デジタルチラシを見るのはどんな人?人気のチラシ配信企業は?

デジタルチラシを見るのはどんな人?人気のチラシ配信企業は?

チラシというと、新聞に挟まっている折込チラシをイメージする人が多いのではないでしょうか。一方で、近年ではデジタルチラシという、紙のチラシと同様のものをデジタルで提供する企業が増えてきています。紙のチラシと異なり、興味を持って自主的に探索してくれる人にしか情報が届かないので、潜在消費者へのリーチは難しいというデメリットもありますが、購買意欲の高い消費者へ効果的に訴求することは、売上の向上にも直結します。今回は、デジタルチラシを用いて訴求できるユーザーと、実際にデジタルチラシがよく見られている企業について調査しました。


デジタルチラシは40~50代の女性に人気

ではさっそく「チラシ」と検索する人の特徴について分析していきます。なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用います。

まず、「チラシ」と検索している人数は、2021年7月~2023年6月の2年間で16,400,000人となっています。

キーワード「チラシ」を検索している人数
Dockpitより集計。対象期間:2021年7月~2023年6月
デバイス:PC,スマートフォン

通年の傾向として、8~9月頃から1月にかけて「チラシ」と検索している人数が500,000人程増えています。これは11月のブラックフライデーや、年末年始のボーナス商戦が関係しているのではないかと予想できます。

続いてユーザー属性を見ていきましょう。以下のグラフから、「チラシ」というキーワードを検索している人は、女性が約6割、40~50代はあわせて40%以上を占めていることがわかります。

キーワード「チラシ」を検索している人の性別・年代
Dockpitより集計。対象期間:2022年7月~2023年6月
デバイス:PC,スマートフォン

また、以下のグラフは「チラシ」と検索している人のうち、女性・男性それぞれの年齢層を表しています。全体的に男性より女性の方が多く、特に30~50代はいずれも女性の方が40万人以上多いことがわかります。

キーワード「チラシ」を検索している人の年代(男女別)
Dockpitより集計。対象期間:2022年7月~2023年6月
デバイス:PC,スマートフォン

以上から、「チラシ」と検索するのは特に40~50代に多く、その中でも女性が多いと言えます。

身近な小売店のチラシが検索される

次に、「チラシ」と共によく掛け合わせ検索されているキーワードを見てみると、1位から18位まで全てが企業の名前であり、中でもドラッグストアやスーパーマーケットが大半を占めていることがわかります。19位以下にも、これらに加え、ディスカウントストアや家電量販店などの企業名が並んでいました。

キーワード「チラシ」と合わせて検索されているワードのユーザー数ランキング(上位18件を抜粋)
Dockpitより集計。対象期間:2022年7月~2023年6月
デバイス:PC,スマートフォン

検索者数の多いドラッグストアやスーパーマーケットは、日用品や食料品など生活必需品を多く取り扱っており、これらを少しでも安く買うために。UNIQLOやしまむらなどのアパレルショップや、ヤマダ電機をはじめとした家電量販店は、新商品や、季節に合わせたおススメの商品、セール品などをチェックするために、それぞれのチラシが検索されているのではないかと考えられます。

続いて、「チラシ」検索後の流入サイトを見てみましょう。以下の表が示すように、先ほどランクインしていた特定企業のWebサイトもありますが、それと同じだけ、「トクバイ」や「Shufoo!」といった複数社のチラシをまとめて掲載するサービスもランクインしています。

キーワード「チラシ」と検索した人が流入しているサイトのユーザー数ランキング(上位15件を抜粋)
Dockpitより集計。対象期間:2022年7月~2023年6月
デバイス:PC,スマートフォン

デジタルチラシ関係のサービスは、ただ掲載するだけではなく、チラシ作成のサポートを始め、自社サイトでのチラシの配信、チラシの効果分析、タイムセールの通知など、デジタルチラシの効果を最大限にするための機能が充実しています。

デジタルチラシを始めたくても、店舗数が多ければ情報の集約が大変だったり、個人店であればサイトを一から作るのは手間だったりと様々な課題が考えられますが、これらのチラシサービスを用いることでデジタルチラシを始める障壁がかなり小さくなるため、利用企業が多いのではないかと考えられます。

また、特に日用品や食材に関しては、消費者は同じ商品をより安く提供している店舗を探すために複数のチラシを比較することになります。一つのサービスで複数の企業のチラシを閲覧することができるという利便性が、消費者側の利用が増える一因であると考えられます。

ただし、これらのサービスは通知機能を活かしたりや閲覧の手間を削減したりする目的でアプリを提供しているものが多く、そうしたアプリの利用状況も押さえておくべきでしょう。

大手企業のチラシ分析

では反対に、こうしたチラシサービスではなく、自社サイトに多くのユーザーが集まっている企業の特徴について見ていきましょう。特に「チラシ」と検索した人の流入が多い業務スーパー、UNIQLO、しまむらの3社のチラシページを比較します。

まず各社のチラシページを訪れている人のユーザー属性を見ていきます。業務スーパーとUNIQLOは男性が約4割、女性が約6割であるのに対し、しまむらは女性が約7割を占めています。また、年齢層を見ると、しまむらは30代が25%とかなり多くなっており、どのチラシも40代の利用者が25%を占めています。

業務スーパー・UNIQLO・しまむらの各チラシページの訪問者の性別と年齢層
(各社のチラシページはヴァリューズで独自に定義)
Dockpitより集計。対象期間:2022年7月~2023年6月
デバイス:PC,スマートフォン

「チラシ」と検索している人全体では女性が6割でしたが、企業によってかなり男女比が異なっていることがわかります。それぞれの企業の特徴としては、業務スーパーは全世代・年齢を通して、UNIQLOは中高年層、しまむらは30代の女性に特にチラシを閲覧されていると言えそうです。

続いて、各企業のサイト全体と、チラシページを比較します。下のグラフは、各社のサイトとチラシページのそれぞれの訪問者の性別と年代を表したものです。

まず業務スーパーは、サイトとチラシページを閲覧している人のユーザー属性について、5%以上差があるものはありません。

業務スーパーのWebサイト全体とチラシページの訪問者の男女比と年齢層
(チラシページはヴァリューズで独自に定義)
Dockpitより集計。対象期間:2022年7月~2023年6月
デバイス:PC,スマートフォン

次にUNIQLOは、サイト訪問者と比較したチラシページ閲覧者の年代の割合は、20~30代ではそれぞれ約10%も少なく、反対に50~60代ではそれぞれ5%ほど多いです。

UNIQLOのWebサイト全体とチラシページの訪問者の男女比と年齢層
(チラシページはヴァリューズで独自に定義)
Dockpitより集計。対象期間:2022年7月~2023年6月
デバイス:PC,スマートフォン

最後にしまむらは、20代ではチラシページを閲覧している人の割合の方が約10%少ないですが、それ以降の年代では大きな差が見られません。

しまむらのWebサイト全体とチラシページの訪問者の男女比と年齢層
(チラシページはヴァリューズで独自に定義)
Dockpitより集計。対象期間:2022年7月~2023年6月
デバイス:PC,スマートフォン

以上から、まずどの企業においても、40代のチラシ閲覧者が多いと言えます。しかし、業務スーパーはサイト全体とチラシページの訪問者のユーザー属性がほとんど変わらず、若い世代にも比較的よくチラシが閲覧されていることがわかります。反対に、UNIQLOは40~60代のチラシ閲覧が多く、20~30代のチラシ閲覧がかなり少ないです。これは一件問題のように見えますが、若年層はインターネット広告やSNSから積極的に情報を入手することが多いと考えられるため、それ以外の中高年層の顧客を獲得するためにデジタルチラシを打っているとすれば、良い戦略ともいえます。しまむらは30~40代の利用がもともと多い上、その代のチラシの閲覧が多いことから、ターゲット層にチラシが適切に届いていると言えます。

まとめ

今回はオンラインで「チラシ」情報を探す生活者を追ってきました。
「チラシ」を検索する人は、40~50代の女性に最も多く、出稿企業ごとに見てもその傾向はほぼ変わらないことがわかりました。

今後はインターネットネイティブが中高年にも進出していくため、広告の形がどのように変化するのか、目が離せません。

▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザでキーワード分析やトレンド調査を行えます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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この記事のライター

2024年春にヴァリューズに入社しました。
大学では言語学を専攻していました。

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