ミニ保険注目をトリガーに「スマホ保険」「モバイル保険」ユーザーが増加

ミニ保険注目をトリガーに「スマホ保険」「モバイル保険」ユーザーが増加

富裕層から一般層へ入れ替わる主要ユーザー


ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、一般ネットユーザーの行動ログを用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用して、スマートフォンやモバイル機器のミニ保険サイトの利用動向を調査しました。

生命保険、損害保険に続く「第三の保険」として、少額・短期のミニ保険(少額短期保険)が注目を集め始めています。なかでもスマートフォンをはじめとするモバイル機器の補償はユニークなサービスが増え、従来のキャリアによる端末補償サービスから乗り換えを検討するユーザーも増えている模様です。

分析概要

ヴァリューズ保有モニターパネル(20代以上)のログデータを用いて、「モバイル保険」「スマホ保険」を中心とする主要モバイル機器保険サイトのユーザーの行動ログを分析した。行動ログは、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用。データはヴァリューズ保有のモニターでの出現率を基に、国内ネット人口に換算して推測。

考察サマリ

「スマホ保険」が1月に急伸、類似サービスの利用も牽引

保険金額が少額で保険期間が短期の保険だけを扱う少額短期保険(ミニ保険)業者制度のスタートから13年。この間にスマホをはじめとするモバイル機器は生活必需品の一部と化しました。24時間365日加入可能なミニ保険との親和性の高さから、多様なモバイル機器向けミニ保険サービスが登場しています【図表1】。

図表1 主なモバイル機器向けミニ保険サービス(各社サイトより作成)

「スマホ保険」は2018年9月に「スタートアップ@NIKKEI」で取り上げられた影響か、10月にユーザーが急増しています【図表2】。

12月には中古携帯電話全般の買取・販売を行う株式会社携帯市場と提携。同社が扱う全中古スマートフォンに保険が適用されるようになり、InsurTech、FinTechアワードへのノミネートでも注目を集め、2019年1月に過去最高のユーザー数を獲得しました。

「モバイル保険」は2016年サービス開始の先駆け。2018年3月にユーザーが急増するものの4月以降は停滞気味でしたが、やはり2019年1月に急増しました。

図表2 主要サービスのユーザー数推移
(2018年2月~2019年1月、PCおよびスマートフォンでの閲覧)

「スマート補償」や「モバイル補償」も1月は利用が多く、「スマホ保険」が注目されたことにより、ミニ保険市場全体への関心が高まったのかもしれません。
※「スマート補償」は2019年現在、新規申込み受付を終了している。

女性ユーザーがじわじわと増加

利用が多い「モバイル保険」「スマホ保険」を対象に、ユーザー属性の推移を四半期ごとに確認しました。

男女別では全体に男性が多いものの、「スマホ保険」はじわじわと女性が増加。直近3ヶ月だと40.7%が女性ユーザーです。

「モバイル保険」も直近3ヶ月は29.7%まで女性比率が上がりましたが、「スマホ保険」ほどの勢いは見られませんでした【図表3】。

図表3 直近1年間のモバイル保険とスマホ保険のユーザー層推移
(3ヶ月ごと、男女別、PCおよびスマートフォンでの閲覧)

比較サイトやポイントサイトに高い関心

「モバイル保険」「スマホ保険」サイトを利用したユーザーが一般ユーザーよりも特徴的に多く使っているサイトを確認しました【図表4】。

ユーザー全体に比べて最も利用が多いのは「楽天市場」と「価格.com」で、いずれも50ポイント以上の差がつきました。両サイトは保険の比較コンテンツを提供しているので、お得な保険選びの参考にされているのかもしれません。

「Yahoo! ショッピング」や「Amazon.co.jp」といったECサイトも利用が多く、ネットで価格やサービスを比較し買い物までワンストップですませるタイプのユーザー像を想起させます。また、ユーザー全体ではリーチ率が約3%の「Gポイント」も半数程度が利用していて、ポイント獲得に対する意識が高そうです。

図表4 「モバイル保険」「スマホ保険」ユーザーが特徴的に多く使っているサイト

図表4 「モバイル保険」「スマホ保険」ユーザーが特徴的に多く使っているサイト
(2018年11月-2019年1月の3ヶ月、スマートフォンでの閲覧)

本格市場到来はこれから? 現時点の関心は「自動車保険」や「社会保険」

eMark+のKeyword Finder「指定キーワードランキング」で「保険」または「補償」でネット検索したユーザーの掛け合わせ検索ワードを年代、個人年収別に分析してみました。いまのところモバイル機器保険やミニ保険に関するキーワードは上位に登場していませんでした【図表5】。

比較的個人年収の高い層だと「自動車保険」「大人の自動車保険」「おとなの自動車保険」など自動車保険や「社会保険料」「社会保険」に対する関心が高い傾向です。「介護保険料」「介護保険」といった介護関連は50代の関心を集めています。

「国民健康保険」や「国民健康保険料」、「失業保険」は40代で個人年収が400万円に満たないユーザーが中心。「保険証」「年末調整」は比較的年収が低いなかでもやや若いユーザーの利用が多かったキーワードです。

図表5 「保険」「補償」検索ユーザーの併用キーワード
(2018年2月~2019年1月、PCでの閲覧)

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


新NISA開始!NISAとiDeCoで検討者を比較調査

新NISA開始!NISAとiDeCoで検討者を比較調査

2024年1月から新NISAが開始されました。今回の調査では、新NISAは若年層や未婚者の関心が高く、積極的に資産の運用をしたいと考える人が多いと推測できそうです。一方のiDeCoは、40代以降の年代で新NISAよりも関心が高く、老後の資産形成を意識しているといえるでしょう。NISAを始め、iDeCoとも比較しながら、新NISAの検索者の属性や興味関心について分析しました。


ふるさと納税はどんな人が検討している?セグメントごとの特徴を調査

ふるさと納税はどんな人が検討している?セグメントごとの特徴を調査

年末が近づくにつれて注目度が高まるふるさと納税。そのユーザー像はどのようなものなのでしょうか。検討の度合いから検討者を5つのセグメントに分類し、実態を調査しました。


データ分析のヴァリューズ、「デジタル・トレンド白書2023 – 金融編」を公開

データ分析のヴァリューズ、「デジタル・トレンド白書2023 – 金融編」を公開

ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。その中から注目領域の調査・コラムをピックアップし、白書として収録。2021年の発行から3回目を迎える「デジタル・トレンド白書2023」は、「金融編」についてご紹介します。※レポートは無料でダウンロード頂けます。(ページ数|134P)


7 cutting-edge marketing examples of banking apps around the world

7 cutting-edge marketing examples of banking apps around the world

For financial institutions, apps are important channels for connecting with customers. However, there are common concerns that “the number of users show little growth” or they are “not making effective use of the customer base.” We will introduce examples of how financial institutions are marketing their apps.


広がるBaaSの事例を解説「第一生命NEOBANK」の利用者数や特徴は?

広がるBaaSの事例を解説「第一生命NEOBANK」の利用者数や特徴は?

「BaaS」とは金融機関以外の企業が金融サービスを提供することを意味します。小売業がこれら決済システムを導入した結果、利便性や顧客満足度の向上が実現した事例もあります。今回は、住信SBIと第一生命が提供するスマートフォンアプリ「第一生命NEOBANK」の登録利用者について調査しました。


最新の投稿


広報・マーケティング担当者の約9割がPR施策に悩み・失敗を実感【リンクアンドパートナーズ調査】

広報・マーケティング担当者の約9割がPR施策に悩み・失敗を実感【リンクアンドパートナーズ調査】

株式会社リンクアンドパートナーズは、上場企業に勤めており、PR施策を行っている広報担当者・マーケ担当者を対象に、「上場企業のPR施策の実態に関する調査」を実施し、結果を公開しました。


推し活は生活の一部?時間もお金も、約4割を「推し活」に費やしている【博報堂・SIGNING調査】

推し活は生活の一部?時間もお金も、約4割を「推し活」に費やしている【博報堂・SIGNING調査】

株式会社博報堂、博報堂DYグループの株式会社 SIGNING は、生活者発想で経営を考える研究開発・社会実装プロジェクト「HAKUHODO HUMANOMICS STUDIO」の活動の第二弾として「オシノミクス プロジェクト」を発足、「オシノミクス レポート」を発表しました。


サイバーエージェント、Amazon Ads運用最適化ツール「PARADE」を開発 リアルタイムな情報管理が可能に

サイバーエージェント、Amazon Ads運用最適化ツール「PARADE」を開発 リアルタイムな情報管理が可能に

株式会社サイバーエージェントはインターネット広告事業において、Amazon Adsにおける運用最適化ツール「PARADE(パレード)」を開発したことを発表しました。


企業イメージ経営 ~ キャラクターの威力

企業イメージ経営 ~ キャラクターの威力

企業イメージと聞き、最初に思いつくのはロゴでしょうか、色でしょうか、それともキャラクター?昨今では、キャラクターを用いての広告戦略は企業だけでなく、地域おこしなど、あらゆるところで目にするようになりました。誰も彼もが深い意味もなく「かわいい」と愛着を感じてしまう「ゆるキャラ」や企業のイメージキャラクター。実はそこに認知心理学が深く関わっているようです。本稿では人心を捉えるために計算尽くされたキャラクターの威力について、株式会社創造開発研究所所長を務める渡部数俊氏が解説します。


現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「バレンタイン」×「推し活」、大学受験の「応援・ご自愛ニーズ」とは?(2024年1月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「バレンタイン」×「推し活」、大学受験の「応援・ご自愛ニーズ」とは?(2024年1月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第15弾となる今回は、Z世代とミレニアル世代の検索キーワードランキングから、「バレンタイン」「大学受験」の2テーマを取り上げてZ世代のトレンドをお送りします。 お菓子の手作り・購入のみならず、推し活やファッションにも広がるバレンタイン市場の様子や、大学受験にまつわるマーケティング・消費行動など、データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代のニーズを読み解きます。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ