これから始める「デジタルマーケティング」「DX」〜戦略設計とWeb行動ログを活用した市場把握とは?|Web担当者Forum2020秋レポート

これから始める「デジタルマーケティング」「DX」〜戦略設計とWeb行動ログを活用した市場把握とは?|Web担当者Forum2020秋レポート

「デジタルマーケティング」と「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。コロナ禍において急速に普及が進む両キーワード。企業として一から始めようとすると、そもそもの知識が不足していたり、どう進めたらよいかわからない方が多いのではないでしょうか。本講演では、「カメラのキタムラ」や「スタジオマリオ」を全国展開し自社ECサイトでもカメラ機器販売や関連サービスを提供する株式会社キタムラが、データ分析パートナーである株式会社ヴァリューズとどのようにデータ分析を進めたのかを解説。地に足のついた一歩を踏み出すための、Web行動ログを活用した市場分析・戦略策定の方法を、実際の事例を交えながら紹介しました。


セミナー概要

本日のセミナー内容

「デジタル推進担当にありがちなこと」

1・何をすればよいのか、勝ち筋があるのかわからない
ー事業部長や経営から「伸ばせないの?」「伸ばせ!」と指示が来るが、コンテンツマーケとか良さそうに見えるけど、良い話も悪い話も聞くし、やるべきかわからない。
ーコロナでDX必要。EC立ち上げてくれ。と言われたが、勝ち筋があるかすらわからない

2・いろいろ試してみるけど結果が出ない
ー社長に言われてSNSをやってみるけど、全然結果が出ない
ーSEOをやっているが、そこまで大きく成果が出せない

このような状態になるのは、「戦略が原因」かもしれません。本セミナーではオンラインのデジタルマーケティング領域を中心に、確度高く良い戦略を立てる方法が共有されました。

図:本日お話しするDXの範囲

図:本日お話しするDXの範囲

スピーカー紹介

図:スピーカー紹介①

図:スピーカー紹介①

図:スピーカー紹介②

図:スピーカー紹介②

なぜ戦略を立てるのか?

株式会社ヴァリューズ 和田尚樹(以下、和田)
では早速、なぜ戦略が必要なのか、上田さんからご紹介頂きます。

株式会社キタムラ 上田寛人(以下、上田)
まず戦略とは、「限られたリソースの中で、何をやるかを決めること」と言えます。デジタルマーケティングやDXと言えば、やれることが無限にあると思いがちですが、やることを絞り込んでPDCAを回していくことが重要と考えています。

昨今AI、5G、DX、サブスク、AR、VRなど、いろいろとあって、社会の変化の対応でやれることが増えるのではないかと夢ばかりが膨らむのですが、弊社の副社長がそういった状況を埋蔵金に喩えて「埋蔵金は出ないから埋蔵金」といった話があるのです。要は「出るかわからない埋蔵金より、すでに市場が存在する競合をベースに堅実に戦略を考える」という事ですね。和田さんはどう考えられますか?

和田:データ分析全般が流行っていますので、なんでもデータ分析でできると考えられがちなところが気になります。これは上田さんとのプロジェクトにも言えるところですが、データ分析できちんとやれることに加え、店舗の従業員の方の協力という、データでは解決しないことにもとても重要な要素があると思うんです。そういう意味でも、今回はじめの一歩として「地に足のついたDXとは?」というのをキーワードにお話しできればと思います。

よくある失敗

上田:早速ですが、よくある失敗について、僕の体験を交えて例を挙げてみました。

■そもそも、戦略を立てない

■やろうとするも市場がない
自分の体験した一回の例で、市場がないところを攻めてしまう

■すでにやり切っていて白地がない
白地がないところを攻めても、伸ばせるかわからない

■どれだけ伸びるか数字で示せない
いくら費用をかければどこまで伸びるかわからず、酷いときは「わからないけど2倍」などキリの良い数字を使い派手に失敗する

図:上田氏

図:株式会社キタムラ 上田氏(オンラインセミナーにて)

良い戦略とは

和田:このような失敗を踏まえて、「良い戦略」とは「市場がある」、「競合の劣位がある」の2点が言えると思います。「競合の劣位がある」というのはニーズが市場に顕在化してきている、自社が入り込める余地があると言えます。
そういった点を見つけていくことを目標にデータ分析に取り組んでいます。

図:良い戦略

図:良い戦略

和田:データ分析をする時にも繋がるのですけれども、「施策に落としやすいもの」として、何かと「比較」する分析が重要と考えます。

図:データ分析の鉄則

図:データ分析の鉄則

ネット市場を俯瞰できるデータとは

和田:ではヴァリューズがどのようなデータを持っているかというと、約250万人の方々にご協力頂いた、インターネットでの行動ログデータを保持しています。サンプルと一緒に実際どのようなデータが取れているか見ていきましょう。

下記は弊社パネルからAmazonの検索データを分析したものですが、一般的な競合ツールだとUU、PV、ランキングなどまでとなりますが、ヴァリューズの分析ツールはURL単位で細かくログが参照できるので、UU、PV、CV、売上までも分析して見られるようになっています。

上田:この違いで連想いただくと、ヴァリューズの分析ツールだと、「ネット上の市場規模というものがほぼ俯瞰できる」ということがお分かり頂けるかと思います。

和田:UU、PVというところでは、「施策の運用」に役立てられますし、そこにさらにヴァリューズのデータを利用する事で、「戦略づくり」までお役立て頂けると思います。

図:一般的な競合分析ツールとの違い

図:一般的な競合分析ツールとの違い

データドリブンな戦略作りについて

上田:戦略を立てるにあたっては、3つのポイントがあります。

まず一つ目、競合のCV総数を分析して、どれくらいの市場があるのかを確認すること。
二つ目は、それらの競合をチャネル別に分析して注力領域を決めること。
三つ目は、その注力領域でどれだけ伸ばせるか数字目標を立て、必要予算を算出するということですね。

次の資料が上記3点の戦略のイメージを捉えた仕上がり図になります。

図:戦略イメージ

図:戦略イメージ

和田:例えば、非指名SEOという分野ですが、「カメラ買取」のSEOに関して、ヴァリューズのデータで分析した結果を見てみましょう。

例えば「カメラ買取」、「レンズ買取」といった、かなりざっくりとしたビッグワードで検索されたとして、それがどれぐらい競合との差があるのかが見られるようになっています。
それぞれどんな項目で自社がどれぐらいの位置にいるのか。自社よりも高いところにある競合とはどこなのかがわかります。ベンチマーク先を決め、自社との差分に着目してモニタリングすることも有効です。

上田:ポイントとしては、SEOというのはこのようにドリルダウンしていくと一個一個で競合が違ったり、白地の大きさも違ったりします。ある程度細かく見ていくと一番の伸ばし幅を見つける事ができると思いますので、分割した段階を細かく見ていく事がおすすめですね。

図:事例①:検索KWDにおける流入シェア分析

図:事例①:検索KWDにおける流入シェア分析

和田:キタムラ社で活用頂いているヴァリューズのデータですが、どういう形で実際に活用されているのかという話を簡潔にさせて頂くと、URLベースのデータをもとに、検索されているページURLのマスタを作り、加えて自社と競合の商品マスタを作成し、それをTableauというBIツールに入れて可視化、分析しています。

例えば、新商品のカメラ分析では、商品単位で自社と競合のサイト閲覧のシェアや、カート投入のシェアを比較することができ、高額機種ではどのような傾向があるか、など深掘り分析も可能です。

図:事例②自社・競合の商品比較分析

図:事例②自社・競合の商品比較分析

和田:今回SEOやECの周辺をお話しさせていただきましたが、他にも「ニーズ分析」や「競合DX」分析なども行っています。

■ニーズ分析
ー整備・メンテナンスの領域についてユーザーの検索クエリからニーズを探る。
どのようなニーズが大きいのか?どのようなユーザーが必要としているのか?

■競合DX分析
ーBtoB領域において、自社よりもデジタルマーケティングに注力している
 サービスに注目し、サイトの保有機能や集客チャネルを分析。

図:ヴァリューズ 和田

図:株式会社ヴァリューズ 和田(オンラインセミナーにて)

戦略策定後のポイント

上田:例えば最近で言うと、CRMとかMAとかに興味のある方がとても多いと思うんです。しかし、実際の運用は非常に煩雑で大変。いざツールを販売されても運用は自社で行わなければならなりません。しかもその工数は運用担当の片手間では済まないので、専任担当を設置することが必要不可欠です。

他にも戦略策定後の戦術や実行ポイントは結構ありますが、やはり何が一番重要なのかというのは、ちゃんと人を配置してやるべきだということですね。
経営に対しても、広告などへの投資も必要だけれども、デジタルマーケティング向けに人件費をより投入して欲しいという声もあげています。

和田:施策実行環境については、例えばレコーティングだったり報告や分析といったところをExcelなどで手作業でやるというのは、かなり工数かかる部分があるかと思います。そういった点はTableauなど、BIツールを入れることで時間短縮が可能です。

図:実務やDXについて

図:実務やDXについて

まとめ ~ データマーケティングを成功に導くために

和田:ここまで色々お話しさせていただきましたが、まず、データマーケティングを成功に導くためには、目的に合わせたデータを活用することが大事。最終的に思い描く絵にふさわしいデータを集めて活用していくということですね。そして、地に足がついたスモールスタートも大切です。今ある課題を整理して注視してゆくという姿勢ももちろん必要ですね。それらを積み重ねていくと、今まで見えなかったKPIや課題が解決できていくと思います。

上田:和田さんのご意見に加えて、戦術レイヤーだと「パートナー選び」も非常に重要だと考えます。

そして今日あまり触れられなかった「DX」部分で言うと、まずはオンラインがちゃんとできていないと成り立たないなと思っています。オンラインで得た知見をオフラインで展開することが大事。あとは、オフラインとオンラインで分業体制だったものが、それぞれの専門性を活かして、分業ではなく協業関係に変われば、一緒に利益を追求することに繋がることにもなると考えています。

和田:オンラインでPDCA回していくとか、データをちゃんと取って施策を進めていく習慣を根付かせて、オフラインにも活用していく。その両輪が回っていくことが成功の近道と言えそうですね。

図:まとめ

図:まとめ

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この記事のライター

マナミナ 編集部 ライター。
金融、通信、メディアなどを経てリサーチ業界へ。
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