コロナで変化した食生活と食に関する意識を調査 ~ 自粛で増えた手作り料理、約8割が継続意向。オンライン飲み会、性年代別で人気おつまみに違いも

コロナで変化した食生活と食に関する意識を調査 ~ 自粛で増えた手作り料理、約8割が継続意向。オンライン飲み会、性年代別で人気おつまみに違いも

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズは、国内の20歳以上の男女10,007人を対象に、新型コロナウイルス感染拡大前後での食生活の変化や食に対する意識変化をアンケートにて調査しました。


コロナで内食・中食志向に変化した食事形態、「手作り料理」が1位

新型コロナウイルス感染拡大後に増えた食事形態は、1位「手作り料理」、2位「店舗のフードテイクアウトサービスの利用」となりました。

3位以下には「冷凍食品の利用」「レトルト食品の利用」「インスタント食品の利用」が続き、内食・中食ともに需要が増えたことがうかがえます。対して減った食事形態では、自粛により外出が減った影響からか「外食」が圧倒的1位になりました。

男女で比較すると、女性は男性より「手作り料理」 が10Pt以上も増えていました。

図1

また性年代別では、「冷凍食品の利用」は男女とも60代以上にやや多く、高齢層には外出を控えできるだけ家庭内で貯蔵できる食品のニーズが高まったようです。

一方で多くのサービスが台頭した「フードデリバリーサービスの利用」や「オンライン飲み会」は男女20代を中心に利用されていました。

図2

自炊はうどん・そば・パスタなど一皿で完結する料理が人気

手作り料理の頻度が増えた人に、よく作るようになった料理を聞くと、TOP2を「うどん・そば・そうめん」「パスタ・スパゲッティ」といった麺類が占めました。手間がかからず一皿で完結するメニューが人気のようです。

男女比較を差分でみると、男性では「カレー・シチュー・ハヤシライス」「野菜炒め」が人気でしたが、女性では「煮物・煮込み料理」「クッキー・焼き菓子」「ケーキ・マフィン」と、比較的手間のかかる料理やスイーツ系にチャレンジする人が多いようです。

図3

手作り料理が増えた人の約8割が今後も料理継続意向

手作り料理の頻度が増えた人に、食生活や料理、健康に関する意識の変化を聞いたところ、約8割が「これからも手作り料理は続けていきたいと思う」と回答。Withコロナ時代においても、しばらくは料理の習慣が定着しそうです。

一方で、「料理や手間や時間をかけずに作りたいと思うようになった」という声も多く、コロナ拡大後に手作りが増えた層にとっては「時短レシピ」や「手抜きレシピ」などの需要もありそうです。

図4

スーパーやコンビニでの食品購入が大幅増加、デパートなどの大型店舗は大幅減

コロナ影響で増えた食品購入場所は、1位「スーパーマーケット」、2位「コンビニエンスストア」、3位「ドラッグストア」でした。外出自粛による手作り料理の需要が増えた影響で利用者が増えたと推測されます。また「インターネット専業通販サイト」「ネットスーパー」など、そもそも外出しないで済む食品購入方法も大幅に利用者を伸ばしたようです。

減った食品購入場所では、「デパート・百貨店」「大型ショッピングセンター・モール」などの大型店舗が高齢層の利用自粛の影響を受けたとみられます。また外食控えから「飲食店」での食品購入も減っていました。

図5

日常的に使う食材のお取り寄せ需要増、20~40代では高級食材の取り寄せも人気

続いて食品や食材の取り寄せが増えた人にどんな食材を取り寄せたか聞いたところ、全体では「日常的な料理に使う食材」が1位となりました。日常的な買い物に代わってお取り寄せの利用機会が増えたことがわかります。

性年代別でみると、「日常的に料理に使う食材」「調理が簡単な食材」の取り寄せは特に女性50代以上で多く、高年齢層の食材取り寄せが増えたようです。

一方、20~40代は「高価・特別感のある食材」「食品ロス・フードロス削減に貢献できる食材」など、特別感のある体験・生産者支援の手段としてお取り寄せを利用する人も見られる結果となりました。

図6

ネットスーパー利用、若年人気で「Amazon Fresh」がTOP3入り

ネットスーパーの利用が増えた人に利用したネットスーパーを聞くと、1位「楽天西友ネットスーパー」、2位「イオンネットスーパー」、3位「Amazon Fresh」となりました。特に「Amazon Fresh」は男性20~30代と女性20代と若い世代からの支持が高く、利用を伸ばしているようです。

「イトーヨーカドーネットスーパー」「Oisix」は女性50~60代に人気でした。

図7

オンライン飲み会で飲むドリンクは「ビール」と「サワー」が人気を二分

オンライン飲み会の頻度が増えた人に、オンライン飲み会で飲むドリンクを聞いたところ、「ビール」「サワー」が人気を二分しました。「ワイン」「日本酒」などは比較的年齢の高い層に好まれていました。

男性では全体的に「ビール」「ウイスキー(ハイボール)」の人気が高いものの、男性20代の「サワー」人気が他年代と比較して突出しており、男性20代の好む飲み物は他年代と異なっているようです。

女性全体では「果実酒」「カクテル」など比較的飲みやすい味のお酒の人気が高くなりました。

図8

オンライン飲み会のつまみは全体的に軽食志向

オンライン飲み会の頻度が増えた人に、オンライン飲み会で食べる物を聞いたところ、1位「スナック菓子」、2位「ナッツ類・乾き物」、3位「チーズ」となりました。全体的に軽めのつまみが好まれているようです。

性年代別では、男性20代には「焼き鳥・唐揚げなど肉系のつまみ」が人気で、ボリューム重視が特徴的でしたが、高齢層や女性全般には「枝豆・きゅうり・サラダなど野菜系のつまみ」「刺身・たたきなど魚系のつまみ」が人気で、ヘルシー志向の食べ物が好まれていることがわかりました。

図9

調査・分析概要

全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)を対象として、2020年8月31日~9月14日に、スマートフォンによるアンケート調査を実施(回答者10,007人)。
※アンケート調査は性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計をおこなっている。
<調査項目>
新型コロナ感染拡大後に増えた/減った食事形態、作ることが増えた料理、食への意識変化、新型コロナ感染拡大後に増えた/減った食品購入場所、お取り寄せした食材、利用したネットスーパー、オンライン飲み会で飲むドリンク・食べ物を調査


本調査の詳細なレポートは下記より無料でダウンロード頂けます。

ホワイトペーパーダウンロード【無料】|「コロナで変化した食生活と食に関する意識調査」レポート

資料のダウンロードURLを、ご入力いただいたメールアドレスに送付させていただきます。
ご登録頂いた方にはVALUESからサービスのお知らせやご案内をさせて頂く場合がございます。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


人気デリバリーアプリ「Uber Eats」「出前館」「menu」「Wolt」のポジション分析|コロナ初期からの変化は?

人気デリバリーアプリ「Uber Eats」「出前館」「menu」「Wolt」のポジション分析|コロナ初期からの変化は?

人気出前アプリの「Uber Eats」「出前館」「menu」「Wolt」。コロナウイルスの蔓延も影響してここ数年で急激にニーズが高まった出前アプリですが、アフターコロナに向かいつつある現在はどのような利用実態になっているのでしょうか? 今回は人気出前アプリ4社を比較し、その動向やアプリごとのユーザー像を分析。また、コロナ初期と今でのシェアの違いについても調査します。


第一想起、購入意向など...ロイヤルティKPIとして選ぶべき指標は? | ホワイトペーパー

第一想起、購入意向など...ロイヤルティKPIとして選ぶべき指標は? | ホワイトペーパー

KGI(Key Goal Indicator / 最終目標)を達成する上で設定しておくべきKPI(Key Performance Indicator / 中間目標)。しかし、似たような指標が多かったり、アンケート結果と実際の数値に乖離があるなど、悩みが尽きないのがロイヤルティKPIです。ブランドが追っていくべき適切なKPIを設定するには、どうすべきなのでしょうか?KPIと購入の関連度を検証しました。


20代のSDGs意識、実は低かった?消費者の購買意識を調査 | ホワイトペーパー

20代のSDGs意識、実は低かった?消費者の購買意識を調査 | ホワイトペーパー

ブランディングやマーケティングにおいても欠かせない存在になってきた「SDGs」。「若者ほど意識が高い」というイメージはありませんか?今回は、実際に「SDGs」がどんな人にどれくらい認知されているのか、男女別にイメージの違いはあるのか、「SDGs」に配慮した商品の購入意向はどうなっているのか、アンケート調査を実施。消費者軸で、その動向を分析しました。


スマートニュースのユーザーはどんな人?データからみる消費ニーズと広告の可能性

スマートニュースのユーザーはどんな人?データからみる消費ニーズと広告の可能性

SmartNews(スマートニュース)は、約3000ものメディアから集めたニュースやコラムなどをまとめたニュースメディアです。スマートニュースアプリを利用するユーザーはどのような人たちなのか。どのような消費ニーズがあるのか。Web行動ログデータとアンケートデータをもとに検証しました。


消費者の「お得心」をくすぐりながらフードロスを減らせるアプリ「TABETE」とは?

消費者の「お得心」をくすぐりながらフードロスを減らせるアプリ「TABETE」とは?

食品業界のマーケターや、トレンドに敏感なマーケター層に向けて、食品のトレンドを分析します。今回のテーマはアプリ「TABETE」。食品ロスの削減を目的としたアプリですが、「社会貢献」だけではなく、「お得感」「達成感」を得られる工夫をしたことでユーザー数を増やしています。今回はそんな「TABETE」アプリについて、調査しました。


最新の投稿


トレンドワードに「WBC決勝」「AMAZON PRIME」など...「週間」検索キーワードランキング(2023/3/19~2023/3/25)

トレンドワードに「WBC決勝」「AMAZON PRIME」など...「週間」検索キーワードランキング(2023/3/19~2023/3/25)

行動ログをもとに週次の検索急上昇ワードランキングを作成し、トレンドになっているワードについて取り上げます。2023年3月19日~3月25日は、3月22日に放送されたWBC決勝(日本対アメリカ)に関する検索や、当試合の配信が国内の視聴数歴代1位となったAmazon Prime Video関連の検索が上位入りしました。


【2023年4月10日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

【2023年4月10日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

編集部がピックアップしたマーケティングセミナー・勉強会・イベントを一覧化してお届けします。


シーズナリー需要を掴む集客施策でギフトサービスのサイト流入が急上昇!

シーズナリー需要を掴む集客施策でギフトサービスのサイト流入が急上昇!

2023年2月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


話題のメタバースSNS「ボンディー(Bondee)」の実態とは。最新動向を調査

話題のメタバースSNS「ボンディー(Bondee)」の実態とは。最新動向を調査

2022年12月に彗星の如く現れた、スマートフォン向けのメタバースSNS「Bondee(ボンディー)」。Metadream社が開発したこの次世代アプリがアジア各国で人気急上昇中、日本でも特にZ世代を中心に注目を集めています。今回は、メタバースSNS「Bondee」とは何か、その実態と最新動向を調査します。


Web広告に注力する地銀は?再編が進む地方銀行のマーケティング事例を解説

Web広告に注力する地銀は?再編が進む地方銀行のマーケティング事例を解説

現在再編が進み「1県1グループ」になりつつある地方銀行(以下、地銀)。コロナ禍においては、対面での営業が難しい時期が長く続きました。そのため今後の地銀の活性化に向けては、デジタルマーケティングの施策が必要となっています。 今回は地方銀行のうち、2022年の1年間でアクセス数首位であったスルガ銀行、福岡銀行、横浜銀行、千葉銀行、埼玉りそな銀行について調査し、地銀が採るべきデジタルマーケティングのヒントを探りました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ