オウンドメディアのCV率は何%?Dockpitで保険業界を事例に徹底分析

オウンドメディアのCV率は何%?Dockpitで保険業界を事例に徹底分析

オウンドメディアの立ち上げや運営に欠かせないのが目的の整理や目標数値などのKPI設計、そしてモニタリングです。KPIの中では、成果であるCV(コンバージョン)を正しく把握することが重要となってきます。今回はある生命保険会社のサイトを例にあげ、Web行動ログ分析ツール「Dockpit」を使ってUU数やCVR(コンバージョン率)について分析する手法をご紹介します。


ユーザー数、セッション数などサイトの集客力を把握

例となる生命保険会社をA社とします。このA社について掘り下げていきましょう。

まずは、「Dockpit」の「競合分析」機能を使って、直近2年間にA社のサイトにアクセスしたUU数を見てみます。

毎月、60万人前後のユーザーがサイトを訪れていることがわかりました。2021年1月には前月比1.5倍となっており、80万人以上がサイトを訪問していました。

A社のUU数推移

A社のUU数推移

期間:2020年2月~2022年1月
デバイス:PCおよびスマートフォン

続いて、セッション数も見てみましょう。

毎月、80万〜90万のセッション数があることがわかりました。UU数と同様に、2021年1月に増加しており、2021年10月にも伸長していました。

セッション数はサイトの集客力を測る重要な指標の1つでもあるので、UU数と併せてチェックしてユーザーの行動を把握しましょう。

これで、毎月サイトにはどの程度のUU数やセッション数があるかが把握できました。

A社のセッション数推移

A社のセッション数推移

期間:2020年2月~2022年1月
デバイス:PCおよびスマートフォン

オウンドメディアのCVRを調べる

では、次に成果(CV)となるページを決定し、どれくらいのCV数があるのかを見てみましょう。

今回は申込みページ入口のセッション数をCVとします(申込みページ入口に遷移するということは、契約可能性の高い見込み客であると考えられるためです)。

A社の申込みページは2021年6月からURLが変更になっているので、6月以降で見ていきます。
サイト全体のセッション数に対して、申込みページ入口への接触率を見たところ、0.4%~1.6%の間を推移していました。平均するとCVRは1.1%という結果でした。

2021年7月、8月と2022年1月は比較的CVRが高いことから、これらの月にどんな施策を打ったのかを見てみると、CVR向上の参考になるかもしれません。

A社のセッション数、申込みページ入口までの数、CVRの推移

A社のセッション数、申込みページ入口のセッション数、CVRの推移

期間:2021年6月~2022年1月
デバイス:PCおよびスマートフォン

次に、マイページ入口への接触率も見てみましょう。

こちらも、申込みページ入口と同様の理由で2021年6月以降で見てみます。
マイページへの接触率は3.9%~7.5%の間を推移しておりCVRに幅がありました。平均するとCVRは5.9%でした。

マイページは契約内容の確認、保険料の支払方法の変更や住所変更、受取人変更、減額、解約、追加契約の申込みなど様々な手続きが可能となっていますが、契約者であっても頻度高くログインするページでないことを考えると、比較的高いCVRだと考えられます。

A社のセッション数、マイページ入口のセッション数、CVRの推移

A社のセッション数、マイページ入口のセッション数、CVRの推移

期間:2021年6月~2022年1月
デバイス:PCおよびスマートフォン

人気コンテンツからユーザーニーズを探る

オウンドメディアのCVRを向上させるためには、“良質なコンテンツ”が必要不可欠となります。

A社のサイトではどんなコンテンツページが人気なのでしょうか。直近1年間で見てみましょう。

2位に大差をつけてトップになったコンテンツページは「保険料10秒見積」ページでした。次いで、「生命保険商品のご案内」、「サイトトップ」という結果になりました。

気軽に保険料をシュミレーションできる仕組みは魅力的で、“保険料がその場ですぐに試算できる”ことに需要があることがうかがえました。また、サイトのUIが保険料のシュミレーションに誘導するように設計されていることも影響していると思われます。

保険の解説ページやFAQなども上位にランクインしており、生命保険について深く調べていることがわかりました。5位にランクインしている『auの生命ほけん』は、auユーザー専用の保険料還付金付きの生命保険商品で、auユーザーにとっては特典がうけられることもあり人気のようです。

このように、コンテンツランキングからはユーザーがどんなことに興味関心を持っているのか、どんなニーズがあるかが読み取れます。

A社のコンテンツページランキングTOP10

A社のコンテンツページランキングTOP10

期間:2021年2月~2022年1月
デバイス:PCおよびスマートフォン

競合他社のCVRと比較する

最後に、他社サイトのCVRも見てみましょう。

自社のCVRが高いか、低いかを判断するには、競合他社も含めて比較することが適切と言えます。競合他社のCVRを参考に自社のCVR向上に役立てましょう。

他社はB社とします。
B社のセッション数は2021年9月から増加傾向にあり、2022年1月には100万セッションに到達する勢いで伸びていることがわかりました。また、CVRもセッション数の増加とともにUPしており、2022年1月には1%台まで到達しておりA社に迫る勢いで増加していることがわかりました。ちなみに、CVRは平均で0.7%でした。

B社のセッション数、申込みページ入口のセッション数、CVRの推移

B社のセッション数、申込みページ入口のセッション数、CVRの推移

期間:2021年6月~2022年1月
デバイス:PCおよびスマートフォン

セッション数やCVRが増加している要因や背景については「Dockpit」の競合分析機能の「集客構造」や「流入キーワード」などのメニューで調査可能です。


まずは無料版に登録して、実際にDockpitを体験してみてください。

dockpit 無料版の登録はこちら

まとめ

オウンドメディアを運営するにあたり、CVRは重要な指標のひとつです。
そして、分析・改善まで行う「運用」も欠かせません。

関連する数値を他社と比較しながら分析し、CVRを改善し、効果的なオウンドメディアの運営を目指していくには、様々な角度から分析可能なマーケティングツールも不可欠となります。

Dockpitは3C分析が1つのツールで実現できます。まずは無料版をぜひお試しください。

Dockpit | ビッグデータ×マーケティングで事業の成長を支援|株式会社ヴァリューズ

https://www.valuesccg.com/dockpit/

Dockpit(ドックピット)は消費者のWeb行動ログデータをもとに、市場調査・ユーザー理解を実現します。直感的なダッシュボードで、誰でもカンタンに3C(自社・競合・市場)分析。短時間でデータドリブンなマーケティングを可能にします。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


Oisixとnoshの動向を調査!新生活の忙しい若者には宅配食+αがおすすめ

Oisixとnoshの動向を調査!新生活の忙しい若者には宅配食+αがおすすめ

最近、外食やテイクアウト、簡単に調理できる食品など、新しい食事スタイルを提供するサービスが人気を集めています。本記事では多くの人に利用されているOisixとnoshに焦点をあてながら、デリバリーサービスや自炊との比較を交え、現代の人々の食生活のトレンドを分析します。


マクドナルド、バーガーキングを徹底比較。メニュー,価格,アプリ利用者数

マクドナルド、バーガーキングを徹底比較。メニュー,価格,アプリ利用者数

ファストフード市場を牽引するハンバーガー市場。主なチェーン店のうち、今回は「マクドナルド」「バーガーキング」に注目し、店舗数やメニュー・価格、アプリ利用者データから、各社の集客動向や特徴を比較調査しました。


生成AIは誰がどう使っている? ChatGPT、Gemini、Copilot、Claudeの利用データを比較調査

生成AIは誰がどう使っている? ChatGPT、Gemini、Copilot、Claudeの利用データを比較調査

ChatGPTやGeminiをはじめとした生成AIが近年急拡大しています。生成AIではテキストのみならず画像や音声など様々なものを出力できますが、実際はどのように使われているのでしょうか。本稿では、そんな生成AIを利用するユーザーの属性や関心を比較・分析し、各AIとそのユーザーの実態を明らかにしていきます。


富裕層向けの最上位クレカ「ブラックカード」関心層の分析と戦略の検討

富裕層向けの最上位クレカ「ブラックカード」関心層の分析と戦略の検討

高ランク帯のクレジットカードのなかでも特に持つ人が限られているというプレミアムなカード、通称"ブラックカード"。ブラックカードを持つことに憧れているという人も多いのではないでしょうか。本記事では、ブラックカードに関心を持つ人々の検索傾向やターゲット層の特徴を深掘りし、どのようなプロモーション施策が効果的かについて考察します。


「値上げ」の1番の注目は米、キャベツじゃなく...?検索ワードを調査

「値上げ」の1番の注目は米、キャベツじゃなく...?検索ワードを調査

物価上昇が以前と続く2025年3月。様々な分野で値上げが行われていますが、人々から特に関心を集めているのはどの物価なのでしょうか。この記事では、値上げに関連する検索ワードから、人々がどの値上げに注目しているか、2025年と2024年それぞれで分析していきます。


最新の投稿


アイスタイル、美容業界のデータドリブンな意思決定を支援する「データドリブンソリューション」を提供開始

アイスタイル、美容業界のデータドリブンな意思決定を支援する「データドリブンソリューション」を提供開始

株式会社アイスタイルは、美容業界のデータドリブンな意思決定を支援する新事業「データドリブンソリューション」を提供開始したことを発表しました。


Z世代の約8割が「SNSのまとめコンテンツ」を活用!サーチエンジン検索は"買い物に失敗しないための下調べに利用【ファストマーケティング調査】

Z世代の約8割が「SNSのまとめコンテンツ」を活用!サーチエンジン検索は"買い物に失敗しないための下調べに利用【ファストマーケティング調査】

ファストマーケティング株式会社は、Z世代(15歳〜29歳)の男女を対象に「Z世代の消費行動に関するSNS利用の実態調査【2025年版】ファッション・コスメ編」を実施し、結果を公開しました。


Oisixとnoshの動向を調査!新生活の忙しい若者には宅配食+αがおすすめ

Oisixとnoshの動向を調査!新生活の忙しい若者には宅配食+αがおすすめ

最近、外食やテイクアウト、簡単に調理できる食品など、新しい食事スタイルを提供するサービスが人気を集めています。本記事では多くの人に利用されているOisixとnoshに焦点をあてながら、デリバリーサービスや自炊との比較を交え、現代の人々の食生活のトレンドを分析します。


生成AIの認知度は横ばいで推移も利用率は1年間で9.0ポイント上昇【GMOリサーチ&AI調査】

生成AIの認知度は横ばいで推移も利用率は1年間で9.0ポイント上昇【GMOリサーチ&AI調査】

GMOリサーチ&AI株式会社は、同社が保有する国内モニターパネル「JAPAN Cloud Panel(ジャパンクラウドパネル)」のモニターを対象に、「AIトレンドに関する自主調査」を実施し、結果を公開しました。


WEBマーケティング施策でAIを活用している企業は約8割!活用領域としてDM・プレスリリースの文案作成や広告クリエイティブ生成が上位に【PRIZMA調査】

WEBマーケティング施策でAIを活用している企業は約8割!活用領域としてDM・プレスリリースの文案作成や広告クリエイティブ生成が上位に【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、マーケティング担当者、広告代理店、デジタルエージェンシーを対象に「WEBマーケティングにおけるAI活用に関する調査」を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ