VR体験、パブ、モバイルバッテリーレンタル…東京オリンピック・パラリンピック影響で伸びるサービスを予測!

VR体験、パブ、モバイルバッテリーレンタル…東京オリンピック・パラリンピック影響で伸びるサービスを予測!

早いもので2020年東京オリンピック・パラリンピック開催まで残り8ヶ月を切りました。東京オリンピック・パラリンピックを目前に控え、今後は周辺での動きが活発化していくと思われます。そこで、今回はeMark+を使ってオリンピックの競技以外に着目し、東京オリンピック・パラリンピックの影響を受けて流行りそうなモノやサービスについて予測していきます。


VR体験などの体験型コンテンツが人気に?!

東京オリンピック・パラリンピックでは、どんなモノやサービスが流行るのでしょうか?

今年、日本で開催されたラグビーワールドカップ2019日本大会を例にとって、どんなサイトが伸びているのかを見てみました。まずは、eMark+Target Focusを使って、ラグビーワールドカップ2019日本大会の公式サイトを閲覧しているユーザーが併用しているサイトの一覧を作成しました。

各サイト訪問者のうちラグビーワールドカップ公式サイト閲覧者が占める割合を示す「含有率(※)」が高いサイトを見てみたところ、上位はラグビー関連のサイトが多く占めている中で、スポーツアパレルメーカーの「ゴールドウイン」のウェブサイトが13位にランクインしていました。「ゴールドウイン」はニュージーランド生まれの世界的なラグビーブランド「CANTERBURY(カンタベリー)」の商品を取り扱っており、ラグビーワールドカップ開催をフックに人気を集めたことが考えられます。ユーザー数推移を見ても、10月は対前月比約1.4倍となっており注目されていたことがうかがえました。

このように、まずは競技に関連するスポーツウェアやグッズに人気が集まることが予想されます。

※含有率:該当サイトの閲覧者のうち、ターゲットとして条件を設定したユーザーが含まれる割合

併用サイトランキング

<ゴールドウインの公式サイト>

ユーザー数推移

「ゴールドウイン公式サイト」ユーザー数推移(デバイス:PC・スマートフォン合算)

続いて、ランクインしていたのが株式会社ジェイ・スポーツが運営している「J SPORTS」でした。

J SPORTSはラグビーの試合を放送・オンデマンド配信しているほかに、モバイル端末とVRゴーグルを合わせて使用する360度動画や、バーチャル空間の中で巨大スクリーンに映し出される動画を楽しめるJ SPORTS VRを提供しており、ラグビー場などでもVRコンテンツを体験できるブースを設置するなど、VRに注力しているようです。

トリップアドバイザーが発表した『インバウンドレポート2019(29P)』の中でも“文化&テーマ別ツアー”アクティビティが前年比132%と大きく伸びていることもあり、訪日外国人からはコト消費でもある体験型コンテンツが注目されると思われます。

訪日外国人の日本に対する興味は、アニメ・漫画・ゲームに集中しているとも言われており、オリンピック観戦ついでに手軽に楽しめるエンタテイメントとしてVRを体験できるアミューズメント施設の人気が高まることが予想されます。東京にはVR体験施設が多いこともあり、オリンピック開催と同時にさらに興味関心が高くなる可能性があります。

<J SPORTSの公式サイト>

J SPORTS

「J SPORTS公式サイト」ユーザー数推移(デバイス:PC・スマートフォン合算)

ラグビーW杯でも経済効果があったパブが、オリンピックでも熱い!

ニュースなど、各メディアでも取り上げられたように、ラグビーワールドカップ2019日本大会での日本国内の経済効果が顕著に出たのが、ビールやその他の酒類を提供している「パブ」と言われています。

英国式パブ「HUB」や「82」を全国で展開するハブの公式サイトのユーザー数を見てみたところ、ラグビーワールドカップが開催されていた2019年9月、10月は月間ユーザー数が10万人を超えており関心を寄せられていたことがわかります。

「HUB」では、ラグビーの試合を積極的に放映したりキャンペーンを実施したりと、ラグビーファンをしっかりと獲得したようです。東京オリンピック・パラリンピック期間中は8月ということもあり、さらにビールなどのアルコール飲料の消費が増えることが予想されます。オリンピックに向けて、各飲料メーカーや飲食店がどのような施策でファンを拡大していくのか楽しみです。

<ハブの公式サイト>

ユーザー数推移

「ハブ公式サイト」ユーザー数推移(デバイス:PC・スマートフォン合算)

モバイルバッテリーのシェアリングサービスが本格的に増加

オリンピック開催にあたり、情報や地図の検索などでスマートフォンを活用する場面が増えることが予想されます。

そんな中、スマホの充電切れは致命的となるはずです。そこで、街中でいつでもモバイルバッテリーレンタルができるサービスがいよいよ本格的に増えてくると思われます。

モバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT」も毎月ユーザー数を増やしており、9月以降はさらにユーザー数が伸びています。

オリンピック開催中のモバイルバッテリーの需要の高まりが予想され、設置場所の多さが利便性を高めることは言うまでもないので、今後どれくらい設置場所が増えるかが重要となってくることでしょう。

ユーザー数推移

「ChargeSPOTのアプリ」ユーザー数推移(デバイス:スマートフォン)

まとめ

今回、東京オリンピック・パラリンピック影響で伸びる可能性のあるサービスとして挙げた、VR体験施設、パブ、モバイルバッテリーレンタル以外にも、「akippa(あきっぱ)」などに代表される駐車場予約サービスや、「Airbnb‎(エアビーアンドビー)」などの民泊サービス、2019年の夏も流行した持ち運べる「ハンディファン」など暑さ対策グッズ等、スポーツ関連だけでなく、様々な商品・サービスの需要が高まることが予想されます。

分析概要

ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービスeMark+を使用し、2019年6月~11月のネット行動ログデータを分析しました。
※アプリ起動ユーザー数は、Androidスマートフォンでの起動を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


新NISA開始1年を振り返る。暴落、厚切りジェイソン、社会保険料が話題に

新NISA開始1年を振り返る。暴落、厚切りジェイソン、社会保険料が話題に

2024年1月から新NISAが始まり、資産形成が重要視される風潮も相まって高い関心を集めました。本稿では、新NISAが開始されてからの1年間をニュースやデータとともに振り返り、新NISAによって人々の関心がどのように移ろいでいったのかを調べていきます。


「趣味」検索者を分析!新たな趣味に挑戦したい若者、趣味で交流したい中高年

「趣味」検索者を分析!新たな趣味に挑戦したい若者、趣味で交流したい中高年

初対面で必ずといっていいほど話題にのぼる趣味。年代によって趣味にどのような傾向があるのでしょうか。「趣味」検索者を調査しました。また「編み物」を例とし、若者と中高年の取り組み方の違いも分析しました。


【2025年】花粉症の検索トレンド分析。近年注目されている対策は?

【2025年】花粉症の検索トレンド分析。近年注目されている対策は?

「時期が早い」「花粉飛散量が多い」と言われている2025年春、花粉症に悩まされている方々も多いのではないでしょうか。「花粉症」についての検索者はいつ多くなるのか、どのような人なのか、さらに注目の花粉症対策について調査しました。 ※本記事に掲載する医療情報や健康関連情報は一般的な参考情報を提供するものであり、内容の正確性や信頼性を担保するものではありません。個別の状況においては必ず医師や専門家に相談してください。


電気やガスを使った分だけ株がもらえる!話題の新サービス「カブアンド」を調査

電気やガスを使った分だけ株がもらえる!話題の新サービス「カブアンド」を調査

申し込み殺到により一時受付を停止した、話題の新サービス「カブアンド」。電気やガス、モバイル、ネット回線などを使った分だけ株がもらえるという、革新的なビジネスモデルで注目を集めています。今回は、世間の関心が高まった背景や、同サービスがどのような人に検討されているのか、公式サイトの閲覧者データをもとに分析していきます。


データ分析のヴァリューズ、 「デジタル・トレンド白書2024 – 金融編」を公開

データ分析のヴァリューズ、 「デジタル・トレンド白書2024 – 金融編」を公開

ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。その中から注目領域の調査・コラムをピックアップし、白書として収録。2021年の発行から4回目を迎えます。今回は2023年下半期から2024年に公開した調査から厳選し、金融業界のデジタル動向をまとめた「デジタル・トレンド白書2024 – 金融編」を公開しました。ダウンロード特典として、銀行、証券など金融各業界のサイトランキングも収録しています。(「デジタル・トレンド白書2024 – 金融編」ページ数|90P)


最新の投稿


Criteo、「2025年度ゴールデンウィーク消費動向レポート」を発表

Criteo、「2025年度ゴールデンウィーク消費動向レポート」を発表

Criteoは、日本人約1,200人以上を対象に、ゴールデンウィーク(GW)の消費動向に関する調査を実施し、連休期間前後の旅行計画や購買への影響についてまとめたレポート「2025年度ゴールデンウィーク消費動向レポート」を発表しました。


【2025年5月5日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

【2025年5月5日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

編集部がピックアップしたマーケティングセミナー・勉強会・イベントを一覧化してお届けします。


GMO NIKKO、Z世代マーケティング支援サービス「Z世代トレンドラボ byGMO」提供開始

GMO NIKKO、Z世代マーケティング支援サービス「Z世代トレンドラボ byGMO」提供開始

GMO NIKKO株式会社は、Z世代とのコミュニケーションに課題を持つ企業に向けたマーケティング支援サービス「Z世代トレンドラボ byGMO」を提供開始したことを発表しました。


ChatGPTの登場で検索行動はどう変化した?「検索離れ」の5つの要因

ChatGPTの登場で検索行動はどう変化した?「検索離れ」の5つの要因

世間ではさまざまな「〇〇離れ」が話題になっています。その一つに、「検索離れ」があります。この記事では、実際に検索離れが起きているのか、検索ワードごとで変化に違いがあるのか、そして検索行動が変わった要因について、2022年からの3年間のデータを分析していきます。


事業会社マーケターの7割以上が生成AIを「導入済み」または「検証中」!生成AIが個人ツールから組織的な戦略資産へ【Sprocket調査】

事業会社マーケターの7割以上が生成AIを「導入済み」または「検証中」!生成AIが個人ツールから組織的な戦略資産へ【Sprocket調査】

株式会社Sprocketは、企業の生成AI導入・活用状況に関する最新調査を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ