリュームとしては、そこまで大きくはありませんでした。

ただ、緊急事態宣言が発令された翌月の2020年5月以降は、マスク着用が常態化したこともあり『マスクにつかない 口紅』や『マスクにつかない リップ』、『マスク』ワードが目立っています。

緊急事態宣言以降、明確にユーザーの意識がかわり”マスク移りしない”ことにニーズが変化していることがうかがえました。逆に、マスク着用時も、リップメイクをしたいという気持ちが表れていることも読み取れました。

「リップ/口紅」検索ユーザーの季節比較

「リップ/口紅」検索ユーザーの季節比較

期間:2019年9月~2021年8月
デバイス:PCおよびスマートフォン

「リップ/口紅」の20代・30代の検索ユーザーのニーズを知る

最後に、年代別でボリュームの多かった20代と30代に着目して見てみましょう。

コロナ前後で20代と30代の検索数が逆転

直近2年間のユーザー数推移を見てみると、新型コロナウィルスの感染が国内で初めて確認された2020年1月を起点に20代と30代が逆転していることがわかりました。

その後も、入れ替わることなく推移していることがわかります。

「リップ/口紅」の検索ユーザー数推移:20代女性・30代女性

「リップ/口紅」の検索ユーザー数推移:20代女性・30代女性

期間:2019年9月~2021年8月
デバイス:PCおよびスマートフォン

30代は検索ワードに変化が

検索数が半減してしまった2020年4月以降、「リップ/口紅」と検索した20代、30代のユーザーの興味関心はどう変化したのかも見てみましょう。

20代は『シャネル』や『MAC』などのブランド検索や『おすすめ』がランクインしています。この傾向は2020年3月以前とほぼ変化はありませんでした。

「リップ/口紅」検索ユーザーの掛け合わせワード:20代女性

「リップ/口紅」検索ユーザーの掛け合わせワード:20代女性

期間:2020年4月~2021年8月
デバイス:PCおよびスマートフォン

では、30代も見てみましょう。

20代同様、『シャネル』や『ディオール』などのブランド名が多く挙がっている中で、『マスク』ワードが「リップ/口紅」に次いでランクインしていました。

また、『落ちない』ワードもランクインしており、20代よりも”マスクにつかない・色移りしない”などのニーズがあることが読み取れました。

ちなみに、2020年3月以前は『ちふれ』や『オペラ』などのブランド名が上位を占め、『マスク』や『落ちない』は上位の顔ぶれには入っていませんでした。

「リップ/口紅」検索ユーザーの掛け合わせワード:30代女性

「リップ/口紅」検索ユーザーの掛け合わせワード:30代女性

期間:2020年4月~2021年8月
デバイス:PCおよびスマートフォン

30代は”マスクにつかない”リップを探している

『リップ/口紅』を検索したユーザーはどんなサイトに流入しているのでしょうか。20代、30代それぞれで見てみました。

まず、20代を見てみると、トップ10の内、9つがブランドサイトとなっていました。ブランドサイト以外では、コスメ・メイク・化粧品のクチコミ検索アプリ『LIPS』が唯一、5位にランクインしていました。

「リップ/口紅」検索ユーザーの流入サイト:20代女性

「リップ/口紅」検索ユーザーの流入サイト:20代女性

期間:2020年4月~2021年8月
デバイス:PCおよびスマートフォン

30代はランクインしているブランドサイトは5サイトとなっており、20代と比較すると半分と少なめでした。

それ以外は、『選び方』や『おすすめランキング』、『マスクにつかない』や『マスクをつけても落ちない』などコンテンツページがランクイン

30代の流入サイトは20代と異なっていることが特徴的でした。30代へのアプローチはこうしたメディアの活用が有効と言えそうです。

「リップ/口紅」検索ユーザーの流入サイト:30代女性

「リップ/口紅」検索ユーザーの流入サイト:30代女性

期間:2020年4月~2021年8
デバイス:PCおよびスマートフォン

まとめ

今回は、「リップモンスター」や「リップ/口紅」を検索したユーザーについて調査しました。

マスク生活で「リップ/口紅」の関心層全体としては、20代の割合が大きいですが、中でも「マスクにつかないリップ」のニーズが高いのは30代のようです。

“マスク移りしないリップ”が30代のニーズとマッチしたことが、「リップモンスター」がバズった要因の1つと言えそうです。

新型コロナの影響で苦戦するメイクアップ化粧品ですが、ユーザーのニーズを分析し、うまく取り入れることでヒット商品が生み出されることがわかりました。

分析概要

全国のモニター会員の協力により、インターネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析ツール『Dockpit』を使用し、2019年9月~2021年8月におけるユーザーの行動を分析しました。

Dockpitには無料で利用できる機能もありますので、ぜひお試しください。

dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


誰でも簡単に3C分析ができるツール「Dockpit」にGoogleアナリティクスとの連携機能が搭載!

誰でも簡単に3C分析ができるツール「Dockpit」にGoogleアナリティクスとの連携機能が搭載!

直感的なダッシュボードで、誰でも簡単に3C分析(自社・競合・市場)ができる「Dockpit」に、Googleアナリティクス連携機能が搭載されました。Dockpit上でスピーディーにGoogleアナリティクスのデータ分析もできます。自社Webサイトの効果検証から競合・市場の把握までをシームレスに1つのツールで確認することが可能です。


成長市場のクラフトビール、大手メーカーのWeb集客戦略は?キリン「スプリングバレー」が人気か

成長市場のクラフトビール、大手メーカーのWeb集客戦略は?キリン「スプリングバレー」が人気か

マイナス基調にあるビール市場のなかで成長を続けるクラフトビール市場。近頃は大手メーカーの参入が続き、競争が激化しています。そんななかで各社はどのような戦略を取っているのか。本記事では、大手ビールメーカーのクラフトビールに加え、Amazonで人気の定番クラフトビールをピックアップ。各ブランドのWeb集客の特徴や強みを分析していきます。


不動産企業Webサイトのユーザー数ランキングを調査。集客のポイントは「自社の強みの打ち出し」

不動産企業Webサイトのユーザー数ランキングを調査。集客のポイントは「自社の強みの打ち出し」

不動産業界の企業について、各社のWebサイトの集客力をユーザー数ランキングで調査しました。上位には三井のリハウスや大和ハウス工業、三井住友トラスト不動産などがランクイン。Webでの集客に成功している不動産企業が、実施している施策も併せて分析します。


スマートウォッチ市場のユーザー層を調査。Apple WatchとFitbitの購買検討層の違いが明らかに

スマートウォッチ市場のユーザー層を調査。Apple WatchとFitbitの購買検討層の違いが明らかに

多機能なウェアラブルデバイスとして人気を集めるスマートウォッチ。コロナ禍のここ2年ほどで出荷台数は増え、スマートウォッチ市場は拡大中です。需要はどのような消費者ニーズにより引き起こされているのか、「スマートウォッチ」検索者や国内シェア上位のApple WatchとFitbitの購買検討層を分析します。


急上昇ワードに「すぎやまこういち」「ドラゴンクエスト」など...「週間」検索キーワードランキング(2021/10/3~2021/10/9)

急上昇ワードに「すぎやまこういち」「ドラゴンクエスト」など...「週間」検索キーワードランキング(2021/10/3~2021/10/9)

2021年10月3日~10月9日の検索急上昇ワードでは、作曲家のすぎやまこういち氏が9月30日に逝去されたことを受け、お名前のほか、楽曲を手掛けた人気ゲーム「ドラゴンクエスト」の検索が急増しました。ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析を行い、検索キーワードランキングを作成しました。


最新の投稿


誰でも簡単に3C分析ができるツール「Dockpit」にGoogleアナリティクスとの連携機能が搭載!

誰でも簡単に3C分析ができるツール「Dockpit」にGoogleアナリティクスとの連携機能が搭載!

直感的なダッシュボードで、誰でも簡単に3C分析(自社・競合・市場)ができる「Dockpit」に、Googleアナリティクス連携機能が搭載されました。Dockpit上でスピーディーにGoogleアナリティクスのデータ分析もできます。自社Webサイトの効果検証から競合・市場の把握までをシームレスに1つのツールで確認することが可能です。


2021年版!国内企業の最新DX事例15選

2021年版!国内企業の最新DX事例15選

DXでは、単なるIT化や部分的な効率化にとどまらず、デジタル技術で新たな価値を創造していくことが求められています。大企業においても、経産省がDXを推進する企業を選定するなどしています。今回は国内でも着実に成果を上げているDXの事例を紹介します。


アンケート×Webログを用いた飲食店選びに関する調査 ~ 外食シーン・利用媒体・人の視点で分析

アンケート×Webログを用いた飲食店選びに関する調査 ~ 外食シーン・利用媒体・人の視点で分析

新型コロナウイルスの感染拡大により、大きなダメージを受けた飲食業界。外食市場規模は、2021年7月には2019年比で48.1%にまで減少したとも言われています。コロナによって外食への意識が大きく変わる中、飲食店はどのように選ばれているのでしょうか。アンケートとWeb行動ログを用いて、消費者の飲食店選びの現状について詳しく分析しました。(ページ数|30p)


成長市場のクラフトビール、大手メーカーのWeb集客戦略は?キリン「スプリングバレー」が人気か

成長市場のクラフトビール、大手メーカーのWeb集客戦略は?キリン「スプリングバレー」が人気か

マイナス基調にあるビール市場のなかで成長を続けるクラフトビール市場。近頃は大手メーカーの参入が続き、競争が激化しています。そんななかで各社はどのような戦略を取っているのか。本記事では、大手ビールメーカーのクラフトビールに加え、Amazonで人気の定番クラフトビールをピックアップ。各ブランドのWeb集客の特徴や強みを分析していきます。


不動産企業Webサイトのユーザー数ランキングを調査。集客のポイントは「自社の強みの打ち出し」

不動産企業Webサイトのユーザー数ランキングを調査。集客のポイントは「自社の強みの打ち出し」

不動産業界の企業について、各社のWebサイトの集客力をユーザー数ランキングで調査しました。上位には三井のリハウスや大和ハウス工業、三井住友トラスト不動産などがランクイン。Webでの集客に成功している不動産企業が、実施している施策も併せて分析します。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

最近話題のキーワード

マナミナで話題のキーワード


Web会議 ツール テレワーク zoom セミナー