Z世代がショッピングモールに足を運ぶ理由は?求められるのはリアルな体験 | 海外トレンドに見るビジネスの種(2025年2月)

Z世代がショッピングモールに足を運ぶ理由は?求められるのはリアルな体験 | 海外トレンドに見るビジネスの種(2025年2月)

海外からやってくるトレンドが多い中、現地メディアの記事に日々目を通すのはなかなか難しいもの。そこでマナミナでは、海外メディアの情報をもとに世界のトレンドをピックアップしてご紹介します。今回は、アメリカのZ世代が見出す実店舗の魅力や、Z世代の集客をねらった各社の事例について取り上げます。


アメリカのショッピングモール需要を救うのは若い世代?

ショッピングを楽しむ女性2人のイメージ写真

EC市場が拡大し消費者の買い物スタイルが変容していく中、ますます実店舗のあり方が問われる時代となっています。デジタルネイティブな若い世代を中心に、実店舗からオンラインショッピング中心の生活に移行していると思われがちですが、実はアメリカの若い世代は上の世代よりもショッピングモールに足を運ぶ傾向があるようです。

マーケティング・リサーチ会社Ipsosの調査(※1)によると、ショッピングモールで買い物をする頻度が「頻繁」「時々」と回答したアメリカ人の世代別割合は、若い世代ほど多いという結果が出ました。(18〜34歳で58%、35〜54歳で48%、55歳以上で38%)

(※1)
Here's why younger shoppers still hit the mall
https://www.ipsos.com/en-us/heres-why-younger-shoppers-still-hit-mall
2024年6月の調査。アメリカの1,085人が対象。

Z世代が購買体験に求めるものはスピードと効率性

では、若い世代は実店舗での買い物にどのような価値を見出しているのでしょうか。

マーケットプレイス業界団体International Council of Shopping Centersの調査(※2)によると、Z世代の回答者97%が実店舗で買い物をすると回答しています。実店舗で買い物をする理由は、回答者の多かった項目から順に、商品をすぐ入手できる(30%)、商品を見て触って試着できる(28%)、送料が不要(11%)といった店舗ならではの利便性があげられました。他にも、友人と一緒に買い物をする体験(8%)や、雰囲気を見て楽しんだり他で味わえない経験(8%)をするためという体験の部分に価値を見出している回答が続きました。

Z世代が実店舗で買い物をする理由

(※2)
The Rise of the Gen Z Consumer
https://www.icsc.com/uploads/about/2023ICSC_Gen_Z_Report.pdf
2023年3月の調査。アメリカのZ世代(16〜26歳)1,008人が対象。

同調査においてアメリカのZ世代が購買体験にスピードや効率性を特に求めていることも明らかになりました。例えば、迅速で簡単な支払い(46%)、配送の早さ(45%)、店舗で欲しいものをすぐに手に入れられること(39%)、無料の返品(31%)、迅速で役に立つカスタマーサービス/店員の数が足りていること(27%)、事前に店舗の在庫情報を確認できること(23%)、オンラインで購入し店舗でピックアップできること(23%)があげられています。

スピードや効率性を叶えるためにオンラインと店舗の両方を活用し、上手くそれぞれのいいとこ取りをしているZ世代の買い物スタイル像が浮き上がってきました。事前の情報収集や商品の比較検討はオンラインでしながらも、最終的には実店舗で商品の実物を確認したい、すぐに商品を手に入れたいという心理がありそうです。また、オンラインで実物を見ないまま購入することによる返品リスクの高さや、返品プロセスにかかる手間を避けたいという心理が、店舗の商品ピックアップを希望する要因として考えられます。

Z世代が購買体験に求めること

「体験型」でZ世代の集客をねらう実店舗

アメリカの市場においてZ世代の存在は大きく、約20%の人口を占めていると言われています。そこで様々な企業が実店舗にZ世代を集客するための工夫をしています。

例えばファッションブランドのホリスター(Hollister)は、店舗でポップアップイベントを開催。音楽コンサートやスポーツ選手のサイン会を開くことで、Z世代の集客を促しています。

米大手ショッピングモール運営会社のサイモン・プロパティ・グループ(Simon Property Group)は、Meet Me @themall(モールで会おう)をキャッチコピーに、80年代、90年代のモールカルチャーを彷彿とさせる広告を打ち出しました。80年代に公開された映画『ブレックファスト・クラブ』で使用された曲の替え歌をBGMに、その当時若者が集い賑わっていたショッピングモール像を思い起こさせる映像になっています。ショッピングモール全盛期から年月を経た今だからこそ、レトロでノスタルジーな体験として若い世代に新たな価値を見出されています。

米ストリーミングサービスのNetflixは、アメリカ国内の2つの大型ショッピングモールの一角にNetflix Houseという体験型施設を建設しています。Netflixの作品にちなんだフードやグッズ販売、また作品の世界を没入体験できる空間ができるとのことで、2025年に営業開始を予定しています。実店舗でのリアルな体験を掛け合わせることでさらにデジタルコンテンツへの愛着を深めることに繋がります。

不況やパンデミックを経験し、オンライン上で過ごす時間が長いZ世代は、実生活の人とのつながりやイベントなどの体験を重視する傾向があると言われています。実店舗において、買い物による物質的な消費だけではなく、いかに体験を同時にもたらすことができるかがZ世代集客の鍵と言えそうです。

まとめ

アメリカの若い世代は、買い物において「スピード」「効率性」「リアルな体験」を重視する傾向にあります。これらを満たすために、オンラインと実店舗の良さを融合したサービスが求められています。ショッピングモールや店舗を運営する各社は、人との繋がり、思い出作り、イベント参加などの体験を組み合わせることで店舗に足を運ぶ楽しみを増幅させ、Z世代の集客をねらっています。

【参考】
https://www.cnbc.com/2024/12/12/gen-z-shopping-at-malls-rather-than-online.html
https://www.nbcnews.com/now/video/gen-z-shoppers-helping-malls-make-a-comeback-226939973801
https://www.modernretail.co/marketing/how-major-malls-are-catering-to-gen-z-shoppers/
https://www.netflix.com/tudum/articles/netflix-house

この記事のライター

大学ではポルトガル語と言語学を学び、常に様々な外国文化や言語に興味がありました。
海外情報に関する記事を通じて、何かヒントに繋がる新たな視点や面白い発見をお届けできればと思います。

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