ウィズコロナ時代の「モノの買い方変化」「ショールーミング行動の実態」を調査

ウィズコロナ時代の「モノの買い方変化」「ショールーミング行動の実態」を調査

ウィズコロナ時代とも言われる2022年、顧客の獲得戦略を練る上では、消費者が実店舗×ECをどのように活用しているのか、リアルな消費者行動を理解することは必須となるでしょう。そこで今回は、ウィズコロナ時代の「モノの買い方変化」および「ショールーミング行動の実態」に着目し、消費者トレンドを分析。分析には、国内の20~60代の男女6,105人を対象にしたアンケート調査と、ヴァリューズが独自保有する消費者行動ログを用いました。


モノの買い方変化

コロナ後2年経てもネット完結型購入は継続増加、実店舗訪問には“目的”が必要に

まず、直近1年のモノの買い方は以前と比べどのように変化しているかを聞きました。すると「目的のない実店舗訪問」「複数店舗での買い回り」の減少傾向が見られ、反対に「ネット上だけで完結する商品購入」では増加傾向が見られました。新型コロナウイルス感染拡大して2年以上が経過してもネット完結型購入は増加し続けており、実店舗訪問には“目的”が必要になってきたようです。

Z世代でもライブコマースやメタバースには消極的が未だ多数

次に、モノの買い方別に、自身の生活に取り入れているか、または今後取り入れたいと思うかを聞きました。「事前にネット注文⇒店舗受け取り」「ネット販売のみ商品の体験スペース」といったネットと実店舗を上手く融合したサービスへは積極的に取り入れたいという声が多数の結果になりました。一方で「ライブコマース」「メタバース」といったネット上での最新サービスへは取り入れに未だ消極的な声が多く聞かれました。

年代ごとに傾向を見てみると、ネット完結型購入の増加傾向や店舗受け取り等のネット実店舗融合サービスへの積極性は、Z世代でより強く見られました。幼い頃からネットに触れて育ったZ世代の方がネットを経由したモノの買い方に積極的なようです。しかし、そんなZ世代でも、メタバース等のネット最新サービスを積極的に取り入れる層は少数派となっていました。

ヴァリューズの消費者行動ログ分析ツール「Dockpit」を使用して、「店舗受け取り」「ライブコマース」の検索状況を調査しました。両者とも検索者には20~30代が多く現れているなかで、「ライブコマース」検索者数は「店舗受け取り」の5分の1以下となり「ライブコマース」の普及は未だ進んでいない様子がうかがえました。

家具家電でショールーミング化が進行も、自動車は依然店舗購入

実店舗で商品を確認し、ネット上で購入する「ショールーミング」について、商材ごとにどのようにショールーミング化が進んでいるかを調査しました。すると、ショールーミング化が比較的進行している商材として、家具や家電・キャンプ道具や楽器といった大型の商材が多く挙がっていました。一方で、自動車のように依然店舗購入型が多い商材も存在し、商材の価格帯や持ち帰りの手間等も影響しているようです。

ショールーミング行動の実態

店舗訪問前は公式サイトで情報収集も、訪問後は総合ECでの購入増

ショールーミング行動について、まずどのように情報収集してから実店舗に訪れているのかを聞きました。店舗訪問前には、洋服、家具、キャンプ道具の3商材とも6割前後が「メーカー/ブランドの公式サイト」で情報収集をおこなうと答えていました。その後実店舗に訪れる際、洋服では約8割が訪れる「メーカー/ブランドの直営店舗」が1位でしたが、家具・キャンプ道具では「ホームセンター・家電量販店」が1位となっていました。

店舗訪問後に、ネットでの情報収集を継続しているのか、実際の購入先はどこなのかを聞きました。店舗訪問後には訪問前よりやや情報収集が減少していましたが、3商材とも半数前後は「メーカー/ブランドの公式サイト」での情報収集でした。しかし最終的に、家具・キャンプ道具は半数以上が公式サイトではなく「総合EC」で商品購入を済ませていました。コロナ後、公式サイトでの販売体制を整える企業も増えましたが、それでも比較検討でき値段も安い傾向にある「総合EC」の利用が多いようです。

店舗で商品特徴を確認、訪問後は価格が一番の関心に

店舗に訪れる目的を聞くと、「商品のサイズ」「触り心地」といった実際に見て触れて感じる商品特徴を確認することが上位に挙がっていました。キャンプ道具を見てみると、「商品の形状」「使い方」を店舗で確認し、その後の情報収集では「価格」に関心が集まる様子もうかがえました。

洋服を題材に買い方別の購入月のWEB行動を分析しました。ショールーミング型は店舗購入型・ネット完結型よりも複数のファッションカテゴリサイトを特徴的に閲覧しており、インターネット上でも積極的に情報収集をしている様子が推察されました。

調査概要

全国のヴァリューズモニター(20~60代男女)を対象として、 2022年5月9日~5月23日にアンケート調査を実施。(回答者6,105人)
※アンケート調査は性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計をおこなっている。
※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

ホワイトペーパーダウンロード【無料】|ウィズコロナ時代のモノの買い方に関する自主調査

資料のダウンロードURLを、ご入力いただいたメールアドレスに送付させていただきます。
ご登録頂いた方にはVALUESからサービスのお知らせやご案内をさせて頂く場合がございます。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


EC メタバース

関連する投稿


ECサイトにおけるKPI策定のポイント

ECサイトにおけるKPI策定のポイント

ECサイトの売り上げをあげるためには、KGIの設定だけではなく、KPIの策定が重要なポイントになります。そこで、気になるKPIの策定ポイントや、課題の洗い出し・分析についてご紹介します。効果的なマーケティング施策にお悩みの方や、ECサイトの売り上げが伸び悩んでいる方はぜひ参考になさってください。


ファッション通販サイトのポジショニングを分析! 20代に人気「GRL」を4P分析で紐解く

ファッション通販サイトのポジショニングを分析! 20代に人気「GRL」を4P分析で紐解く

新型コロナウイルスの蔓延を経て、ファッション業界でもオンラインショッピングの利用が急拡大しました。実店舗よりも選択肢が増える状況下で、多くの支持を集めるブランド「GRL(グレイル)」「ユニクロ」「GU」「SHEIN(シーイン)」に注目し、好調の理由を分析します!


ECのLTVの計算方法とは?LTV向上の事例も解説!

ECのLTVの計算方法とは?LTV向上の事例も解説!

EC事業において重要な指標の一つであるLTV(ライフタイムバリュー)。LTVは顧客が生涯にわたってもたらす総収益を示す指標で、既存顧客のLTVを高めることで売上の維持、拡大につながります。 本記事では、LTVの基本的な概念と計算方法、LTVを高めるため方法について解説し、実際にLTVの向上に成功した事例についても紹介します。LTVの改善施策を考える際に役立てていただければ幸いです。


博報堂DYホールディングス、メタバース生活者定点調査2023を実施

博報堂DYホールディングス、メタバース生活者定点調査2023を実施

株式会社博報堂DYホールディングスは、全国15~69歳の生活者を対象に、メタバースに関する現状の生活者意識や動向を把握することを目的とした「メタバース生活者定点調査2023」を実施し、結果を公開しました。


フリマ市場を比較調査。メルカリとYahoo!系サービス、それぞれの特徴や集客の強みとは?

フリマ市場を比較調査。メルカリとYahoo!系サービス、それぞれの特徴や集客の強みとは?

節約やお小遣い稼ぎの手段としても注目が高まるフリマ市場。「メルカリ」「Yahoo!オークション」「Yahoo!フリマ」を対象に、フリマ市場の最新動向について調査しました。各サービスのサイト・アプリについて、利用者数やユーザーの人となりに加えて、サイト集客構造の違いについても深掘りし、それぞれの特徴について明らかにしていきます。


最新の投稿


タイのコーヒーの特徴とは?タイのコーヒー市場の現状やショップを紹介

タイのコーヒーの特徴とは?タイのコーヒー市場の現状やショップを紹介

近年タイではコーヒーブームが起こっています。バンコクには次々と新しいカフェができており、SNS映えする店内だけではなくコーヒーの味にもこだわりを持つカフェが増えています。実際に、起業してカフェオーナー兼バリスタになるのはタイでは一つのトレンドです。 近年、タイのコーヒー市場は右肩上がりに伸びており、タイのコーヒー市場は日本円で1440億円を超えると言われています。 そこで本記事では、タイのコーヒー市場の現状を読み解くとともに、タイでなぜコーヒーの人気が高まっているのかを、タイのコーヒーブームの歴史と共に解説します。


2025年上半期Z世代トレンド予想!Trepo、「ファッション」「グルメ」「コト・モノ」の3部門のランキングを発表

2025年上半期Z世代トレンド予想!Trepo、「ファッション」「グルメ」「コト・モノ」の3部門のランキングを発表

株式会社Creative Groupは、同社が運営するメディア『トレンドメディアTrepo(トレポ)』にて、10代~20代の女性を対象に、2025年上半期のZ世代トレンド予想調査を実施し、結果を公開しました。


ADK MS、「ゲーム総合調査レポート2024」を発表!最新のゲーム市況の把握から、ゲームプレイヤーの行動・心理の分析まで網羅

ADK MS、「ゲーム総合調査レポート2024」を発表!最新のゲーム市況の把握から、ゲームプレイヤーの行動・心理の分析まで網羅

株式会社ADKマーケティング・ソリューションズは、ゲームプレイヤーの心理・行動を分析し、分かりやすく彼らの実態を可視化した「ゲーム総合調査レポート2024」を作成し、公開しました。


スリープテック ~ 睡眠の質とテクノロジー

スリープテック ~ 睡眠の質とテクノロジー

疲労回復、毎日のコンディション管理に必要不可欠な「睡眠」。その睡眠、あなたは足りていますか?最近ではニュースでも多く取り上げられた通り、日本は世界規模での「不眠大国」。実に日本人の平均睡眠時間は経済協力開発機構(OECD)の加盟国33ヵ国の中で最下位とも言われています。そして睡眠はただ眠るだけではなく、経済とも大いに関わりがあるのです。本稿では広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長、一般社団法人マーケティング共創協会理事・研究フェローを務めている渡部数俊氏が、良質な睡眠の鍵を解説します。


BtoBマーケティングの成功は"ファクトファインディング"が重要!本質的・潜在的な課題・ニーズを引き出すことが成功のカギ【PRIZMA調査】

BtoBマーケティングの成功は"ファクトファインディング"が重要!本質的・潜在的な課題・ニーズを引き出すことが成功のカギ【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、全国のマーケティングコンサルタントを対象に、「BtoBマーケターが始めた方が良いこと」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ