2021年9月の急上昇サイトは?
こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2021年9月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。
2021年9月の前月比急上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より)
こちらは、Web行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」のトレンド分析機能を用いて、Webサイト訪問ユーザー数の前月比Top30をランキング表示したもの。この中から注目のサイトを紹介することで、市場のトレンドを紐解いていきます。
▼先月の急上昇サイトはこちらよりご覧ください。
ポップで分かりやすいと話題の新型コロナの説明書がTwitter流入でユーザー数急増
https://manamina.valuesccg.com/articles/14992021年8月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。今回はDockpitを使って訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。
povo2.0やPostPrimeなど9月リリースのサービスが上位にランクイン!
それでは、1位〜30位にランクインしたなかで、トレンドとして注目のサイトをいくつかご紹介します。
■1位:povo Lab
1位にランクインしたのは「povo Lab」の公式サイトでした。povo とはauのオンライン専用の新料金ブランド。大手のKDDIが提供していながら非常に安い料金設定が特徴的です。povo Labとはモバイルユーザーの声を反映したトッピングやサービス開発を推進する共創の場です。
急上昇の原因をコンテンツランキングから確認しましょう。
「povo Lab」のコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)
圧倒的にUU数を稼いだ1位のページは、以下のようなpovo2.0に関するページでした。
povo2.0とは、auのオンライン専用ブランドpovoにおける基本料0円の新プラン。9月28日にリリースされ、基本無料としつつデータ容量を追加オプション形式にした新しい料金体系になっています。povo2.0のリリース月である9月は、その広報ページに多くの人が流入した模様です。
また、コンテンツランキング2位は「povo2.0デビューキャンペーン」のページでした。auは事前エントリーした特定のユーザーに最大20GBのデータをプレゼントするというpovo2.0のデビューキャンペーンも実施。このキャンペーンも集客効果が高そうです。
povo2.0はトッピングを主軸に据えているため、ユーザー各人のライフスタイルに合わせて利用できます。特に、最低利用料金を0円に設定したことで、安さを求める人々のニーズを突いたのではないでしょうか。
■3位:PostPrime
3位は、9月にリリースされたばかりのSNSアプリ「PostPrime」の公式サイトでした。PostPrimeとは、クリエイターの質にこだわった新しいSNSプラットフォームです。一般的なSNSと同様に、テキストや音声・動画などのコンテンツを投稿できます。
PostPrimeではクリエイターのフォロワー数やインタレスト、エンゲージなどを総合的に評価する独自のバッジシステムを導入することで、クリエイターの質が公平に判断され、ユーザーは質の高い投稿を簡単に見つけることができます。また、クリエイターとユーザー間で直接課金できる仕組みを取り入れることで、質の高いコンテンツが集まる環境も整えています。
PostPrimeの開発者は投資家 Youtuber の高橋ダン氏。2021年9月の月間ユーザー数はDockpitによれば30万人を超えており、コロナ禍でSNSを使って副業するユーザーなどのニーズも高く、今後の成長が期待されます。
▼本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。
■7位:けあのわコミュニティ
7位は介護Q&Aコミュニティサイト「けあのわ」でした。運営元は、大人用おむつ「アテント」を展開する大王製紙。けあのわでは介護生活の中で生じた悩みや疑問を解決したり、介護の情報を共有したりできます。
どのようなページに注目が集まったのか、コンテンツランキングで確認しましょう。
「けあのわ」のコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)
圧倒的にUU数を集めた1位のページは、以下のようなけあのわの1周年記念キャンペーンに関するページでした。川柳でエールを投稿した人の中から100名に豪華賞品がプレゼントされるというものです。簡単に参加できるキャンペーンをフックに、訪問者数を急増させたと考えられます。
在宅介護従事者が急増する中で、こうした本音の話し合いや情報交換ができる匿名のコミュニティへの需要がうかがえます。また、メーカー側はサイトが活性化することで、市場調査で掴めないニーズをコミュニティで発見でき、商品開発に活かすことができます。
近江八幡のふるさと納税や抗菌剤、「東京ゲームショウ2021」サイトも
■8位:滋賀県近江八幡市ふるさと納税特設サイト
8位は「滋賀県近江八幡市ふるさと納税特設サイト」でした。近江八幡市は、高級ブランド和牛の近江牛や近江米などの謝礼品が人気です。
急上昇の原因を集客構造の推移から探っていきましょう。
2021年8月〜2021年9月の「滋賀県近江八幡市ふるさと納税特設サイト」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)
9月に外部サイトからの流入が急増したことが分かります。さらに外部サイトの流入元内訳を確認すると、au WALLET(現au PAY)からの流入が大半を占めていました。
2021年9月の「滋賀県近江八幡市ふるさと納税特設サイト」の集客構造・外部サイトランキング (「Dockpit」画面より)
au PAYでは貯まったポイントでふるさと納税に寄付できます。季節に合わせて、サイト内に「返礼品特集」を掲載しており、そこが流入元になったと考えられます。近江牛や近江米などの特産品の魅力の高さから集客に成功したのではないでしょうか。
■10位:エーザイ イータックシリーズ
10位は、日本の大手製薬会社エーザイの除菌抗菌剤「イータックシリーズ」の公式サイトでした。
サイトがどのように急上昇したのか集客構造から確認しましょう。
2021年9月の「イータックシリーズ」の集客構造(「Dockpit」競合分析より)
9月はディスプレイ広告による流入が大半を占めていました。新型コロナウイルス感染対策として家での除菌・抗菌が日常化しているなか、同社では「触るものにはイータック」というコピーでディスプレイ広告の出稿を行っていました。これが多くの人の関心を引きつけたのではないでしょうか。
■19位:東京ゲームショウ2021
19位は、9月30日から10月3日まで開催された「東京ゲームショウ2021」の公式サイトでした。東京ゲームショウはコンピュータエンターテインメント協会(CESA)の主催によって年に一度開催されるコンピュータ・ゲーム関連の日本最大の展示会。アメリカのE3、ドイツのゲームズコムGamescomと並ぶ世界三大ゲーム見本市の一つで、出展企業数も多く知名度も高いです。
東京ゲームショウは、昨年に続きオンラインでの開催となり、オンライン展示会場に351の企業・団体が出展。会期中は、出展社による36番組と主催者による10番組を合わせた46の公式番組が配信され、VR会場も新設されました。オンラインの総視聴数は3,947万回、VR会場の来場者数は21万人以上となり、その規模の大きさが伺えます。
まとめ
最後に9月に急上昇したサイトと、その増加要因をまとめます。
1位の「povo Lab」と3位の「PostPrime」はどちらも9月にリリースされたサービスでした。「povo Lab」 では、auのオンライン専用ブランドpovoにおける基本料0円の新プラン「povo2.0」の広報ページやキャンペーンページによって訪問者数が急増。povo2.0は追加オプション形式の料金体系となっており、ユーザー各人のライフスタイルに合わせて利用できるため多くの人から注目を集めたのではないでしょうか。
一方で「PostPrime」は、YouTube登録者数50万人以上の高橋ダン氏が開発した新しいSNS。世界初のバッジシステム評価や、日本では珍しいユーザー間の直接課金システムを導入しており、機能面での注目度が高かったと考えられます。
コンテンツ力の高さからランクインしたサイトも目立ちました。8位の「滋賀県近江八幡市ふるさと納税特設サイト」はau Payからの流入でユーザー数が急増。au Payでは季節に合わせた「返礼品特集」を掲載しており、近江牛や近江米などの特産品の魅力の高さから集客に成功したと考えられます。また、19位の「東京ゲームショウ2021」は9月30日から10月3日まで開催された日本最大のコンピュータ・ゲーム関連の展示会。オンラインの開催でしたが、多くの人が配信番組を視聴していました。
本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。
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