生成AIを業務活用している約6割が"1年以内"にAIエージェント導入を計画!「複雑な業務プロセス全体の自動化」に高い期待【Allganize Japan調査】

生成AIを業務活用している約6割が"1年以内"にAIエージェント導入を計画!「複雑な業務プロセス全体の自動化」に高い期待【Allganize Japan調査】

Allganize Japan株式会社は、日本企業における生成AI活用の実態と、AIエージェント導入の動向を把握することを目的とて、生成AIを導入している従業員規模100人以上の企業団体に勤める正社員および経営層(役員クラス)を対象に「企業におけるAIエージェント導入」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


生成AIの業務活用が現場レベルで定着!「全社活用」や「複雑な業務への適応」などが課題に

今回の調査において、まずはすでに何らかの生成AIツールを導入・活用している企業に勤務している方に状況をうかがいました。はじめに、「勤務先での生成AIツールの活用状況について」確認したところ、次のような回答になりました。

企業における生成AIの活用は順調に進展しており、約8割が『業務効率化に貢献している』ことを実感しています。また、『特定の部署やチームで効果的に活用されている』との回答も約8割に達し、多くの企業で効果的に活用されている状況が確認できます。

一方で、『全社的に広く活用されている』は約半数と、組織全体への展開にはまだ余地があります。特に『利用者のスキル・知識にかかわらず、誰もが均等に活用できている』と回答した人が約半数であることから、社員間での活用格差が生じているケースがあることが推察されます。これは生成AIツールが専門知識やスキルを要する場合があり、組織内での均等な活用に課題があることを示しています。

では、具体的にどのように生成AIツールを活用しているのでしょうか。

企業で導入されている生成AIを見ると、『テキスト生成・校正・文章作成支援』の全社導入率が3割を超え、次いで『一般情報からの検索(28.8%)』『社内文書・ナレッジベースの検索・質問応答(26.2%)』が比較的高い水準で導入されています。これらは汎用性が高く、ROIも明確にしやすいカテゴリであることが共通しています。

また、本導入まではないまでも、ほぼすべてのカテゴリで1〜3割前後が『試験的に導入している』『導入を検討中である』と回答しており、ここから本格的な全社展開に進むか岐路に立っている企業も少なくないことがわかります。

AIエージェントの認知は、生成AIを活用している人の中でも二極化。AIエージェントの認知層の6割が、1年以内の導入を計画

同じく生成AIを業務活用していると回答した対象者に「AIエージェントに関する認知状況」を尋ねた結果、約4割が『詳しく知っている』または『ある程度知っている』と回答した一方で、約4割が『言葉だけ知っている』あるいは『わからない』と回答しており、理解度に大きな二極化が見られました。

AIエージェントという名称や存在自体は徐々に浸透しつつあるものの、技術的な詳細や具体的な活用例まで理解している方はまだ限定的です。

一方で、AIエージェントを認知している回答者のうち、すでに導入を検討している割合が多く、「実証実験段階」「導入検討中」「情報収集段階」などを含めると、約半数以上が企業におけるAIエージェントの活用に注目していることがわかります。

一部の企業向けAIソリューションにおいては、機能や領域を限定した平易なAIエージェント機能の提供もされており、実際にAIエージェントを活用し始めている企業も増えつつあります。「すでに導入している」の回答結果からも、最新技術に取り組む先進的な企業の存在が明らかになりました。

『導入を決定し、準備を進めている』『実証実験段階である』『導入を検討中である』『情報収集段階である』と回答した方に、「導入予定時期」について尋ねたところ、約6割が『3ヶ月以内(4.9%)』『6ヶ月以内(16.8%)』『1年以内(36.6%)』と回答しています。2025年後半から2026年前半にかけてAIエージェントの企業導入が本格化し、市場が形成されていくことが期待される状況です。

このように、AIエージェントの認知や導入意欲は着実に高まっており、多くの企業がその価値に注目しています。一方で、導入への温度感や理解度には差があり、業種や職種による適用性の違いも影響していると考えられます。今後は、企業におけるAIエージェントの活用例の明確化や、導入メリットの可視化が、導入判断の分岐点となると考えられます。

業務課題に対するAIエージェントへの期待値とは?

AIエージェントについて「知っている」と回答した方に、「AIエージェントの特徴の中で魅力的に感じるもの」について尋ねたところ、『複雑な業務プロセス全体を自動化できる(43.4%)』が最多となり、『外部システム・ツールなどと連携し、目的達成のために必要な連携先を自ら選択して実行できる(39.0%)』『人とやりとりするように、自然言語でAIと対話しながら一連の業務フローを自動化できる(37.0%)』が続きました。

AIエージェントに対して企業が最も魅力を感じている点は、高度な自律性と横断的な業務支援力です。これらの特徴は、単なる個別タスクの効率化を超えた、組織全体の業務変革への期待を強く示しています。

「自然言語でAIと対話しながら業務を自動化できる」点も高く評価されていることから、専門知識がなくても直感的に操作できるインターフェースへの期待も大きいことがうかがえます。これは、AIエージェントで利用者の知識・スキル差による活用格差を解消し、現場の誰もがAIを活用して革新的な業務効率化や高度化を実現できる状態を作り出すことに高い期待が寄せられていることが読み取れます。

実際に「AIエージェントで解決したい業務課題」としては、『業務時間の短縮・残業時間の削減(35.7%)』『人材不足の解消(33.2%)』『データ活用の促進(32.2%)』が上位に挙がっており、いずれも人手不足やリソースの最適化といった企業の根本課題に直結しています。AIエージェントの導入は、単なる効率化にとどまらず、企業組織の持続性や競争力を高める基盤として期待されています。

AIエージェントの企業導入・運用において重要な要素とは?

実際にAIエージェントをすでに導入している企業では、『データ収集・分析・洞察(50.0%)』『社内問い合わせ対応(41.4%)』『顧客サポート・接客支援(39.8%)』など、情報の収集・分析・伝達に関わる業務での活用が進んでいます。これらは、AIエージェントが情報処理とコミュニケーション領域で高い価値を発揮していることを示しています。

また、『会議・スケジュール調整支援(35.9%)』や『市場・競合調査分析(35.9%)』など、複数システムやデータソースを横断する業務にも活用が広がっており、AIエージェントが組織横断的な業務プロセスの効率化に大きく貢献していることがわかります。

最後に、AIエージェントを『すでに導入している』『導入を決定し、準備を進めている』『実証実験段階である』『導入を検討中である』『情報収集段階である』と回答した方に、「AIエージェント導入において重要と感じる要素」について尋ねたところ、『社内システムとの容易な連携(39.5%)』が最多で、『短期間での効果実証(31.6%)』『低コストでの試験導入(31.0%)』が続きました。

AIエージェントの価値を最大限発揮するためには、一連の業務に関するシステムやデータにアクセスできることが重要です。今回の調査の結果からも、既存システムとの親和性と導入のしやすさを重視していることが明らかになりました。AIエージェントが現場の業務フローやIT基盤にどれだけスムーズに組み込めるかが、普及のカギとなっています。今後はこうした「導入しやすさ」と「即効性」が、AIエージェント普及の大きな原動力となることが推察されます。

調査概要

【調査期間】2025年4月3日(木)~2025年4月7日(月)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】1,000人
【調査対象】調査回答時に、勤務先で生成AIを導入している従業員数100人以上の企業団体に勤める正社員・経営層と回答したモニター
【調査元】Allganize Japan株式会社
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

※本調査におけるAIエージェント
生成AI技術を基盤としながら、次の特徴を持つより高度なシステムを指します。
・複数のツール・システムと連携する能力
・目的達成に必要なプロセスを自ら考え、計画・実行する能力
・一連の業務プロセスを自律的に遂行する能力

出典元:Allganize Japan株式会社

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000034106.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

【関連記事】生成AIは誰がどう使っている? ChatGPT、Gemini、Copilot、Claudeの利用データを比較調査

https://manamina.valuesccg.com/articles/4067

ChatGPTやGeminiをはじめとした生成AIが近年急拡大しています。生成AIではテキストのみならず画像や音声など様々なものを出力できますが、実際はどのように使われているのでしょうか。本稿では、そんな生成AIを利用するユーザーの属性や関心を比較・分析し、各AIとそのユーザーの実態を明らかにしていきます。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


マーケティング AI

関連する投稿


東京メトロ、unerryら、データ・メディアを掛け合わせたマーケティングプラットフォームの共創を開始

東京メトロ、unerryら、データ・メディアを掛け合わせたマーケティングプラットフォームの共創を開始

東京地下鉄株式会社、株式会社メトロアドエージェンシー、株式会社unerryの3社は業務提携し、東京における移動データを核としたマーケティングプラットフォームの共創を2025年5月23日より開始することを発表しました。


アップル、「iOS 18.5」を配信開始!iPhone 13でも衛星通信が利用可能に

アップル、「iOS 18.5」を配信開始!iPhone 13でも衛星通信が利用可能に

アップルは、iPhone用の最新OS「iOS 18.5」の配信を開始しました。iPhone 13シリーズのすべてモデルで通信事業者が提供する衛星通信機能が利用可能になるほか、バグ修正、セキュリティアップデートが含まれています。


センタード、LLMO(大規模言語モデル最適化)・AIO(AI最適化)の認知度と取り組み状況について調査結果を公開

センタード、LLMO(大規模言語モデル最適化)・AIO(AI最適化)の認知度と取り組み状況について調査結果を公開

株式会社センタードは、SEO対策に関わっている方/ブログ記事作成で生成AIを使っている方を対象に、「SEOにおけるLLMO/AIO」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


アウンコンサルティング、世界40カ国・地域におけるAI関連の検索キーワード調査結果を発表

アウンコンサルティング、世界40カ国・地域におけるAI関連の検索キーワード調査結果を発表

アウンコンサルティング株式会社は、世界40カ国・地域を対象に、2025年1月15日から2025年4月10日までの期間における、「AI」に関連したGoogle検索のキーワードを調査し、結果を公開しました。


博報堂DYグループ3社、TikTokのECプラットフォーム「TikTok Shop」活用のためのトータル支援サービスを提供開始

博報堂DYグループ3社、TikTokのECプラットフォーム「TikTok Shop」活用のためのトータル支援サービスを提供開始

株式会社博報堂、株式会社Hakuhodo DY ONE、株式会社博報堂プロダクツは、⽇本での「TikTok Shop」の開始に向け、導入企業を対象とした新サービスの提供を開始することを発表しました。


最新の投稿


東京メトロ、unerryら、データ・メディアを掛け合わせたマーケティングプラットフォームの共創を開始

東京メトロ、unerryら、データ・メディアを掛け合わせたマーケティングプラットフォームの共創を開始

東京地下鉄株式会社、株式会社メトロアドエージェンシー、株式会社unerryの3社は業務提携し、東京における移動データを核としたマーケティングプラットフォームの共創を2025年5月23日より開始することを発表しました。


アップル、「iOS 18.5」を配信開始!iPhone 13でも衛星通信が利用可能に

アップル、「iOS 18.5」を配信開始!iPhone 13でも衛星通信が利用可能に

アップルは、iPhone用の最新OS「iOS 18.5」の配信を開始しました。iPhone 13シリーズのすべてモデルで通信事業者が提供する衛星通信機能が利用可能になるほか、バグ修正、セキュリティアップデートが含まれています。


センタード、LLMO(大規模言語モデル最適化)・AIO(AI最適化)の認知度と取り組み状況について調査結果を公開

センタード、LLMO(大規模言語モデル最適化)・AIO(AI最適化)の認知度と取り組み状況について調査結果を公開

株式会社センタードは、SEO対策に関わっている方/ブログ記事作成で生成AIを使っている方を対象に、「SEOにおけるLLMO/AIO」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


【2025年5月19日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

【2025年5月19日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

編集部がピックアップしたマーケティングセミナー・勉強会・イベントを一覧化してお届けします。


アウンコンサルティング、世界40カ国・地域におけるAI関連の検索キーワード調査結果を発表

アウンコンサルティング、世界40カ国・地域におけるAI関連の検索キーワード調査結果を発表

アウンコンサルティング株式会社は、世界40カ国・地域を対象に、2025年1月15日から2025年4月10日までの期間における、「AI」に関連したGoogle検索のキーワードを調査し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ