【SNS最新トレンド】TikTokのコンテンツ運用や「興味EC」に注目|「2022年8月 コンテンツマーケティング最新動向レポート」

【SNS最新トレンド】TikTokのコンテンツ運用や「興味EC」に注目|「2022年8月 コンテンツマーケティング最新動向レポート」

膨大な量の情報が日々アップデートされている、コンテンツマーケティング領域。「最新の情報をまとめてチェックしたい」と思うマーケターも多いのではないでしょうか?そのような声に応え、ヴァリューズのマーケターがコンテンツマーケティングの今をお伝えする連載がスタート。記念すべき第1回目は、最新のSNSトレンドについて解説します。今やSNSはマーケティングに欠かせないツールのひとつ。ぜひ自社の施策の参考にしてみてくださいね。


【解説者紹介】

TikTokを活用したマーケティングが注目される理由





岩間:2022年8月のコンテンツマーケティング最新動向レポートでは、注目のSNSとして、TikTokを取り上げていますね。今、マーケターが押さえておくべき動きがあるのでしょうか。






:TikTokでは、ユーザー層の拡大が見られることから、日本で今後もっと流行ると予測しています。








岩間:従来のTikTokユーザー層というと、高校生や大学生など主に若い世代のイメージがあります。








:確かに今年の調査結果を見ると、日本のTikTokのユーザーの年代層は、10代から20代が全体の半数以上です。一方で、30代のユーザーもどんどん増えており、コンテンツビジネスラボが発表した2021年版の「コンテンツファン消費行動調査」によると、日本のTikTokユーザーの平均年齢は34歳とのことです。

さらにTikTok for Businessが2021年に発表した「主婦・ママ白書 〜簡潔&完結!主婦・ママ層×TikTokの化学反応。〜」を見ると、25歳から44歳の女性のうち約4分の1は主婦であることがわかります。








岩間:若い層だけでなく、年齢が高めのお金を使う層にもリーチできるようになってきたのですね。








:最近では、芸能人の参入や一般ユーザーの活用の増加に伴って、コンテンツの多様化も進んでいます。もともとTikTokというと、ダンスがメインでしたが、最近ではハウツー系やお笑い系など、コンテンツの幅が広がっているんです。










岩間:今後TikTokを使ったコンテンツマーケティングは、プロモーションの重要手段のひとつになりつつあることがわかります。








:マーケティングにおけるTikTok活用の有効性を表すものとして、今回のレポートでは、TikTokビジネスアカウントプレイブックの公開についても取り上げました。






:TikTokビジネスアカウントプレイブックには、ビジネスアカウントの運用方法や、伸びるコンテンツ作りのコツなどが詳しく書かれています。マーケターにチェックしてもらいたいのは、TikTokの使い方に関する3つの特徴です。

1つ目は、新しいファンにつながる点。TikTokには、おすすめ視聴機能という独自のレコメンドシステムが採用されています。例えば、TwitterやInstagramの場合、自分がフォローしている人のコンテンツが主に表示されますが、TikTokでは「新しい出会い」として、フォローしていない人のコンテンツも頻繁に出てくるのです。

そのため顕在層だけではなく、潜在層へのアプローチにも有効だと考えます。










岩間:あまり認知されていない企業がゼロからアカウントを作ったとしても、TikTokなら他のSNSよりもリーチできたり、フォロワーを増やせたりするということですね。








2つ目の特徴は、コミュニティにつながる点。TikTokビジネスアカウントプレイブックによると、TikTokは他のSNSと比べて、いいね率やリツイート率がかなり高く、インタラクティブ性が高いというデータが出ているそうです。企業が面白い、ユーザーのニーズを満たすコンテンツをリリースしたら、ユーザーの反応を得やすいと思います。

そして3つ目の特徴は、次のトレンドにつながる点。TikTokは10代20代前半の若者が集まっているプラットフォームです。そのため「もし流行を知りたいなら、まずTikTokをチェックしよう」という認識が広がっています。実際、私の周りの30代40代のマーケターの先輩たちも、TikTokをスマホに入れて流行をチェックしています。

新商品をリリースしたり、キャンペーンを実施したりするなど、新たにトレンドを作り出すとき、TikTokは有効なツールになりそうです。




ハッシュタグチャレンジを活用した地域PRが流行





岩間
これまでの話をふまえて、どういった業界が今後TikTokに注力すべきといえそうでしょうか。








:自社の商材が10-20代など若者向けであれば、TikTokでのPRがおすすめですが、先ほど説明した通り、10-20代以外のユーザー層の拡大が見られているので、今後は30代がメインターゲットとなっている業界も注力すべきと言えます。

また最近の流行として、地域のPRにTikTokが活用されている事例が多いです。渋谷区や兵庫県など、さまざまな地域がTikTokと提携して、ハッシュタグチャレンジをリリースしています。

ハッシュタグチャレンジは、TikTok独自の施策です。例えば、渋谷区が「#おすすめの渋谷区スポット」というハッシュタグをリリースしたとしましょう。すると、インフルエンサーだけでなく、一般ユーザーも同じハッシュタグの下に自分の動画を投稿できます。このハッシュタグに入ると、専用のページの中で、さまざまな渋谷に関する動画などを見ることが可能です。認知拡大のために有効な施策になっています。








岩間:ユーザーの発信によってコンテンツが生成される、いわゆるUGCを作りやすそうですね。








:まさにその通りです。今のZ世代の若者は、芸能人やフォロワーが100万人近くいるインフルエンサーより、自分に近い人からの発信を信頼しているという調査結果があります。

TikTokのハッシュタグチャレンジは、まさにUGCの最適化や有効化に活用できると考えられるでしょう。










岩間:TikTokは、TwitterやInstagramといった他のSNSよりも、新しいフォロワーを獲得したり、UGCを生んだりなど、リーチがより広がりやすい特性があることがわかりました。このような特性の活用も、今後のマーケティング手段のひとつとして、さらに注目されていくと考えられます。




中国の新たなEC形態「興味EC」とは





岩間:今回のレポートでもうひとつ印象的だったのが、興味ECについてです。興味ECとは、一体何なのでしょうか。








:興味ECは、中国の新たなEC形態で、コンテンツECと言い換えられます。

中国では近年、コンテンツマーケティング系のアプリが発展しています。中国TikTok「抖音(Douyin) 」、口コミEC「小紅書(Red)」などですね。日本のコンテンツアプリと違って、その媒体の中で興味喚起から購買までワンストップで完結できることが特徴です。

日本の従来のプロセスでは、コンテンツを見て何かに興味関心を持ったとき、AmazonのようなECサイトに移動して、キーワード検索をして商品を探し、購入します。

一方、興味ECモデルでは、「抖音(Douyin)」や「小紅書(Red)」などで面白いコンテンツを発見したら、他のECプラットフォームに移動することなく同じ媒体内ですぐに購入できるようになっています。

ユーザーが興味を持ってから購買に至るまでの動線が短く、衝動的な購買が多くなるので、企業側にとっては、競合と比較検討されることが少なくなるというメリットがあります。希望小売価格での販売が可能となり、価格競争も避けられるでしょう。










岩間:商品を認知して、検討を挟まずその場で購入する、という流れだと、CVRもわかりやすくなりそうですね。








:そうですね。日本を見ても、TwitterやInstagram、TikTokなどが、SNS内で認知獲得から購買までワンストップで完結できるよう機能と動線を拡充しつつあるので、今後は日本市場にも、興味ECの時代が来ると推測しています。










岩間:その流れが来た時にいち早く刈り取ることができるよう、顧客のニーズを満たせるコンテンツの作成など、整備を進めておくことが重要ですね。




SNS活用の効果を最大化するために





岩間:TikTokや興味ECを企業が取り組む際、自社アカウントを持つのか、それともインフルエンサーと強いコネクションを作り、必要なときに紹介してもらうのか、どちらが良いのでしょう。








:結論からいうと、両方対応するべきだと考えます。自社アカウントでは公式の情報を発信しつつ、インフルエンサーなどの第三者からの発信も一緒に掛け合わせてプロモーションすることで、シナジー効果が高まるでしょう。コンテンツの活性化にもつながります。






岩間:なるほど。やはり自社アカウントでフォロワーがいないと、怪しまれてしまう可能性がありそうですよね。とはいえ、自社だけでは届かない層もあるので、両方対応していく方が良いということですね。








:そうですね。より自分に近い存在からの発信を信頼する若者が増えている、という点にも通ずるお話かと思います。TikTokのマーケティング活用や興味ECが今後日本でもさらに流行することを見据えて、情報収集や環境づくりを進めていくことが大切だと考えます。




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この記事のライター

IT企業でコンテンツマーケティングに従事した後、独立。現在はフリーランスのライターとして、ビジネスパーソンに向けた情報を発信しています。読んでよかったと思っていただける記事を届けたいです。

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